タイトル:No.8946 キャラクター名:No.8946 種族: 享年:8歳 髪の色:白  / 瞳の色:赤  / 肌の色:白 身長:136cm 体重:42kg ポジション:ホリック クラス: タナトス / バロック 初期配置:煉獄 行動値:11 ■パーソナルデータ■ 暗示:喪失 [記憶のカケラ] 内容 手術台 嫉妬 最終戦争 殺戮の天使 パーティー [未練]             内容    狂気度  発狂時 たからもの(ピアス)      への 依存 ■■■□ 幼児退行(最大行動値減少(-2)) 葛柳 芽依           への 保護 ■■□□ 常時密着(自身か対象以外は移動マニューバの対象にできない。また、対象が違うエリアにいるなら移動以外の効果持ちのマニューバは宣言できない) 皐月 透            への 依存 ■■□□ 幼児退行(最大行動値減少(-2)) たからもの(赤い封筒の招待状) への 依存 ■■■□ 幼児退行(最大行動値減少(-2))                 への    ■■■□ ()                 への    ■■■□ () ■強化値■     武装 変異 改造 メインクラス   1   0   1 サブクラス   0   2   0 ボーナス 寵愛 =合計=   1   3   1 ■マニューバ■ [部位]     マニューバ名  : タイミング : コスト : 射程: 効果 [ポジション]  業怒       : ダメージ  : 効果参照: 自身: 自身が与えたダメージにのみ使用可能。コストとして、あなたは任意の未練に狂気点1点を加える。ダメージ+2 [メインクラス] 災禍       : ダメージ  : 2    : 自身: 自身が与えた白兵攻撃にのみ使用可。「全体攻撃」の効果を得る。これによって自身へのダメージはない。 [メインクラス] 必中       : オート   : なし  : 自身: バトルパートで攻撃判定値が「6」の際、任意の箇所にダメージを与えてよい。 [サブクラス]  業躯       : オート   : なし  : 自身: バトルパート終了時、望むパーツ2つを修復してよい。 [頭]      のうみそ     : オート   :     :   : 2 [頭]      めだま      : オート   :     :   : 1 [頭]      あご       : アクション : 2    : 0  : 肉弾攻撃1 [頭]      よぶんなあたま  : オート   : なし  : 自身: 最大行動値+2 [腕]      こぶし      : アクション : 2    : 0  : 肉弾攻撃1 [腕]      うで       : ジャッジ  : 1    : 0  : 支援1 [腕]      かた       : アクション : 4    : 自身: 移動1 [腕]      チェーンソウ   : アクション : 3    : 0  : 白兵攻撃+2。切断。 [腕]      リミッター    : オート   : なし  : 自身: このパーツがバトルパート中に損傷した時、宣言することで最大行動値に+2してよい。バトルパート終了時までこの効果は続き、効果中はこのパーツを修復できない。 [胴]      せぼね      : アクション : 1    : 自身: 次カウントで使うマニューバ1つのコスト-1 [胴]      はらわた     : オート   :     :   : [胴]      はらわた     : オート   :     :   : [胴]      アルビノ     : オート   : 1    : 自身: 支援1 [脚]      あし       : ジャッジ  : 1    : 0  : 妨害1 [脚]      ほね       : アクション : 3    : 自身: 移動1 [脚]      ほね       : アクション : 3    : 自身: 移動1 [脚]      どくばり     : アクション : 3    : 0  : 肉弾攻撃3 [頭]      たからもの    : オート   : なし  : なし: ピアス。舌につけている。 [サブクラス]  歪極       : オート   :     : 自身: きもちいいくすりを追加 [頭]      きもちいいくすり : ダメージ  : 1    : 自身: 自身がダメージを受けたとき、任意の未練から狂気点を1減少させてよい。 ■その他■ 寵愛点:27点 成長履歴: No. 獲得寵愛点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 0     13点(  9 /  4)     歪極を追加(10点消費) 1     14点( 14 /  ) 2     0点(   /  ) メモ: 【設定】  二つの頭は血の繋がった双子の姉妹であるが、二人はそれを覚えていない。  腕に『No.8946』と書かれていることから、本人たちから見て右側を『ハク』(元スミ)、左側を『シロ』(元ロイロ)と呼んでいる。ハクは明るい性格で攻撃っぱやい。シロは冷静で落ち着いた性格である。しかし、リミッターが外れたときは二人とも戦闘狂となる。  たからもののピアスは二人の母親が付けていたものであるが、二人は知らず、一つずつ舌に付けることとした。(ハク曰く、これなら無くさない。らしい)  ドールになる手術の際に意識が戻ったとき、自身が改造される所を目の当たりにし、過度なストレスによって白髪、赤い目(アルビノ)となった。もとは黒髪、黒い瞳  足のどくばりは本人たちとは関係ない方面での、好みである。(シロが気にするため靴を履いているが、使用するときには靴の底を破って飛び出す(猫の爪のように出し入れできる)。使う度にシロが縫い直している)  髪は長いが、おろしたときに、腰までは届かない。戦闘中などにお互いにぶつかることを避けるためにサイドに一つ縛りをしている。(シロ曰く、髪は女の命ですから。ハク曰く、短い方が好き(短くした経験はないが、スミの頃の記憶(ボブ)の名残か?))  服はスミが生前着ていたものをそのままだが、戦闘などによって破けたりしているのでシロが縫い直している(つぎはぎ)  スミは鍛えていたため、腕や足などに筋肉があった。二人の体にもその名残があるが、シロが気にするためなるべく隠すようにしている。 【過去の物語】  ある旧家に綺麗な黒髪の双子の姉妹が生まれた。  姉はスミと名付けられ、妹はロイロと名付けられた。  二人は生まれて直ぐに全く異なる人生を送ることとなる。  姉のスミはその旧家の裏家業である暗殺を生業とする分家へ、妹のロイロは実の両親と共に何不自由ない充実した毎日を送る。  スミには、自分には妹がいること、それがロイロであり、両親と毎日平穏に暮らしていることが伝えられる。毎日厳格な当主に暗殺を教え込まれ、失敗すると厳しい罰が与えられた。しかし、そんな厳格な当主も仕事を達成させた時だけ、その大きく骨ばった手でスミの頭を一撫でし「よくやった」と一言だけ、掛けてくれた。その唯一の当主からの優しさに縋り続け、スミは何人も、何人も、奈落の底へと誘い続けた。《殺戮の天使》本家での集まりでロイロがが両親と共に楽しそうに笑っている姿を見かけることがあった。羨ましかった。妬ましかった。なんで同じ両親から生まれたのに私は分家で闇の中にいるのにあの子が本家で光の中にいるのだろうか。なんで私が暗い中で辛い訓練をして泣きそうになっているときに、あの子は明るい場所で何不自由なく笑っているのだろうか。近づかないでほしい。妬ましい。妬ましい。妬ましい、妬ましい、妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい。《嫉妬》羨ましい…。ふとした時に殺してしまいそう。やめて、来ないで。スミはいつも無表情だった。  ロイロには自分には姉がいたことは伝えられた。しかし、それが本家の集まりで度々見かける日本人形のようなスミであること、彼女が日々暗殺の訓練で血反吐を吐いている時、ロイロは両親と共にお裁縫をしたり、歌を歌ったり、絵を描いたり毎日がキラキラと輝いているような、そんな日々を送っていた。姉のことは気になったが、誰も彼女の話をしたがらなかった。ロイロが尋ねても、皆目を逸らし逡巡した後、話を逸らすのだった。母の場合はとても悲しそうな顔をした。いつしかロイロは姉について尋ねることをやめた。スミのことは、数少ない同年代の女の子だと思って気になっていた。仲良くしたくても避けられていた。  7歳の誕生日の朝、二人は見たことのない部屋で目を覚ました。  スミは可愛らしいお人形に囲まれたベッドの上にいた。欲しかったお人形、ふかふかのベッド、可愛らしいフリルのついたネグリジェ。羨ましかった何もかもが今目の前にある。これはまるで…「おはよう『ロイロ』、誕生日おめでとう」扉を開けて現れたの実の両親だった。ずっと憧れていた。優しい優しい両親の笑顔に、温もりに、今スミは包まれている。これは夢?日陰から見つめていたあの頃にまた戻ってしまうの?嫌。覚めてほしくない。スミは両親にしがみついた。「どうしたのロイロ。悪い夢でも見たの?」悪い夢?あれは全て夢だったの?ああ、そうか。私はあの暗い子に感情移入してしまっていたのね。あの雰囲気から暗く冷たい鼠色の壁に囲まれた「スミの部屋」は、自分が彼女に同情したために見てしまった悪い夢だったのかもしれない。そう思い込むことに、スミにはあまり時間はいらなかった。  目を覚ましてロイロがまず見たものは、薄汚れた壁のシミだった。見慣れたはずの淡い檸檬色のお気に入りの壁紙や、いつも一緒に寝ていたお人形さんたちも、何もかもが無くなっていた。殺風景な、まるで牢獄のような、「ロイロの部屋」とはかけ離れた部屋で、ロイロは目を覚ました。ここはどこだろう。この感情は何だろう。あの時と同じだ。両親と散歩していた時に向かい側からやってくる大きな犬に遭遇した時。ロイロはいつも両親の後ろに隠れながらやり過ごしていた。あの時の感情と似ている。早くここから出なくちゃ。慌てて扉に手をかけようとしたとき、ロイロが触れるよりも先に扉は開かれた。「おはようございます『スミさま』。朝食のご用意が整っております」どこかで見たことのありそうな老婆が現れ、ロイロのことを『スミ』と呼んだ。スミ?何を言っているの?私はロイロよ?わけが分からないわ。困惑するロイロをよそに老婆はさっさと行こうとしていた。慌てて老婆を追いかけると、広い部屋に大きな長机があり、そんな広いスペースに『スミ』の分の朝食だけが置かれていた。両親と一緒にいたときは皆で食卓を囲むのが常だった。あまり美味しいと思えなかった。朝食が終わるとまた老婆が現れ、『お義父上』の元まで案内された。『お義父上』は『スミ』にすべての事実を話した。ロイロには双子の姉スミがいたこと、暗殺業をこなしていたこと、家の仕来りで7歳を境に立場を交換すること。今まではスミがこなしていたことを、ロイロにもさせること。14歳になったとき、どちらかを選ばねばならないこと、また、二人の選択が重なったときは決闘によって決めること。  ロイロは恐怖した。自分がこれから為さねばならぬことに対して、また、時折感じていたスミからの視線の意味を知って…。7年間とはいえ虫も殺せなかったロイロが仕事を覚えるのにはあまり時間はかからなかったが、頭ではわかっていてもあと一歩が踏み出せなかった。双子であったからか、ロイロの身のこなしはスミに負けず劣らずといえた。しかし、詰めの甘さや優しさから、ロイロは当主から罰を受けてばかりいた。ロイロは自身がこんなに苦しんでいるにも関わらず、スミが両親と笑っていることが許せなかった。あそこは私の場所だったはずなのに。なんで、なんで、なんでなんでなんでなんで。憎い憎い憎い憎い憎い憎い。《嫉妬》今まで抱いたことのなかった感情が、ロイロの中に芽生えた。  最終戦争が始まった。  ロイロはまだ仕事をこなすことができなかった。分家はロイロを残し、最終戦争に向かった。本家では戦うすべを持たぬ者たちが怯えていた。一人自由となったロイロは『自分の家』に帰ることにした。久しぶりに両親に会える。ロイロは期待に胸を膨らませた。早く、早く、両親に会いたい。ロイロには両親のこと以外考えられなかった。あの家にはあまり可愛い服がなかった。それでもできる限り身だしなみを整えて、『自分の家』のインターホンを鳴らす。現れたのは見たことのあるメイドだった。「ス…スミさまっ!?」何かがはじけた。驚いたメイドの首は数秒後、地面に転がることとなる。「私はスミじゃないわ、ロイロよ」どこを見ているのかもわからないメイドの首にそう告げると、ロイロは屋敷の中に入っていった。失礼しちゃうわ。私をあんなのと間違えるなんて。まあメイドだもの、仕方ないわよね。お父様とお母様なら私のことわかってくれるはずだわ。きっとそうよ。ロイロは両親の寝室に向かった。  『ロイロ』は一人、屋敷の中庭で空を眺めていた。最終戦争。1年前くらいに見たあの悪夢の中で聞いた気がする。あの分家の人たちは皆出撃するといっていた。『あの子』も参加するのだろうか。全て夢の中の出来事。事実とは異なるかもしれない。鉛色の空を眺めながら、『ロイロ』は一人、分家の当主の骨ばった手の感触を思い出していた。  ロイロは苛ついていた。服をフリフリのついた1番お気に入りのものに着替え、屋敷の中を探していた。あいつがいるせいだ、あいつがいるから、お父様もお母様も私のことをあいつの名前で呼ぶんだ。廊下に転がるものには目もくれず歩き回った。屋敷の中で息をしているのはロイロだけだった。《殺戮の天使》  「見つけた」ロイロは中庭にいる人影を見つけ、にやりと笑った。  足音を立てないように近寄り、背後に立つ。「『スミ』?」ロイロは喉元にあてた手を止めた。ああ、こいつは、こいつまでも、私のことをその名で呼ぶのか。ロイロは相手を押し倒した。仰向けにし相手が動けないように押さえつけ、手に持っていたものをあいつの喉元に…「?」カチャリと音を立ててロイロの額に当てられたのは銃口だった。「…何を…」「お疲れ様、ロイロ」この1年間、1番呼ばれたかった名前を言ってほしかった言葉を1番呼ばれたくない、言われたくない相手に言われた。「なんで、さっき、私のこと…」「わかってるよ。私はスミで、あなたはロイロ。二人きりの姉妹だもの」やめて。「あなたがこの1年間何をしていたのかも知ってる。私が優しい夢を見るために、代わりになってた」嫌。「私が絶えた7年間を、突然背負うなんて簡単なわけがない」それ以上は…。「羨ましかったでしょ、妬ましかったでしょ。私も思っていたもの。分かるわ。だから、あなたが望むこともわかるの」そう言って彼女は引き金を引いた。ロイロは涙を流しながら、ただ見ていることしかできなかった。  ロイロは静かな屋敷を見渡し、動かなくなった姉を見下ろし、姉の手を取りそっと自分の胸へとそれを当てた。乾いた音が誰もいない敷地内に響き渡った。  中庭で寄り添うように眠る姿に胸を打たれた何かは、中庭からそれらを持ち出した。  スミは眩しさで目を覚ました。鼻につくのは薬品のような臭い。体は動かせなかった、どうやら縛られているようだ。口もテープのようなもので雑に塞がれている。隣を見ると少し向こうに白い髪の少女が寝ていた。いや、目を閉じていたから寝ているように見えただけだった。よく見るとそこには、首から下がなかった。首の周りは赤いシミでいっぱいなのに、その首だけ、変にきれいだった。シミの原因はなんとなくわかった。幼い頃からよく見てきた。視界の端に何かが動くのが見えた。顔を向けるとそこには血まみれになった数人の医者のような者たちが立っていた。手には思い思いの手術器具を持っていた。胴を照らしていたライトが顔に向けられる。眩しくて目を細めたら、その光を遮るようにして一人が近づいてきた。手にはメスを持っている。嫌だ。嫌だ。来ないで。言葉にならずただ唸るだけの自分。近づいてくるメスがライトに照らされて怪しく光る。いや、嫌だ。目を離すことができない。見開かれた目でメスの行方を追う。冷たい感触が首筋に当たった所でスミは意識を失った。《手術台》