タイトル:(複製) キャラクター名:バンクシェリア・ゼノマーディス 種族:ドレイクナイト [特徴:暗視、魔剣、飛行、竜化、光のブレス、弱点(魔法+2)] 生まれ:戦士 ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:22(40歳くらい) 性別:男 髪の色:金  / 瞳の色:橙  / 肌の色:色白 身長:2m弱(192cmくらい) 体重:それなりに 経歴1:人族の配下がいた(いる) 経歴2:人族の捕虜にされていた(いる) 経歴3:親、兄弟に頭があがらない 穢れ度:4 ■能力値■      技     体     心 基礎   12     15      5    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F   4   2  11  10  14   7 成長   2      4   1      1 →計:8 修正 =合計= 20  14  30  26  19  13 ボーナス  3   2   5   4   3   2    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本   9   7  41  13 特技         0   0 修正 =合計=  9   7  41  13 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:5 Lv ファイター     5 Lv  / レンジャー  4 Lv セージ       1 Lv  / エンハンサー 2 Lv フィジカルマスター 2 Lv  /         Lv ■戦闘特技・値■ [参照] 特技名     : 効果                       : 前提 [p225] 全力攻撃     : 近接攻撃ダメージ+4、回避-2            : [pIB38]なぎ払い     : 3体までの敵(選択可)を同時攻撃。ただしダメージに-3 : 2H近接武器 [pIB31]武器習熟A/ソード : ダメージ+1、Aランク装備可能            :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本   4   0  14  42 修正 特技        0 =合計=  4   0  14m  42m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名    : 効果      : 前提 [p]  マッスルベアー : 筋力ボーナス+2 : [p]  ビートルスキン : 防護点+2    : ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター : 5   8  10   7 グラップラー: フェンサー : シューター : ・武器 価格 用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照) 2760  2H  28      8  43  10  11 [ソードA] *ドラゴンスレイヤー / (233p)        30      0  45      0 [] *飛行(命中回避+1) / (p)     1H   2      0  12  11   0 [投擲A] *スリング / (p) =価格合計= 2760 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 : 16      6     ボーンベスト / ヴァイブからもらった、Aランク 盾 :              / 修正: = 合計 =    7   6    0 G (回避技能:ファイター) ・装飾品    価格 名称           / 効果 頭 :                / 耳 :                / 顔 :                / 首 :   ポーションインジェクター / 背中:                / 右手:                / 左手:1000 宗匠の腕輪(器用)    / いつもの 腰 :1000 スローワーベルト     / インドミタブル 装填 足 :                / 他 :                / =合計=2000 G ■所持品■ 名称                  単価 個数 価格 備考 バルバロス携帯品セット(冒険者セット) 100  1   100  背負い袋,水袋,毛布,たいまつ6本,火口箱,ロープ10m,ナイフ 救命草                 30  12  360  k10+レンジャー+器用 魔香草                 100  3   300  k0+レンジャー+器用 高純度アルコール            200     0   魔香水作るときに必要 羊皮紙                 5   3   15  5枚一束:けっこう少なくなった インク                 3   1   3 イグニッションパイプ             1   0   ルルブp358参照、父上の形見                        1   0 カシュカーン範囲の身分証           1   0 ポーションボール            20  4   80 アウェイクポーション          100  2   200  アウェイクン相当 インドミタブルポーション           0   0   6R不屈状態のやつ、シエラ特製! ヒーリングポーション+1            2   0 ヒーリングポーション          100  1   100  k20+レンジャー+知力                           0 薬師道具セット             200  1   200 望遠鏡                 1000 1   1000 羽ペン                 2   1   2 手鏡                  50  1   50  Sサイズ ロープ                 20  1   20  追加20m フック                 10  1   10 くさび                 2   5   10 保存食                 50  3   150  7×3日分-6日分消費 ストーン                      0   たくさん拾っておいた                           0 接合潤滑剤               160  0   0   24時間、ガシャガシャ音を軽減する 鉛筆                     1   0   もらってきた、既に小さくなってしまっている                        1   0 所持金                    1   0                        1   0   すごい! B+ らいとすてぃっく            20  5   100  青3本、黄2本 6時間10mを照らす、細かく砕いても発光する 林檎                     1   0   シエラと美味しく食べた。種だけ残っている                        1   0 スプリントアーマー(金属)          1   0   シエラへあげた、被ダメ近接・射撃C値+1 =所持品合計=    2700 G =装備合計=     4760 G = 価格総計 =    7460 G 所持金   18488G 預金・借金    G ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       ○ - エルフ語  - - / ドラゴン語     - - ドワーフ語 - - / ドレイク語     ○ ○ 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     ○ ○ 魔動機文明語- - / 魔神語       - - 魔法文明語 - - / 妖魔語       - - 妖精語   - - / グラスランナー語  - - シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 初期習得言語:交易交通語、ドレイク語、汎用蛮族語 技能習得言語:1個の会話or読文 ■名誉アイテム■ 点数 名称  20 ”仲間”  50 アルフレード流剛剣術             ”ファランベルド”  20 剛砕剣漸刃(ゴウサイケンゼンジン)  30 剛砕剣撃斬(ゴウサイケンゲキザン)    剛砕剣破討(ゴウサイケンハトウ) 30 100 勲章”朝の太陽の印章” 所持名誉点: 92 点 合計名誉点: 312 点 ■その他■ 経験点:2320点 (使用経験点:14500点、獲得経験点:13820点) セッション回数:8回 成長履歴: 成長能力 獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 1- 器用度   1230点(1180 /   / 1回)  600+200 2- 生命力   1470点(1270 /   / 4回)  第1話「曇天に集う」 3- 筋力    2040点(1000 / 940 / 2回)  第2話「森に惑う」 4- 筋力    1450点(1400 /   / 1回)  第3話「其等と出遭う」 5- 筋力    1610点(1260 / 200 / 3回)  第4話「出立に謀る」 6- 器用度   2510点(2260 / 200 / 1回)  第5話「守護を断ずる/信ずる」 7- 筋力    1520点(1520 /   / 0回)  第6話「戦に赴く」前半 8- 精神力   1990点(1740 / 100 / 3回)  第6話「戦に赴く」後半 9-        0点(   /   / 回)  第7話「」 メモ: Banksheria=Xenomardis 一般技能:ノーブル(貴族)5、コンポーザー(作曲家)5 魔剣:アンビシオン[野心、野望、大志] バンクシェリアに艱難辛苦を与え、それを乗り越える姿を見たがる魔剣。みたいよーくるしくてもたちあがるすがたがみたーい 時折呪いが強すぎて持ち主は死にかけることになるが、それも面白かろう! となっている。 夢を見続ける者を好み、挫折を決して許さない。その割には、少々手を放されることには寛容である。 降伏する姿とか大好き。振りだけでまた戦いはじめるのはもっと好き。 常に持ち手の最大筋力と同値の重さになるように形状を変更するため、波うったように光を反射する。 穢れが好き。気に入ったものにこそこそっと呪いをかけて眺めるのが趣味。 主食は血液。大きな剣についた血を吸い取って取り込む。わあい久々の蛮族の血だー 名付け親はルコリイア・ゼノマーディス。特性:飽きっぽい。 バンクシェリアの夢をひそかに応援だけしている。おうえんだけ、おうえんだけだよー ・曇天に集う 久しいな天空よ、私はかえってきた! しかし、身体が思うように動かん。それもそうか。もう私にはこの魔剣しか残されてはいないのだからな。 姉上に角をへし折られた日を思い出すな! ( ゚∀゚)ハッハッハ!! 猜疑心は当然だが、煩わしいものだ。作戦通りにいかんのも冒険の一端とはいえ、まさか投降した振りを私がすることになろうとはな。あのバジリスクも相当だ。兄様お得意の騙し討ちを思い出したわ。 仕方が無いこととはいえ、また同胞が死んだ。 はやく理想の世界を作りたいものだな。 ・森に惑う 事情の知っている者と組ませるとは、流石はヴァイブ。実に効率的であるし、相変わらずいい目をしている。 もっと暴れるものかとも思っていたが、案外すんなりと班は結成した。命令に逆らえなかったのだとしても、どこか頭のおかしい奴らの集まりなのだろう。 それとも、弱いドレイク1人どうとでもなると思われているのだろうか。それはそれで丁度良い。いずれその認識を改めさせてやろうぞ。 経験のなさそうな少女3人。兄上ならば「やっとペットができてよかったじゃないか、バンク」などと言うのだろうが、私はあいつらのことを実の娘のように可愛がってやることにしよう。 若い者は輝いていて実に良い。カモミールなどは幼い時分の丸いツァラネスを見ているようだ。 知恵を絞りどんどん学んでいく様は良い刺激になる。自らの作ったものをなくされて怒る姿などはとても微笑ましい。(しかし、シエラには悪いことをした。つるをしまう時にかわりに置いてきてしまったようだ。気をつけることとしよう。)料理が好きだと言っていたが、特に好きな食べ物などはなんだろうか。 3人ともこれからの成長が楽しみだ。 なんといっても、彼女らは私の理想の第一歩となるのだから、大いに活躍してもらわねばならん。 森は不得手であったのだろうアデュラリアにも新たな弓を持たせたのだ。どれほどのものになるか期待しているぞ。 純心で生粋の冒険者と、仕事以外は怠惰な斥候に、嘘吐きのバジリスクか。 愉快な旅路になることだろう。 ・其等と出遭う ウィークリング。生まれついての弱さから虐げられる者達。 彼らともいずれわかりあえるはずだ。私ならば。 いまは手近なものに集中することとしよう。 我らをあの洞窟に閉じ込めたのがどういった輩かも、気になるところだが。 魔剣の迷宮というものは、本当にいたるところにあるのだな。 あの魔剣はカモミールの好きにさせるのがいいだろう。好きこそものの上手なり、きっと一番有効に活用する。 シエラ自身は細かい気配りができる分、極端に空気が悪くなるようなことを嫌うようだ。そういえば、人とあまり関わることはなかった、と言っていたな。批判と説教との違いはわかっているようだが。いや、あれは単に過保護がすぎるだけか……? まだあいつらが打ち解けるには時間がかかりそうだ。表面上は仲良く見える分質が悪いが、いずれ化けの皮が剥がれるだろう。 全員、ここまで上がってきてもらわなければ困る。 バルバロスも人族も、互いに協力できるということを証明せねばならないのだから。 しかし、ドレイク語を使っているとどうにも高圧的になってしまうな。いまのアデュラリアにとっては、その方がいいのだろうが。 塩梅は気をつけねばなるまい。 私に必要なものは、私と共に進んでくれる"仲間"や私にない力を持つ"同志"。 いずれ君主になる身とはいえ、まずは仲間として信頼されねば。 しかし、自らの命を軽んじる言動は吐き気がする。 私が潰れることなどない。 幾万幾億の同胞が一刻ともたず滅ぼされた時も、居城が轟音と共に墜ちた瞬間も、最愛の家族を全て失った日でさえ、 この心が折れることはなかった。 全て杞憂に終わる。 何人たりとも、私を壊すことは不可能だ。 お前は間違っている、頭がおかしい、そんなふうに嗤っていた者は皆死んだ。 そんなではすぐに死ぬ、無駄死にだ、そんなことを言っていた者は皆死んだ。 生きているのは私のみ。 ならば、私が正しい。 この深く棘だらけの道こそが、我らが生き残る唯一の術。 生半可な気持ちでここに居はしない。 そうだろう、アンビシオンよ。 ・休符 すべきことが山のようにあるとは、なんと有意義なことか! 生涯思い描いた夢を語ることの、この高揚感。改めてヴァイブに、そして世界に感謝しよう! ここは若く向う見ずで夢のある冒険者が多い。彼らとの会話は私に様々なものを教えてくれる。 しかし、やはりここでも私の話をまともに受け取る者は少ない。カモミールのような者の方が少数派なのだ。 あぁ、楽しみだ。 彼らの顔が驚愕に彩られる日が。「本当にやりやがった」とつぶやくそのときが。 そこへ至るまでの道は遠く険しい。いくつもの屍を積まねばならぬのだろう、嘆かわしいことだ。 もっと高みへ登らなければ、意志のない者が無条件でつき従うほどに。 強きものが私の話に耳を傾けるようになるほど。 時間が惜しい。 こんなに生きているのは、果たして何年ぶりだろうか。 ・出立に謀る 暗殺計画情報の漏えい、もう一人の護衛対象である男爵の出戻り、ゴブリンたちの特攻、麻痺毒の仕込み、補給材料の欠如、 それらがどんな効果をもたらしたのか。 視線は軍閥貴族に向いている。拠点内の警備も強化されてる。2日間での被害はほとんどない。 ならばこれら全てが陽動か? 本当の狙いは”次の目的”先の前線拠点……? ありうるが、現状確かめる術はない。後手に回っている以上はやれることだけやっていては負ける。やれないことまで考えるべき。ヴァイブとビリーの意見も聞きたいところだ。 私の仲間の意見も。 本当に暗殺を仕掛けるならば、斥候も騎士も出払った後。出立直前。 それが一番効果的だ。気を緩めてはならない。 ・魂との対話 為さねばならぬ。 そうでなければ私が生き残った意味がない。 この生命、魂に至るまで存在を賭けた大博打。 賭け皿に他者の命が乗るならなおのこと。 さぁ、バンクシェリアよ、答えを描き出せ。 さもなければ死よりおそろしいものがお前達を襲うのだから。 「私からBANを継いだのだから、将来は貴様が上へ立て。それまで精進せよ、あまり私を待たせるな。」 「お前が我が兄弟でなければ、角ではなく首をへし折っているところだ。自覚せよ、バンクシェリア。」 「だからお前に部隊は持たせられないんだよ。お前にはもう誰も期待しないぜ。折れた角はお似合いだな?」 「バンクになら100%勝てるよ。お前って、身長低いくせに足元が疎かだよね。馬鹿だし。」 「話すことは何もない。1度も私の方を向いてないもの。ばんくんなんかきらい」 「バンクシェリア、我が子を可愛く想わない親はいないものよ。あなたは家族なのだもの、見捨てることなんてないわ。」 「貴様を産ませたのは間違いだった。精々私の脚を引っ張ってくれるなよ。これ以上恥をかかせるな、屑が。」 『敵の将を討ち取った! この戦いは我らの勝利だ!!』 <いくら死んだと> <万歳!万歳!!> <もういいかげんにしてくれ> <蛮族は殺す> <お前たちのせいで> …ああ流石に、40年分の感情は少々こたえる。 しかし、これは必要なものだ。 おまけにやっと自分の立っている場所が見えた。 目を開かせてくれた4人には感謝してもしきれんものだな。その感謝は行動で示そう。 空の言葉を語ったところで、誰が信じるというのか。己が恥ずかしい。子供だったのは私の方だった。 道はまだわからない。 平和な国を作るには、何が必要だろうか。そのために私は何をどうすべきだろうか-- 戦争を軽んじるような言は迂闊だった。 何処かで、認めたくなかったのだろう。全てを失う戦乱の炎を。封じ込めていたはずの感情で、恐れたのであろう。また多くの生命を奪い奪われることを。それが理想と矛盾することを。 馬鹿者だ。とっくに戻れる場所には居らぬというのに。全てを背負い立つと、カモミールにすら言ったというのに。 本当は将来などは深淵よりも深き暗黒で、何も見えていないなどということなど、隠し通す筈であった。それを暴き殴りつけて、間違っていると言ってくれるのが、私が求める仲間だ。 彼らの示すものに、私が応えを出せないなど、許せる訳が無い。時は待ってはくれぬ。 この夢は、誰のためであるか。 この身は、何のためであるか。 ・改めて、出立に謀る カモミールとシエラの発見した痕跡の先に暗殺部隊はいた。 穴を掘り、落ちたところを狙うつもりだったのであろう。地上と上空に対する牽制と警戒はしていたが、地下は盲点だった。 剣の稽古は襲撃抑制のパフォーマンスになったかとも思ったが、川沿いの痕跡は4日以上前だという。つまり、これらは本来の計画通りということになる。敵将はかなりの曲者だ。 ヴァイブが無事でよかった。今後はさらに困難を極めるだろう。まだあの爆発の主もわかっていない。一瞬たりとも油断ならない。 31班の内2名が行方知らずだという。暗殺部隊の中にレッサーオーガが2人いた。つまり、そういうことだ。 他のゴブリン達もあのイカレが殺してしまったとの話だ。 問い詰められた、何故助けなかったのかと。私は応えた、諦めていたからだ、もう二度とせぬ、と。 戦争は嫌いだ。 それでしか得ることができない利益も、その価値も意義も、知っているはずなのに、未だ呑み込めずにいる。 戻した感情が五月蠅く喚き散らすのだ。 ”戦争なんて、皆死んでいくばかりではないか”私はそれが嫌いだ、私のきっかけと相反するように見えるその事実が。 それでしか得られないものを勝ち取るため、力を示すため、姿を見せるための戦争。必要だとは知っているのに。 苦しい。まるで溺れ続けているような感覚だ。水面に顔が出たと思った次の瞬間には、また水底に引き戻されている。 だとしても、もがくことを辞めることなどはしない。あの星々を掴み取るまでは、手を伸ばし続けることを辞めはしない。 宿題はまだ早いと取り下げられた。心外なことではある(私の兄妹達ならば首を括っているだろう)が、私もそう思う。 私は余りに未熟が過ぎる。 今回の任務の中で多くのことを学んだ。多くのことを教えられた。 弱音を吐いている場合ではない。あれだけ応援され、叱咤され、激励を受けているのだから。 より多くを見つめなければならない。理想への道のためには、私は何も知らなすぎる。 そして敵へと侵攻するのと同時に、よりはやく周囲を固めなければならない。でなければ、また誰かが死ぬ。 ヴァイブは、己の覇道を見せろと言った。 カモミールは、この夢は素敵だと言った。 シエラは、時が来るまでは待つと言った。 アデュラリアは、気付いてくれと言った。 皆の気持ちに応えたい。私の理想を実現させたい。 いままで死んでいった者達を、これから死にゆく者達を無駄にはさせはしない。 いま生きている者達へ、これから産まれてくる子らへ、安寧をもたらしたい。 そして、世界に認めさせる、この想いを。 私に機会を与えてくれた最大の恩人のためにも 「生きていたいだけ」だといった2人のためにも 尽くしてくれる強敵のためにも ただ静かに見守ってくれている者のためにも 描いてゆくのだ、理想への道を 賭けられるもの全てを賭けて ・全休符 カモミールは本当に裁縫が好きだ。 あの魔剣ルクスも試行錯誤を重ね自分に合うよう日々改良を続けている。 料理が好きなシエラのために可愛らしいエプロンドレスを作っていた。 いずれ、”裁縫といえばカモミール・アップルシュガー”と言われるようになること。きっとそれこそが”世界一の裁縫師”ということなのだろう。 私自身の曲を作ってみたらどうか、と提案された。好きにするといい、とも。 早速頭の中で取り組んでみたが、これがなかなか難しい。 でも……そう、なんとなくだが、聞いた者が楽しい気持ちになるようなものがいい。 生きていることは楽しいことだと、思えるような、そんな曲が。 カモミールと話していると最愛の妹ツァラネスを思い出す。 カモミールはツァラネスでもなければ、私の家族はもう皆この世にいないというのに。 きっと、柔らかく笑った顔が似ているせいだろう。 アデュラリアは随分上手くなった。癇癪を起こすこともなくなってきた。 覚え始めのころは成長が早くて見ていて嬉しくなるものだ。 姉上もきっと、そうだったのだろう。よく「お前の成長こそ我が楽しみだ」と言っていた。今だからこそ確信が持てる。角を折られた時、ひどく怒っているのにどこか泣きそうな顔に見えたのは、間違いではなかったのだろう。優しくも、それ以上に強い人だった。そして、誰よりも教えることが上手かった。 好きこそものの上手なれ。 アデュラリアには才能がある。変に本心を隠すのはやめろと言ったのは、きちんと伝わったらしい。 少し脅かしすぎたのか泣かせてしまった。悪気は一切ないのだが、シエラに見つかったら今度こそライトニングをたたきこまれるだろうな。 最後に、歌を歌ってくれた。 ドレイク語の、婚姻を喜ぶ歌だ。母上が好きな曲の一つだった。 とても嬉しく思った。とても懐かしくおもった。 報いるとは、きっとこういうことを言うのだろう。 あぁ、私は皆に教えられてばかりだ。 部下は家族 きっと私はそう思いたかった そしてそう思うことを誰よりも恐れていた 私の家族は、皆死んだ もう二度と繰り返させはしまい。 全部引き摺ってでも歩き続けよう。恐怖も嫌悪も悲哀も辛苦も。 これが私の一歩だ。 ・灰 殴った手が痛い 血の上った頭も痛い わからない、なにも 知ったような口を いくじなし ああ、確かにそうだとも 私に何ができる? バルカン一人保護できる力なんて わからない いくら大丈夫だと言われようと わからない それでも、進まなければ。考えるために、頭を冷やそう。 これは、すこし、だめだ。 ・夢 物を作る、とは本来は己を投影することなのかもしれない。 作曲をしたら、少しだけ、落ち着いた。 自らで決めた約束を破ってしまった。それでも、私は怒ったのだ。嘲笑されて。だから、思わず殴った。そこにはなんの引け目もない。”私は怒ったのだ”と一番伝わる方法だった。 ただ、単純に純粋に、己が情けない。多くの者に支えられてもなお、約束一つ守れない。そして、機会を与えられてもなお、それを掴むことができない。己に何度絶望すれば気が済むのだろうな 魔法を諦めたことなどなかった。だが、私にはできなかった。幾千冊の本を読んでも、何人に教えを請うても、できなかった。だがそれは、私にとっては大切なことだった。誰も、1人でなんでもできるわけではない、と知れた出来事だから。 人族とバルバロスとは協力すればいい、そうおもえたきっかけの一つに、最終的にはなったのだから。 早々に見切りをつけて話を切り上げた方が、よかったのだろうか。 挑発に乗らず、いらだちと怒りを抑え、話を続けたことは間違っていたのだろうか。ただアデュラリアの意見をききたかった、だけだったはずだというのに。それでも、諦めたくはなかった。諦めるわけにはいかない。 楽譜だけは返さなければならない。あれがなければ、私たちはもうなんでもなくなってしまうだろう。 帝王学はずっと教えられてきた。それが己の枷になっていると、思うことは少なくない。教えてくれた人も、場所も、滅ぼされてしまったから、きっと間違っていたのだと、おもっている。それでも、捨てることはできない。無視するのが精一杯だ。 しかし、捨てることはできないのなら、枷の存在を認めよう。ただ無視して引き摺り歩くよりは、随分と歩きやすいようにも思える。ごめんなさい姉上、兄上。私は父上のようにはなれず、なる気もないのです。 あぁ、似たようなことを、カモミールも言っていた。こういうことだったのだろうか… 無視するものと、無視してはならないものの、境界線は難しい。 一つ一つ、認めていくしかあるまい。それが努力というものだ。 私は失うことばかりを恐れているようだ。その事実を認められていなかった。 恐怖した上で、進めばいい。認めた上で、誇ればいい。誰かを理解したいと思ったのだから、それが私の選んだ道だ。 ただ、感情の制御は魔法のように複雑だ。私はまだ、あいつが私を夢ごと嘲笑ったことを怒っている。 冷静に話をするためには、しばし少し時間がかかりそうだ。 ・楽譜の先生 最初から、向こうが謝った場合は謝罪するつもりであった。我ながら、随分と子供っぽい。 私が傷つく時、誰かが傷ついているなどと、考えたことすらなかった。 それほどまでに想われているなど、想定外だ。 母上が異常なのだと思っていた。同じことを言う者が現れるなど、予想しようもない。 誰かが傷つくことを、傷つくような者になれたなら、それは他者の心を理解することになるのだろうか。 知った風な口はやめよう。皆を導き、皆の前を進むのが、私の理想だ。 アデュラリアには、必死に追い縋ってもらいたい。期待のしすぎだろうか? いや、相手を一人前の冒険者と捉えて、大陸を縦断する程の意志の持ち主だと見込んで、だ。プレッシャーにさえしなければ、期待はかけるだけいい。 何処にだっていける。だからこそ私は、付いてきてもらえるよう精進せねばなるまい。 彼との関係性は一歩近づいたように思える。同時に、壊滅的な誤解と亀裂があるようにも感じる。 少しずつ、理解し合えたら、きっと共に楽譜を前にしているときのように居られるだろうか。 楽譜、あれをもう一度破られなくてよかった。 ごまかしも、意志も、想いも、言っていることも、よく見えると言うのに、その考えだけがどうにもわからない。 それが駄目なのだろう。それは何も知っていることにはならないのだから。だから、私は何も知りはしない。 無視するではなく認めるようにしたおかげか、視界が広い。 ・独善 「特別じゃなければ、いけない?  人から認められなければ、本当に駄目なのかしら?  母さんはそうは思わないわ。  人より優れていなくても、あなたが産まれてきてくれただけで、母さんは充分幸せなんだもの。」 「生きて。  生きのびて。  母さんと父さんの分まで。みんなの分まで。  それだけでいいの。」 母上、それでも私は特別になりたいのです。 そうでなければ皆死んで行くのなら。 自分が生きているだけでいいなど、ありえない。 それに、母上。貴方が大切なのは家族だけであった。 私が大切なのは、それだけではないのです。 それでも、どれだけ否定されようと、家族を愛し続ける貴方が好きでした。 ・欠点 私は、何がそんなに怖いのだろうか。 おびえて立ちすくむことなど、一番後悔すると知っているだろうに。 また、失うことか? また、殺すことか? また、失敗することか? また、足りないことか? 変わらない。そう、変わらないというのに。 隣に居てほしい。本心だ。 ただ同時に、私のそばに居てほしくない。これすらも本心だ。 愛した者を失うことは恐ろしい。 頭が痛い。ああきっと、私はそれが怖いのだ。 だとしても、変わらない。そう、カモミールの言う通りだ。 ならばやるしかない。 守ればいい。恐ろしいのならば。そのためだったら、何だってやるだろう? 諦めることなど、できはしない。立ち止まることなど、したくはない。 信じている。口だけで自らに言い聞かせるようにしたって無駄だ。この頭が本心から変わらなければならない。 何も知らず、弱かったあの時とは、もう違う。 あの年若き冒険者たちのことを、信じよう。 この先に幸せがある。常に疑え、そして信じろ。 ……覚悟を決めるのが、遅すぎたな 私は、バンクシェリア・ゼノマーディスだ。 かつてエイギアにて栄華を極めたゼノマーディス家の生き残り。いまは北方征伐軍第21分隊57班の長。そして、いずれレーゼルドーン大陸を平定し、戦争を根絶する君主となる。 ・敵を味方に アデュラリアの協力もあり、バルカンの勧誘になんとか成功した。 実績のない自信よりも、実績のある自信の方が持ちやすい。 予想以上にアデュラリアからのパスがあり、非常に助かった。本当はあれくらいは難なくこなしたいものだが、アデュラリアと協力してことを行い成功した、という事実が純粋に喜ばしい。 何故だかアンビシオンもやけに上機嫌だ。ここ1カ月戦い通しであったから、満腹になったのだろうか。それとも、ファランベルドが随分気に入ったのだろうか。 理想への第一歩を実感を伴って踏み込むことができ、私も少し安心した。 空をもがくだけは、少々不安の影が大きくなりすぎるというものだ。 ・守護を信ずる コボルドの隠れ里。 なんと言葉をかければいいか。願望を無根拠に口にすることは、未だはばかられる。 守ろう。 守りたい。この地の安息さえもたらせず、何が戦争を無くす、か。 それでも最後はきちんと伝えられたような気がする。勝鬨に喜ぶ者、今後の行方を悩む者、達成感に息をつく者、様々だ。皆、あの場で生きている。上手く言葉を伝える方法がなんとなく感覚で感じ取れた。 敵将。立場が違えば、仲良く会話をすることもできたのだろうか…… しかし、あの泉と謎の機械。あれはどういったものだったのだろう。 ”機械の故障”あれは誰かの恣意的なものかもしれない。あの洞窟の時の「誰か」。根拠はない。警戒は続けねば。 せめて、あのコボルドたちとレイラに安寧がもたらされるよう。 蛇足。 アンビシオンが上機嫌だとおもったのは気のせいだったらしい。酒を与えたらぴかぴかしていたから、構わなくていじけてでもいたのだろうか。お前は我が魂の一部。と、少々労うことを怠っていたか いつもありがとうな。 ・苛烈 「お前は今より辛苦の中で生きるであろう。だがひるむな。屈辱と艱難に耐えよ。我が一人前の戦士へと仕立てあげてやる。  我が弟を、名誉も勲もなく犬死になどは絶対にさせぬぞ。己を自覚し、無力を恥じ、そして死を覚悟しろ。」 「誰だって天使にも悪魔にもなれる。なぁバンクシェリアよ。我らは一体何だとおもう? 考え続けろ。決して辞めるな。  我に喰らいついてこい。何度だってたたき落として、お前が折れるまで打ちこみ続けてやる。屈辱を力に変えよ。  魔法ができぬとて甘えるな。誰よりも強く在れ。でなければお前は、生きてる意味も価値もないのだ。」 「お前が生まれてきたことはまるで、天が与えた唯一の救いのようだ。  誰も、ケイファースも、トレヴァーも、私には付いてこなかった。お前だけだ……  いや、なんでもない。忘れろ。お前には我が全てを教導する。完璧に会得するまで、何度だってな。  だから、頑張れ。」 姉上、貴方は強い人だ。そして優しい人だ。 私がここまで成長できたのは、見捨てることなく向き合ってくれた姉上のおかげだと言っても過言ではないでしょう。 その強さを敬愛しています。時折見せる、貴方の柔らかい笑みが好きでした。 ただ世界は、貴方ほどは強くない。皆、貴方のように強いわけではないと、姉上も気付いていたでしょう。 それでも止まらない姿に憧れていたけれど、私の道も貴方とは違うのです。 お喜びください。あの日の弱者は、別の強さへと歩み始めました。 決して折れることなどありません。ひるまず進んでいく様を、どうか見守っていてください。 千年後にはあの世でお手合わせ願います。 今度こそ、貴方に参ったと言わせてみせましょう。 ・宴の後で 余計なことを考えていると、良くないということが今回の戦闘でよくわかった。 戦術はともかく、理性を飛ばしたほうが体が軽いとは。なかなか難儀なものだ。必死さが足りないのだろうか… カモミールを見ていると、ツァラネスの姿が重なる。仕事人として実に頼りになり、本人はとても可愛らしい。 私は戦姫と向き合うことをしなかった。絹布の舞姫のことは、しっかり本人を見ていきたい。 ”夢を叶える人になりたい”その夢が叶うよう、できる限りをしよう。 シエラは、戦争を身で感じた。冒険者を目指している自分が戦士となっている状況に疑問を抱いたようだ。優秀だ。 何処にも行ってほしくはないが、ここが彼女の望んでいる場所でないことはわかる。……そう、言えばよかったな 幸せな方へと引っ張っていけたらと。いや、引っ張っていきたい。幸せにする。 「本能に従っても一緒にいられないわけじゃない」有難い言葉だが、それは誰にも分からないことだ。 アデュラリアが酒を持ってきてくれたので、嬉しかった。美味しかったので、コボルドたちに作り方を聞いておこう。 互いに酔っていた方がちゃんと話ができる気がするというのは、普段からお互い小難しいことを考えすぎなのだろうな。カモミールとシエラの言った通りか。 神官であることを認めてくれてよかった。そうでなければ、私の頭と心がずれておかしくなってしまいそうだった。 頼ってくれない、ということに不満を持っていた。頼る、常に頭に入れておかなければ。1人でできることに助力を頼むということの意味と価値を、少々軽視しすぎているのだろうか…? むぅ難しい。 労ってやると、アンビシオンは途端に上機嫌になった。20年も手放していたことで怒っていたのかもしれない。 あんなに酒を飲んだのは、久々だ。 楽しく酒を飲んだのは、一体いつ以来だったか思い出せない。姉上の成人時くらいか…? 隣に誰かが居てくれるというのは、本当に嬉しいことだ 追記。 アデュラリアが自らをアンビシオンで傷つけようとした。今回は酒の席だから水に流す。 今後似たようなことをすれば、あのうっとおしい前髪を切り落としてやる。 ・必殺の刃 胸を刺されるよりも鋭い痛み。あぁ…痛い。 届いていると思っていた。未だ、私の言葉は誰からも軽視されている。 それでも、それまで信じていたものが足元から全て揺らいでしまっても、私は信じ愛し続ける。 それだけのことは、してきたのだから ”この程度”などとは言うことはないが、この痛みは罰だと、許容する。 愛とは、包み込むものだ。暖かく、柔らかく、時に疎ましく思うことはあっても、心地の良いもの。 カモミールにとっては、違うらしい。 愛されることが…いや、あれはきっと、愛し裏切られることが、刃に向かうくらい恐ろしいと、そうどこかで感じているのではないだろうか。 「駒にすらなれなかった」きっと、この言葉の奥にある傷が。無意識で受け入れる心を意識すると、無意識的に抑えつけているのか カモミールの育ての父親は、私の母上と同様、無限の愛情を注いでいただろうに。一体どのように過ごしていたのだろうか。 一体、彼女はどうして、私に林檎を渡したのだろうか? ただ、自らと同じ夢追い人だったから? それとも、ただの施しか? その真意はわからない。だからいまは、私は私の信じる彼女の信頼の示し方を信じていくことにする。 斥候としては、彼女は優秀だ。しかし、仲間としては、まだ私は認められていない。 シエラは素敵な女性だ。だから、ついからかってしまった。以後気をつけよう。好き自体は、本物なのだが。 私が思っていたよりも、私の言葉を受け取ってくれた。 ……なんだ? こんなことを、前にも一度考えた気がする。同じことを繰り返すなど、未熟だな、私は 言葉を捉え、真剣に考えてくれたことが、こんなにも嬉しい。 これ以上混乱を長引かせないために、アデュラリアの性別を隠してしまったが、あれは追々大変なことになりそうだ。 リルズ神官なのだから、へたに騒ぎにならなければいいが。 アデュラリアは「信用できる」と言ってくれた。 全てを無視をするのに私を支えようとする違和感は、今後無くなっていくだろう。 前回、0、-10、-30、-250、50、となっていたものが、今度は最初から25点を出せていた。 レイラに師事し、またすこし成長した。良い傾向だ。 しかし、僕でいいじゃん、とはなんだったのだろうか。私に抱かれたかったのか? 相変わらずバジリスクの常識はよくわからん。 アンビシオンはやけに静かだ。ただ、落ち着きのない様子でぐにゃぐにゃと形を変えている。 もう少し重くなりたいようだが、これ以上は満足に振るえなくなる。 ううむ、陣に戻ったらヴァイブに相談してみるか… ・夜更け 頭の中で響く声が、耳元で騒ぎ立てるそれが喉に手をかける 地の底から這い出して冥府の底へと誘う影が、こっちへ落ちろとうるさく喚き散らす 父上は、いつだって不愉快そうな顔をしていた。 これが近づくということならば、この声はこれから一層増えてゆき、なくなることはないのだろう。 向かい風を蹴り、嵐に刃向い、太陽の如くあの雲を追い越して。 立ち止まる暇はない。果てない夢に心を急かされる。 冒険を制する時、その先を知るだろう。古の地図を塗り替える、その先を。 眠れぬ夜は剣を振るえ 明けぬ朝は自らで切り拓け ・赴く準備を レイラには本当に世話になった。この感謝の気持ちが伝わっていればいいのだが。 コボルド達にもあいさつをしたら、荷造りを手伝ってくれた。 働き者で穏やかな彼らが幸せに暮らせる世界を、作っていくために必要なこと。 あの場所はクラベスに任せておけば安心だ。 本陣に戻ってきたのを機に、騎士達にもあいさつをした。 皆「お前みたいなドレイクが本当にいるとは」という顔をしていた。 おそらく、ヴァイブは私の話を少しずつ着実に広げているはずだ。 実際に私が直接話をすることでそれは確固たるものとなり、必ず今後の役に立つ。 ・戦に赴く やはり、目的のものは地下にあった。 当然だ。そう感じたからこそ、あの場で「認識している範囲で過去に地下室はなかった」と言及したのだから。 あの場で怪しげな壁を破壊しておけば、正面から敵と相対することもなかったろう。 リスクの回避を選択してより高いリスクにあうとは、相変わらず私は詰めが甘い。 敵は手強かった。砦の守護を任されているだけはある。危うく、全滅するところだった。 だが、これでいい。これが戦争である以上、戦地は早いうちに経験しておく必要がある。 それぞれ一人前の冒険者といえど、3人はまだ、知らないのだから。 確認と、一石投じるだけでいい。 私の仲間は優秀だ。各々やってくれるだろう。 それでだめなら、私がチャンスを作ってやればいいだけだ。 あの状況を生き残ったのだのだから、いくらでもどうにでもできるだろう。 あぁ、頭の中の声が、五月蠅いな。 少し黙っていろ。 ・戦の狭間 アデュラリアが真の姿を現した。 部隊はざわついたが、バルクマンが治めてくれた。彼は信頼できる将だ。 シエラに引き続き、カモミール、アデュラリアも、考えることがあったようだ。 3人とも、新兵の陥る急所にそれぞれ面白いように足をとられている。 一周回って愉快にも思えてきた。さて、誰が一番初めに頭抜けるか。順番的にはシエラだろうか。 シエラの行動を見る限り、彼女は大丈夫だろう。きっと、いままで同様仲間の救いとなってくれる。 どんな者とも仲良くなれる。シエラの一番の魅力が、とても微笑ましく信頼できる。 問題なのはカモミールだ。戦場で迷子にならなければいいが。 隠しきれるとでも、思っているのだろうか。まだまだ幼い。 それに少々、我々をみくびりすぎる。それで恐怖を忘れようとするのは、カモミール自身のためにはならないだろう。 最悪の状態ではないと確認できたことは、純粋に安心できる点であろう。 救いの手を差し伸べたものに感謝を示さず、その外面のみをみて排斥するような者を、私は好かんからな。 常識を疑わない者に何も為せはしない。 アデュラリアは相も変わらずだ。勝手に決め付け、返答も聞かぬまま勝手に泣き始める。 しかも、気を張っているときの言葉はあまりに暴力的だ。余裕が持てるようになれば改善はされるのだろうが、それはそれで嘘が増えそうだ。今回はできるだけそっとしておいたが、さて、今後どうしていこうか。 しかし、一体どういう教育をされればあのように性格が曲がるのか…これだからバジリスクは。親の顔を見てみたいものだ。 後方にクルードニスがいた。元気そうで何よりだ。ヴァイブに礼を言わねばならんかな。 物足りないだろうが、もう少し待っていてくれ。この言葉が周囲に届くようになったなら、すぐにその牢から出してやる。 機を見てヴァイブが訪れた。 あいつはいつも計ったようにタイミングが良い。流石だな、感動すら覚える。 土産も用意しているとは、粋なことをする。一体何処まで見抜いておるのか。 「覇道を見せろ」その言葉、忘れてはおらぬからな。この腕輪のことも。 非金属鎧など、あぁ何年ぶりだろうか。昔を思い出す。そして、現在は過去とは何もかもが違うのだ。 ここが一つの正念場。 全て守り切って、勝ち取ってやろうではないか。 ・冷淡 「バンクは詰めが甘いんだよね。どうせまたくだらないことでも考えてたんでしょ。バンクはそういうの、向いてないから。  いくら10まで数えてみたって、相手よりも速く100を読まなきゃ勝負には勝てないんだよ。馬鹿だな。」 「あいつら兵士の命なんてそのへんの害虫と一緒でしょ? 喚くし食うし馬鹿だしで、害虫より厄介だけど。  姉さんもあんなに怒らなくていいのにね。理解できないな。だって害虫がゼノマーディスのプライドに触ったんだから。  僕はお前のやったこと評価するよ。家族を罵られて怒るとか、そういう馬鹿なとこ、兄としては嫌いじゃないしね。」 「目指すなら兄さんか姉さんの方がいいよ。お前の性にはそっちの方が合ってる。お前は魔法も使えないんだから。  でも、暇なときくらいは相手をしてあげるよ。100%僕が勝つから。本当に尊敬してるってんなら、勝手に見て盗みな。」 兄様、私は貴方のように賢くなりたい。いまでもその気持ちは変わらない。 世界をひっくり返すには及び足りないものが多すぎて、その度に貴方の言葉が脳裏に浮かぶ。 しかし、賢いが故に誰のことも好きになれなかったというのなら、貴方の言った通り、兄様は私の目指すところではないのでしょうね。私には、ヴァイブが居ます。まだ幼くも仲間が居ります。それでも兄様ならば1人で充分だと言ったでしょうね。私にその言葉は必要ない。いまの姿を見れば、貴方はまた私を馬鹿だと呼ぶのでしょう。しかし、誇りのために死ぬ兄様も、貴方から言えば充分馬鹿ではないですか? 何事も頭ごなしに否定せず、ただ冷静に分析し、純粋に指摘する。 誰よりも己に誇りを抱き、揺るぐことのなかった兄様を尊敬しています。 生まれ変わったときも、私は貴方の兄弟でありたいものです。 ・駅へ赴く アンビシオンが声を上げている。歓喜の叫びを。(だからといって目の前の敵を無視するのはやめてもらいたい。) その先に、奴が居た。ドレイクが。列車を操る装置であろう、それを背に振りかえった。 カデンツァ・ダンケル 心から誰かを"欲しい"と感じたのは初めてであったか。 強く、賢く、全てを使い、そしてなによりも生きている。 二十と数年前、兄姉と鎬を削ったあの日々を想起させる。 他者を上手く使う術など知らぬ。誤解なく必要な言葉を伝えることも適わず。ただ "欲しい"。 だからこそ、攫われてしまったのは、純粋に口惜しい。 それまで研鑽を積むとしよう。いまのままでは… あのヴィークルの主は、一体だれだったのか。カデンツァと同様、またいずれ邂逅するであろうが。 装置は27班に任せた。期待通り。 シエラも、カモミールも、アデュラリアも、 ……あぁ頭の中が五月蠅い。 わかって、いるとも。 ・一区切り もう、すぐその先に、全てが消えた場所がある。 いまや私は人族側に立ち蛮族を掃討している。 覚悟などとうに終わっていたのだろう。予想していたよりも冷静だ。この頭の奥から響いてくる数多の声は煩わしいが。 父上の形見を手にしていると、血が正常に流れる感覚がする。 全てを黙らせて、付き従えさせる力。 あの場所は、それで安寧を保っていた。たった一人の意で風向きすら変わる。そうやって守っていた。 私はどうだ? どうやって保ち、どうやって守り、どうやって生かす。 欲しいものに足るピースを持ち合わせている訳ではない。だから、こうしている。 次の手を打とう。夜が迫って来る前に。 さて、2ヶ月しかない。 答えに音を示し、期待に符を紡ごう。 レーゼルドーン大陸出身 ドレイクのゼノマーディス家の末弟。 剣術の筋は良かったが、魔法の心得があまりになかったため家族から蔑まれながら、それでも元気に育つ。 人族領域に侵攻し勢力を拡大しつつあったゼノマーディス家は高レベルの冒険者に討伐され、自分以外の一族は全員剣を折られるか殺された。 魔法が扱えなかったためにあっさりと捕虜となり、真っ暗な牢獄と手痛い尋問の中で何年も過ごす。 その間、あまりにも暇だったため、考えた。 "何故、あれほど強い我が一族が滅びたのか" "何故、落ちこぼれと言われ続けた自分が生き残ったのか" 力のみが正義だと全てを屈服してきたからこそ、より強大な力によって屈服させられたのだ。 為さねばならぬことがある。自分は運命に選ばれたのだ。ひとり生き残ったことこそ、その証明。 分岐点を示す家名と、尽きることなき根源の力を想起させる我が名が囁くようだ。 我ら生物の本懐は生存し続けること。しかし、この世は生き難い なれば 選ばれた者が王となり、この世界を統べることでより良い国をつくることこそが正しき解 この世界の常識を書き換えてしまえばいい 誰かが創り出さねば、我らバルバロスの生存できる術が今の世にはないのだから。 フハハハハノヽノヽノヽノ \ / \/ \ 言動はどあほうだが、冷静で冷淡なドレイク 目的のために手段を(ある程度)選ばず、邪魔をする者は叩きのめす 人を助けるのは、その後めぐりめぐって自らの益になるから 自らが動かなければ、誰もついて来はしない、という考えのもと、必要であればガンガン前にいく(無謀なわけではない) バジリスクは享楽的でいい加減な奴ばかりである、という認識 全てが全てそういうわけではないのだろうが、馬鹿どもが多いのは事実 目下の者を働かせて自らが何もしないというスタンスは実に気に食わない 良い扱いを受けたことはなかったが、自らの家や出生に誇りを持っている 自分が大きな行いを成し遂げることができれば、失墜した家名の誇りを取り戻すことにも繋がり、自身を周囲に認めさせることもできる 穢れは強さの証明でもある パーティメンバーは、年下の少女たちではあるが、それぞれが成人した一人の冒険者であるととらえている 最初はいくらか流すが、あまりに不当・理不尽に種族や当人を貶めるような発言をする場合は注意する。 注意してもやめない場合は、魔剣で脅す。 家は”戦神”ダルクレム信仰で一番身近。個人的には”風来神”ル=ロウドが好き ゼノマーディス[分岐点] 家族(技能イメージ)  長女(イアリセント)姉上[豊潤な感情]:剛毅果断な豪将、誇りを重んじる騎士であり一族きっての剣術と怪力の持ち主、兄弟の教育や躾を自らかって出ていた、数人で居城へ攻め込んできた高レベル冒険者と戦い父と共に死亡、(ソーサラーファイター) 唯一当主に匹敵するだけの実力を持つ戦士、誰が見ても違わぬ強者であり他者にも強くあることを求めた、そのために自ら教鞭をとり熱心に指導をすることもあるがその熱についていけない者も多くあったという  長男(ケイファース)兄上[力強さ]:勇猛果敢な特攻隊長、実に高慢だがこと侵攻においては右に出る者はいない、精鋭兵を率いて前線へ出陣しその後消息不明(デーモンルーラーファイター) 自分より下の者への態度が尊大であり弱い者を虐める傾向にあった、ある時からそのベクトルが末弟に向くようになり犠牲は減ったものの弱者達からは忌避されていたという。イアリセントと2つ違い  二男(トレヴァー)兄様[本質を見抜く英知]:頭脳明晰な宰相、数々の戦場を勝利へ導いた司令塔、勝利のためにあらゆるものを利用しつくす術を心得ている、多くの兵と正門を守護していたが敗戦後剣を折られ捕縛された後自害(コンジャラーファイター) 優秀な作戦参謀であったが兵や民を駒としてしか見れず犠牲を一切厭わない作戦に反感を買うことも少なくなかったという。ケイファースと年子  末弟(バンクシェリア)バンク[果てなき根源の力]:こいつ、無類の耐久力を誇り裏門防衛線で敵兵を一人も通さなかったとされる、敗戦後母の遺言に従い投降、その後長い期間を牢獄ですごす(ファイターレンジャー) 魔法に関する適性が一切なかったため多くのものに蔑まれながらも生きていた、腐っても当主の一族であるためか剣術のみであれば兄妹達に引けをとらないものではあったという。ケイファースと10歳違い  次女(ツァラネストラ)ツァラネス[美しさ]:かわいい、冷酷無比な戦乙女、熱心なダルクレム信者、殲滅・惨殺・血の華を咲かせることはお手の物、長兄と共に出陣し消息不明(プリーストファイター) 長い銀髪を血の色に染めながら戦う姿は戦姫と恐れられた。バンクシェリアと7歳違い  父(バンフィズール)父上[変転する運命]:絶大なるカリスマ、実力と名声を兼ね備えたドレイクデューク(公爵)、ロード(君主)に一番近い者だと言われていたが人族に攻め込まれ戦死したとされている、(フェアリーテイマーファイター) 自らの跡を継がせるために三男を産ませ自身の名の一部を与えるものの期待外れであった、その後にも一子設けるが女であったために目論見は達成されず最終的には長女を後継者に選ぶことにしたという  母(ルコリイア)母上:主を支え生涯を伴にした気高い女性、アーメス信者、敗戦後に末弟を庇い死亡、(プリースト) 長女に自身の名の一部を与えるものの、その過剰すぎる愛に反発をされていた、自らと同様に他者にも家族を心から愛することを強いた、最終的には一部の者しか相手にすることがなかったという、バンクシェリアへ「生きて」と遺言を残し死亡 「Xenomardis」 深く深く沈む街を見下ろし 息の詰まった現実に溺れた 中味は空っぽで虚しくも思えるが 夢を見ている間だけ呼吸をするのを忘れられる 誰からも認められることがなかったせいか、それがどういう意味なのかさえ分からなくなる この声が届くことはなかったから、喉は潰れて壊れてしまったようだ 生ける者にとって必要なものは 死せる者にとって不要なものばかり 何が欲しいのだろうか、屍となってまで 握りしめた手に何も掴めぬままだというのに 今日も夕闇が降りてくる 宵闇の彼方に呑まれてしまいそうだ 燦然と輝く星空は、私に何を囁くのだろう 天へと登った先祖達の英雄譚か、儚く散った父祖の無念か 公然と煌めく星屑が、私に何かを囁いてくる 覚悟は既に産まれたときに出来ている ならば行こうか、 街はいつの間にか廃墟になっていたようだ 父の背中を眼前に、不安の影が長く伸びても 背を押す母の幻聴が、振り向くことも許さない 何の為に生きているのか、答えが合っていたその時は ほんの少しで構わない 世界よどうか祝福してくれ 私は違う道を行くから 世界よ剣よ、祝福してくれ (夜闇に沈み込むような伴奏に星が輝いているかのようなハーモニーが合わせてある、転調や細かいテクニックが多いため中級~上級者向け、歌詞はドレイク語、短調) ヴァイブへの信頼、友情 シエラへの感謝、好意 カモミールへの静観 アデュラリアへの確信 バルクマンへの親近感(苦労をかける。あの日敗北していなければ、私もお前のようになれていたのだろうか) クルードニスへの感心(芯のある武人、あの忠誠心は折れることはないだろう) レイラへの敬愛(尊敬できる。アデュラリアの師匠になってくれたのが、彼女で本当によかった) カデンツァ・ダンケルへの期待