タイトル:尸 曼珠 キャラクター名:尸 曼珠(かばね まんじゅ)/Karina Burnet(カリーナ・バーネット) 種族:人間? 年齢:14 性別:女 髪の色:銀髪 / 瞳の色:紅 / 肌の色:白色 身長:154 体重:不明。但し、見るからに軽い ワークス  :FHエージェントB カヴァー  :FHエージェント シンドローム:ブラム=ストーカー、ソラリス ■ライフパス■ 覚醒:死 衝動:殺戮 ■能力値と技能■ 【肉体】:1 (シンドローム:1,0 ワークス: ボーナス:0 成長:) 〈白兵〉:SL / 判定 1r 〈回避〉:SL / 判定 1r 〈運転〉:SL / 判定 1r 【感覚】:4 (シンドローム:2,0 ワークス:1 ボーナス:0 成長:1) 〈射撃〉:SL5 / 判定 4r+5 〈知覚〉:SL1 / 判定 4r+1 〈芸術〉:SL6 / 判定 4r+6 料理 【精神】:2 (シンドローム:1,1 ワークス: ボーナス:0 成長:) 〈RC〉:SL1 / 判定 2r+1 〈意志〉:SL / 判定 2r 〈知識〉:SL2 / 判定 2r+2 オカルト 【社会】:3 (シンドローム:0,3 ワークス: ボーナス:0 成長:) 〈交渉〉:SL / 判定 3r 〈調達〉:SL6 / 判定 3r+6 〈情報〉:SL1 / 判定 3r+1 FH 【HP】    24 【侵蝕基本値】 36% 【行動値】   10 【戦闘移動】  15m ■エフェクト■ 《スキル名》             /SL /タイミング/判定/対象 /射程/コスト/効果など 《ワーディング》           /★$/オート$  /自動/シーン/視界/-$  /非オーヴァードのエキストラ化 《リザレクト》            /1$ /気絶時$  /自動/自身 /-  /[SL]d$/コスト分のHPで復活 《赫き猟銃》             /1 /マイナー /自動/自身 /至近/3   /シーン中、以下のデータの武器を作成し、装備。使用するとHPをLV点失う。このエフェクトは《破壊の血》の前提条件を満たし、その効果を適用できる。種別:射撃 技能:《射撃》 命中:0 攻撃力:+[LV*2+4] ガード値- 射程:20m 《滅びの一矢》            /1 /メジャー /対決/-   /武器/2   /射撃攻撃のダイス[LV+1]個。2点HPを消費 《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》/2 /メジャー /-  /-   /-  /2   /C値-LV(下限値7) 《アクアウィターエ》         /1 /オート  /自動/単体 /視界/10  /対象が戦闘不能になった場合、戦闘不能を回復し、HPを[LV*10]まで回復する。シナリオ1回 《鮮血の修羅》            /4 /メジャー /対決/単体 /-  /7   /対象が1点でもHPダメージを与えた場合、対象はクリンナッププロセスにHPを[LV*10]点失う。メインプロセス終了時、HPを5点失う。 《リミテッドイモータル》       /1 /マイナー /自動/自身 /至近/2   /[HP*2]点回復する。 《アポトーシス》           /3 /オート  /自動/単体 /視界/6   /対象が戦闘不能を回復した時、対象に[LV*5]点のHPダメージを与える。命中判定はなく、対象はリアクションを行えない。また、HPダメージは軽減できない。シナリオ1回 ■装備とコンボ■ ・武器とコンボ 名称 価格 種別 命中 攻撃力 G値 射程 メモ       0   0 =価格合計= 0 pt ・防具     装甲 回避 移動  価格  名称 / 備考 鎧 :               / 下着:               / 修正: = 合計 =  0   0  10    pt ■所持品■ 名称          単価 個数 価格 備考 グレイサクリファイス  5   1   5 パワーソース:デーモン    1   0 殺戮器官           1   0 セルスタッフ:アサルト 5   1   5 セルスタッフ:ガード  5   1   5 メモリー           1   0   赤芽真紅 信頼 「真紅さんは優しい人です。私の懺悔をいつも聞いてくれます。ほんと、妹さんとは大違い」 メモリー           1   0   マスター・ハンバーグ 悔悟 「ごめんなさい、マスターハンバーグ。私には……貴方(ハンバーグ)を食べられない」 進化の兆し          1   0 応急手当セット     3   1   3 メモリー           1   0   翔龍 遺志「私は師匠の弟子として恥じのないように生きます。今はまだ未熟ですけど、いつか出会った時には成長した私を見せますから」 =所持品合計=     18 pt =装備合計=      0 pt = 価格総計 =     18 pt 【常備化ポイント】 18 pt 【財産ポイント】  0 pt ■ロイス■ 対象       好意 悪意 備考 強化兵            あなたが行う白兵攻撃、射撃攻撃のダメージに+2Dする。ただし、PCの行う《意志》判定の達成値は常に-5される。0未満になる事はない。 「これは私の力。殺戮者である私の……!」 由望臨音     尊敬 隔意 Pで取得 「臨音さんには幸せに生きて欲しいんです。その為に――私なんて重荷ですけど、進化しなくちゃ」 殺してきた者たち 尽力 悔悟 Pで取得 「私はあなた達を冒涜する。そうじゃないと、師匠と一緒に歩けないから」「でも、いつかそっちに行ったらその時は好きにしてよ」 ■その他■ メモ: 名前:尸 曼珠/Karina Burnet 性別:女 年齢:14 ブリード:クロスブリード シンドローム:ブラム=ストーカー/ソラリス ワークス/カヴァー: FHエージェント/FHエージェント 所属:FH日本セル コードネーム: パズズ マスターアポリオンの弟子である彼女が他のFHの人間から呼ばれているコードネーム。マスターアポリオンの付随物、FHにとっての害、という含みを持って言われている。 イスラフィール 彼女が普段名乗っているコードネーム。師匠である臨音に名付けられたもので、本人は自分には荷が重いと主張しているものの、内心喜んでおり大事にしている。 白血の鏖魔(日本)、ブラッドメア(欧州) ロンドンで起こった、一地区住民鏖殺事件を基としてその実行者であるオーヴァードを指し語られているコードネーム。所詮伝承であり、彼女を指しこのコードネームを呼ぶ者は殆どいない。 誕生日:1/22 身長/体重:チビ/??kg、但し、見るからに軽い 好きなもの:旅行(教会や神社といった場所を好む)、美味しそうに料理を食べている人(臨音)、風呂(溺れたり逆上せることが多い) 嫌いなもの: 殺しの仕事、人に迷惑を掛ける事、じめじめしたところ(まとわりつくような感覚が嫌い) 苦手なもの:ハンバーグ(好物だった)、日光、眠ること 一人称:私 二人称:あなた、気心が知れれば名前 口調:気だるげなもので、すぐに毒を吐いたりと口が悪い。思ったことをそのまま言うことが多いようだ。 挨拶1:「尸です。知っての通り厄介者です。弱い貴方が関わるものではありません」 挨拶2:「"イスラフィール"尸曼珠です。(名前)さんは中々の腕利きとお聞きしていますよ、宜しくお願いします」「もし私が手を付けられなくなったら――『吸血鬼(ばけもの)は心臓を抉られた』そう、私に向けて叫んでください。それで止められます。手が焼くようなら、(首を手で斬るようなジェスチャー)躊躇も罪悪もいりません」 挨拶3:「師匠、お弁当ですよ。熱々のうちとはいきませんが、腕に縒りを掛けて作ったので味は保証します。今日はハンバーグを作りました。食後にデザートも用意してます、どうぞお召し上がりください」 好感度(弱):「弱いあなたに何の興味もありません。しっし」 好感度(中):「(名前)さんならもしかしたら――。いえ、独り言です。気にしないでください」 好感度(強):「(名前)さんは強いから、きっと吸血鬼だってを倒せるでしょうね。ふふ、吸血鬼なんてお伽噺の中の怪物ですよ」「でも、もし目の前に"吸血鬼"が現れたなら……迷うことはありません。どんな姿であれ、それは"怪物"なんですから」 好感度(特殊):「カリーナ……カリーナ=バーネットです。私の、本当の名前。これを知っているのは(名前)さんとプランナーだけですかね」「今後、お互いに生きていてどこかで会うことがあったら、(名前)さんが忘れてなかったらですけど、そう呼んでくれても構いませんよ」 プライベート:「ZZZ……ぶくぶくぶく」浴槽の中で死んだように寝ている。尚、ここから実際に溺れる。 ビジネス:「こんなチビのお守りなんてうんざりかもしれませんが、ここはビジネスライクといきましょう」 会話1:「肉は食べないのかって? 炭になるまで焼かないと食べられませんし、炭は食べたくないので食べません。物足りませんが、野菜と果物、バケットさえあれば私は生きていけます」「(ハンバーグを眺めながら)……ハンバーグ美味しそう」 会話2:「いや! いや! 止まってよ! こんな、止めて! ――嫌だよぉ……もう殺したくないよぉ……許して、もう許して!」「こんなこと、するつもりじゃなかった。私はただ……生きたくて、また皆のいる場所に帰りたかっただけで、それが、こんな――ごめんなさい……ごめんなさい!」 会話3:「前教えていただいたパワースポット、中々良かったです。他にどこか知りません? え、好きなのかって?」「皆のこと、弔わなきゃだし……え? 何も言ってませんよ。こんな仕事してると、リフレッシュが重要なんですよー」 特殊会話1:「臨音さん起きてください、夕食の準備が整いました。プディングも用意してありますよ、ささ食卓に」 特殊会話2:「京香さんの言う通り、私が"進化"すればこの力を制御することができるようになるのでしょうが……。そのとき、私は、私でいられるのでしょうか? ……いえ、そんなことで躊躇はしませんよ。"私"が死んだとしても"吸血鬼"さえいなくなってくれれば、何も未練など」 攻撃1:「あ……あ、あ――あは、は……はは、ははははは!」「い、や。い、ァアアアアァアアア」 攻撃2:「わタ、シは生命(あなたたち)を......冒涜すル!」  吸血鬼擬きのFHエージェント(笑)。  過去にイギリス、ロンドンで事件を起こし、その経緯で都築京香に拾われFH日本セルに所属する。それ以降は都築京香のプランに従って活動していたが、ある時期から"マスター・アポリオン"由望臨音の弟子として彼女に付き従うようになり、都築京香のFH脱退によって完全に由望臨音の腰巾着の立場に落ち着く。  前述の事件によってロンドンの1区の人間を皆殺しにしており、欧州ではブラッドメア、日本では白血の鏖魔として半ば伝説となっている。  ただそれは本人の意志に基づいたものではなく、彼女自身のレネゲイドウイルス、ひいては"吸血鬼の因子"という特殊な因子によって引き起こされる変異暴走の結果である。  現在に至るまでその力を制御できないことから、マスター・アポリオン、もしくはFH内でも腕利きのエージェントを交えてでしか任務にあたる事ができない為、"ブラッドメア"、"白血の鏖魔"は彼女のものであることを知る者はごくわずかである。その為、初対面の相手からは大抵マスターアポリオンの腰巾着という扱いを受けるのが常である。  銀色の髪に血のように紅い目、死体のように白い肌を持つ。普段は白色の服を好んで着ているが、任務の時には赤、もしくは黒色の服を着用する。太陽の日差しが苦手で、日照時間に外に出る場合には日傘を持ちよっている。  趣味は料理と旅行、料理に関しては、料理本を買ったり独学で料理について研究する程度には打ち込んでいる。肉料理と最近では菓子作りが得意。ただ、本人は、炭になるまで焼かないと肉を食べられない体質らしく、肉を食べない。  旅行に出る時は前述の通り昼間の外出が辛い為、キャリーケースの中に入り従者に牽いてもらって移動している。  風呂好きで、どれだけ疲れていようが風呂には入る。ただ、風呂に入ればいつも熟睡する為、湯舟でよく溺れる。  初対面の相手の腕っぷしの強さに執着する面があり、事前に得ている情報で相手が弱いと判断した場合舐め腐ったような態度をとり、積極的に関わろうとしない。強いことが分かっている、もしくは分かった相手であればその人物への非礼をちゃんと詫び、多少のコミュニケーションをとるようになる。それでも、壁を作るような態度になりがちで、相手が人格者であればあるほどその面が強くなっていく傾向がある。  FH側の人間であるものの平和や平穏を好み、戦闘を避ける性質を持つ。UGNと任務中にばったり遭遇したとしても自分にも相手にも戦闘の意志がなければ戦穏便に済ませる。そうじゃなかったとしても、全力を出さずに逃げ帰ることが常であり、そのせいでセル内では彼女への不信感や嘲りで埋め尽くされている。  都築京香との関係も相まってプランナーと内通しているという噂も経っており、最近では滅多に仕事が回ってこない。それに託けて、当の本人は遊び呆けている。 《エフェクト等》 《ワーディング》  何の変哲もないワーディング。  暴走状態では、赫い霧のようなワーディングが彼女を中心とした空間に拡がって放出され以降、彼女の戦闘状態が解除されるまでその場で漂い続ける。  この霧を用いて多種多様な攻撃を使用するのが本来の彼女の戦闘スタイルである。 《赫き猟銃》  本人はFHG-666を基とした大型の拳銃をイメージして作っているつもりなのだが、どうしても不定形の靄の姿にしかならない。このことは本人も不服らしく、靄にしてるのは銃の種類を悟られないようにする為なんて真っ当な理由のように言っている。  暴走状態では放出したワーディングを猟銃として使用する。 《滅びの一矢》  自分の血液を使用して弾丸を意のままに操るエフェクト……ではあるのだが、猟銃がただの靄であり、弾丸を射出することもできない為、肝心の血液操作能力が生かし切れていない。……と、本人は思っているのだが、実は曼珠は自身のレネゲイドウイルスの性質を殆ど理解していない。  前述した紅色の靄と霧は彼女の持っているレネゲイドウイルス、正確には"吸血鬼の因子"が可視化されたものであり、この吸血鬼の因子にはレネゲイドウイルスを対象の肉体に侵蝕させ、その内部から破壊する、という性質が備わっている(正確には、血液を体外に放出する為に肉体を破壊しているのだが)。  但し、彼女はそんなことを知る由がない為、この靄を対象に投擲して攻撃する。 《鮮血の修羅》  吸血鬼の力を最大まで発揮した状況のみ使用可能になるエフェクト。前述の通り、彼女のオーヴァードとしての力は対象の肉体に自身のレネゲイドウイルスを侵食させ遠隔的に肉体を破壊するものである。この力を全開にして使用すると、流れている血液のコントロールを奪い取って肉体を縦方向に割くぐらい造作もなくやってのける。この時、体外に排出された血液は霧に吸収される性質から、この因子は吸血鬼の因子と称されることとなる。但し、ブラム=ストーカーのエフェクト《生命吸収》のように血液を吸収することによって本体の肉体やダメージが回復されることはない。ただ血液を吸収したに過ぎないようだが。 《リミテッドイモータル》  攻撃の際に消費した血液を体内で生成し補填する。このエフェクトにはソラリスシンドロームの薬物生成能力が活用されている。が、あくまで失った血液に代替できる薬物を生成するに留まり、ソラリスシンドロームの回復エフェクトのように細胞を活性化させるといった作用を示さない為ソラリスシンドロームのエフェクトではなく、オーヴァードとしての再生能力に毛が生えた程度のものとなっている。 《アポトーシス》  霧を吸い込んだ対象が戦闘不能から何かしらの形で蘇生した際に起動し、蘇生した端から体内に毒薬を流し込む。この毒薬は、曼珠が彼女の肉体に仕込んでいるグレイサクリファイスと同成分のものであるのだが、グレイサクリファイスが仮死状態に陥らせる程度の毒性である一方、こちらはグレイサクリファイスの毒性を強化しており致死性が比べ物にならない程度に高い。 《アクアウィターエ》  吸血鬼の因子が示す力の殆どが他者を攻撃する為のものであるわけだが、生かす、蘇生させる力も備わっている。  前述のように吸血鬼の因子には血液を吸収する性質を持ち、霧には範囲内で流れた血液が大量に貯蔵されている。この貯蔵された血液を吸血鬼の因子に流し込み活性化させて吸血鬼としての不死性を以て蘇生させる。この蘇生は、吸血鬼の因子を侵蝕させた対象に対しても使用することができる。  但し、彼女が吸血鬼の因子を最大限に使用することができるのは殺戮の変異暴走を示している状態に限る。現在に至るまで彼女がこの力を味方となる存在に行使したことはないが、はてさて。 《出自:天涯孤独》、《経験:伝説》、《覚醒:渇望》、《衝動:殺戮》、《Dロイス:強化兵》、《殺戮器官》、《パワーソース:デーモン》、《コードネーム:紫血の鏖魔/ブラッドメア》  尸曼珠(本名:Karina Burnet)はイギリス、ロンドンの平凡な家庭で生まれる。彼女の日常は平穏そのものであり、そんな日常の中で世界の裏側を認識することも当然なく、特異な力を持った存在など枕元で聞く御伽話の中の存在としか思っていなかった。  ある日のこと、いつものように夕刊を買いに通りを歩いていると突然手を引かれ、裏路地へと連れ込まれる。  当時のロンドンは、連続殺人鬼たちの活動によって騒然としていた。猟奇的かつ非人道的な殺人方法を取り、殺しにテーマを打ち立て時には大胆不敵に活動しているのにも関わらず警察はその足取りを掴めず多くの被害者を出していた。彼女はその殺人鬼たちの標的となり誘拐されることとなる。  殺人鬼は彼女を鎖につなぐと以降水のみを与え、彼女が栄養失調によって徐々に衰弱させていった。成長期の少女がどれほどの期間で餓死するのか、その経過を観察する、そんなテーマでの殺人である。  監禁され数十日が経った頃、ふとした時に彼女は周囲を見渡す。すると、自分を囲うように紅い靄が掛かっているのに気が付いた。  目を擦ってもその靄は取れず、靄のある場所に手を伸ばすとじっとりと、纏わりつくような触感までする。その靄は次第に濃くなり、気が付けば身体中に纏わりつくようにそれが浮かんでいた。  彼女はそれが自分に差し迫ってきている死の気配であると直感する。そして、そうだと理解した為か、飢餓感によって忘れ去っていた死の恐怖を思い出す。  狂ったように叫んだ。最早自分でも理解することができない程に多くの感情が滝のように流れた。それでも、それらの激情も枯れ果て遂に紅い靄は彼女の全身を完全に包み込んだ。  そんな時であった。彼女の入れられていた部屋が開き、そこから光明が差し込む。  そこには一人の男がいた。  彼女の見知ったお伽噺に出てくるような、高貴な出で立ちをしどことなく奇妙な色気を醸し出している男だった。  男は今にも死にそうな痩せこけた少女を一瞥すると静かに問いかける。 「生きたいか、それとも死にたいか」、と。  その問いに対し、彼女は縋りつくような想いで答える。 「生きたい」、と。  自分にまとわりつくこの霧を拭いたい、日常に戻りたい、自分にはその権利があるのだと、彼女の抱いていた激情がそうさせた。  男はその解を受けると、彼女に近づき。  彼女の心臓を握りつぶした。  男は、現代的に例えるとすれば、"吸血鬼"であった。  彼は彼女の心臓を握りつぶすと自らの血液を以て彼女の心臓を再生させ、彼女をオーヴァードとして覚醒させた。  言うなれば、男は男の同族として、彼女を生かした。生かすために彼女を殺した。  彼女が次に目覚めた時には男はおらず、それどころか国までもが違っていた。  状況の飲み込めない彼女であったが起き掛けに、それまで見ていた、嫌に鮮明な悪夢を思い出す。  霧に包まれた街の中で、先ほどまで周りに纏わりついていた靄を握り込んだ自分が無数の人間たちを殺し続ける夢だった。  そこには彼女のクラスメイトや行きつけの屋台の店主、そして、最愛の家族も含まれていた。  皆が皆青ざめた顔でこちらを凝視し、何かを叫んでいた。それが何なのか、彼女は完全には分からない。  覚めたいと思っても覚めることはなかった。  彼女が夢から覚めることができたのは、恐ろしく強い女性、後に彼女の師匠となる由望臨音によって殴り倒された時だった。  男によって与えられた力はオーヴァードに目覚めたばかりの彼女が制御し切ることなどできない程の代物であった。  覚醒した直後、彼女の中に入り込んだレネゲイドウイルス、刻み込まれた"吸血鬼の因子"は殺戮の変異暴走を発現させ、彼女の住んでいた1区を紅い霧によって包み込んだのだ。  そして、夢の通りに彼女はその一帯にいた全ての人間を殺し続けた。現在でも世界で語られるブラッドメアの伝説、その経緯はこの通り。  吸血鬼の因子を植え付けられ男の同族になった彼女が、"吸血"の衝動ではなく"殺戮"の衝動を示したことに対して、彼女は男に埋め込まれた特異な因子(都築京香曰く、その男だけが持っている因子。吸血鬼の因子と称した)を完全に制御し切れていないからと結論付けられている。  実際の所、吸血鬼の因子について研究を経てもその正体について肝心な部分が殆ど分からなかった為にこのように結論付ける他なかったのだ。  実際の所、暴走状態の彼女の闘い方や行動を分析し、その暴走が本来のモノではなく"殺戮"の衝動による暴走へと変化していることは確実であるとはされている。  また、彼女の体内には"殺戮器官"という器官が存在する。こちらも不明な部分が多く、解明されていることと言えば、吸血鬼の因子からなり、彼女の行使できる吸血鬼の力の基となっている、という部分ぐらいである。  これらを研究していた研究セルのエージェントの仮説では、  彼女の肉体は通常の食事が栄養としてあまり吸収されず、代わりに他者から血液を摂取することによってその血液中の精髄を栄養素として吸収している。  これは吸血鬼の因子の影響と考えられる。  ただ、現在に至るまであのような大規模殺戮が行われたという文献は存在せず、件の吸血鬼の男は大量の血液を吸う必要がなかったのではないか?  この点から、この因子が男によって曼珠に強引な手段で埋め込まれたことによって、幾つかの問題が生じており彼女は男よりも遥かに多くの血液を求めている。  それ故に、本来目的であるはずの"吸血"ではなく、血を吸う上で最も大量に得られ、かつ簡潔な手段である"殺戮"が衝動となったのではないか?  しかし、最終的にはこれらの仮説が立証されることはなく何一つの究明も解決も至ることはなかった。都築京香の脱退と同時に誰に知られることなくこれらの研究が凍結された為である。  暴走状態は言うならば、この因子によって肉体が操られている(平常時でも、この因子に操られていることには変わりないが)と言っても過言ではない状況であり、たとえ本人が蘇生したくなくても肉体が勝手に蘇生し、殺戮を続行する。  蘇生が終わるのは、蘇生が不可能になった場合、因子がこれ以上殺戮の対象を見つけられなくなった場合、因子が何らかの手段で無力化された場合である。(メタ的な話だと、ロイスギミック。本人の意志がどうあれ、ロイスは作られるし、そのロイスをタイタスに昇華して復活する。彼女が復活したくないと思っても、空間にいる存在を鏖にするまで肉体は勝手に復活する)。  余談だが、彼女の二つのコードネームは、件の伝説を表すものであり通り名というよりこの話の題目に近い。  ブラッドメアは血染めの女、血と悪夢を組み合わせた造語の二つの意味合いを持たされている。  白血の鏖魔はこの伝説が日本に伝わった折、鏖の悪魔という意味合いで鏖魔と名付けられ、これ程のことをしでかした存在が同じ色の血であるとは考えたくもないとして、白血をそこにつけられ呼ばれるようになった。 《シンドローム:ブラム=ストーカー/ソラリス》  ブラム=ストーカーとソラリスのクロスブリード。  ブラム=ストーカーシンドロームでは、従者を生み出す能力、血液を操作する能力を両方使用することができ、ソラリスシンドロームの薬物生成能力もある程度コントロールできている。  が、これは日常での場合であり、こと戦闘に関してはこれらの能力を十全に使いこなせているとはお世辞にも言えない。  従者は自らの分身を生み出し、自分が持っている知識を使うことで炊事や家事、日照時間での彼女を連れての移動など便利に立ち回るものの、戦闘能力はない。  薬物生成能力は料理の一手間として活用したり、自分に使用する為の薬物を作り出すのに役立ってはいるが、結局のところ自分自身に対して使うものしか作成できない上、その力は一般エフェクトの補助程度の作用しかしない。  血液操作能力だけは辛うじて戦闘に使用することができるものの、彼女の持っている《赫き猟銃》はまるで靄がかかったような不定形の姿形を取っており、本人がどれだけ銃のイメージで形作ろうとしてもこの形でしか生成できない。 故に、本人は「エフェクトの制御に関しては誰にも勝てない自信がある」と自負している。  暴走状態ではこれら3つの能力が全て使用可能になる。  ワーディングが周囲に散布され周囲が赫い霧に包まれると、彼女の意(というより衝動)に従い、戦闘能力を持った従者が霧より生まれ闊歩し、霧自体が毒性を持ち蘇生した肉体を破壊する。  果てには、自身及び他者の蘇生まで行うことができるようになる。但し、これはあくまで彼女が暴走し、吸血鬼の因子を最大限発揮した場合に限る。 《ワークス/カヴァー: FHエージェント/FHエージェント》、《所属:FH日本セル》  上述の事件が基となり、"プランナー"都築京香によって回収された彼女はそれ以降日本セルに所属し、エージェントとして活動を始める。  ただ、最初から任務に出されていたわけではなく、最初期はチルドレン同様、この世界の真実や自分の肉体について教わっていた。違いがあるとすれば、チルドレンのように訓練を積んではいないことか。彼女は体内の因子の研究やプランの実行の為に都築京香と共に、もしくはその息の掛かった者と行動することが多かった。  その当時から進化の兆しという書物を彼女から受け取っていたが、その書を読むことで体内のレネゲイドウイルスが自我を持ったように動き回る感覚に苛まれ、次に目覚めた時既にプランが終わっていた、なんて経験が多々あった。  それ故に、彼女は都築京香の興味が自身ではなく、自身の中の吸血鬼の因子であるということを理解していた。  それでも彼女に反発することがなかったのは、その書物に記された"進化"によって自らの中の吸血鬼を止めることができると考えたからだった。  プランナーにとって実験体の一体でしかなかっとしても、彼女にとってプランナーは福音を授ける天使のようなモノであったのだ。  故に、彼女が自分の前から姿を消した時には強い絶望を感じていた。プランナーとのロイスが絶たれるほどの、深い絶望が。  プランナーのFH脱退以降、彼女がFHに残留していたのはプランナーの敵でいることで彼女の同胞たちに殺してもらえると考えたからだった。  また、プランナーの息が掛かっている自分が野放しにされるとも思っていなかった。  彼女は今のFHに居続けることによって自分に終止符を打ってくれるであろう者が現れやすい環境になったと考えている。  余談だが、そういった経緯から現状任務が入ることも少ない為、隙を見れば各地に旅行をするようになった。旅行と言っても外国まで足を運ぶわけではなく、近場の教会だったり、遠出をしたとしても日本国内の嘘か真かも分からないパワースポットと言われる場所が主である。  行きつけは赤芽教会という教会。よくシスターに懺悔を聞いてもらっており、よくしてもらっている。反面、神父役の女性とは犬猿の仲であり、顔を見れば程度の低い口喧嘩を始める始末。そんな日常。 《エフェクト》、《セルスタッフ:アサルト》、《グレイサクリファイス》  平常時はブラム=ストーカーシンドロームのエフェクトを主として使用して戦闘を行う。だが、本人の意に反して血液操作能力で作り出す武器はもやの掛かったような不定形の姿でしか生成することができない。ソラリスシンドロームに至っては料理に活用するぐらいの能力しか使うことができず、自身を"吸血鬼擬き"と称する程度には本質を出しきれない。  この"吸血鬼"の本質が表出するのは体内のレネゲイドウイルスが完全に解放され切った場合、言ってしまえば彼女が暴走した場合のみである。  暴走時、彼女は赫い霧のようなワーディングを周囲20mに対象を囲い込むように放出する。  その霧は、眷属を生み出し攻撃に使用する、体内で暴走させ肉体を破壊するなど、様々な使い方で使用される。  この霧は彼女自身の意志で止めるか、意識を喪失しない限り晴れることはない。暴走状態では殆ど意識を失っている為、自身で力の制御ができない。  その為、仮死状態に陥ることができる薬物を体内で生成し心臓付近に溜め込んでいる。  ただ、暴走状態ではそれを自分の意志で使用することができない都合上、他者が特定の言葉を発することで、自動的に心臓に流し込めるようにしている。  基本的には任務を共にするエージェントの中で最も強いと考えられる人物にのみ(臨音は例外)、その言葉を教え、あわよくば自分を始末してくれることを望んでいるのだが現在に至るまでそうされたことはない。  《日常の代行者》は、あまりにも眠い時、本体がいない時に家事を代行してもらったり、日照時間の外出の際に本体がキャリーケースに入り代行者に引いてもらうようにしている。自我はないようで、平常な受け答えはできるが基本的に表情が変化しない。ただ、料理や家事に関しては本人と同レベルにできる。  吸血鬼の因子の影響で《異形の痕》が発現しており犬歯が常人より鋭く発達し、瞳孔が紅く染まっている。また、これの影響か日光に弱く、浴びると灰にこそならないがチクチクとした痛みを感じる。また、肉を食べた時に因子の活性を感じたことがあり、それ以降、動物性の食物を食べることができない。  過去、このことでとあるハンバーグを傷つけたことがあり、それが元となり料理を覚えるようになる。あのハンバーグのように、他者を笑顔にできる料理を作れるようになれば、少しは許してもらえるのではないかと思ったからである。  余談だが、得意料理はハンバーグ。元々、ハンバーグが好物であったこともあって割と自信がある。臨音の弟子となった後には洋菓子作りにも精を出すようになった。 《ロイス:殺してきた者たち》  彼女は現在に至るまで尋常でない数の人間を殺している。それは、ロンドンでの一件もあるが、実行した作戦によって直接的、間接的に手を下している。  彼女はよく他者に対し「強い人が弱い奴を下すのは自然の摂理です。弱い奴は死んじゃっても文句なんて言えないんですよ」と言ったようなことを口にする。ただ、彼女は一度として他者を己の意志で下したことはない。  下すときは必ず彼女ではなく"吸血鬼"が下すからだ。  それでも、彼女は夢によって自分が他者を殺す姿、感覚その全てを鮮明に脳に焼き付けることとなる。  彼女はお世辞にも強者とは言えない。弱者である。弱者であるはずの彼女は、本来背負うことのないはずだった十字架を背負ってこれからを生きていくこととなる。  彼女は今まで殺してきた人間の顔を忘れることはできない。名前を知っているならそれもだ。何故なら、何時だって彼女の夢にはそれらの光景が現れるからだ。彼女はロンドンの事件以降、人を殺さない夢を見たことがない。死んだ者たちの怨嗟の声が聞こえない日はなく、親しかった人間たちが苦痛に悶える姿を忘れることができた時もない。それらを見ない程熟睡できるのは風呂の時に限るが、それはそれで酷い目に遭っている。  彼女が神社やパワースポットを巡り、教会に祈りをささげるのは全て彼らへの贖罪の為である。  彼女は常に前ではなく、後ろを向いて生きている。 《ロイス:由望臨音》  師匠。  最初の出会いはイギリス、ロンドン、ブラッドメアの伝説を起こした現場で彼女と相対し、殴り倒された。  以降も度々任務で一緒になることがあったかは定かではないが、なんやかんやで師弟関係が組まれる。  曼珠は当初、自分を止められた彼女に自分を終わらせてもらおうと考えていたのだが、長い時間を共に過ごすうちに、優しくも逞しい彼女に対して尊敬の念と共に自分の持っている重荷を彼女に背負わせたくないという想いが芽生え始める。それ以降は弟子というよりは従者という意識を持つようになり、彼女の身の回りの世話をするようになった。故に、曼珠は臨音に対して少しばかり他者よりも厚めの壁を築いている。偏に、臨音を想って。  もうすぐ消えてしまう自分自身が彼女とこれ以上深い関係になってしまい、彼女を少しでも傷つけるのは心の底から嫌だから。 【マイナー】 《猟銃(笑)》 《赫き猟銃》1 シーン中、以下のデータの武器を作成し、装備。使用するとHPをLV点失う。このエフェクトは《破壊の血》の前提条件を満たし、その効果を適用できる。種別:射撃 技能:《射撃》 命中:0 攻撃力:+[LV*2+4] ガード値- 射程:20m 侵蝕率3 【マイナー】 《リロード》 《リミテッドイモータル》1 [HP*2]点回復する。 侵蝕率2 【メジャー】 《赫き靄》 《滅びの一矢》1+《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》2 HP-2点消費 侵蝕値4 命中判定 (2+4)dx@8+5 ∼59% (2+5)dx@8+5 60%∼79% (2+6)dx@8+5 80%∼99% 【メジャー】 《赫き靄》 《滅びの一矢》2+《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》3 HP-2点消費 侵蝕値4 命中判定 (3+7)dx@7+5 100%∼129% (3+8)dx@7+5 130%∼159% ダメージ d10+6 ∼99% d10+8 100%∼159% 【メジャー】 《赫霧(ブラッドメア)》 《滅びの一矢》2+《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》3+《鮮血の修羅》5 1点でもダメージを与えた場合、クリンナッププロセスにHPをLV*10点失う。 HP-2点消費、メインプロセス終了時HP5点失う 侵蝕値11 命中判定 (3+7)dx@7+5 120%∼129% (3+8)dx@7+5 130%∼159% ダメージ d10+6 ∼99% d10+8 100%∼159% 【オート】 《アクアウィターエ》2 対象が戦闘不能になった場合、戦闘不能を回復し、HPを[LV*10]まで回復する。シナリオ1回 侵蝕率10 【オート】 《アポトーシス》4 対象が戦闘不能を回復した時、対象に[LV*5]点のHPダメージを与える。命中判定はなく、対象はリアクションを行えない。また、HPダメージは軽減できない。シナリオ1回 侵蝕率6 下記に通過シナリオを記載。ネタバレを含む恐れあり。 通過シナリオ:Deadman's Cruise  死に場所を求めていた彼女だったが翔龍の言葉で自らを見つめ直す。シナリオ終了後、マスターアポリオン"由望臨音"を支えるに足る"イスラフィール"になれるように進化していくことを心に誓い、プランナーに進化の兆しを返した。 url: https://charasheet.vampire-blood.net/2407265