タイトル:けーてん キャラクター名:『人族と蛮族』けーてん 種族:ハイマン [特徴:デジャヴ、魔法の申し子] 生まれ:魔導師 ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:10 性別:??? 髪の色:銀  / 瞳の色:紫  / 肌の色: 身長:130 体重:26 経歴1:蛮族と間違われたことがある 経歴2:目標としている人がいる 経歴3:告白されたことがある 穢れ度:0 ■能力値■      技     体     心 基礎    6      6     15    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F   2   1  10   5   6   3 成長   1   1   2  17  22  11 →計:54 修正 =合計=  9   8  18  28  44  29 ボーナス  1   1   3   4   7   4    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本  17  17  67  125 特技         0   0 修正 =合計= 17  17  69  125 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:13 Lv ソーサラー      10 Lv  / コンジャラー    13 Lv プリースト/サカロス 7 Lv  /  フェアリーテイマー 2 Lv エンハンサー     5 Lv  /  ライダー      6 Lv ■戦闘特技・値■ [参照] 特技名      : 効果                   : 前提 [pIB34]ルーンマスター   : 魔法拡大を宣言せずに使用出来る      : 魔法技能1つのLv11 [p226] 魔法拡大/数    : 対象を拡大するごとにMP倍増、達成値は個別 : [p222] 防具習熟/非金属鎧 : 防護点+1、Aランク装備可能        : [pIB32]防具習熟S/非金属鎧 : さらに防護点+2、Sランク装備可能     : [pIB32]魔力強化      : 魔力に+2                 : [pIB31]武器習熟A/スタッフ : ダメージ+1、Aランク装備可能       : [pIB32]防具の達人     : 全ての防具を装備できる          : [pIB38]魔法拡大/確実化  : 同じ対象に2回行使判定可能、結果は一つ  :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本   0   0  8  30 修正 特技        2 =合計=  0   0  10m  30m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名     : 効果: 前提 [p]  ビートルスキン  :   : [p]  キャッツアイ   :   : [p]  マッスルベアー  :   : [p]  メディテーション :   : [p]  スフィノレ    :   : [p]  遠隔指示     :   : [p]  探索指令     :   : [p]  HP強化      :   : [p]  ▽騎獣の献身   :   : [p]  特殊能力開放   :   : [p]  HP超強化     :   : ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター : グラップラー: フェンサー : シューター : ・武器 価格 用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照) 360  1H両  16      0  21  11   0 [アックスB] *バトルアックス / (233p) 4500  1H   6   1   1   6  12   1 [スタッフ] *スパイラルホワイトロッド / 魔法ダメージ+2、鞘へ収納可能 (p) =価格合計= 4860 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 : 18   1  10  92000 ディヴァインスキン / 精神抵抗+2 盾 : 18      5  22900 マナタイトホプライトシールド / 修正: = 合計 =    1  19 114900 G (回避技能:) ・装飾品    価格  名称                / 効果 頭 :10000 勇者の証(心)            / 耳 :3500  こうもりの耳飾り          / 顔 :100  宝石ケース             / 光2闇2 首 :740  ポーションインジェクター      / インドミタブルポーションin 背中:100  聖印                / 右手:500  知性の指輪             / 左手:3000  シン式魔術指南書          / 腰 :3000  ブラックベルト           / 足 :15000 ディスぷれさーガジェット/マナリング / マナリングの方を専用化 他 :500  知性の指輪             / =合計=36440 G ■所持品■ 名称            単価  個数 価格  備考 冒険者セット        100  1   100 保存食           50   5   250  2+21/14+21 叡智の腕輪         1000  5   5000  予備 知性の指輪         500  6   3000  予備 5点魔晶石          500  20  10000 7点魔晶石          1400  5   7000 魔香草           100  10  1000 シアンの銀貨袋       3000  1   3000 シアンの奇跡の首飾り    5000  1   5000 人形            100  100  10000 熱狂の酒          980  3   2940 インドミタブルポーション  320  5   1600                   1   0 可愛いお着換え       100  4   400 騎獣専有証『ヒポポタマス』 20000 1   20000 騎獣用甲冑         3000  1   3000 ===消耗品===         1   0               600  1   600  生活費               900  1   900               300  2   600  フレミングトーチ、タワーシールド売却差額 500Gアイテム        500  14  7000  指輪*7 石*7 100Gアイテム        100  6   600  魔香草6本 熱狂の酒          980  6   5880 シンさんブックス      3000  2   6000 人形            100  6   600 7魔            1400  2   2800 =所持品合計=   97270 G =装備合計=    156200 G = 価格総計 =   253470 G 所持金   216244G 預金・借金    G ■魔力■ 知力ボーナス: 7 特技強化ボーナス: 2 武器ボーナス: 0  名前  Lv 追加修正 魔力 真語魔法 10      21 操霊魔法 13      24 深智魔法 10 -     24 神聖魔法 7       18 妖精魔法 2       13 ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       - - エルフ語  - - / ドラゴン語     - - ドワーフ語 - - / ドレイク語     - - 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     - - 魔動機文明語- - / 魔神語       - - 魔法文明語 ○ ○ / 妖魔語       - - 妖精語   ○ - / グラスランナー語  - - シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 初期習得言語:交易交通語、魔法文明語 技能習得言語:妖精語 ■名誉アイテム■ 点数 名称  10 コネ:リオン  50  50  50  50  50 鎧専用化  10  10  50 鎧専用化  10 称号取得:蛮族  10 称号取得:人族  10 コネ:アーキマン 250 名誉蛮族  50 ベネディクト流紳士杖術  30 紳士による別れの挨拶 100 戦闘特技 100 戦闘特技  50 ルシェロイネ  20 魔道優越  30 スパイラルホワイト  50 所持名誉点: 97 点 合計名誉点: 887 点 ■その他■ 経験点:300点 (使用経験点:109500点、獲得経験点:106800点) セッション回数:54回 成長履歴: 成長能力  獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 1- 知力    1220点(1000 / 220 / 回) 2- 生命力   1220点(1000 / 220 / 回) 3- 筋力    1190点(1000 / 190 / 回) 4- 生命力    370点( 370 /   / 回) 5- 知力     50点(   /   / 1回) 6- 筋力     50点(   /   / 1回) 7- 生命力     0点(   /   / 回)  【END WORLD7 -海底遺跡-】GMリューさん PC:けーてん、ストレイン、サワ、うぉるく、ストレイン、イリーネ 8-        0点(   /   / 回)  【キノコ】GMみたびさん PC:けーてん、ストレイン、エマ、ラヴィル、おかま 9- 精神力    50点(   /   / 1回)  ランダン 10-      1350点(   /1350 / 回) 11- 生命力   1450点(1000 / 450 / 回) 12- 知力    1550点(1500 /   / 1回)  ランダン 13- 知力    1360点(1360 /   / 回) 14- 生命力   1390点(1340 /   / 1回)  ランダン 15- 知力     0点(   /   / 回) 16- 敏捷度    0点(   /   / 回) 17- 精神力    50点(   /   / 1回) 18- 生命力    50点(   /   / 1回)  ランダン 19-        0点(   /   / 回) 20- 知力     0点(   /   / 回) 21-      2150点(   /2150 / 回) 22- 生命力   1750点(1700 /   / 1回) 23- 精神力   1660点(1660 /   / 回) 24- 精神力   1750点(1700 /   / 1回) 25- 知力    1460点(1000 / 460 / 回) 26- 知力    5880点(   /5880 / 回) 27- 知力     0点(   /   / 回) 28- 知力     0点(   /   / 回) 29- 精神力    0点(   /   / 回) 30- 知力    1670点(1620 /   / 1回) 31- 精神力   1980点(1980 /   / 回) 32- 知力    1950点(1900 /   / 1回) 33- 生命力   1950点(1900 /   / 1回) 34- 精神力   1590点(1590 /   / 回) 35- 精神力   1700点(1700 /   / 回) 36- 生命力   9160点(9160 /   / 回) 37- 知力     0点(   /   / 回) 38- 生命力    0点(   /   / 回) 39- 知力    1700点(1700 /   / 回) 40- 知力    1940点(1940 /   / 回) 41- 精神力   1730点(1730 /   / 回) 42- 生命力   2070点(2070 /   / 回) 43- 生命力    0点(   /   / 回) 44- 精神力    0点(   /   / 回) 45- 知力     0点(   /   / 回) 46- 生命力    0点(   /   / 回) 47- 生命力  22560点(22560 /   / 回) 48- 精神力  30000点(30000 /   / 回) 49- 知力     0点(   /   / 回) 50- 器用度    0点(   /   / 回) 51- 生命力    0点(   /   / 回) 52- 知力     0点(   /   / 回) 53- 生命力    0点(   /   / 回) 54- 生命力    0点(   /   / 回) 55- 知力     0点(   /   / 回) 56- 知力     0点(   /   / 回) 57-       650点(   / 600 / 1回) 58- 知力     50点(   /   / 1回) 59-       50点(   /   / 1回) 60- 知力     50点(   /   / 1回) メモ: 絵師5 作家5 (描いた作品は下で補足) 『今は旧き地獄の底、叶うなら……唯ひとりの喝采を。……戦うために』 『私が刻む物語は……私のための物語』 カルゾラル地方で命を落とした魔剣『命を扱う禁書』の魂がハイマンとして転生した。 現在の名は『アリス=ストール=ブックランド』だが、けーてんと名乗る事が多い。 カルゾラル地方での最期 自分のマスターはカルゾラル地方にある一つの藩を統一し、藩王となった。人族と友好条約を結び、人族奴隷の独り立ち支援システム等を作り上げてより良い環境を目指していた。 事実、昔に比べれば人族から見ても、蛮族から見ても過ごしやすくはなったと思う。戦いが減ったわけではなく、戦いについては推奨すらされていたが、闘技場のような場所でよく争う。 そういうのが無い時は、バッティンゴーレム等のスポーツを嗜むといった具合に平和な毎日だ。 そんなある日……。 マスターは二人の冒険者と戦いになった。ひとりは弓師の女性で、一人は魔術師だったように思える。戦いの火ぶたが開いて、僅か1射……マスターの意識が刈り取られる。まだ負けてはいない。マスターは立っていたが、それでも……このままじゃ持たない。 その女はあろうことか分身してもう一撃放ってきた。マスターが受けたら耐えられない。……私は無意識のままその一撃を私はこの身で受けた。……痛みで意識が消し飛んで、ぼやけていく視界と失われていく鼓動を感じながら、最後に見た景色は…… マスターがマスター自身を、回復している姿。安心して、私は意識を閉じた。だって、大丈夫だもん。マスターを最初に倒しきれない人じゃ、マスターを倒す事なんて出来ないって、私は知ってる。 ……だから、マスターは生きている。そう確信できる。 でも、マスターはきっと私を赦さない。私は、マスターが嫌う事を二つ同時にしてしまったから。本気で怒ったマスターを見た数少ない……その二つを、私は破ってしまったから。 命を扱う禁書は、自分の命を守れなくて。軽んじてしまった。 戦いに生きたマスターの、戦いの邪魔をしてしまった。 ごめんなさい、マスター。自責の念だけが積もっていく。 補足 ちょくちょくこの作品はこっそり更新する。 彼女が描いている作品『ライディア』(主人公の名前と同じタイトル) 一つの街(街の名前は本編で未公開)には無限迷宮と呼ばれるとても深い深い迷宮があった。その迷宮は奥に行けば行くほど危険なものだが、お宝等も多く手に入るため多くの冒険者が挑戦していた。 主人公はその冒険者の中の人間の一人。その人間は少し脳筋が入っているが心優しい剣士。ヒロインはナイトメアのぶっきらぼうな女の子(6話二巻目から登場) 主人公は最初は3人の仲間と共に迷宮へと潜る。人間の剣士、エルフの魔法使い、ドワーフの銃士の3人。人間とドワーフは男で、エルフは女。3人は同じ村の出身で、村の復興の資金稼ぎのために潜る。 危険な道を協力して進むが、魔法使いのモニタリング能力の高さで困難にはならずに奥に進んでいく。しかし、戦闘になりエルフが狙い撃ちされ倒れてしまう。統制を失い混乱する二人の元に訪れる謎の女。謎の女の協力でその困難を突破。礼を言うが、その女性は一言二言かわすとそのまま去っていってしまう。 その後もたまに見かけ、お互い協力し合うが名前すらも判明しないという状況が長く続く。 第48話、海の階層の場面で水の化け物に彼女が襲われているのを見て助けに入る勇者一行。彼女の実力をもってすれば大したことない敵に思えたがどうした と答えると、彼女は自分のリボンを外してナイトメアだという事を打ち明ける。 その際、エルフ、ドワーフの二人は嫌な顔を少ししたが、人間は少しも気にしないで仲間に加わるように告げる。 その時の解答は考えておく で、仲間にはならないが……。 99話、壊滅の危機 にて全滅の危機、エルフもドワーフも意識は残っているものの指一本動かせない、人間も瀕死でもう立って戦うのも厳しい という状況で登場するはヒロイン。 勇者の剣を取り、傷深いボスに止めを刺す。全員の治療をして去ろうとするヒロインを止めたのは勇者ではなく、前に嫌な顔をした二人。 3人全員から心から認められたと分かったヒロインは しぶしぶ仲間になる という感じを取り繕いながら100話で仲間になる。 現在(キャラ作成時)では104話、ヒロインの隠された実力と真の姿 という内容。 なお、ヒロインは神官戦士に該当する感じだ(信仰はシーン) 登場人物紹介 ライディア 人間のファイター/エンハンサーの純戦士。割といい所で避ける主人公気質。 一撃一撃は重いが、攻撃速度は少し遅い模様。支援能力等は皆無と言ってもいいくらいに低く、自己強化もそこまでではない。 だが、性格やその高い耐久性によって自他ともに認める皆のリーダー。 エルフからはアホリーダー、ドワーフからはライ ナイトメアからはライディア と呼ばれている。 ルーリン エルフのソーサラー/スカウト/セージ。純魔法使いで参謀。軍師としての適性はあるのだろうが、そのような描写が実はなく細かく指示をしている という事が多い。攻撃性能はそこまでは高くないのだが、活躍している場面は割と多い。支援能力は高くないが、低いというわけでも無い。 たまに暗黒微笑を浮かべて敵を弱体化していることから、たまに仲間から腹黒女扱いされることもある。 人間からは るー ドワーフからもるー ナイトメアからは腹黒やルーリンと呼ばれる。 ガイア ドワーフのマギテック/シューター。街で魔動機師として活躍する場面や、皆の武器の調整や料理等バトル外で活躍する事が多く、仲間からはお母さん扱いされている髭面親父。お父さんじゃなくてお母さん扱い。 狙撃の2Hガンナーで恒常的な活躍はあまりしていないのだが、無駄に格好良く決めたりする。作中で攻撃を外した描写が一度もなく高い命中精度を誇っている事は明らか。 人間からはガイア、または母さん エルフからはガイア、またはお母さん ナイトメアからはガイアさんまたは母 と呼ばれている。 フェイ ナイトメアのプリースト/ファイター。比較的何でも出来る少し軽武装の神官戦士。攻撃力はライディアよりも低いが、高い支援能力を持ち合わせている。(PT的には唯一の回復役でもある)。脆い一面も持ち合わせていて、敵の強い一撃(ライディアは耐えたやつ)で気絶したこともあった。 生活能力は高くないが最低限は出来ると思われるが、彼女の生活が描写されているのは現状はない。 PT全員からフェイと呼ばれている。 ====1話「旅立ち」  新しい日常の始まりだ、そう思って早く起きて誰よりも早く準備をする。まだ日は登り切っておらず、少しだけその顔を覗かせる。少しまだ肌寒い中、あまり着込む事もしないで外に出る。  今日は成人の儀。俺が一人前の戦士として、そして、大人として認められる日だ。今まで俺をガキ扱いしてた大人たちにもう子ども扱いされないと思うと嬉しくなる。 『少し静かにしてくれる、ライディア。こっちもまださっき起きたばっかなの……』  長身のエルフの女の子、ルーリン。金髪で碧眼。見た目でいうならTHE・エルフって感じ。しかも魔法の腕も立つし、少しだけなら弓も使える。お手本のようなエルフだ。少しぶっきらぼうで冷たい感じはするけど、基本的には優しい。 『まぁまぁ、るー。今日くらいはいいじゃないか。ちゃんとご飯は作っておいたから、ちゃんと食べて身支度してから行くんだよ』  こっちはドワーフのガイア。小さいし髭面だけど、面倒見のいい俺らのお母さん。……男だけどな。外の町だとエルフとドワーフが仲が良くない とかも聞いたことはあるんだけど、コイツらは普通に仲がいい。  小さいころから、3人でいろんなところを遊びまわっては怒られてきた。……俺が。 『……おい、俺が一番早く起きたはずだぞ。何でお前らいるんだ?』 『はぁ? あんたが〝俺、明日は早起きするんだ。お前らも寝坊するんじゃないぞ!″とか言ったからじゃない』 『るーも、まだご飯はまだだろう?』 『……えぇ。いただきます』  堅いパンで作られた野菜サンドが、この村の名物でガイアの得意料理だ。ガイアの家では代々武器を作っていて、ガイアもその名を継ぐだろう……と小さいころからずっと思っていた。でも、最近は村の資金がそこを尽きて、運営もまともにできなくなってきた。  ガイアの家も今の当主の代で終わりにするそうだ。俺の親は冒険者で、生まれてすぐ亡くなってしまったらしいから覚えてない。だから、家の仕事が継げなくなるというのがどういう気持ちかはわからない。  ガイアがるーの親……今の俺の親と話している。 『それで、ライディアはどうするんだい? 今日から大人ということは、養ってもらうのではなく、自分で働いて稼ぐ ということだ。何か決めたのかな?』 『私は旅に出るわよ。……この村じゃ稼げるお金もたかが知れてるし、外に出た方が良いと思ったもの。外で冒険者にでもなろうかしら』 『るーは、ずーっとそう言ってるな。まぁ、言って僕も同じ。外に出て鍛冶をしながら行商……なんかを考えている』 『……俺は』  ずっと考えていた。二人が改めてこう考えを言ってくれたのは、きっと……俺への気使い。外に出るにしても、中にいるにしても気遣う必要はない……って。  俺は、村が好きだ。みんなが好きだ。俺はるーみたいに魔法の才能もない、ガイアみたいに鍛冶する才能も料理する事だって出来ない。だけど……ずっと憧れていて、やりたかった。 『俺は、無限迷宮に挑もうと思う。それでお金を稼いで、この村を……再建するんだ』  やっと言う事が出来た。それを言うにしては遅すぎた感じはするけど、それでいい。二人を巻き込みたいわけじゃなかった。……俺が、一人で……。 『ふぅん? じゃ、私も冒険者としてその護衛でもしようかしら』 『僕も勇者様の鍛冶が出来るなんて光栄だね』  ……? 何を。 『あー! もう、察し悪いわね! あんたについてく って言ってるの!』 『るーも心配なんだよ、ライ。もちろん、僕もね』  今、俺はどんな表情をしているんだろう。それどころか、二人の表情も見れない。 『あーあー、子供ね。成人の儀、あんただけ子供でしたー とかやめてよね』 『うっせ。もう、子ども扱いなんてさせねぇっつの。ご馳走様! いっちょ儀式やってくる!』 『あ! ……アイツ。まだこんな時間じゃ儀式始まってないでしょうに……』 『ライはいつまで経ってもライのままだね。そこがライのいいところでもある』 『……悪いところの方が多いけどね』 ===第二話 成人の儀 ※漫画形式です  この村でやってる成人の儀は、ほかの村でもよくあるもんで、小さな舞台の上に立って成人の目標……抱負みたいのを掲げるだけだ。俺も堂々と勇者になって村を興すと隠さずに言ったものの、大人たちからはより子ども扱い。  まぁ、そりゃそうだ。勇者なんて絵本の中にしかいなくて、伝説の剣も俺は持ってないし選ばれた力……みたいのも持ってない。村の子供の中ではそこそこ剣術が出来る方、魔法も出来ない。……勇者なんて俺より凄い奴がなるに決まってる。  だから、抱負っていうよりは……自己暗示みたいなもんなのかもしれない。るーの奴が昔に言ってた。〝魔法っていうのは言霊。魔力を操作するだけじゃなくて、自分の中にあるイメージを明確にするための言葉なの″って。  その自分の中にある勇者のイメージを言葉に出して、自分の逃げ道を消したかっただけかもしれない。いつか逃げてしまうかもしれないから……その道を消したかったのかもしれない。 『私は、ライディアを助ける。魔術師になって、この村を興す』 『僕は、ライを助ける。ライ一人じゃダメかもしれなくても、僕たちが手を貸せば……勇者になれるかもしれないからね』  二人も堂々とみんなの前でそう言ってくれた。助けられる情けない勇者かもしれないけど、仲間に助けられている、助けてもらえる勇者っていうのもありかもしれない。……でも、もっとみんなを助けたいとは思うんだけどな。 『よっしゃ、行こうぜ。二人とも。……あの、無限迷宮に!』 『……ハンカチは持った? 剣の整備は? 保存食だってちゃんと持ってないだろ?』 『うぐ……』 『あんたねぇ、もう少し落ち着きなさいって。どうせ、そういうのぜーんぶ分かってる私らのお母さんがやってくれてるんでしょうけど。ね、ガイア?』 『はは、お見通しで。じゃぁ、行くよ、ライ』 『おう、サンキューな、お母さん!』 『もう、それで通すのかい』  空は青く、俺たちの旅立ちを祝福してくれているみたいで。何日も夜を越して外での生活の方法とかも大体わかってきた。それでもまだ少し不安になる事はあったけど、そんなことも分かってるみたいに俺の事を二人は支えてくれた。  その途中……。 『ライ、下がりなさい!』 『へ?』  瞬間、俺の前に何か植物のようなものが過る。ルーの言葉がなければ俺はその植物になぎ倒されていたかもしれない。……大きな魔物、初めての戦闘。  これは、少し過酷なことになりそうだ。 ===第三話 観測主 『ライ、下がりなさい!』  斬。大きな音を立てて空気が割かれ、鼻先から僅かに血が飛び散った。……怖い、ただそう認識してしまった瞬間に俺の体は動かなかった。 『……ガイア、3歩下がって射撃準備。ライ、とにかく防御姿勢入って! 相手の取り込みは厄介だから、とにかく避けて!』  その指示は聞こえてる、それと同時に詠唱を始めたルーのことも分かってる。目の前の植物が、次の攻撃を俺にしようとしているのも分かってる。……なのに、体が動かない。どうしよう、防御……って、どうやるんだっけ。 『ライ!』  はっ と意識を植物に向けると、こっちに振り下ろされている触肢。ただ、恐怖で体が動くままに避けようとするけれど……その触肢は俺にあたり、鈍い痛みが……走らない。痛くない、なのに体は動かない。……視界が黒く染まっていく。……何も見えない。 『ガイア!』 『分かってますよ、ちゃんと……当てる』(漫画的描写ではここで植物を一撃で破壊する)  気が付けば、また視界は明るくなっていて、傷も少しだけど癒されていた。そこでようやくどんな状況だったのかを聞いた。俺が気づかないでモンスターのいるエリアに侵入。ルーが敵を弱体化させて、俺の事を守って、さらに相手を痺れさせて動けなくしたところをガイアが撃った。  ……俺は、本当に何もできなかった。ルーがいてくれなかったら、俺は大怪我で、ガイアがいてくれなかったら敵を倒すことすらできなかったかもしれない。本当に、俺は弱い。 『……ねぇ、ライディア。……ううん、アホリーダー』 『は、アホって何だよ。……じゃねぇ、リーダーって何だよ……』 『あんたのことよ、ライディア! あんたが、あたしらのリーダーなの。もう、怖いの? ビビった? ……戦えない?』 『……わかんない』 『……前に、言葉には力が宿るって言ったでしょ。それってどういう事か分かる?』 『自分の中のイメージを、明確にさせるって……言ってたよな』 『そう。だからね。真、第一位の攻。瞬閃、熱線――光矢!』  魔法で作られた光の矢が、ルーの指輪から放たれる。この魔法だけでも何度も練習してきた、それが分かる位にきれいな矢だった。倒れるまでこのエネルギー・ボルトを撃って練習してきたのを知ってる。ルーが、いろんな魔法を使えるようになってからも、この魔法の練習をやらない事は無かった。……そう、知っている。 『ねぇ、ガイア。ご飯、作って――カレーが良いな』  同じような魔法の矢が、ルーの指輪から放たれた。……少しのぶれもなく、とても綺麗な。それでも、正しい詠唱じゃない。教科書に書かれているような、そういう詠唱じゃない。 『……何度も作り上げられたものって、少しじゃ壊れない。あんたが、勇者だって私たちが信じてる、私たちのリーダーだって事も、まだ少しもぶれちゃいない』 『あんたは、教科書通りの失敗をした。それも情けない位のね。……でもだからと言って、あんたの今までが消えるわけじゃない。あんたが振ってきた剣の回数を私は知ってる。あんたの心がこの程度じゃ折れないことも』  少しの沈黙が流れる。……流れたのは、沈黙だけでは無かったけど、それでも、前を見て、ルーを見た。 『……かなわないな、ルー。ありがとう。俺は臆病で、弱くて、頼りにならないリーダーかもしれないけど、ついてきてほしい。今度こそ、戦うために』 ===第四話 無限迷宮 『ここが……』  3人で同じように小さくつぶやく。ここが、遺跡の入り口。大きな扉を開けばその先が迷宮だ。準備は既にできているし、覚悟も出来ている……。 『……じゃ、アホリーダー。開けて』 『そうですな。ここは、ライに開けて貰わないと』 『おう』  小さく深呼吸して、その扉を開ける。中に入ればここから先には危険が待っている、そういう雰囲気がして少し尻込みをしてしまうが、ルーに思い切り……。 『はいはい、早く入る!』  そう言って蹴りを入れられては、入らないわけには行かない。中に入っていく。全員で中に入って、振り返れば……扉が消えていた。もう引き返せない、そう暗に告げているかのように。だが、逆に覚悟が決まった。  引き返せないなら、進むだけだ。 『……とはいってもなぁ。ただ進むだけでいいのか?』 『待って。そこ、そこの壁に違和感がある。……多分、道が分かれてるわ』 『はぁ? ただの壁じゃん』 『……』  黙って壁に近づいて、その壁に触れる。すると、その壁が横にずずずという低い音を立てながら動いて、小さな通路が現れる。 『おぉ……!』 『後、その奥から敵の気配も感じる。気を付けて進んで』 『……あ、あぁ。分かった』  言われた通り注意してその道を進んでいく。後方からは魔法の光が差し込んでいて、道もはっきりと見える。途中で広い部屋に出ると、そこには一つの魔動機がその先の道を塞ぐように立っていた。 『ふぅん、ガーウィね。警備用の魔動機だから、油断は出来ないわ』 『オッケー! じゃ、今度こそ……俺は逃げねぇ!』  スーッと深く深呼吸。今は強い恐怖感もないし、体も動く。ルーの声も、ガイアの声もはっきりと聞こえる。 『私が支援をかけた後、リーダーは突撃。ガイアは下がって即射撃準備。……二枚掛けよ、パラライズミスト! パラライズ! 行け、リーダー!』 『おっしゃー!!! 全力で、叩っ斬る!!』  剣を思い切って振り下ろす。少し距離間が曖昧だったけれど、そもそもの武器が大きかったことも幸いしてその胴体を大きく引き裂く。……が、剣が途中で挟まって。 『やべ……』 『甘いぞ、ライ』  俺の耳のすぐ横を銃弾が通り過ぎていく。その銃弾はコアに命中してそのまま……動かなくなった。 『ふふ、いいところはまたガイアに取られちゃったわね? アホリーダー』 『あーもー! 俺はいつになったら活躍できるんだよー! 勇者って、ほら。最初からこう、ガガーンって活躍するもんじゃねぇのか?』 『あんたにはまだ勇者の資質が足りてないの。もっと強くなりなさい』 『そうだね、ライ。君は確かに早く切り込む事が出来るけど、敵の強い場所、弱い場所の見極めが出来ていない。ただ、乱雑に剣を振り回しているだけじゃダメだよ』  本当に、自分の弱さを実感させられる。だけど……初めてみんなと戦えて、それに分かった。俺の仲間がどれだけ頼りになるのかって。まだ、俺にはみんなを助ける事なんて出来ないのかもしれないけど……。  こいつらを助けられるようになれば、俺も肩を並べて戦える。……俺でも、こんだけ弱い俺でも……勇者になれる。  そう、本気で思えたんだ。 ===第五話 ドゥーム 『おー! お宝じゃん!』  ガーヴィを倒して、その先の通路の前……そこには宝箱。見るからに……という宝箱でさすがの俺でも罠を警戒するが、ルーが見ても罠は無くて。  その宝箱を開けたら、一つのブレスレッド。そこそこ高い値段がするっぽいんだけど、どういうものかまでは分からなかった。ルーでも分からないんじゃ、うちらじゃわかりようがない。その横ではガイアが回復のためのお粥を作ってくれている。 『……さて、お宝も貰ったし好調ね。回復も十分、進みましょうか』  ガイアの作る薬草粥を食べてから、その奥の通路を進んでいく。先の通路は狭く暗い。俺の剣に魔法で光をまとわせて進む。次こそは、俺が……そう強く決心しながら。少しまた広い場所に出る気配があったから、気を引き締める。  今度はさっきより強いやつが来るかもしれない。だから……。  大部屋にたどり着くと、そこには4足歩行の胴体に大砲を備えた大きな魔道機械。  なんとなく、ヤバい……そう反射的に身構えるけれど、それ以上に身構えているルー。きっと……ルーは知ってるんだ。アレがヤバいって。 『……あれは』  ルーが息をのむように、小さく呟く。さっきまでの疑問が確信へと変わる。きっと、俺たちには厳しいレベルの敵で、ただ戦っているだけじゃ……きっと勝てない。  ルーに情報を聞きたいと思ったが、ルーの表情を見ると何かを考えているようで。おそらく、今邪魔したらいけない……そう、思った。  ……瞬間だった。ドン という小さな砲撃音、そして……バタリと倒れる音。 『……ぁ』  小さな声を立てて、目の前に立っていた女の子が倒れる。……一瞬だけ思考が追い付かない。今、彼女を抱えて逃げる事なんて出来ないだろう。 『僕に任せて、ルーを抱えて逃げるんだ、ライ!』 『……ダメだ、ガイアまで……ガイアまでこうなる』 『……このままじゃ全滅だ。ルーだけでも』  駄目だ、逃げる事は出来ない。あるのは狭い通路たった一つだけ。あの魔道機械の奥に進むのも出来ない。ガイアと俺で二人で倒すしかない。でも、出来るのだろうか。ルーの、作戦なしで。ルーの、支えが無くて。 『行くぞ、ガイア。……アイツを倒して、進むぞ』 『……分かった。その賭けに付き合おう、リーダー』  集中して狙いを定める。外してはいけない、絶対に痛手を与えないといけない。それだけじゃない……。俺を狙わせないと。ガイアじゃ、アイツの攻撃を……耐えられない。前のおお振りを避けて、なるべく小さく、鋭く……そして強く。  俺には相手を一撃で倒すことは出来ない。だから、相手からの攻撃を避けれるように……。少しだけダメージを与えて、最低限だけ距離を開ける。相手全体を見れるように。  ……相手の体が、光る。それと同時に飛んでくる金属片が俺の体に当たるけれど、辛うじて大体は弾くことが出来る。……痛いけれど、受けられる。それと同時に……小さな銃が俺の方を狙い定める。  もし、当たったら……耐えられない。反射的にそう思った。ヤバい、このままじゃ……。  発射される弾丸は、俺の胸の中心を目がけて飛んできて。避けられない、ダメだ。このまま倒れては……。絶対に……。  絶対に負けられないと本気で思った瞬間に、不自然なほど自然に体が動いた。弾丸が俺の後ろの地面へと着弾。  絶対当たる、避けられないはずのその事象が覆る奇跡。ただ、奇跡は……それだけじゃなかった。  痛みが引いていく。視界の隅の方には同じくらいの年の女の子が、魔法を使っているのが見えた。 ===第六話 プリ―スト 『……これ、どういう状況ですか?』  エルフ……だろうか、少し背の高い女の子が立って俺の傷をいやす。完全には治りきらなかったけど、それでも十分なもので後一回なら攻撃を耐える事が出来る、そう感じた。だけど、相手の銃は今装填完了していて、射撃準備が整えば2連射してくるだろう。 『見ての通り、ピンチです。うちの魔法使いが倒れ、指示系統がガタガタ……』 『そう。貴方の銃の装填は出来てますか』 『えぇ。もちろんです。相手さんも、銃の装填は出来ています』 『分かりました。私とあなたで相手の下半身を破壊しましょう。そちらの戦士の方は、狙いやすくなった所で上半身の破壊を』 『へ、あ、おう』 『わかりました、お嬢さん。……狙いは、絶対に外しませんよ』  ガイアの銃の発射音と同時に走り出す女の子。銃弾は女の子の僅か右1cmを通り抜ける、それに驚きももしないで重そうなメイスを振り上げる。  着弾した地点と寸分たがわずに大きなメイスで殴りつけると……激しい音とともに下半身が砕ける。同時に俺の目の前に少しバランスを崩した砲塔……。 『ここで、決めなきゃ……男じゃねぇ!』  今までより大きな一撃を。  ただ、そう強く願った一撃は、その機械を真っ二つに切り裂いた。機械が絡みついて剣が留められそうになっても、力任せに振りぬいて。 『……やりますね。では、私はこれで』 『あ、助かったよ。俺はライディア。お前は?』 『名乗るほどの者ではありませんので』  よく見てみると、整った顔立ちをしている。さっきは気付かなかったけど、髪は長くてそれをまとめるようにバンダナをしていた。髪も綺麗に三つ編みに結っている。その長い三つ編みを揺らしながら、奥の部屋へと去っていく。  見送っていると、ガイアがルーに手当をしている最中だった。俺が近寄っていくと、ガイアは小さく笑った「大丈夫だよ」と笑う。命に別状はなく、少しだけ安静にしていれば問題ないみたいだ。 『……すげーな、一人で なんて』 『強い子だね。ずっと、一人で旅しているのかな』 『そうなんじゃねぇか? はぐれたようにも見えねぇし』 『心配かい?』 『あぁ、強くても……一人じゃ出来ない事の方が多いだろ』 『それが分かっている点、ライは心配ないかな。……っと、後の手当はライに任せてもいい? 僕は料理を作っておくよ』  ガイアは料理を作る。量は少しだけみたいだけど、匂いを嗅いでいるとお腹が空いてくる。 『さっき食べたばかりだから、ライの分はないよ』  ……俺の心を見透かしたかのように、ガイアは小さく笑った。 ===第七話 豹変  食事を済ませて、野営をしていると……景色が豹変する。先ほどまで閉鎖的な遺跡だったのが、草原へと変わった。 ……無限迷宮、攻略できない迷宮の意味合いがようやくわかった気がした。難易度ではなく、構造が……凄い勢いで変わっていく。  だから、攻略できない。引き返すのも難しいのに、進むのも難しい。  それに、閉鎖された空間での野営はまだそこそこ安全にできるが、完全に草原の中央での野営は難しい。敵に囲まれ、襲われても何も不思議はない。 暗い空間になったからだろうか? 唐突に不安になる。小さな虫の音が、風の音が、動物の音が……こんなにも怖く感じるなんて。近付いてきているような、そんな錯覚を覚えてしまう。 『怖いな。向こうから、動物が近づいてきてるように感じちまう。……真っ暗で何も見えないはずなのによ』 『……はは、本当に来ていますね。ライのビビりもたまには役に立ちますね』 『待て、待てよ! こんなに暗いと、俺……』 『はぁ……。ライト』  ルーが呟くのと一緒に、俺の剣が光る。周囲がパッと光って、見えてくるのは動物。そこまで強くなさそうで、安心する。 『私がやるわ。あのくらいなら私一人でいけるもの』  すっと光の矢が数本浮かび上がり、動物たちを焼きつぶす。一瞬の出来事で、光の矢を目で追う事も出来ない。ルーは凄いやつだって、改めて思う。  ……実際、ルーが倒れただけで俺たちは完全に瓦解していた。砂の城みたいに、俺たちは簡単に崩れた。それだけ、ルーに頼り切って、依存していたんだと思う。 『ルー、ガイア。頼みがある』 『え、何? 急に』 『次、一回だけ。俺一人で戦わせてほしいんだ』 『おやおや。ライ、それはどういう意図があって言っているんですか?』 『……いいわよ。私は理由も聞かないであげる。どうせ男の意地だとか、そんなんでしょ?』  ルーはそういうと、作りかけだったご飯の味見を軽くして、ガイアを急かしていた。  俺は、二人の足手まといだ。だから、だから……。  足手まといにならないように、自分を知らないといけない。強くなる、それ以前に、俺は俺のことを知らなさすぎる。  交代で野営の番をして、朝になって先へと進むと 見たこともない大きな扉。  そして、その前にいる 大きなハリネズミ。20m以上の体躯で、俺よりも遥かに格上だとわかる。もし、俺が死にそうならアイツらだって止めると思う。  でも、ルーは小さくアゴで俺に先へ行けと促してくれた。……コイツにも勝てると信じてくれた。  だから、俺は勝つ。