タイトル:旦那 キャラクター名:リヒト・エーデルシュタイン 種族:人間 [特徴:剣の加護/運命変転] 生まれ:軍師 ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:25 性別:男性 髪の色:白  / 瞳の色:緑  / 肌の色:肌色 身長:172cm 体重:60kg 経歴1:高レベルの魔法をかけられたことがある 経歴2:かつて大好きだったものが今は大嫌い 経歴3:派手な見栄を張っている(張っていた) 穢れ度:0 ■能力値■      技     体     心 基礎    7      8      6    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F  11   7   8   7   7   9 成長                   →計:0 修正  16  61  49  134  118  142 =合計= 34  75  65  149  131  157 ボーナス  5  12  10  24  21  26    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本  41  43  200  277 特技         0   0 修正 =合計= 41  43  202  277 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:17 Lv ソーサラー  8 Lv  /  フェアリーテイマー 17 Lv スカウト   13 Lv  / レンジャー     10 Lv セージ    6 Lv  /  エンハンサー    9 Lv アルケミスト 5 Lv  /  ウォーリーダー   10 Lv ミスティック 10 Lv  / グリモワール    15 Lv ■戦闘特技・値■ [参照] 特技名      : 効果                                  : 前提 [pIB34]ルーンマスター   : 魔法拡大を宣言せずに使用出来る                     : 魔法技能1つのLv11 [p2120]トレジャーハント  : 戦利品のロールに+1                           : スカウトLv.5 [p2123]ファストアクション : 戦闘の第1ラウンドで先手なら、主動作を2回行える             : スカウトLv.7 [p2120]影走り       : 乱戦エリアの脇を通り抜けるとき、乱戦を宣言されない           : スカウトLv.9 [p3143]トレジャーマスター : さらに戦利品のロールに+1                        : スカウトLv.12 [p2122]治癒適性      : Hpが回復する効果を受けるとき、その効果に自分だけ+1           : レンジャーLv.5 [p2123]不屈        : HPが0以下になっても気絶しない                     : レンジャーLv.7 [p2123]ポーションマスター : ポーションを1R1本補助動作で飲める                   : レンジャーLv.9 [p2120]鋭い目       : 戦利品のロールに+1                           : セージLv.5 [pIB36]かばう       : 1Rに1回1PCをかばう、自動命中となるが防護点+2扱い、戦闘開始時に宣言可能 : [pIB39]魔法拡大/数    : 対象を拡大するごとにMP倍増、達成値は個別                : [pIB37]ダブルキャスト   : 魔法の行使を2つ同時に行う。ただし魔力-10                : [pIB31]防具習熟A/非金属鎧 : 防護点+1、Aランク装備可能                       : [pIB32]魔法誘導      : 射撃魔法で誤射しない、完全に隠れ切れてない対象に射撃魔法可能      : [pIB29]ガーディアン    : かばうを使うとき、かばう回数(最大5)を決めることが出来る        : [pIB39]魔法拡大/範囲   : MP倍増するごとに範囲+1m                        : [pIB29]足さばき      : 制限移動で最大10mまで移動可能                     : [pIB32]防具習熟S/非金属鎧 : さらに防護点+2、Sランク装備可能                    : [pIB32]マルチガード    : 宣言特技として宣言しなくてもかばうが使えるようになる          :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本  27  31  75  246 修正 特技        2 =合計= 27  25  82m 246m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名            : 効果                                              : 前提 [p]  オウルビジョン         : 暗視を得る                                           : [p]  ストロングブラッド       : 炎と氷・水ダメージ-5                                      : [p]  アンチボディ          : 毒、病気に対し抵抗力+4                                     : [p]  メディテーション        : 精神効果に対し精神抵抗力+4                                   : [p]  ビートルスキン         : 防護+2                                             : [p]  スフィンクスノレッジ      : 知力+12                                            : [p]  ラビットイヤー         : 聞き耳、危険感知+2                                       : [p]  ワイドウィング         : 飛べる                                             : [p]  リカバリィ           : 技能レベル回復                                         : [p]  クリティカルレイ        : 出目に+                                            : 接触 [p]  バークメイル          : 防護+                                             : 30m/起点 [p]  パラライズミスト        : 回避-                                             : 30m/起点 [p]  ヴォーパルウェポン       : ダメ+                                             : 10m/起点 [p]  イニシアティブブースト     : 先制判定に+                                          : 10m/起点 [p]  軍師の知略           :                                                : [p]  強靭なる丈陣Ⅰ:抗心      : 精神抵抗+1、生命抵抗-1                                     : [p]  強靭なる丈陣Ⅱ:精定      : 生命抵抗か精神抵抗に+1                                     : [p]  鉄壁の防陣Ⅰ          : 防護+2与ダメ-2                                         : [p]  強靭なる丈陣Ⅲ:心清      : 精神抵抗+2                                           : [p]  強靭なる丈陣Ⅳ:清涼      : 精神抵抗+2、更に瞬間的に精神抵抗+2                               : [p]  鉄壁の防陣Ⅱ:堅体       : 防護+1、毒・病気・呪い以外の魔法ダメ-1                             : [p]  鉄壁の防陣Ⅲ:甲盾       : 防護+2、毒・病気・呪い以外の魔法ダメージ-2                           : [p]  鉄壁の防陣Ⅳ:反攻       : 防護+3、更に瞬間的にカウンターを与える                             : [p]  強靭なる丈陣Ⅴ:魔水      : 消費MP-5                                           : [p]  鉄壁の防陣Ⅴ:槍塞       : あらゆる物理ダメージ、毒・病気・呪い以外の魔法ダメージを-4し、効果中2回までカウンターを与える : [p]  幸運は星の導きを知る      : その日のラッキーカラーやラッキーアイテムなどを占う                       : [p]  幸運は知恵を助ける       : 対象がその日行う知力を使った判定を助ける                            : [p]  幸運は勝ち戦を授ける      : 対象がその日行う先制判定とまもちきを助ける。                          : [p]  幸運は手指を助ける       : 器用を基準とした行為判定を助ける                                : [p]  怒れる言葉の幻         : 交渉の失敗を幻視して回避。                                   : [p]  背後から迫る闇の幻       : 危険感知判定の結果を幻視して回避。                               : [p]  襲い掛かる敵の幻        : 先制判定の結果を幻視して回避。                                 : [p]  凶星の光を避ける道を知る    : 対象が遭遇するであろう危険を予測。                               : [p]  賢星に語らるべかりし言葉を問う : 得られるべきだった情報を得る。                                 : [p]  灰色なる敗北の幻影       : 行動判定をやり直す                                       : ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター : グラップラー: フェンサー : シューター : ・武器 価格 用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照)               0         0 [] *入門の魔導書 / (p) =価格合計= 0 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 :  1      9  57000 マナコートプラス / 魔法の防具+1 盾 :              / 修正: = 合計 =    0  13  57000 G (回避技能:) ・装飾品    価格  名称               / 効果 頭 :                    / 耳 :3200  目覚ましピアス          / 寝たら自動で起こしてくれる。 顔 :                    / 首 :3000  水晶の首飾り           / 毒、病気の精神抵抗の判定に+1 背中:31000 野伏の威風堂々たる炎武帝のマント / 毒、病気、呪いの抵抗時+4して2d自身にダメージ 背中:10000 栄冠の軍師徽章          / 右手:1000  月光の指輪            / 壊すと精神抵抗に+2 左手:44000 共鳴の指輪(結婚指輪)      / 腰 :200  アルケミ―キット         / 腰 :4000  多機能ブラックベルト       / 足 :2000  韋駄天ブーツ           / 他 :5000  ディスプレイサー・ガジェット   / 他 :2300  華美なる宝石飾り         / 全属性の宝石セット =合計=105700 G ■所持品■ 名称             単価  個数 価格  備考 スカウト用ツール       100   1   100 月光の魔符          1500  5   7500  精神抵抗+2 陽光の魔符          1500  5   7500  生命抵抗+2 魔香水            600   10  6000  レンジャー+知力点MP回復 冒険者セット         100   1   100   背負い袋、水袋、松明×6、火口箱、ロープ10m、ナイフ テント(6人用)       350   4   1400  なるべく広い方がいいってナハトが言ってたけど、ま、確かにね 食器セット          12   3   36   人間からどんどん遠ざかっていく僕らだけど、人間らしい生活は大事にしたいからね。料理はお皿に並べて、フォークとスプーンで食べるもんさ。 調理器具セット        50   1   50   出来合いのものを買うと高くつくし、自炊も必要でね。 ふかふかの防寒着       80   2   160   色んな所に行くんだ。寒いところにもいくだろうし、必要だね。 軽い羽ペン          50   1   50   何をするにしろ、良いものを使うべきだ。悪いよりはいい。 インク            3    10  30   よく零しちゃうよね。大切に使おう。 羊皮紙            5    30  150   取引には必要だし、取り出しやすくして常に持っておかなくては。 着替えセット         50   3   150   旅には必須だ。 金SS            20000  5   100000 ●● 赤SS            20000  5   100000 ● 緑SS            20000  3   60000  ●● 赤S             2000  10  20000  ● 緑S             2000  10  20000  ● 金S             2000  5   10000 ミスティックロッド      100   1   100   器用 ミスティックカード      100   1   100   知力 ミスティックオーブ      100   1   100   精神 保存食(一週間分)      50   10  500 食材(十人前くらい1週間分) 100   10  1000  色々な素材。なるべく保存のきくものを買い込んだ。-7 食材2か月分          700   1   700 魔晶石10点          2000  10  20000  5つ消費済み。 スネイクソード        116000 2   232000 マキナ用 魔力の矢           1400  10  14000 魔晶石3点           300   100  30000 魔晶石20点          8000  10  80000  スパテレ用● エクレール          58000  5   290000 マキナ用 =所持品合計=  1001726 G =装備合計=    162700 G = 価格総計 =  1164426 G 所持金   66674G 預金・借金    G ■魔力■ 知力ボーナス: 21 特技強化ボーナス: 0 武器ボーナス: 0  名前  Lv 追加修正 魔力 真語魔法 8       29 妖精魔法 17      38 秘奥魔法 15      36 ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       - - エルフ語  - - / ドラゴン語     - - ドワーフ語 - - / ドレイク語     - - 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     ○ - 魔動機文明語○ ○ / 魔神語       - - 魔法文明語 ○ ○ / 妖魔語       - - 妖精語   ○ - / グラスランナー語  - - シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 初期習得言語:交易交通語、地方語 技能習得言語:魔法文明語、妖精語、魔動機文明語、6個の会話or読文 ■名誉アイテム■ 点数 名称  50 共鳴の指輪専用化  50 華美なる宝石飾り  50 栄冠の軍師徽章  20 多機能〇〇ベルト  30 ふかふかの防寒着×2  10 軽い羽ペン  20 野伏の〇〇マント 所持名誉点:3770 点 合計名誉点:4000 点 ■その他■ 経験点:1860点 (使用経験点:362000点、獲得経験点:360860点) セッション回数:0回 成長履歴: 成長能力 獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ)  メモ 1-     250000点(250000 /   / 回) 2-      22860点(22860 /   / 回) 3-      80000点(80000 /   / 回) 4-      8000点(8000 /   / 回) メモ: ↓妖精契約 https://yutorize.2-d.jp/ft_sim/?ft=H555586 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 宝石商の家に生まれ、セフィリアの街でナハトと出会い、駆け落ちし、結婚を果たした幸せ男。 基本的にはそれなりに常識的な優男。 少し背負いこみがちな苦労人。 商才がある為、生活には困らない様子。 好きな食べ物はパスタ。嫌いなものは特にない。 手先は不器用なので、自分で宝石研磨などは出来ない。 「大切な約束があってね。その約束を守る為なら、何だってやるよ」 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 商人Lv5 宝飾師L1 庭師Lv1 役人Lv1 家政夫Lv2 サラリーマンLv8 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ダグニアのセフィリアにて宝石商の家に生まれた。 彼の家は裕福で、宝石商としても実に成功していると言える。 そんな宝石商の息子という家柄故に、いずれはその家業を継ぐつもりで商品の運搬を護衛する仕事を手伝っていた。 幸い、宝石はたくさんある。 調達も容易だ。 だから、妖精と契約し、フェアリーテイマーとなることを選んだ。 妖精は彼にすぐ心を許した。 親に愛されて育ち、恵まれた環境で、僅か6歳から家業を手伝い、社会を経験しつつ、正しく人生を歩んできた心優しき少年には、文字通り、汚れなどない。 彼自身も、自分になつく妖精を好いていた。 こうやって、妖精の力を借りながらまっすぐに宝石商として生きてきたのが、この男、リヒトである。 そして、彼が12歳の時。リヒトはようやく一人前と見なされて、仕事を任され、街へ商いに出ていた。 初めて請け負った自分一人の仕事。 だが、気負うことなく、リヒトは見事にこなしてみせる。 売り上げは上々だ。 宝石好きな貴族とのコネも獲得した。 さて、仕事を終えた彼は、両親にやるべき事を終えれば遊びに時間を費やしてもいいと許しを貰っていた。 身軽になった彼の前に広がるのは、都会の町並み。 年相応に少年の心は踊っていた。 自分の家も庶民にしてはとても大きく立派ではあるが、貴族程ではない。 貴族街に建ち並ぶ、宮殿の様な建物はリヒトを昂らせるには十分であった。 街の隅から隅まで歩き回り、市場や一般居住区など言いつけをまもって行けなかった、いままで行ったことのない場所にまで足を運ぶ。 そうしてあらかた街を散策し終わった頃。 空は暮れなずみ、穏やかな橙と混ざり合う夕闇のコントラストの中で、リヒトは一つの光を見たような気がした。 なんとなしに気になって、光の方へ歩みを進めてみる。 そこは、一軒の屋敷だ。 貴族街にある屋敷の中でも一際大きく、しかし、少し寂れた様な外観が目を引く。 屋敷に近づくと、また光。 どうやら、屋敷の中から発せられている様子。 リヒトは興味本意に屋敷の窓を覗く。 瞬間、リヒトは雷に打たれたように、固まってしまう。 無論、本当に雷に打たれた訳ではない。 リヒトの目に写ったのは、可憐で落ち着いた佇まいのまま、伏し目がちに手元の本を見つめる少女だった。 それに、よくみると、小さな角が生えている。 完全に、少年は心を奪われていた。 しかし、光を放っていたのが少女だと気づいた時には、リヒトは辺りの薄暗さに視線を奪われる。 帰らなくては。 名残惜しくも、両親を心配させたくないリヒトは、その場をあとにして、帰路につく。 そしてうちに帰ると、真っ先に両親にこの日のことを未だ興奮冷めやらぬ様子で語る事になる。 上手く仕事が出来たこと、一人で回る街は大きかったこと、街はとても美しかったこと、角の生えた少女の事。 リヒトは笑う。 そして、ひとしきり話したあと、夕飯も食べずに寝てしまった。 リヒトの両親は浮かない表情で、息子に布団をかける。 そして翌日。 何故だか、リヒトは外出を禁じられた。 昼食と、夕食だけを置いて、父も母もそのまま出掛けてしまい、理由を聞く暇すらなかった。 すぐ帰ってくるから。 それだけ言って出掛けた両親は、夕方になっても帰ってこない。 流石におかしい。 心配になって、12歳の少年はこっそりと家を飛び出した。 そして、眼前に飛び込んできたのは暗闇に赤く揺らめく炎を灯しながら列をなす街の住人であった。 異様な光景に立ち竦むが、炎の列の行き着く先を目で捉えた瞬間、固まった体が動き出す。 少年は恐らく、その場所を知っていた。 そして感じていた胸騒ぎが、歩みを進める両足を加速させる。 しかし その場所にたどり着いたとき、既に遅かった。 群衆が放った炎は屋敷を包み、天高く火柱が聳え、暗雲に覆われた夕空を不気味に赤く染めていた。 すかさず駆け寄ろうとしたリヒトだったが、何者かに手を捕まれ、阻まれてしまう。 それはよく知る人物であった。 「とうさん...かあさん?」 灯火に照され、表情は見えない。 息子を見下ろし、二人は語る。 穢れを持ったものが、どうなるべきか。 リヒトは燃え盛る屋敷を見上げる。 そうだ あの中には、あの子がいる。 自分があの子の事を話したからだ。 だから、こうなった。 考えるうち、行き場のない気持ちが体を動かす。 両親の手を払いのけ、屋敷の中に駆け出し、妖精の力を借りて火の手をこじ開け、進む。 窓から見た部屋を目指し、一直線に走る。 間に合えと伸ばす手は炎を裂いてやがて大きな部屋へと導いた。 そして、視線の先、リヒトはついに少女を捉える。 が。 肉体は既に炎に包まれ、その頭上にもう一人。 光を帯びて宙に浮かび少年を見下ろすのは、うっすらと半身の透けたもうひとりの彼女だった。 皮膚が溶け、骨を露出させながら燃え尽きる少女の肉体。 もう一人の少女は、自分の肉体を悲しげに、どこか複雑な表情を浮かべながら見つめ、少年に視線を移す。 リヒトはまだ状況を把握できずにいた。 しかし、自分を見下ろす少女に、自然と視線を奪われる。 初めて互いに交わした視線。 間に合わなかった 自分の所為だ 自分が言わなければ、まだ話したこともない、名前も知らない君が死なずに済んだのに 胸の内から湧き出る思いを口にする前に、少女の霊体が問う。 「あなたはだれ?」 燃え盛る炎の中で、妖精の加護を受けながら熱を払い、名を告げる。 すると、少女は笑って、こう続けた 「リヒト…私が死んでから初めて見た人」 「生まれてから初めて見た、お父様以外の人」 嬉しそうに、少女は控えめな笑みを浮かべた。 しかし、リヒトにとって、その笑みは痛み以外の何ものでもない。 リヒトは言う。 「君がこんな目に合ってしまったのは、僕の所為なんだ。僕がこの屋敷に迷い込んで君を見てしまったばっかりに、それを父さんと母さんに言ってしまったから」 少年の告白は幼い顔つきを悲痛な表情へ変える。 しかし、少女は少年の言葉を耳にしても、笑みを絶やす事は無かった それどころか、続けて言う。 「ねぇ、私…私、もう自由なの」 「もし、あなたの所為でこうなったというのなら、私はあなたにありがとうと伝えたい」 「お父様が死んでしまったのは悲しいけれど、こうなってしまったら、私はもうここには居られないから」 「おかげで、ずっと本の中でしか知らない世界に夢を見るだけの私とお別れできたの」 「あなたのおかげよ」 少女は笑う。 少年は察する。 先ほど両親に聞かされた穢れを恐れ、忌み嫌うこの国の性質。 それは、当然、ナイトメアである彼女を幸せにはしなかった筈だ。 それならば、偶然から生まれたこの出会いにも、意味がある筈。 彼女が何と言おうと、やはり、自分にも責任を感じている。 だからこそ、償いが必要だと。 彼女には救いが必要なのだと。 嫌がる妖精をなだめながら、リヒトは少女に手を伸ばす。 「君の名前は?」 その問いに、少女が己の名を告げると、続けてリヒトは微笑んだ 「ナハト、僕と行こう」 そして12歳の少年は、燃え尽き、崩れ落ちる屋敷を後にした。 肉体を失った少女を連れて。 何処へ行くの?と少女は問う。 少年は答える。 君の知らない世界だよ それから十年。 二人はセフィリアを出て、ラクシアの大地を自由気ままに歩き回った。 リヒトはナイトメアであり、レイスであるナハトへ向けられた奇異な目を不憫に思って、変装用の服を買ってやった。 角だけでも隠せば普通の人間と見た目の大差はない。 いや、容姿という点においては、人目を引く程の美貌の持ち主なのだが。 十年という月日は、幼かった二人を大きく変えた。 十年連れ添って、互いに初めて知った事も多い。 ナハトはあまり笑わない。 リヒトはあの日、彼女が微笑んで自分に礼を言った事がどれだけレアケースだったかが改めて理解できた。 籠の鳥であった事が、彼女にとってはそれほど苦痛だったのだろう あの時まで、あまりに正しく、まっすぐに人生を歩んできたリヒトには、ナハトがどれだけの事を抱えて生きてきたかなど、到底理解する事も出来なかった。 先ほど立ち寄った街で購入した本を読む、ナハトの横顔をちらりと横目にしながら、リヒトは画策する。 彼女に、もっと幸せな微笑みを知ってほしい。 父親が死に、自分の肉体が焼け落ちる事で得た幸せなどではなく、もっと、誰もが感じているような、幸せを。 ある日、次の街へ向かう馬車の中。 リヒトは、いつも通り本を見つめて空想するナハトの横側で、突然に告白した。 目を丸くして、まるで時が止まったかのように、その場で固まってしまったナハトに、リヒトは式は今日で、次の街の教会が会場である事を告げる。 その日、二人は夫婦となった。 そして、ナハトも、初めて幸せが何かを知る事となったのだ。 交わす指輪、口づけ、そして、約束。 冗談混じりに、ギアスで結んだ二人の糸はもう、離れることはないだろう。 旅は続いていく。 この愛らしいお嫁さんが、本で見た世界を求める限り。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------