タイトル:中原龍之介 キャラクター名:中原 龍之介 ナカハラ リュウノスケ 種族: 享年:8歳 髪の色:黒  / 瞳の色:黒  / 肌の色:透明に限りなく近い白 身長:123cm 体重:23kg ポジション:アリス クラス: ステーシー / ゴシック 初期配置:煉獄 行動値:10 ■パーソナルデータ■ 暗示:幸福 [記憶のカケラ] 内容 笑顔     記憶に焼け付いた誰かの笑顔がある 宝物     かつて大切にしていたものがあった [未練]   内容    狂気度  発狂時 たからもの への 依存 ■■■□ 幼児退行(最大行動値減少(-2)) Simo-K005 への 信頼 ■■■□ 疑心暗鬼(あなた以外の全ての姉妹の最大行動値に-1) クロナ   への 保護 ■■■□ 常時密着(未練の対象と違うエリアにいる時移動以外宣言不可) シロナ   への 憧憬 ■■■□ 贋作妄想(自身か対象以外は移動マニューバの対象にできない。また、対象が同じエリアにいるなら移動以外の効果持ちのマニューバは宣言できない)       への 嫌悪 ■■■□ 敵対認識(敵に当たらない攻撃の全てが、射程内の嫌悪の対象に命中する(部位は受ける方が任意に決める))       への    ■■■□ () ■強化値■     武装 変異 改造 メインクラス   1   1   0 サブクラス   0   1   1 ボーナス 寵愛    2 =合計=   3   3   1 ■マニューバ■ [部位]     マニューバ名 : タイミング : コスト : 射程: 効果 [頭]      のうみそ    : オート   :    :   : 2 [頭]      めだま     : オート   :    :   : 1 [頭]      あご      : アクション : 2   : 0  : 肉弾攻撃1 [腕]      こぶし     : アクション : 2   : 0  : 肉弾攻撃1 [腕]      うで      : ジャッジ  : 1   : 0  : 支援1 [腕]      かた      : アクション : 4   : 自身: 移動1 [胴]      せぼね     : アクション : 1   : 自身: 次カウントで使うマニューバ1つのコスト-1 [胴]      はらわた    : オート   :    :   : [胴]      はらわた    : オート   :    :   : [脚]      ほね      : アクション : 3   : 自身: 移動1 [脚]      ほね      : アクション : 3   : 自身: 移動1 [脚]      あし      : ジャッジ  : 1   : 0  : 妨害1 [ポジション]  少女      : ラピッド  : 0   : 0  : 対象となる姉妹と対話判定 [サブクラス]  肉の宴     : アクション : 1   : 自身: 損傷した基本パーツ1つ修復 [メインクラス] 庇う      : ダメージ  : 0   : 0~1 : ターン中何度でもダメージを肩代わりする [メインクラス] 死に続け    : ラピッド  : 0   : 自身: 損傷している基本パーツ1つ修復 [脚]      しっぽ     : オート   : なし  : 自身: 最大行動値+1 [腕]      日本刀     : アクション : 2   : 0  : 白兵1+切断 []       おとこのこ   : オート   : なし  : 自身: 対話判定に判定出目+1 [胴]      アーマースキン : ダメージ  : 0   : 自身: 防御1 [胴]      破れ皮膜    : ダメージ  : 0   : 自身: 防御2 [胴]      写真      : オート   :    :   : たからもの [メインクラス] 肉の盾     : ダメージ  : 0   : 0~1 : ダメージに付随する効果を打ち消す [胴]      棺桶      : ダメージ  : 2   : 自身: 防2 戦闘終了損傷していなければパーツ2修復 [ポジション]  癒し      : オート   :    :   : 他の姉妹からの対話判定に出目+1 [腕]      単分子繊維   : アクション : 2   : 0~1 : 白兵1 切断 連撃1 ■その他■ 寵愛点:11点 成長履歴: No. 獲得寵愛点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 0     10点( 10 /  )     肉の盾 10 棺桶 10 癒し 10 1     1点(  1 /  ) 2     0点(   /  ) メモ: 顔の擦り切れた写真が宝物。顔の大半は既に擦り切れていて誰か判別できないが、彼にとってそれが唯一の記憶の寄香である。見える口元は可愛らしく笑っていて、服装からいって恐らく少女だ。その少女の笑顔こそが、今の彼にとって無二の宝物なのである。写真の裏には滲んだ文字でーーーー9歳と中原龍之介 8歳 龍之介の誕生日に、と書かれている。周りは暗くて判別できない。 写真の少女とは彼の実の姉である中原紅葉ナカハラコウヨウ。年齢差は1つ。龍之介と共に地下の座敷牢にいた。9歳の誕生日までは男性の格好をしていた。性格は極めて温和で龍之介をよく甘やかしていた。生まれた時から座敷牢で過ごしてきた龍之介にとって、彼女だけが心の支えだった。しかし、彼女は龍之介の目の前で死んだ。殺されたのだ。母に心臓を撃ち抜かれて即死。 黒の着流しを身にまとっている。裾に鬼灯。肌は透明に限りなく近い白。体重がかなり重めなのは仕込んだ武装と尻尾を含んでいるため。実際彼はかなり痩せ肉で18~23程度。男女の区別が付きにくい。声も中性的。彼の死因は心臓を銃で撃ち抜かれたこと。〈終章・最後の業〉の核戦争前に戦争の気配に耐え切れず発狂した親に殺された。辰年、辰月、辰日、辰の刻に。今では彼はこれを「皮肉ですね」と言って笑っている。その風穴は今も彼の胸に残っている。着ている和服のせいで普段は見えない。かなり大きめの白い狐の尻尾がある。写真はネックレスのロケットに入れてて常に首にかけている。髪は腰まであるロングの黒髪ストレートを低い位置で1つに纏めている。白系の髪飾りをしている。モチーフは菊。幼い頃少女として育てられていた名残。何故少女として育てられていたかは神隠しを防ぐため。生前、外に出たことがない。安全を図るためずっと地下の座敷で過ごしていた。8歳になったら出てもいいと言われていた。 一人称は「私」。誰に対しても〜です、〜ます調の敬語を使う。姉妹の誰よりも幼く、全員に対して〇〇姉様、と呼ぶ。戦うことを忌み嫌っており、出来れば姉たちを戦わせたくない。だけど生き抜くためには戦わなくてはならないことを知っている。戦わなくては殺される事も知っている。戦うことは嫌い。血は嫌い。傷も嫌い。だけど誰かが傷付くのを見るのは、もっともっと嫌い。だったら、傷付くのは自分1人でいい。それで、大切な誰かを守れるのなら。 最期まで自由になる夢を叶えられなかった、幼い少年の復讐の話。 実家一帯はカルトを崇拝していた。世界には死が満ちている。それを集め、封じるのは我らの役目と烏滸がましくもそう信じていたのだ。そう信じなくては、自分達に余りにも意味がなくて。死が集められるのは中原家の奥にある黄泉の泉。そこに、当主の長男を生贄に捧げることで死と黄泉をこれ以上広がらないようにと封じていたのだ。生贄を捧げる方法はとてもシンプル。箱についている枷で少年の手足を拘束する。次に箱を水で満たし、最後に黄泉の泉へ放り込む。7歳までは大切に、大切に育てる。7つまでは神の内だから。 当時の当主には、中々子供ができなかった。出来たと思えばそれは少女であった。しかししばらくかけて、とうとう男子が産まれた。それが、中原龍之介。母は夏帆カホ。龍之介は生まれてすぐに地下の座敷牢に入れられた。大切な大切な人形のように。そして姉と共に乳母によって5歳まで育てられた。ただ安穏とした日々。世界から切り離された場所で、8歳になったら殺される。それでも彼は、幸か不幸かと問われれば、迷いなく幸であると答えるだろう。彼には、姉がいたから。紅葉。手を繋いでくれた。頭を撫でてくれた。抱き締めてくれた。彼に温もりを与えてくれる存在は、彼女1人だけだった。彼女さえいてくれたら、十分だった。自由はなくても、ここにいる限り何でも与えられた。食事が与えられる。本が与えられる。暖かい布団が与えられる。それがこの世界では充分幸せな事だと彼は知っていた。例え自由がなくても、幸せだった。自由になりたいという夢は確かにあった、けれど。それを、ひた隠しにしていた。ある日、牢の中でいつものように過ごしていたら、彼女が転けてしまった。膝を擦りむき、傷に血が玉のように滲む。その時の姉の、痛そうな顔が忘れられない。あんなにも小さな怪我でも、あんなに痛そうにしていた。なら、もっと大きい怪我なら、もっと痛いのだろう。誰かが傷付くのを見るのを嫌だと思うのは、この体験に起因する。彼女は、龍之介がどうなるか知っていた。どのように殺されるか、知っていた。その運命を、彼が分かっていることも知っていた。これは必要な儀式。周囲一帯の正気を保つために、必要なこと。それは単なる事実であって、理屈はわかっていても感情が認めなかった。だけど、彼はそれを受け入れていた。いつか人は死ぬ。それが早いか遅いか、それだけのこと。自由になれないのは、悲しい事だけど。そう言う、舌っ足らずな幼い声が胸を刺す。どうして、と怒りが湧く。余りにも幼い。幼すぎる。この純粋無垢な弟を、紅葉はまだ殺したくなかった。そう、龍之介の死を受け容れられないのは、むしろ紅葉の方だった。時間が、さらさら、さらさら流れていく。人の力では、時を止めることは出来ないのだ。何度このまま時が止まればいいと願っただろう。その度に止まらない時を恨んだ。何をしたって変わらないのに、それでも恨まずにはいられなかった。そして、八年がすぎた。 龍之介の誕生日、夜。それは、命芽吹く春のこと。初めて地上に出た彼を出迎えたのは、満開の桜だった。何度も写真では見たけれど、実物には遠く及ばない。惚けたようにただそれを見ていた龍之介と紅葉の前に、一人の女性が姿を現した。終ぞ、写真の中でしか見たことがない、二人の母。夏帆の姿が、そこにあった。おかあさま、と舌っ足らずな声で呼ぶ。それを聞いて、夏帆は歯噛みした。彼の死は、大人のエゴに過ぎない。大人のエゴをこんなにも幼い子供に押し付けているだけなのだ。夏帆は、涙を流した。夜の空に桜が舞う。それはとても美しいはずなのに、夏帆にとってはそれさえ憎い。我が子を、愛するわが子をこのままいかせてもいいものか。それは、嫌だ。一度も会えなかった。一度も触れられなかった。せめて、最期に1度だけ。母からの確かな愛情を。苦しませて死なせるよりは、苦しまずに逝かせてあげたい。隠し持った拳銃の撃鉄を起こす。何をしたいのか悟った紅葉が、前に進み出た。はらはらと涙を零している。二人がどうして泣いているのか、龍之介には理解できない。なんで、なかないでください、と懇願しても、二人の涙は止まらない。まず最初に銃口を向けられたのは、紅葉の方だった。最期に紅葉は、龍之介の頭を撫でる。先に行くからね。待ってるからね。そう言って、彼女は胸を撃ち抜かれた。ぱあん、と乾いた音。どくどくと血が溢れる。白い彼女の肌に、赤い血がよく映えた。次に銃口を向けられたのは、龍之介。ふふ、と小さく笑う。彼は、姉に起きた事を、これからされることを正しく理解していた。うん、これも、悪くない。最期まで自由を与えられなかった少年からの、ささやかな復讐を。わるいこに、なっちゃいますね。そう言って笑う彼の顔に、恐れはない。震える母の手に、自らの手を添える。そして、自分から撃鉄を起こした。さようなら、おかあさま。あなたからのさいごのあいを、うけとりましょう。そう言って、母の指に自らの指を添えて。トリガーを、引いた。痛みはない。赤い血が視界を埋めていく。血桜も、また美しいことを彼は初めて知った。誰かの怒号が、遠くで聞こえる。音が、遠くなっていく。目が、霞んでいく。五感が失われていって、思考すら無くなる。ざまあ、みろ、です。それを最後に、彼の意識は失われる。 彼の死後、すぐに戦争は激化した。黄泉が溢れ、世界に死が満ちた。それが、本当に中原家で封じていたものが溢れたからなのかは、誰1人として知らない。そして、彼はネクロマンサーにたまたま遺体を見つけられ、ドールにされた。 そして、彼の永い後日談が始まる。 後日談の世界で、彼は初めて自由を手にし、世界を見た。全てを知り、何も見ていない少年は何を思うか。何を考えるかは、神すらも知りえないことである。 イメージ エミール/犠牲