タイトル:堂島翼(2022) キャラクター名:堂島翼 種族:人間(オーヴァード) 年齢:17歳 性別:女 髪の色:青 / 瞳の色:藍 / 肌の色:日系 身長:167cm 体重:57kg ワークス  :UGNエージェントC カヴァー  :高校生 シンドローム:モルフェウス ■ライフパス■ 覚醒:素体 衝動:自傷 ■能力値と技能■ 【肉体】:2 (シンドローム:1,1 ワークス:0 ボーナス:0 成長:) 〈白兵〉:SL / 判定 2r 〈回避〉:SL / 判定 2r 〈運転〉:SL / 判定 2r 【感覚】:4 (シンドローム:2,2 ワークス:0 ボーナス:0 成長:) 〈射撃〉:SL / 判定 4r 〈知覚〉:SL / 判定 4r 〈芸術〉:SL / 判定 4r 2 【精神】:1 (シンドローム:0,0 ワークス:1 ボーナス:0 成長:) 〈RC〉:SL1 / 判定 1r+1 〈意志〉:SL1 / 判定 1r+1 〈知識〉:SL2 / 判定 1r+2 【社会】:2 (シンドローム:1,1 ワークス:0 ボーナス:0 成長:) 〈交渉〉:SL / 判定 2r 〈調達〉:SL1 / 判定 2r+1 〈情報〉:SL1 / 判定 2r+1 UGN 【HP】    25 【侵蝕基本値】 32% 【行動値】   9 【戦闘移動】  14m ■エフェクト■ 《スキル名》       /SL /タイミング /判定/対象    /射程/コスト/効果など 《ワーディング》     /★$/オート$   /自動/シーン   /視界/-$  /非オーヴァードのエキストラ化 《リザレクト》      /1$ /気絶時$   /自動/自身    /-  /[SL]d$/コスト分のHPで復活 《CR:モルフェウス》    /2 /メジャー  /-  /-      /-  /2   /C値を-LV値(下限7) 《砂の加護》       /5 /オート   /自動/単体    /視界/3   /対象の判定ダイスを+[Lv+1]個/1ラウンド 《インフィニティウェポン》/1 /マイナー  /自動/自身    /至近/5   /種別:白兵、技能:白兵、命中:0、攻撃力:+[Lv+7]、ガード値:3、射程:至近の武器を装備する 《咎人の剣》       /5 /メジャー  /対決/-      /-  /4   /IWで精製した武器の攻撃力を+[Lv*5]する 《ギガンティックモード》 /1 /メジャー  /対決/範囲(選択)/武器/3   /攻撃の対象を範囲(選択)に変更。判定後、武器が壊れる 《サポートデバイス》   /3 /セットアップ/自動/自身    /至近/6   /ラウンド中、肉体を使用した判定ダイスを+[Lv*2]個する。3回/1シナリオ ■装備とコンボ■ ・武器とコンボ 名称 価格 種別 命中 攻撃力 G値 射程     メモ       1   8r  33   3   至近     武器精製、砂の加護       1   8r  33   3   範囲(選択) ↑にギガンティックモード追加       1   16r  33   3   状況     ↑にサポートデバイス追加 =価格合計= 0 pt ・防具     装甲 回避 移動  価格  名称 / 備考 鎧 :   3   -   -      / 下着:               / 修正: = 合計 =  3   0   9   6 pt ■所持品■ 名称     単価 個数 価格 備考 カジュアル     1 携帯電話      1   0 アクセサリー    1   0 制服        1   0 フォーマル     1   0 =所持品合計=     0 pt =装備合計=      6 pt = 価格総計 =     6 pt 【常備化ポイント】 6 pt 【財産ポイント】   pt ■ロイス■ 対象   好意 悪意  備考 赤羽奏  純愛 隔意 堂島大吾 尊敬 敵愾心 錬金術師 ■その他■ メモ: 彼女の名前は堂島翼。戦士にして剣女、戦う為に生まれ、敵を斬る為の道具でありながら、されど人を望んだ少女。その暖かくも非常な運命を語るなら、三度、時計の針を逆しまに回すとしよう。 堂島家。怪物殺し、異能殺し。この世の摂理に反する存在を狩り続けてきた、剣豪の一族。彼女はその家を継ぐ者として、多大な努力を積み重ねてきた。 ――語弊を謝罪しよう。彼女は一族を継ぐ者ではない。 ――継ぐ、物だ。 異形狩りの一族、堂島家を象徴する人柱。怪物を殺し、異形を殺し、この世にあってはならないモノを殺す者共。それが現代において獲物と定めたモノを殺す為に、何百何千という屍を築き上げてきた事、その上に一人の少女が立っている事を知る者は、本当に少ない。たとえ怪物を殺す為とは言え、誰がそんな事を想像するだろうか。 即ち、堂島翼というオーヴァードを作る為に、数え切れない程の子供達を実験台にしてきたという、狂気的事実。 翼は、堂島家の本当の娘ではない。対オーヴァード用の優秀な戦士を生み出す為に、堂島家が実験台として連れてきた子供達。翼はその中の一人であり、本当の両親は物心付く前にオーヴァードに殺されている。 オーヴァード覚醒に必須なレネゲイドウイルスの適合実験、泣く事さえ許されない堂島流剣術の修行、血反吐を吐くのが仕事と言わんばかりの投薬処置。施設には毎日悲鳴が絶えず、一人、また一人と、哀れな孤児達は狂い、崩壊し――死んでいった。 目的はただひとつ。一匹でも多くの怪物を殺す為。 ただそれだけの為に、彼女達は物として扱われ、また自分達を物として定義してきた。 何の為に生まれ、何の為に生きるのだろう? ……それを考える事は、本当に意味がある事だろうか? ウイルスへの拒絶反応から来る苦しみ、投薬による激しい痛み、剣術修行によって増えていく傷……日常に、この苦痛しか無い世界に、意味を見出す必要なんであるのか? ただ生き、ただ動き、ただ死んでいくしか、許されていないんじゃないのか? 子供達は、人としての生を諦めていた。意味もなく生きられず、かといって意味もなく死ねない。怪物の前に自我を殺す事でしか――殺した後でしか、己を保つ事が出来ずにいた。 そんな地獄のような環境下で、一際高い適正を示したのが――翼だった。 元からレネゲイドウイルスを保持していたのか、翼は連れてこられた当初から既にワーディングへの完全耐性を身に着けていた。更に運動神経は子供達の中でもズバ抜けており、投薬による拒絶反応にも耐えてみせた。これはまたとない良個体だと、堂島の研究者達は他の被験者(モルモット)から得たデータを基に翼の能力開発を続け、一方で翼の糧とする為に、子供達に更なる実験を課していく。 この時、翼が思った事は一つ。「生きたい」という切望である。 実験台としてでも、怪物殺しの道具としてでも良い。ただ生きて、認められて、皆とここから出たいという思いが――地獄の環境を生き抜くだけの強い意志が、彼女には備わっていた。 そして、翼が施設に連れて来られてからどれほど経っただろう。繰り返される実験の末、遂に翼はモルフェウスとして覚醒し、若年ながら堂島流剣術を完全に修める程の剣士に成長した。これで認められる、もう実験や投薬をする事もない。皆と生きるため、ひたすら前を向いて生き延びた少女が、仲間を振り返るために後ろを向いた、先には――。 誰も、いなかった。 皮肉かな、翼が生きたいと思えば思う程、他の子供達は過酷な実験で死んでいき、翼が生きる為に必死で前に進む頃、他の子供達は皆生きる事を諦めてきたのだ。 ――本当に生きたいと願っていたのは、自分だけだったのか? 絶望に打ちひしがれ、咽び泣く翼……だが研究者達は「それがどうした、道具」とばかりに翼を“唯一の成果”として本家に献上。堂島家は翼の能力に満足し、彼女を容姿として迎え入れた。 「翼、翼か……なるほど、怪物を殺す猛禽の刃という訳だ」 誰が言ったか、その言葉。結局、実験を終えても堂島家という鳥籠から逃れる事は出来ず、怪物を殺す道具としての生を受け入れるしかないという、これ以上ない皮肉だった。 こうして翼は、実験動物から道具(オーヴァード)になった。堂島の性を与えられ、まるで人間のように学校にも通わされ、日夜怪物殺しに駆り出される。望んでいた筈の日常は、まるで灰色がかった空の如く、どこまでも閉塞していて、どこまでも不自由だった。 そんな翼が高校生になった日。それはまさしく、翼の運命が変わった日。 その日、翼が住む市内にあるコンサート会場で、トップアイドルの赤羽奏によるイベントが開催されていた。沸き立つ観客、飛び交う声援。トップアイドルの肩書きは伊達でなく、本当に沢山の人々が集まる催しだった。 盛り上がる観客達の歓声が、会場に突如として現れたジャームによって悲鳴に変わらなければ、イベントは大成功で終わっただろうに。 イベント会場にジャームが現れたとの通達を受け、急ぎ駆けつける翼。現場に到着した彼女が見たのは、ジャームによって殺された人々の無残な姿……そして、今まさにジャームに襲いかかられようとしている、赤羽奏の姿だった。 緊急事態になりふり構わず、一直線にジャームを攻撃。一息でその生命を終わらせる。それが自分の仕事、自分の役割。道具としての使命を全うした翼は、さて帰投しようとして。 「お、おい! お前一体何者だ!?」 なんと、後ろから声をかけられた。 翼のワーディングが発動している状況下で、だ。 振り返ると、そこには唖然としてこちらを見る赤羽奏。何故気づかなかったのか、彼女はワーディングの中で平然と動いている。正体を悟られないうちに、翼はその場を離脱。後はUGNがどうにかするだろうし、道具である自分は殺す以外にする事もない……あのアイドルともこれきりだろう。そう思っていた。 後日、学校で偶然彼女と再会するまでは。 ……迂闊というかなんというか、奏では翼と同じ学校に通っていたらしい。アイドルにまるで興味のなかった翼がそれを知る筈もないのだが、ともあれ再会した途端、追いかけて質問をぶつける奏と、追いかけられて面倒を回避しようとする翼の図が出来上がった。 何度も何度も自分の正体を尋ねて来る奏に、最初は翼も辟易していた。だが奏のしつこさに観念したのか、やがてぽつりぽつりと言葉を重ねていくうちに、二人で会話を交わすくらいの仲になっていった。 ……何故、道具である自分に、そんな事をする必要が? 胸の内で反芻される疑問。自分でも分からない問答を続ける翼に、奏は言った。 「ありがとな、翼。あの日、あたしを助けてくれて」 ……何故か、胸が傷んだ。 「翼が何であいつらと戦ってるのか、何でいつも辛そうなのか、そういうのは、まだよくわかんないけどさ。あたしが嬉しかったのは事実で、こうして翼と話せて嬉しいってのも、本当の事なんだ」 ……何故か、目頭が熱くなった。 「あたしは、翼と会えた事。翼と友達になれた事。嬉しくて、ちゃんと意味のある事だと思ってる。だから、あんま無理すんなよな。いっつも真面目過ぎて、ポッキリ折れちゃいそうだぞ?」 ……その“何故か”が、長らく見失っていた「生きる意味」であると気づいた時、翼は奏に抱きしめられて、泣いた。 二人が“友達”になって、翼は奏のライブイベントに招待された。大勢の観客の前で、溢れんばかりの煌めきを振りまく友人の姿に、翼はある願いを抱くようになる。 もし、もしも許されるなら……私も、奏と同じ舞台に立ちたい。道具としてではなく、人として……人の為に立つ人として、奏のように誰かを笑顔にしたい。あの日、皆の生命と一緒に背負った「生きたい」という願いの分まで、誰かの生きる力となりたい。 こんな道具(わたし)を、友達(ひと)と言ってくれた、奏の為にも。 輝くステージの上で歌い、踊る奏を見ながら、翼は血に塗れた手を握り締めた。 その手に思い描くのは、怪物を殺す魔性の剣ではない。誰かを守る、守護の刃。 その手で掴むと願うのは、皆の生命と共に「人の生」を諦めた過去ではない。大切な友と同じ舞台で歌う、自分自身。 ――こうして、道具は人である事を望んだ。 その望みが叶うかどうか……それは、時計の針が進む先で。 url: https://charasheet.vampire-blood.net/1385396