タイトル:グレート剣 ギルド名:グレート剣(仮) ギルドマスター:アルフィン・クラウゼル ギルドレベル :4 Lv 経験点    :34/40 (残り:6) 総合経験点  :94 ■ギルドメンバー■ 名前         Lv メインクラス サポートクラス 種族      備考 アルフィン・クラウゼル7  シーフ    モンク     ヴァ―ナ(猫族) ギルドマスター ヤクシジ・ジン    7  ウォーリア  ガンスリンガー ヒューリン フラン・ルーク    7  メイジ    サモナー    エルダナーン シュリー・アンジュ  7  アコライト  セージ     エルダナーン クロエ・クロムウェル 7  シーフ    ニンジャ    ヒューリン   途中加入 ■保管アイテム■ 名称 価格 重量 備考 =合計=     0 G (重量 0) ■ギルドサポート■ 《サポート名》   消費/タイミング/効果など 《命の滴》    -  /任意   /ギルドメンバー全員のHP&MPを(GL+2)D回復。シナリオ1回。 《蘇生》      - /任意   /ギルドメンバー全員のHPを全回復する。シナリオ1回。 《ギルドハウス》 -  /戦闘時以外/ギルドメンバーは任意の所持品を売却できる。シナリオ3回。 《GH:ガーデン》-  /パッシブ /ギルドメンバー全員の【最大MP】を+20する。 《GH:アリーナ》-  /パッシブ /ギルドメンバー全員が行う攻撃のダメージロールに+2Dする。 ■その他■ メモ: ※ここではこれまでのセッションの概要を記載します。   ▼セッション1[ポベートールの呼び声] 両親を殺した者を探し出し、復讐するために「何でも屋」として各地を転々としている、アルフィン・クラウゼル、 失踪した親友を探すために旅をしている、可愛い子大好きなナルシスト、フラン・ルーク、 シノビの家系だったが突然異世界転移してこの世界にやって来た不良まがいな日本人、ヤクシジ・ジン、 有名な傭兵の生まれだったがある切っ掛けで衰退した家系の地位回復のため、名を挙げるべく旅立った、シュリー・アンジュ。 4人は様々な事情で同じ神殿に集い、冒険者となった。 神殿の意向からギルドを組む事になり、ギルド名を暫定的に【グレート剣】とした。 【グレート剣】の初依頼は悪夢に魘される少女の母親からであった。 少女メアはとあるブレスレットをしてから毎晩のように悪夢を見続けており、目に見えて衰弱していったという。 メアの話では必ず夢の最後に赤い屋根の聖堂に隠し部屋がある、という内容の夢を見るという。 情報を元に、メアを連れて街の外れにある赤褐色の屋根をした廃聖堂に行き、 メアが夢で見た通りに隠しスイッチを押すと確かに地下への階段が現れた。 中には無数の白骨があり、その骨の大半はメアと同じブレスレットを身に着けていた。 奥に進むとブレスレットと同じ紋章のついた箱があった。 開けてみると煙が立ち込め、一行の意識はそこで途絶えたのであった。 目が覚めると見知らぬ牢だった。鍵はかかっておらず、持ち物にも異常はない。 ただ、メアの姿がない。一行は牢を出る。するとそこが大きな屋敷であったことに気付いた。 部屋を探索していくとクローゼットに隠れていたメアを発見する。 その腕にはブレスレットはなく、一行と同じく気づいたらここにいたという。 そして、この屋敷が数か月前に死んだお爺ちゃんの家そっくりだと言う。 状況はよく把握できないが、とにかくブレスレットが消えたなら後は出ていくだけである。 探索を続けていくと一行は様々な怪奇現象に巻き込まれいった。 冷蔵庫に詰まった意思をもった生首や無数のスケルトン、ゾンビなどに翻弄されつつも、今度は二階を探索する。 徘徊する暗い人影、首を吊った謎の女性、ソファに横たわる依頼人そっくりの死体、ゾンビとなった元飼い犬など、 一階同様に襲いくる恐怖的現象に一行の精神はどんどんと削れていった。 ある部屋で謎の手記を発見し、それを手掛かりに奥の「お爺ちゃんの部屋」を開けると、そこには死んだはずのメアの祖父がいた。 祖父の話によれば、ここはメアが作り出した悪夢の中だと言う。 あのブレスレットについていた紋章は悪魔「ポベートール」のものであり、 ポベートールは悪夢を見せ、それに恐怖を感じた者の魂を削り取り、最終的に被害者は眠ったまま命を奪われるという。 この祖父は悪夢に抗おうとするメア本人の精神が作り出したものであった。 しかし、一行は祖父の部屋の扉の結界を破ってしまったので、徘徊する影によって祖父は首を刎ねられてしまう。 シュリーとフランの機転により、メアがその光景を見る事はなかったが、次第にメアは口数が減り、表情も薄くなっていった。 祖父は、この悪夢を見せている原因であるポベートールの欠片を消せば目を覚まし元の世界に戻れると言っていた。 一行は探索を再開し、とある部屋で地下室への入り口を発見した。 いよいよポベートールの欠片との決戦かと思われたが、突如、ヤクシジ・ジンの背をメアがナイフで突き刺した。 狂ったように意味不明の言葉を吐き一行と対峙するメア、 その奥には白いベッドに寝かされたブレスレットをつけたままの本物のメアがいた。 一行と探索していたのはメアに姿を変えたポベートールの欠片そのものであったのだ。 そのショックとこれまでの精神ダメージによりシュリーの魂が失われかけるも、 シュリーが好きだったらしいエリンディル流行語大賞の「ずんどこ」を用いたアルフィンの渾身のずんどこダンス(?)によって、 シュリーの魂を一時的に繋ぎ留めることに成功した。 見事ポベートールの欠片を倒した一行は目を覚ました。 紋章の入った箱は砕け、メアのブレスレットも外れるようになっていた。 魂を削り取っていた根源が消えたことでメアや一行の精神も元に戻り、無事に街に帰還できた。 こうして、悪夢に魂を刈り取られ衰弱していた少女メアを見事助け出し、ギルド【グレート剣】の初依頼を達成した。   ▼セッション2[村を襲う者] 旅を続ける一行だったが、シュリーが個人的用事で一時的に抜けることになった。 そんな時、3人は神官ヴェイル=カクリアと出会う。 彼もいなくなった親しい人を探して旅をしているとのことで同じような目的を持つフランと意気投合し、 回復役がいなくなった【グレート剣】に一時的に加入することになった。 辺境の地にある村に立ち寄ると、何か事件でもあったのか村人が騒いでいた。 事情を村の警備兵に聞くと、ここ最近この辺りの村はとある山賊一派に襲われているという。 この村でも被害が出て、元々規模が小さい村の警備隊だけでは対処しきれないらしい。 村には神殿もなく、立ち寄る冒険者も少ない。 ここで出会ったのも神の思し召しと言わんばかりに一行は半ば無理矢理、山賊の討伐依頼を受けることになった。 山賊が根城にしているという山に行くと早速敵の気配がした…が、ヤクシジ・ジンだけはそれに気づかず敵に取り囲まれてしまう。 なんとか態勢を立て直し、山賊どもを蹴散らすと、戦況を不利とみた斥候役の山賊が一人逃げ出した。 他の山賊を片付け、山賊を追うとアジトとなっているであろう洞窟を発見した。 中は複雑な構造で、二手に分かれていたがアルフィンが見事正解のルートを選び出し、敵の様子を岩陰から伺った。 山賊が報告をしているボスは妖魔フォモールだ。ここ最近急に山賊一派が力をつけたのは妖魔の差し金らしい。 フォモールの親玉であるフォモール・バトルマスターと取り巻きのフォモール、そして残りの山賊達を難なく倒し、 山賊達が蓄えていた財宝を根こそぎ奪った一行は村からも報酬を受け取り、依頼を達成させたのであった。 妖魔フォモール率いる山賊たちのアジトに乗り込み、山賊一派を壊滅させることに成功した事で、ギルドレベルが2になった。 同行していたヴェイルと別れ、一行は旅を続ける。   ▼セッション3[Reclaim!!] 前回私用で抜けていたシュリーと合流した一行は「博物館の街」として有名なオルセーに立ち寄った。 オルセー魔術博物館には数多くのマジックアイテムや歴史的価値のある魔導具が展示されている。 中でも「古代の魔導剣」は現代の魔導技術では解析できないと言われている国宝レベルの品であり、 この剣を一目見ようと全国から観光客が集まっているのだった。 しかし、魔導具に興味のない一行は早々に宿を探すことにした。 博物館の前を素通りしようとしたその時、博物館から警報が鳴り、中にいた観光客たちが悲鳴を上げながら我先にと飛び出てきた。 観光客の波に飲まれ立往生している一行は、同じく博物館の中から現れた妖魔フォモールの集団と戦闘になる。 前回楽々とフォモールを倒している一行はナメた態度を取りつつ、フランとシュリ―の力だけでこれを打ち倒した。 その様子を見ていた博物館の館長が声をかけてきた。 どうやら妖魔を率いていた魔族が博物館の目玉である「古代の魔導剣」を何らかの目的で奪っていったらしい。 街から出られると追跡は困難である、街から魔族が出る前に探し出し、これを取り返してきて欲しいと言う。 ジンは乗り気ではなかったが、この魔族一派の強盗被害に遭った中では比較的価値の低い方であるマジックアイテムに関しては、 取り戻してくれればそのまま譲ると館長は言う。とにかく「古代の魔導剣」だけはどうしても取り戻したいらしい。 タダでマジックアイテムを貰えると聞いたアルフィンが渋る一行を説得し、依頼を承諾して作戦を練った。 シュリーの提案でメンバーを分断し、人海戦術によるローラー作戦で敵を炙り出すことにした一行は、 フランとジン、アルフィンとシュリーに分かれ捜索を開始した。 アルフィン達は倉庫区画で妖魔達を発見するが、「古代の魔導剣」を奪った魔族ではなさそうなのでスルーした。 その頃、フラン達は博物館に痕跡が残っていないか調査したが、館長が涙ながら残骸を片付けている事しかわからなかった。 フラン達は大通りを捜索、魔族達の痕跡を発見し、同時に彼らが落としていったマジックアイテム[魔性面]も得た。 その頃、アルフィン達は商業地区を調査、ガラクタの並ぶ露店に明らかに場違いなマジックアイテムを発見した。 二人がかりで問い詰めると店主は観念し、拾った物だと白状する。 博物館から正式に依頼を受けた冒険者という事でこれを回収し、マジックアイテム[護りの指輪]を得た。 フラン達がスラム街を探索していると、墓地の方で騒ぎが起きている事に気付く。 そこはアルフィン達が調査しているはずのエリアだった。二人はアルフィンとシュリーの元へ急いだ。 アルフィンとシュリーは墓地にて魔族の集団と戦う男を発見する。 傭兵として名高かった両親を持つシュリーはその男が、 かつては裏の業界で名を馳せた暗殺者「一厘のクロムウェル」ことクロエ・クロムウェルであることに気付く。 しかし、現在はとある事情により足を洗い冒険者となっているらしい。 戦場に現れたアルフィン達にクロエが声を掛ける。 どうやらクロエも別の依頼者から「古代の魔導剣」を奪うよう依頼を受けていたらしい。 「とりあえず目の前の敵を片付けてから話そう」というアルフィンの提案で、一時的に共闘し魔族達を倒していく。 ジンとフランも合流し、ついに妖魔や下位魔族を率いていた[イルネス]を倒してアルフィンは「古代の魔導剣」を回収する。 魔族達を倒した後、クロエと話し合うも互いに譲らず戦闘となる……かに見えたが、アルフィンは一目散に逃走、 クロエとの速さ対決に勝利し、アルフィンは「古代の魔導剣」と共にどこかへ消えてしまった。 「だから猫族は嫌いなんだ…」と敵意を解いたクロエは残った3人と言葉を交わす。 元々は冒険者同士の依頼のブッキング、クロエ自身に敵意があったわけではなく、 アルフィンが消えた今となっては「今回の依頼は失敗か」くらいの気持ちであったらしい。 ジンからタバコを受け取り、クロエは同じ冒険者として3人と仲良くなった。 先に館長の元へ帰って来ていたアルフィンは依頼達成の報告をする。 残りのメンバーが見当たらず「まさか魔族の手にかかって…」と危惧する館長に乗っかるアルフィンだったが、 クロエと分かれた3人が合流し、無事に館長の誤解は解けた。 こうして、見事に魔族が街から逃げ出す前に探し出してこれを奪還し、 同じ魔導具の回収を別の人物から受けていた同業者クロエ・クロムウェルと奪い合いになるも、 アルフィンが猫族特有の素早さを生かして逃走することによってグレート剣は依頼を達成させた。 今回の件で【グレート剣】の知名度が上がり、ギルドレベル3となった。 【グレート剣】の精鋭部隊化を提案するジンの意見をスルーして、アルフィンはギルドハウスを建築した。 ギルドハウスはギルドメンバー達が利用できる寮のようなもので、 根無し草のホームレスに等しい冒険者が住居を持つことは冒険者業界ではそれなりの実力がある証拠とされる。 庭付きの小奇麗なギルドハウスを得た一行はここを拠点に旅を続けるのであった。   ▼セッション4[RESIDENT EVIL] ギルドの精鋭部隊化が却下されたのが気に食わなかったのか、一人で出かけたヤクシジ・ジン、 そしてギルドハウスが気に入ったのか今回の冒険をパスしたフラン・ルークを置いて旅に出たアルフィンとシュリー。 二人は夜中に、とある寂れた村に辿り着いた。 そこで見知った顔と再会する。前回の冒険で依頼を競い合った元暗殺者の冒険者クロエ・クロムウェルである。 前回、一目散に「古代の魔導剣」を持って逃走したアルフィンとは親密な関係を築いていなかったが、 今回は別に敵対しているわけでもなく、クロエが前回の依頼を受けていた依頼者は実は別勢力の魔族の手先であり、 あの事件の後その魔族はクロエが討伐したので「どのみち報酬など受け取れなかっただろうから前のことは気にしていない」とのことだ。 シュリーが間に入りつつも、改めてアルフィンとクロエは交友関係を築いた。 そこへこの村の村長と名乗る人物が近づいてきた。 この村に冒険者が立ち寄ることは稀なようで是非1つ依頼を受けて欲しいと言う。 「話を聞くだけなら」と村長の家に招かれ、バウムクーヘンをご馳走になりながら依頼内容を聞いた。 この村の外れに、研究者である男とその妻子がかつて住んでいた屋敷があるらしい。 その男は研究者であると同時に「黒魔術に手を染めている」と噂されており、気味悪がられていたようだ。 しばらくして、その男の妻子が死んだという話が村に伝わり、その男も姿を消したと言う。 それから3、4年経った現在ではその屋敷はちょっとした肝試しスポットになっているらしく、 村長の孫、アレックスもそこへ肝試しに行ったがいつまで経っても帰ってこないと言う。 何かあったのではないかと思い、1週間前に村にたまたま立ち寄ったヤクシジ・ジンにアレックスの捜索依頼をしたそうだが、 そのジンすら1週間経った今も村には帰ってきていないそうだ。 依頼内容はもちろん孫のアレックスの捜索である。 「ヤクシジがなんとかするんじゃない?」と突っぱねるアルフィンだったが、 依頼達成報酬5000Gという高額な報酬にクロエが依頼を受諾するのを見てアルフィンもシュリーと共に依頼を受ける。 それを聞いた村長は、物のついでにと、かつて屋敷に住んでいた主の「研究記録」を持ち帰るよう要求してくる。 それを見れば屋敷で何があったのかがわかるから、だそうだ。 最後に「もう夜中なので村の宿で泊っていってほしい」と一行をもてなした。 アレックスを大して心配していない様子や破格の報酬から怪しさを感じつつ宿へと向かった。 部屋で休息していたアルフィン、シュリーの[グレート剣]とソロ冒険者のクロエだが 別々に行動しては前回の二の舞、効率よく依頼を達成するためにもギルドへ一時加入して協力するべき、という結論に至り、 クロエの[グレート剣]一時加入を決める。 夜中ということで神殿は既に閉まっていたが元暗殺者であり「瞬速」の速さを持つクロエは、 ギルド職員がアルフィン達と話をしている間に事務処理を誰にも悟られることなく勝手にこなし、無事に[グレート剣]のメンバーとなった。 翌朝、村長から聞いた場所を訪れると如何にもそれらしい風貌なお化け屋敷まがいな建物があった。 3人が周囲を調べていると、扉はひとりでに開き、中へ入るとまたひとりでに閉まり、開かなくなってしまう。 怯えるシュリーに対し「これが錬金術で有名な機械の街カナンにあると聞く『自動扉』か」「錬金術すごーい!」と呑気なクロエとアルフィン。 屋敷を探索してくと、不気味な悪魔像や窓もないのにはためくカーテンなど奇妙なものを目の当たりにし、 ついに肉塊をむさぼるグールと戦闘になる。普通の屋敷にアンデッドがいるはずはない。これはただの人探しの依頼ではなくなった。 次々と現れるグールやこの屋敷の主人の妻子だったと思われるグールを倒し、屋敷を探索していくと、 「アレックス」と書かれた人が入りそうなサイズの麻袋が手術台の上にあるのを発見する。 声を掛けても反応のないそれをクロエが蹴とばすとクロエはあることに気付く。 人が入っているにしては異様に重い。元暗殺者であり様々な死体に触れることが多かったクロエからしてもそれは異常な感触だった。 とりあえずそれを放置し、探索を続けていると突然ヤクシジ・ジンが部屋に飛び込んできた。 「やべぇのに追われてる」と言うジンの背後からグールやグールと化した犬達の集団が部屋に飛び込んでくる。 一行がそれらと戦っていると、再び部屋に別のヤクシジ・ジンが飛び込んできた。 「そいつは偽物だ!」と互いに言うジンとジン。グールたちを倒した後、両者は互いに本物であることを主張し、争い合う。 シュリーが片方のジンが以前より強いことに気付くも「ここ1週間の成果だ」と言われ、真相はわからない。 しかし、クロエが「前にお前から貰ったアレはなんだったか?」と聞き「タバコだろ」と答えた方を本物だとして偽物を背後から斬り殺した。 生き残った方のジンはアルフィンに疑いを掛けられるも、怒って八つ当たりとしてベッドに風穴を空けたことで無事本物だと認定された。 聞けば依頼を受けたもののアレックスは見つからず、屋敷の仕掛けも解けずここから出られなくなってしまい、 次々に襲い来るグールを倒していたがキリがないのでほぼ1週間ここで逃げ回って過ごしていたらしい。 改めてジンを仲間に加え、屋敷の諸所にある仕掛けを解いていくと元屋敷の主人の研究室と思わしき部屋に辿り着く。 その手記を見ていくと、妻子が疫病にかかり村長に助けを求めたが突っぱねられ、 成すすべなく死んでしまった妻子を蘇らせるために、ここへ迷い込んできた者達を実験材料にしてグールを量産していたらしい。 手記の様子から主人自身も人ならざるものとなってしまっているようだ。 主人の研究室にあった鍵を使い地下室へ行くとペストマスクをつけた異様な風貌の男と対面する。あれがここの主人のようだ。 主人は村長を恨んでいるようなことを言っているが話は要領を得ず、説得できる様子ではなかった。 戦闘となるも主人には攻撃が一切通じない。 シュリーが見つけたメモから地下室の4か所にある「四姉妹の女神像」が怪しいと踏んでクロエとシュリーはこれの破壊を担った。 像を全て破壊すると読み通り、主人を守る加護がなくなった。 今回一度もまともに攻撃を当てれず大した活躍をしていなかったアルフィンが最後に全力を出して主人をボコボコにして無事勝利する。 「死体でも"アレックス"は"アレックス"だろ」とクロエはアレックスと書かれた麻袋を引きずり村に帰還、村長に渡した。 その袋の中身はグール制作工程で失敗でもしたのか、顔が二つあるアレックスの死体だった。 村長は大して表情も変えず「それより研究資料の方はどうなりましたか?」聞く。 それも依頼契約の内なので主人の手記など屋敷で手に入れた物を渡すと、村長は嬉しそうにそれを受け取り一行に報酬を渡した。 立ち去る前にクロエは村長にあの主人が恨んでいた旨を話すが、村長は悪びれもせず、些細な事だと言わんばかりに話を流した。 一行が村を去った後、村長は小さくこうつぶやく。 「やっと手に入れた…これさえあれば…この研究資料さえあれば死んだアレックスだってすぐに蘇るさ…」 冒険を終えた後、場の流れで新居(ギルドハウス)にお邪魔したクロエは[グレート剣]の面々と意気投合し、 しばらく[グレート剣]のメンバーとして活躍することとなった。   ▼セッション5[少女の願い~リミィの場合~] クロエのギルド加入に際し歓迎会をすることになったギルド[グレート剣]。 シュリーは私用で不参加とのことだったが、一行は近くの村の酒場で盛り上がっていた。 そこに小さなエルダナーンの少女が飛び込んでくる。フラン・ルークの後ろに隠れ「助けて」と言う。 そしてそれを追って酒場に飛び込んできた2人の盗賊が「そいつを渡せ」と要求してきた。 ヤクシジ・ジンが「うるせぇ!今酒盛りしてんだよ!」と半ば八つ当たりで盗賊の1人を撃ち抜く。 こちらがそれなりの冒険者であることに感付いたのか、盗賊達は逃げて行った。 「ミリィ」と名乗る9歳くらいの少女は一行を強い冒険者だと思い、頼みごとをしてきた。 ミリィはこの村の近くの森の奥にあるエルダナーンの集落に住んでいるという。 ミリィの家系には代々隠された財宝が受け継がれているらしいが、 その財宝が何なのか幼いミリィに伝えることなく祖父母も両親も亡くなってしまったらしい。 自分の家に伝わる財宝が何なのか知りたい、それが分かるのなら財宝は皆さんに差し上げます、とのこと。 財宝が隠されている場所は近くにある遺跡で、先祖代々伝わる「歌」によって隠し扉が開く仕組みらしい。 ヤクシジ・ジンが試しに酒場のステージでミリィに歌わせる。それは異国の歌なのか聞いたことのない言語の歌だった。 歌詞の意味はわからないが、ミリィの歌に酒場の酔っ払い共が盛り上がる。 クロエが「財宝の隠し場所もそこへ行く手段も知っているのに何故俺達に頼む?」と聞くと、 「隠し階段の下の地下が暗くて、怖くてそれ以上進めなかったからついてきて守って欲しい」と言う。 財宝と聞いて金に目がくらんだアルフィンと可愛い女の子に目がないフランが二つ返事で依頼を受ける。 酒場の会計を前払い金代わりに払ってくれたミリィの豊かな財布事情を知ったヤクシジもミリィを獲物を見るような目をしつつ依頼を受ける。 クロエも「ギルドの決定には従う」と了承するも、ミリィの言動に不信感を持っていた。 出発前にクロエは酒場のマスターに話を聞く。 遺跡に関して聞くと、その遺跡は随分と前から発見されていたもので、既に調査団の手によって調べ尽され、 歴史的価値があるものは博物館に送られているらしく、「もうあの遺跡には何も残ってない」というのが村人達の認識のようだ。 そしてミリィの住んでいるという森に関して、酒場のマスターはエルダナーンの集落があるという話は聞かないと言う。 だが、エルダナーンは元来閉鎖的な種族であり、森に人知れず隠れ住んでいてもおかしくはない。 とはいえ、そもそも祖父母も両親も亡くなったなら今現在ミリィの面倒を見てくれているらしい集落の者に頼めばいいような依頼を 見知らぬ我々冒険者に財宝と引き換えにしてまで頼んでくることや、ミリィ自身がアコライトとしてそれなりに戦場に立てる実力を持っていること、 何故か盗賊達に追われていたことなど、クロエは様々な疑念を拭えないでいた。 ミリィの案内で遺跡へと辿り着いた一行。遺跡は長年放置されてたようで風化し蔦が絡みつき寂れた様子だった。 ミリィは遺跡の中心まで行くと例の歌を歌い出す。すると床が開き、地下への隠し階段が現れた。 ここから先は怖くて行った事がないと言うミリィ。中に入るとすぐ目の前にあった正面の"それっぽい扉"は取っ手もなく開ける手段はなかった。 他の部屋を探索していくと各所に暗号のようなものがあった。これを解いていく事で扉が開く仕掛けらしい。 ヤクシジがミリィから金を巻き上げようとしたりフランが過剰にそれを守りミリィに婚約を迫ったりしつつ部屋を回る。 全ての部屋を探索した後、クロエは2か所の突き当りとなっている壁に違和感を持ち、二手に分かれて調べようと提案する。 アルフィン、フラン、ミリィのチームは突き当りの高さ4mほどの場所に一箇所だけ色の違ったタイルを発見する。 だが4mの高さまで届く術がなく、あれこれ策を考えるが立往生してしまう。 クロエとヤクシジのチームは早々にその突き当りの壁が隠し扉であることに気付く。 遺跡の構造的にそこを怪しんでいたクロエは他の部屋で石杭を拾って持っており、 ヤクシジは"なんとなく"金槌を拾って持っていたので、それを使って壁を打ち砕いた。トラップの矢がクロエを襲うが楽々と回避する。 中は小さな部屋で力づくでは動かせないレバーとその横に0~9までの数字が書かれたタイルと鍵穴を見つける。 事前に得ていた暗号から数字を正しく入力した二人だったが、暗号の他に鍵がないとレバーは動かないようだった。 二人は暇なので壁をぶち破って中央の部屋に侵入できないか石杭と金槌で壁を叩いて待つことにした。 アルフィン達は部屋を回っている最中、梯子があったことを思い出しそれを回収、 壁にある色の違うタイルにフランが触れると、タイルが手前に開き、中には鍵があった。 アルフィン達が合流の為クロエ達のいる小部屋に入ってきた。余談だが壁をぶち破ることはできなかった。 フランが鍵を使うとどこかで重い扉が開く音が鳴り響いた。もう探索していていないのは"それっぽい扉"の中央の部屋しかない。 突き当りの隠し扉から引き返し、中央の部屋に入ると例の盗賊達が大勢の仲間を引き連れ待ち構えていた。 盗賊達は元々ここの遺跡の財宝に気付いており、隠し扉を開く"鍵"であるミリィを狙っていたらしい。 そして一行を利用しここの扉を開けさせ、財宝を掻っ攫う算段だったようだ。 数の多い盗賊の下っ端共や盗賊の頭を打ち倒した一行。 部屋にはシンプルな装飾の箱が一つあるだけだった。そこでミリィは一行の元を離れ、箱の前に立つ。 実はみんなを騙していた、と語るミリィ。 エルダナーンの集落に住んでいる事や代々伝わる財宝、祖父母や両親の話は嘘だったらしい。 そしてミリィは人ではなく、この箱を開けるためだけの文字通り"鍵"だと言う。 ミリィの役割は"鍵"となって箱を開けること。しかしそうすると今の人型のミリィは消えてしまうらしい。 どうするかの選択を委ねるミリィにフランは反対するが、元々財宝目当てでここに来ただけであり、今回誰からもギルドの正規の依頼を受けていないのでここで帰ると報酬なしになってしまう。冒険者としてのやんごとなき(メタな)事情によって箱を開ける選択をした。 ミリィはそれを聞くと、光に包まれて消えてしまう。その足元には小さな鍵が落ちていた。 鍵を使い箱を開けると中から黒い亡霊が現れた。 亡霊は毎ターン気味の悪い雑魚を召喚し続け、尚且つ亡霊自身に攻撃は当たらなかった。 ギミックを疑いあらゆる手段を講じるも亡霊に攻撃は当たらない。しかし、何故かフランの攻撃だけヒットした。 [エンサイクロペディア]を持つシュリーの不在で一行は気づけなかったが無敵ギミックではなく物理攻撃を受け付けない[霧の身体]を持つ敵だったのだ。 魔法攻撃はフランしか持っていない。アルフィンは雑魚を受け持ち、ヤクシジは敵の射程外に逃げて様子を伺った。 そんな中、クロエは堂々とボスに近づく。 クロエも物理的攻撃手段しか持たないが、冒険者として経験豊富であり[グレート剣]加入以前の冒険で得ていた物理攻撃を魔法攻撃に変換する[理力符]や[バーストルビー]などの魔法攻撃アイテムを所持していたのである。 それらを駆使し、クロエは亡霊にとどめを刺した。 亡霊が消え去った後、どこからかミリィの声が響く。 箱から出た亡霊にヤクシジ達はミリィにはめられたかと疑っていたがどうやら悪意があったわけではなかったらしい。 最期に「ありがとう、楽しかった」と伝えミリィの声は消えた。 亡霊の消えた箱の底には希少なマジックアイテムである[幸運のストラップ]が1つあった。 ヤクシジがそれを拾おうとするが以前にマジックアイテムを勝手に私物化した前科があったためフランが止める。 しかし「後で売ってみんなで山分けするから」と言うヤクシジに言い負かされてしまいヤクシジがそれを拾った。 クロエは亡霊戦で使った数々のアイテムは高価な物だったとしてギルドマスターのアルフィンに「俺の使ったアイテムの費用をギルドの経費で落とせ」と迫ったがアルフィンは「そんなの知らないもん」と却下されてしまった。 その後ヤクシジは[幸運のストラップ]を勝手に私物化しようとするが見つかってしまい渋々売却する。 しかし均等に山分けはせず、大半は自分の所持金に入れてしまった。 クロエに対しては「世話になったから」とヤクシジは多めにゴールドを渡し、 アルフィンは亡霊からドロップしたマジックアイテムを私物化した為ゴールドは渡さず、 フランはミリィが消えてしまった事やヤクシジが約束を守らず報酬が不平等だったことに不満そうだったので皆から50Gずつ貰っていた。 ヤクシジのギルド精鋭部隊化希望の声はまたもや無視され、ギルドハウスに新しく訓練所が出来たのだった。   ▼セッション6[久遠の魔女]  ※長編注意 前回私用でいなかったシュリーが帰ってきた。一行はクロエ加入後初めて[グレート剣]フルメンバーで冒険に出かけた。 …が、とある山の中で迷ってしまう。迷ったのはアルフィンのせいだと言うヤクシジに、ヤクシジが悪いというアルフィン。 口喧嘩をする二人をよそにシュリ―とフランは山中にある小さな町を発見した。 一行が町を訪れると違和感に気付く。どこかざわついており、人々の目はあからさまに冒険者な格好をした一行に向けられている。 そこで町長と名乗る人物が話しかけてきた。「お待ちしておりました!依頼を引き受けて下さいました冒険者の方ですね?」 一行が否定するとがっくりと肩を落した町長は事情を話し始めた。 今より10年程前、この片田舎の町の近辺に魔女が現れた。 魔女は次々に人を襲い、魔力を吸い尽す。魔力を吸われた人間は干からびて死んでしまうそうだ。 魔女は姿こそ人の形をしているが、人ならざる膨大な魔力を持っており、とてもではないが倒せない。 魔女討伐の為数多くの冒険者が挑んだが誰一人帰ってきた者はいないらしい。 ある日、ついに町が魔女に襲われる。 先代の町長はこの町で最も魔力のある者を生贄として引き渡すので街を襲わないで欲しいと魔女に交渉を持ち掛けた。 魔女は意外にもすんなりとそれを受け入れ、それ以降3年に一度のペースで町で最も魔力の高い者が生贄となってきたらしい。 9年前より始まったこの悪習をこの町では「生贄の儀式」と呼んでいた。 3年に1度、生贄を差し出さなければ町は魔女によって滅ぼされてしまう。 今年の生贄はもう決まっているのだが、生贄を魔女の元まで届ける護衛を依頼した冒険者がいつまで経っても町に現れないという。 魔女は森の奥にある古城に住んでおり、森には魔物が蔓延っている為、生贄が古城に辿り着く前に死んでしまっては元も子もない。 護衛が必要だがこの小さな町には冒険者も傭兵もいないらしく、他の町の神殿で依頼を出し、それを受けた冒険者を待っていたらしい。 魔女との契約日はあと2日しかない。もはや依頼した冒険者を待っている余裕はないのだ。町長は一行に代わりに護衛を依頼してきた。 生贄によって生きながらえる町の悪習に一行は嫌悪感を示すが、 魔女の力は膨大でとてもではないが倒すことはできないらしく、町長も仕方ないことだと伏し目がちに言う。 報酬は1万G。話によれば魔女は生贄以外は襲わないらしく、3年前に生贄を届けた冒険者も無事に帰ってきているという。 正直言って生贄を送り届けて帰って来るだけで1万Gならこの上なく美味しい依頼だ。 一行は戸惑いながらも結局町長の強い押しに負け、渋々ながら依頼を受けた。 早速町長は今回生贄となる少女エマを紹介した。エマはこの町はおろか、熟練の魔導士をも凌ぐ膨大な魔力を持つ少女らしい。 町長はギルドマスターのアルフィンに耳打ちをする。 エマは生まれつき魔力が異常に高く、魔法は使えるが、魔力が桁違い過ぎて敵味方関係なく巻き込んでしまうどころか自分自身まで危うくなるほど魔法を制御しきれていないらしく、そのせいで小さな頃から魔法の才能がありながらも使用を親に禁止されており、結果として魔力があっても魔法が使えない事を街の子供たちに馬鹿にされていじめられいたらしい。 当人も、味方も自分もまきこんでしまうなら魔力なんて持っていても意味がない、と塞ぎ込んでおり、今回生贄になることも合意していると言う。 無気力に虚空を眺めるエマにシュリーとフランが話しかける。 エマは「魔力だけ持っていたって実際の私には何の価値もない。でもこの異常な魔力を生贄として町のみんなを守ることができるなら私はそうして欲しい」と答えた。エマは自身が生贄として選ばれることで自身の魔力に存在価値を見出しているようだった。 森へ入る前に町で一旦自由行動を取ることにした。 ヤクシジは町の裏通りでチンピラ共をボコボコにして闇ルートに詳しい店を聞き出し、オルセーの町で手に入れていた[魔性面]を高値で売りつけた。 一方フランは(エマを口説くために)エマの身の上話を聞いていた。 エマは生命の危機を感じると自分の意思とは関係なく魔力が暴走してしまう体質らしい。 魔力があるのに魔法が使えない事を馬鹿にされていじめられていて、でも抵抗すると何かの弾みにそのいじめっこたちを魔力暴走によって殺してしまいそうで結局何も抵抗できず悔しかったことを語った。フランがフォローを入れるもエマは「仕方のないことだから」と割り切っているようだった。 その頃シュリーは情報通な町人から森の古城について聞いていた。 その古城は魔女が現れるまではこの森にはなかったものらしい。古びた城のような外観なので「古城」と言っているがその実態はよくわかっていない。 また、その城は山の麓にある都市に建っているサムサラ城という城に非常に似ているらしい。 ならばそれは蜃気楼じゃないかと疑うシュリーだったが、サムサラ城はつい最近建城されたばかりの新しい城で全然古めかしくないし、この町人だけでなく数多くの古城の目撃者がいること、3年前の生贄の護衛も6年前の生贄の護衛も実際にその城に入って魔女に会っていることから蜃気楼ではないと言う。 次にシュリーは魔女について聞く。 魔女は醜い老婆の姿をしているが、それはそれは恐ろしい魔力を持っているという。熟練の冒険者でも王国の騎士団でも倒せないだろう、と。 町長の話通り、生贄を出すようになってからは特に派手な動きはしていないらしく、ずっと古城に閉じこもっているようだ。 一方、特にすることのなかったアルフィンとクロエは森の前でみんなを待ちつつ世間話をしていた。合流後、一行は森へと足を踏み入れた。 森に入ると道は二手に分かれていた。エマは町の外にほとんど出たことがないので道は知らないと言う。 右に行こうというヤクシジを無視して枝を倒して行く方向を決めようとしたアルフィンだったが、枝が倒れる瞬間ヤクシジが銃で撃ち抜き、無理矢理右に倒した。アルフィンも「そんなに右に行きたいならもう右でいいよ!」と一行はそちらの道へ進んでいった。 右の道は下り坂となっていて、進んでいくと目の前には横幅15m程の深そうな川があった。川の流れもそこそこ早い。 泳ぎに自信があるヤクシジが対岸まで泳いで渡り、ロープを使って皆を対岸へ移す作戦に出たが、ヤクシジは失敗して流されていってしまった。 流れて行くヤクシジを見ながらクロエは「泳がなくても飛ぶ方法があれば渡れるんじゃないか?」と提案する。 「でも飛ぶ方法なんてないでしょ」と言うアルフィンだったがシュリーは「私飛べるよ?」と平然と言う。 3つ前のオルセーの街での冒険の際に手に入れた、自身を一時的に飛行状態にするマジックアイテム[飛翔符]を持っていたのだった。 シュリーはロープを適当な木に結び、[飛翔符]を使って空を飛んで対岸に渡ってから再びロープを木に結び付けた。 一行はそのロープを伝って無事に対岸へと辿り着いたのだった。そして話し合いの結果「仕方ないから助けに行こう」とヤクシジ救出に向かった。 一方流されたヤクシジは水の流れが緩やかな入り江に辿り着いた。しかし、そこは半魚人[ギルマン]の巣であった。 慣れない水の中での戦闘に四苦八苦しながらもギルマンと戦っているとしばらくしてアルフィン達が到着し加勢した。 ギルマン達を倒し、水中での戦闘に無駄に疲労を感じながらもようやくヤクシジも対岸へと泳ぎついた。 道中多少の災難がありながらも歩みを進める一行は周囲に綺麗な花が咲いていることに気付く。 フランとシュリーはその花で花冠を作り、フランはそれをエマへとプレゼントした。 エマはその花が紫苑の花であることに気付いた。花言葉は「追想」、この花は父が好きだった花でエマ自身も好きだと言う。 そしてエマは父のことを語る。エマにはもう両親がいない。母はつい先日病気で亡くなったらしい。 父は数年前に自分の目の前で魔物によって殺されたという。 自分の魔力を持ってすればもしかしたらその魔物を倒せたかもしれなかった、とエマは今でも悔やんでいる。 そしてもう二度と誰も傷ついて欲しくないと思うようになり、 例え見ず知らずの人でもその人が傷ついてしまうのを自分が止めれるのならそうしたいと思っているようだ。 だからせめて生贄という形でみんなを守りたい。そうでなければ私がこの膨大な魔力を持って生まれた意味がない。 私の魔力に意味があったとするならそれはきっと生贄となりみんなを守るためだから、と語った。 フランはそんなことはないと否定するが、エマは生贄となることに自身の存在価値を見出しているようだった。 最初はちらほらと咲いているだけだった花々も段々とその数が増えて行き、一行は花畑へと辿り着いた。 腰ほどの高さまである様々な花が一行の視界を狭める。すると、突然シュリーが花畑の中にズボッと沈んでしまった。 他の面々が確認するもシュリーがいたところには誰もいなかった。警戒態勢に入る一行。 すると20mほど先に蔦が絡みついて動けなくなっているシュリーの姿を発見した。 間違いなく魔物の仕業だが、周囲の背の高い植物のせいで敵の姿が全く見えない。 警戒しながら進んで行くと、植物族の魔物[食人花]が行く手を遮る。 ヤクシジが見事な銃の腕前でシュリーを捕らえていた蔦を撃ち抜き、シュリーを解放すると、シュリーを捕らえていたのが植物族の魔物のボス[女王花]であることがわかった。女王花は食人花を束ねるボスであり、その統率能力で一行に襲い掛かった。 更に一行が女王花に気を取られている隙に背後からエマに忍び寄っていた毒蛇[ヴァイパー]の存在も明らかとなる。 数の多い食人花を一掃するアルフィンとクロエ、遠方から女王花を攻撃するヤクシジ、再び女王花の蔦に捕らえられ距離を取れないシュリー、そしてエマを守る為に一人で毒蛇と対峙するフラン。一行は苦戦しながらもなんとか魔物を倒し危機を乗り越えたのだった。 戦闘後、花畑ではひたすらポーションがぶ飲みという宴会が始まる。野山の花畑で行われるこの光景はまるでピクニックであった。 ついに古城までたどり着いた一行。古城は噂通り古びた城のような外観で森の中に堂々と佇んでいた。 本当にエマを魔女に引き渡すのか?という話になるが結局他に選択肢も見つからず、とりあえず魔女に会ってみよう、と一行は古城に入ろうとする。 するとその時、後ろから何者かが走ってきて一行を呼び止めた。「待て!!お前ら何者だ!?エマに何をした!?」 「お前こそ何者だよ。人に名前を聞く時はまずは自分からだろ」とヤクシジが銃を向ける。 意外にも素直なこの青年はジルと名乗った。話を聞くと彼は最初に護衛の依頼を受けた冒険者らしい。そして改めて一行を問い詰める。 「お前らは何者なんだ!?僕の他にはあの町に冒険者はいないし"訪れる事もなかった"!今まで"一度"も現れなかったというのに、一体何者なんだ!?」 アルフィンがジルの代わりにエマの護衛の依頼を受けたことを説明するが、ジルは半信半疑だった。 するとシュリーがジルの言葉の端々に感じる違和感を聞き出した。「まるで一度見てきたような言い方だけどどうして?」 ジルは自身が経験してきたことを語り始めた。 「僕はエマを魔女の元へ届けたんだ…何度も何度も…そしてその度に僕は意識を失って、気が付いたらあの街の前にいるんだ。  そう、僕が依頼を受けてあの町に辿り着いたその瞬間に戻るんだよ!何度やっても!何度エマを送り届けても!!」 話によるとジルの今までのタイムループの流れはこうだ。 2回ループが発生してようやくこの異常から抜け出せないことに気付いた。そしてその原因は魔女にあると考えた。 こんなでたらめなことをできるのは膨大な魔力を持つ魔女くらいしかできないからだ。 なのでエマを魔女に引き渡す瞬間を狙って魔女を殺そうとしたが、2回失敗して諦めた。 「あれは化け物だ。僕なんかじゃいくら不意を突いたとしても、とてもじゃないが勝てない」 そして今度はエマを魔女の元へ送り届けるのをやめた。エマと魔女を会わせないようにしたのである。 しかし一度目はエマを説得できず「自分は生贄にならなくちゃいけないんだ!」とエマは1人で魔女の元へ行ってしまった。 2度目は説得に成功したが契約日になったら魔女の方からエマを襲いに来てジルが抵抗できるはずもなくまたループした。 3度目4度目はもっと遠くに逃げようと思いエマを連れて色んなところを逃げ惑ったが結局すぐに魔女に見つかってしまった。 そして5回目、ジルは自らの手でエマを殺すことにした。魔女に殺される前に。 しかし生命の危険を感じたエマは魔力が暴走しまう。巻き込まれてジルは死んでしまうが、気が付けばまた町の前。 恐らくはジルが死んだ後に魔女に見つかってしまったのだろう。 「そう、未来を変えることができなかったんだ。そして今で10回目。僕はこれまでに9回失敗してきたんだ。  でも今回は異常だよ。だってこれまでの9回の中に一度たりとも君達が現れたことはなかったんだから。  だから新たに生まれたイレギュラーである君達を疑ってしまったんだ。すまなかった」 話を聞いたエマは取り乱した。 「では私は結局生贄になれないのですか…?私は誰も守れないんですか!?  私は、私の魔力はそんな意味のわからない時のループを生み出すだけで誰の役にも立てないんですか!?」 エマはすがるような目でジルを見るが、ジルは呆れたように答える。 「君は何度会っても同じことを言うんだね。何度も僕は君を止めたっていうのに、君は一度たりとも自分から生贄になることを諦めはしなかった」 「だって私には――」「それくらいしか出来ないから、だろ?それも何度も聞いたよ」エマとジルの会話に気まずい空気に包まれる。 ジルは一行に選択肢を委ねた。 「どうする?僕としては君達の存在はイレギュラーだ。もうすでに今までとは何もかも違う状況にいる。  もしかしたらこの状況なら普通にエマを生贄にすることでループが解けるかもしれない。  ただ生贄にしないって選択を選ぶとしたら、彼女はかなり抵抗するよ。  力づくで彼女をどうにかしようとしたら感情が高ぶった彼女は自分でも制御できない魔力を放出する。  僕はその場で死んでもエマが魔女の生贄になるとまた時がループして僕は生き返ってあの町の前に立ってるだろう。  だが君たちはイレギュラー分子だ。君達が死んでしまった場合は…僕と同じようにループによって復活できるという保証は全くない。  さあ、どうする?君達に従うよ。10回目の僕は君達イレギュラーな冒険者に賭けてみることにする」 イレギュラーな存在である自分たちはタイムループの対象にならないのではないか、という考えの下、エマを殺してみようという言うヤクシジ。 エマを殺せば解決するかもしれないし魔女に引き渡したことにして報酬さえ貰っちまえば後はどうなろうが関係ないと言うクロエ。 この二人に対し、とりあえずどうするにせよ魔女の元までは連れて行こうというシュリーとフラン。 そして生贄になることを望むエマ。ギルマスとして選択肢を委ねられたアルフィンはとりあえず魔女に会って考えようと言う結論に達した。 「どうなっても知らねぇぞ」といつの間にか手に持っていたナイフを仕舞うクロエと、「いざとなったらエマを殺すからな」というヤクシジも一応それに従い、一行は古城の中へ入ることにした。 中はしんと静まり返っており、扉を開く音や足音などが嫌に大きく響いた。 生き物の気配はまるでなく、生活感も感じない。それは古代の遺跡か何かのように異質な空間であった。 ジルの話によれば廊下の一番突き当りにある大広間に魔女がおり、他の部屋は調べ尽したが目ぼしい物は何もなかったらしい。 「そんなすごい魔女なら私達が入った時点でもうバレてるんじゃない?」というシュリーの言葉で、だったら素直に魔女の下へ行こうということになる。 突き当りの大広間には大きな長机があり、その一番奥の椅子に一人の老婆が座っていた。 黒いローブに身を包んだ魔女の姿は老いぼれた老婆そのものだったが、一行は彼女が普通の存在でないことを直感した。 形こそみすぼらしい老婆の姿をしているが、彼女の存在は異質であった。 魔力からか圧倒的な存在感を持ち、見ているだけで逃げだしたい気分となる。 一行は魔女に何故こんなことをするのかと聞くも「私はこの時を待っていただけ」と、どこか会話がかみ合わない。 その時、エマが自分を生贄にするよう魔女に懇願した。それを聞いた魔女は何かを悟ったような目をして、一行に敵意を向けた。 ついに一行は引けないところまで来てしまった。そして最後の選択で多数決により魔女と戦うことを選んだ。 魔女の圧倒的な力の前に手も足も出ない一行は、一瞬のうちに壊滅的打撃を受け瀕死に陥ってしまう。 しかし戦いの最中、シュリーは魔女の言葉の端々の違和感を覚え、魔女とエマとの関係性に気付く。 満身創痍の一行をよそにエマに近づく魔女、エマも逃げようとはせず目をつむり動かない。 エマの前まで来た魔女はふとエマの頭にかけられた花冠に目をやった。フランとシュリーがエマにプレゼントしたものだ。 「紫苑…"追想"か…」 ふと漏らした魔女の言葉にシュリーは核心する。「貴方、エマちゃんじゃないの?」 真実を見抜いたことで魔女は敵意を消し、話し始めた。 魔女は少女エマの未来の姿。 魔女が町に現れない時間軸を生きたエマは誰からも愛されず、また誰も愛することができず途方に暮れていた。 そして唯一自分のことを最後まで愛してくれた今は亡き両親を想い、過去に戻って両親の死をなかったことにしようとした。 紫苑の花を媒介に、膨大な魔力によって時空移動を可能にしたエマはまず母親の死を取り除こうとしたが、 母は病死であったため、何度やり直しても死を免れることはできなかった。 次に魔女は父の死をなかったことにしようとした。 父を襲う前に魔物を殺すが、やはり何度やっても未来は変えられず結局最後は父は違う魔物に殺されてしまった。 父の亡骸を抱きながら魔女はその事実に悲観し、生きる意味を見失ってしまう。 その時、背後から視線を感じた。それは幼き頃のエマ自身だった。 小さなエマは自分を見て怯えた声でこう言った。「化け物・・・」と。 そう、何度も何度も時間を超えてきたエマだったが、彼女自身の老化は止める事ができなかった。 ただ、他者の魔力を奪うことで自身の寿命を延ばす術を持っていた。 そうして200年近く生きてきたエマはとても人間とは思えない存在、魔女となってしまっていたのだった。 父を助ける方法を探すため寿命を延ばす必要があった。 その為に犠牲にしてきた人々は彼女にとって些細なものだったが、やがて彼女は人々から魔女と呼ばれ恐れられる存在となった。 ようやく両親が死ぬ未来は変えられないのだと悟った魔女は、今度は自分自身に意味を求めた。 誰からも愛されないのであれば自分は何のために存在してきたのか? 200年以上も何をして生きてきたというのか。何の意味もないのであれば、せめて意味を持って死にたい、と。 そして彼女は思いついた。他者の未来を変えられないのであれば自分の過去を変えよう、と。 魔女と呼ばれ人々から畏怖の対象となった自分を未だ少女である自分が倒したとしたら、きっと自分は誰からも愛される英雄になれる。 そして過去のエマを英雄にする代償として誰からも愛されなかった未来のエマは死ぬことが出来る。 魔女である自分の魔力を打ち破ることができるのは自分自身、過去の自分だけだ。 過去の自分に今の自分を殺させるために魔女は暴れまわり、人々に恐怖を植え付けた。 しかし恐怖に慄いた人間は抵抗することなく交渉を始めた。魔力の高い者を毎年生贄に出すと。 エマは二つ返事でそれを飲んだ。何故なら魔力の高い人間といえばどう考えても過去の自分が送られてくると思ったからだ。 過去の自分は魔女である自分に殺される前に一矢報いるため抵抗するのではないか、なら自分は抵抗せずに大人しく死ねばいい、と思っていた。 だが最初に送られてきたのは見覚えすらない中年男性だった。どうやら「未成年の子供」は生贄の対象から外されたらしい。 面倒だと思ったが、あと9年もすればいずれ自分が送られてくるのは明白であった。 200年以上を生きた魔女にとって9年などあっという間である。 適当に送られてきた2人の生贄を魔力の糧とした後、とうとう3人目の生贄として自分が送られてきた。 それがどういうことだ。今目の前にいる少女エマは生贄であることを望んでいたのだ。 そう、本当なら魔女であるを倒すことで自己証明をさせるつもりが「生贄となる」ということで町民たちから感謝と尊敬の念で見られ、 彼女はそこに存在の意味を既に見出してしまっていたのだった。 だがこの頃のまだ若く未熟自分は自身の魔力を上手く制御できていないことを知っていた。 なので魔力を暴走させればそれに巻き込まれて無抵抗な自分は死ぬだろう、と思っていたのだ。 魔力を暴走させるため、生命の危機を悟らせようと少女エマを襲った魔女エマ。 これが今回の事件の真相だった。 その話を聞いた少女エマは魔女エマの元へ寄り添った。 「そっか…私はどんな未来を生きても、結局誰からも愛されないんだね」 「ごめんね…ごめん…私はこんな生き方しかできなかった。何度やっても、何度も何度も何度も変えようとしたのに、  ずっとずっと、200年以上も変えようとしたのに、結局何も変わらなかった」魔女の目に涙が浮かぶ。 「だったら変えよう、今。私は貴方を愛する。だからあなたは私を愛して。  私のためにそこまでしてくれてありがとう。自分を犠牲にしてまで私の未来を変えようとしてくれてありがとう。  私はもう十分だよ。貴方のおかげで私という存在がわかったの。  私は私のために存在してた。他の誰かのためじゃない。私は未来の私の為に存在してたんだってわかったから…だからもう、充分」 少女エマはゆっくりとアルフィン達の元へ来た。 「皆さん。どうか私を殺して下さい。そして未来の私、私の魔力が暴走したらそれを抑え込んで。  今の私が死ねば未来の私もきっと死ぬ。そうすればこの時間のループもきっとなくなるから。  このループは私と未来の私が引き起こしているものだから。  だから皆さん、お願いです。私を殺して下さい。私と未来の私をこの呪縛から解放してください。お願いします」 選択を迫られた一行は魔女がしきりに言っていた"未来を変えることはできない"という言葉から、未来のエマを救うのは不可能だと悟る。 ならばエマを救う為にも、ジルを時のループから解放する為にも、エマを殺すのが最善の策であった。 フランとシュリーは激しく反対する。「私達と来ればもう"誰からも愛されなかった"未来はなくなる」と。 だがヤクシジは「エマは父を救おうとしたが結果別の要因が現れて父は死んだ。"未来を変えることは出来ない"」と、殺すべきだと主張する。 クロエは魔女エマを諭そうとするも少女エマの魔力暴走によって自分が消滅すれば今のエマは救われると頑なに信じていて説得できなかった。 そしてギルドマスターのアルフィンは最後の判断を迫られ、少女エマを助けることにした。 少女エマはこれからどうにかする、だから魔女エマは少女エマを殺すのを少し待っていて欲しいと。 しかし、ずっと動向を見ていたジルが剣を抜いた。 「聞いてなかったのか!?"未来は変えられない"、そして変えられなければ"魔女はエマを殺す"!!  そしたらまた時のループが生まれて振り出しに戻るだけだ!」 魔女エマは自身が少女エマに殺されることで「誰からも愛されなかったエマ」を殺し、「誰からも愛されるエマ」を作ろうとしていたが、 未来は変えることはできないし「誰からも愛されるエマ」を生み出すことはできない。 何故なら少女エマが魔女エマを倒した英雄として「誰からも愛されるエマ」になった場合「誰からも愛されなかったエマ」である魔女エマは存在しないことになる。 そうなると「"魔女"を倒した英雄」も存在しないことになり結果「誰からも愛されなかったエマ」となる。親殺しのパラドックスのようなものだ。 だからそのあり得ない未来を実現させようとすると時のループが発生してしまうのである。 しかしこのループに魔女自身は気づいておらずそれを知っているのは一行とジルだけであった。 9回もの時のループに巻き込まれ疲弊していたジルは剣を少女エマに向ける。 「ループが起きるのは"未来のエマと過去のエマだから"だ。だったら他者が殺せばループは起きない!!」 咄嗟の出来事でアルフィン達は対応できず、瞬速で止めに入ったクロエをもかわし、ジルは少女エマの腹に剣を突き立てた。 その瞬間、生命の危機を悟った少女エマは魔力暴走を引き起こしジルは弾き飛ばされた。 更に凝縮された魔力が一気に解き放たれ、エマの一番近くにいた魔女エマは跡形もなく消し飛んでしまった。 それを見届ける余裕もなく、次は一行の元に衝撃が伝わった。それの記憶を最後に一行は意識を失った。 目が覚めるとそこは町の病院だった。そこへ町長がやって来る。 「いやぁ、まったくもってお見事でございました!まさか"皆様があの魔女を討伐"なさるとは!!」 町長は話についていけてない一行をよそに報酬を払って上機嫌に去って行った。 そしてシュリーがエマの安否を知りたい、と看護師に尋ねるとエマの病室まで連れていかれた。 看護師の話では魔力の使いすぎで体力を消耗しているだけで数日もすれば退院できるという。腹の傷も浅いそうだ。 エマと対面した一行だったがエマはショックからか魔女のことや今回の事件に関する記憶を失っていた。 彼女からは「魔女がいた」という記憶も「生贄になった」という記憶もない。 今の彼女はその魔力ゆえみんなから疎まれる元の孤独な少女そのものであった。 エマに懸命に話しかける一行に警戒心を抱いたエマに「出て行って」と言われ渋々退散した。 そこへあちこちに包帯を巻いたジルがやってきた。そして勝手に行動したことを謝る。 ジルの話によれば魔女を消した当の本人であるエマは記憶を無くし、現場の状況から町の人達は魔女を倒したのは[グレート剣]の一行だと思っているそうだ。つまりは魔女を倒した英雄は[グレート剣]ということだ。 そうなったことで「エマが魔女を倒し英雄となって誰からも愛される未来」の可能性は完全になくなり、時のループもなくなったという。 そして魔女エマも本当の意味で死を迎えたことになった。 ジルは最後にこう話した。 「エマはきっと未来をなぞるように今後200年間孤独に過ごすこととなるだろう。  だがあの魔女、消える瞬間笑っていたんだ。すごく幸せそうに。ならエマはこのままでもいいんじゃないだろうか?  どうせ僕たちがどうあがこうとも、"未来は変えられない"んだからね」 こうして[グレート剣]の一行は、一人の少女の行く末を憂いつつも魔女に生贄を捧げる悪習を断つ事に成功したのであった。 今回の戦いでギルドの知名度が上がり、全メンバーのレベルも大幅に上がった。