タイトル:アイリス キャラクター名:アイリス・ベイリー 年齢:21 性別:女性 髪の色:チョコレート色 / 瞳の色:紅茶色 / 肌の色: 身長:低め 体重:普通 キャラクターレベル:25 Lv メインクラス :メイガス サポートクラス:ドルイド (1レベル時:サモナー) 称号クラス: 種族:ヒューリン ■ライフパス■ 出自:一般人/ 境遇:放浪者/ 目的:運命/放浪。あなたは放浪する運命にある。 ■能力値■ HP:142 MP:306 フェイト:20     筋力 器用 敏捷 知力 感知 精神 幸運 種族    9   9   8   8   8   8   9 作成時   0   0   0   1   3   1   0 →合計 5点/5点 特徴    3   3   4   3   4   4   3 成長等           24  24  24    →合計 72点/LvUp分72点 =基本値= 12  12  12  36  39  37  12 ボーナス   4   4   4  12  13  12   4 メインクラス   0   0   0   2   3   0   0 サポートクラス  0   1   0   1   1   0   0 他修正            3   5   3 =合計=   4   5   4  18  22  15   4 ■戦闘■ [キャラシート版]      能力 装備右/左 スキル  他  合計右/左(ダイス数) 命中判定   5  -2/ -2        3/  5(2D) 攻撃力  --  20/ 20        20/  0(2D) 回避判定   4    3          7   (2D) 物理防御 --    7          7 魔法防御  15   26         41 行動値   26    0         26 移動力    9    1         10m ■戦闘■ [全項目版]    物理 魔法     命中 攻撃 回避 防御 防御 行動 移動 射程 種別  Lv  冊子 右手   -2  20                至近 打撃  25 左手 腕 頭部          1     10      1    防具  20 胴部          2   5  15          防具  22 補助             2   1          防具  13 装身                          装身具  20 =小計=右 -2  20   3   7  26   0   1    左  0   0 能力値   5 --   4 --  15  26   9 スキル その他 =合計=右  3  20   7   7  41  26  10    左  5   0 ダイス  2D  2D  2D ■装備■    価格 重量 名称 [クラス制限] 備考 右手    12  魔杖ジルドレイ [] 魔術判定+1D、HPダメ時威圧スリップ放心付与、メジャー攻撃あり 左手        [] 腕         [] =合計=0  12 / 重量上限17 頭部   3  妖精王の冠 []    魔術判定+1D、受ダメ-10、妖精のキャラに対しダメ-20 胴部   9  妖精女王のドレス [] ダイス効果の魔法攻撃、HP・MP回復、ダメージ増減+10、魔法攻撃ダメ+5D、逆上時判定-1D 補助   2  ビーストハンド []  装備者が行う攻撃のダメージ+5 装身   1  餌パック []     コールサーバント中メジャーの判定+1D =合計=0 15 /重量上限17 ■所持品■ 名称         価格 重量 備考 筋力のクリスタル      200 ●感知のクリスタル     200  感知の達成値+1 ●召還士のクリスタル    300  サモナーのスキルのコスト-1 異次元バッグ        2000 携帯可能重量+10 冒険者セット     5   10 万能薬        1   300  マイナー、メジャー。BS全て回復 ハイHPポーション   2      マイナー、メジャー。HP4D点回復 ハイMPポーション   15  3900 マイナー、メジャー。MP4D点回復 ●使い魔             選択した能力を使用する判定の達成値+3 サーバント            装備者の行う攻撃のダメージ+SL(5)D =所持品合計=    6910 G (重量 23/上限34) =装備合計=      0 G = 価格総計 =    6910 G 所持金     90G 預金・借金    G ■特殊な判定■     能力値  スキル  他  合計 (ダイス数) 罠探知   22        22 (3D) 罠解除    5         5 (2D) 危険感知  22        22 (3D) 敵識別   18        18 (2D) 物品鑑定  18        18 (2D) 魔術    18        18 (3D) 呪歌               (D) 錬金術    5         5 (2D) ■スキル■ 《スキル名》             SL/タイミング/判定 /対象    /射程/コスト/制限      /効果など 《オールラウンド》         ★ /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /キャラ作成時に任意の3つの能力基本値+1 《●コンセントレイション》     1 /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /魔術判定+1D 《●ファミリア》          3 /アイテム /-   /自身    /-  /-   /-       /使い魔SL(3)個取得 《●ファミリアプラス》       1 /P     /-   /自身    /-  /-   /使い魔携帯   /[判定の達成値+3]に変更 《●ブラッドパクト》        3 /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /サモナーのスキルコスト-SL(3)、最低1 《●エソテリカ:サモナー》     1 /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /選択クラスのスキルコスト-2 《アキュートアーツ》        1 /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /攻撃に使用する能力値を感知に変更 《マナスタッフ》          3 /P     /-   /自身    /-  /-   /打撃・両装備  /魔攻、HP・MP回復、ダメージ増減を行う魔術の効果+[SL×2](6) 《P超精密魔術》           4 /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /魔攻、HP・MP回復、ダメージ増減、行動値増減を行う魔術スキルの効果+[SL×5](20) 《P完全なる呪い:ノックバック(4)》1 /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /魔攻ダメ時選択BS付与スキル・アイテムで回復不可 《マジックチェイス》        3 /P     /-   /自身    /-  /-   /-       /魔法攻撃の対象が受BS時+[(SL×2)D](6D) 《マスターテイマー》        1 /セット  /自動 /自身    /-  /-   /シーンSL(1)回 /コールサーバントを同時に使用 《コールサーバント》        5 /メジャー /自動 /自身    /-  /10  /-       /サーバントを取得。シーン終了時失われる 《ランニングセット》        1 /ムーブ  /自動 /自身    /-  /6   /-       /マイナーのスキルを同時使用 《クラッシュバリア》        2 /マイナー /自動 /自身    /-  /12  /シーンSL(2)回 /メイン中魔法攻撃時物防・魔防を0として算出 《マジックサークル》        3 /マイナー /自動 /自身    /-  /4(1) /-       /メイン中攻撃、HP・MP回復、ダメージ増減を行う魔術のスキル、パワーとサモナーのスキルの効果に+[SLD](3D) 《魔杖ジルドレイ》         1 /メジャー /5D+31 /場面(選択)/  /   /シーン1回   /[10D+300]ダメ(風)、ダメ時威圧スリップ放心付与 《リビングガーデン》        1 /メジャー /自動 /自身    /-  /8   /メイン1回   /通常のメジャーとクラッシュガーデンを使用 《クラッシュガーデン》       5 /メジャー /錬金術/範囲(選択)/視界/7   /-ガーデン効果時/[SLD+CL](5D+25)ダメ(貫通)の特殊攻撃 《ファミリアコンビネーション》   1 /メジャー /自動 /自身    /-  /9(3) /メイン1回   /ファミリアアタックとメジャーのスキルかパワーを使用 《ファミリアアタック》       5 /メジャー /感知 /単体    /20 /5(1) /使い魔携帯   /[(SL+2)D+CL](7D+25)ダメ(貫通)の特殊攻撃 《P三重並列詠唱》          1 /メジャー /自動 /自身    /-  /F3  /-       /メジャーの魔術スキル3つ使用 《サモン:ヨルムンガンド》     1 /メジャー /魔術 /範囲(選択)/20 /8(2) /-       /2Dダメ(無)の魔法攻撃。ダメ時毒(1) 《マジックフォージ》        3 /ダメロ前 /自動 /自身    /-  /3   /シーン1回   /魔法攻撃のダメージに+[SL×2D](6D) 《リゼントメント》         1 /魔攻時  /自動 /自身    /-  /1   /シナリオ1回  /単体*に変更し+[CL×10](250)ダメ 《サモン:シームルグ》       1 /メジャー /魔術 /範囲(選択)/20 /8(2) /-       /HP[2D+CL×2](2D+50)点回復 《バリアントマジック》       3 /魔術時  /自動 /自身    /-  /12  /シーンSL(3)回 /魔攻、HP・MP回復、ダメージ増減を行う魔術の効果+5D 《サモン:アラクネ》        5 /ダメロ後 /自動 /範囲(選択)/20 /9(3) /防御中1回   /ダメージ-[SLD](5D) 《二ゲイト》            1 /判定後  /自動 /単体    /30 /-   /シーン1回   /クリティカル打消し 《一般スキル》          SL/タイミング /判定/対象   /射程/コスト/制限    /効果など 《●アニマルエンパシー》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /動物・魔獣と意思の疎通ができる 《●フェイス:エルーラン》   1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /感知判定の達成値+1 《●イクイップリミット》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /装備アイテムの重量制限+5 《●インテンション》      1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /最大MP+CL(25) 《●エンラージリミット》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /携帯品の重量制限が筋基×2になる 《●サーチリスク》       1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /危険感知判定+1D 《●トレーニング:筋力》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択した能力基本値+3 《●トレーニング:器用》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択した能力基本値+3 《●トレーニング:敏捷》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択した能力基本値+3 《●トレーニング:知力》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択した能力基本値+3 《●トレーニング:感知》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択した能力基本値+3 《●トレーニング:精神》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択した能力基本値+3 《●トレーニング:幸運》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択した能力基本値+3 《●ファインドトラップ》    1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /トラップ探知の判定+1D 《●ファーマシー》       2 /アイテム  /-  /自身   /-  /-   /-     /ハイHPポーション2個取得 《●マジカルハーブ》      2 /アイテム  /-  /自身   /-  /-   /-     /ハイMPポーション2個取得 《カルチャー:エリンディル西方》1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /選択地域の文化や習慣の知力判定+1D 《エリアサーチ》        1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /警戒行動を行える 《ダンジョンマスター》     1 /P      /-  /自身   /-  /-   /-     /ミドルのダンジョンかつ戦闘以外のあらゆる判定の達成値+1 《マジックスピナー3》      1 /P      /-  /自身   /-  /-   /メイジ   /魔攻のダメロ消費F1ごとに+2D 《ファーストエイド》      1 /メジャー  /器用/単体   /至近/-   /-     /難易度10、戦闘不能回復HP1行動済 《マジックスピナー2》      1 /フリー   /自動/魔攻の対象/-  /F1  /メイジ   /メイン中リアクションの判定-1D 《マジックスピナー1》      1 /イニシアチブ/自動/自身   /-  /F1  /シナリオ1回/使用済マジックフォージの回数を1増やす 《フックダウン》        1 /クリンナップ/自動/自身   /-  /3   /シーン1回 /ポーション1個使用 ■コネクション■ 名前 / 関係    /    / ■その他■ 使用成長点:3120点 (レベル:3000点、一般スキル:120点、ゲッシュ:0点) レベルアップ記録:サポートクラス / 上昇した能力基本値 / 取得スキル Lv1→2: / 知力、感知、精神 / ファミリアアタック、ファミリア、サモン:アラクネ Lv2→3: / 知力、感知、精神 / ファミリアアタック、ファミリア、サモン:アラクネ Lv3→4: / 知力、感知、精神 / ファミリアアタック、ファミリア、サモン:アラクネ Lv4→5: / 知力、感知、精神 / ブラッドパクト、マジックサークル、サモン:アラクネ Lv5→6: / 知力、感知、精神 / ブラッドパクト、マジックサークル、サモン:アラクネ Lv6→7: / 知力、感知、精神 / ブラッドパクト、マジックサークル、ファミリアコンビネーション Lv7→8: / 知力、感知、精神 / ファミリアプラス、サモン:ヨルムンガンド、サモン:シームルグ Lv8→9: / 知力、感知、精神 / 転:ガーデナー、クラッシュガーデン、マジックフォージ Lv9→10: / 知力、感知、精神 / 転:ソーサラー、クラッシュガーデン、マジックフォージ Lv10→11: / 知力、感知、精神 / クラッシュバリア、クラッシュガーデン、エソテリカ:サモナー Lv11→12: / 知力、感知、精神 / クラッシュバリア、クラッシュガーデン、バリアントマジック Lv12→13: / 知力、感知、精神 / 二ゲイト、クラッシュガーデン、バリアントマジック Lv13→14: / 知力、感知、精神 / ランニングセット、リビングガーデン、バリアントマジック Lv14→15: / 知力、感知、精神 / 転:テイマー、コールサーバント、マナスタッフ Lv15→16: / 知力、感知、精神 / マスターテイマー、コールサーバント、マナスタッフ Lv16→17: / 知力、感知、精神 / マジックチェイス、コールサーバント、マナスタッフ Lv17→18: / 知力、感知、精神 / マジックチェイス、コールサーバント、転:ドルイド Lv18→19: / 知力、感知、精神 / マジックチェイス、コールサーバント、アキュートアーツ Lv19→20: / 知力、感知、精神 / 転:メイガス、三重並列詠唱、- Lv20→21: / 知力、感知、精神 / f、完全なる呪い:ノックバック(4)、- Lv21→22: / 知力、感知、精神 / f、超精密魔術、- Lv22→23: / 知力、感知、精神 / f、超精密魔術、- Lv23→24: / 知力、感知、精神 / f、超精密魔術、- Lv24→25: / 知力、感知、精神 / f、超精密魔術、- メモ: 「ベイリー音楽団は冒険と芸術を愛する集まりなの! 団員募集中だよ!」 「わたしたちはただ絆によってのみ縛られるの。他の何にも縛られはしない!」 「うちの入団条件? 一緒に冒険ができるくらいの強さがあって、音楽が好きなら誰でも!」 各地を旅しながら様々な冒険をし、孤児院や教会等に立ち入っては寄付と共に演奏会を開く冒険者音楽家集団、それがベイリー音楽団!(なお、バードやダンサーのような専門家ではなく、ワタシチョット楽器デキル人達の集まり) 以下、特に読まなくてもいい設定。 団長兼指揮のアイリスは、エルーラン王国南部の海沿いにある名もなき村で生まれた。かつてこの地に流れ着いたとされるドルイドの末裔が長を務めるあまり開放的ではない村で、なまじちょっと魔術が得意で、好奇心も強かったので非常に退屈していた。 ある日海辺に魚人が打ち上げられているのを発見する。よもや戦闘かと勇み足で近づいたアイリスであったが、なんだか弱っている様子。戦闘の意志が無いのを確認した(強引に槍を捨てさせただけである)後は手当てして海に帰してやった。 しばらくして海を通りかかると、"水泳ぐ魚の王"を名乗る声が聞こえ、才能を見込まれて契約することになった。本人ではなく、眷属が力になるという。その時ザパァと何かが海から顔を出す音がし、聞いたことのある声がした。 「アナタに助けラれたギルマンデス。冒険ニお供シマス」 アイリスは、これから始まる冒険の数々に目を輝かせ笑った。 ========= "小さき蟲の王"とも契約を果たし、ちょっと調子に乗ってきたアイリスは、ファミリアアタックの練習を兼ねてとある依頼を受けていた。最近見つかったダンジョンに大量にいたスケルトンが、派閥争いで一部近隣の村に流れたため、討伐してほしい……というものだった。既に他の冒険者も向かっていて危険も少ないため、親から反対されることもなく(反対されても行ったけど)、村へとたどり着いたアイリスが見たのは、砕かれた幾多の頭蓋の中心で立ち尽くす1体のスケルトンだった。なんだか倒すのが躊躇われたアイリスは、動こうとしないスケルトンを引っ張って森へ連れ込み、事情を聞いた。人間との融和を望む一派がダンジョン発見を機に村へと繰り出したが、待っていたのは問答無用の暴力だけだった……というような話を聞き、彼の代わりに涙を流し、励まし、協力すると言ったアイリスに、スケルトンは言った。 「ぼくをあなたのおともにしてください。このほねがなみだをながせるようになるまで」 アイリスは、未だ涙の跡残る目元を緩ませて優しく笑った。 ========= 文献にも無い骨を使い魔にした(なんでかはわからない。"硬き骨の王"とかがいたのかもしれない)。やはり自分は天才なのかもしれない。そう感じたアイリスは精力的に冒険を続けた。最近は少し遠出して依頼をこなすことも増え、今回も住んでいる村から4-5日馬車に揺られた所にある町での依頼だった。神官いわく、近くにアジトを作った山賊のせいで、街道が危険にさらされているから、討伐してほしいらしい。何人かでパーティーを組みアジトへ乗り込んだものの、山賊の一人を逃がしてしまう。町に入り込んだ山賊を手分けして探していると、人手が多いためか(使い魔がいるので)、見つけたのはアイリスだった。ここまでか……と諦めの色を目に宿した山賊は、ふとアイリスの連れる使い魔を見て、交渉を持ちかける。 「なあ、俺を仲間にしないか? 魔物なんて仲間にしてるんだ。悪どいことにも手を染めてるんだろ、邪悪な魔法使いさん? どこへだってお供してやるよ」 アイリスは、失礼な言動にすっと目を細め口元だけを吊り上げて笑った。 ========= 山賊を眷属にした。"気高き山賊の王"とか? 訳がわからない。元は貴族だったが、没落して御家断絶の一途を辿ったらしい山賊は、どうやら面倒見がいいらしく、教会なんかに寄っては孤児たちに物語を聞かせたり、楽器を借りて弾いてやったりしていた。どうやら興味を持ったらしいギルマンとスケルトンも音楽をたしなみだし、好き勝手に演奏し始めるので、アイリスは思った。音楽、いいな。 山賊から指揮(戦闘のではなく)を習ったアイリスは、手頃な棒を手に、魚人と骨と賊を並べて楽器を弾かせることにした。アラクネも巻き込んでの豪華(?)な演奏会である。さながら気分はオーケストラだ。こんな面子じゃ怪しい儀式にしか見えないなぁ、と少し悲しげに笑った山賊に、アイリスは言った。 「あなたたちを守るためなら別にどう思われてもいいの! ふふふ、なんなら、極悪魔法使いと呼びなさい!」 アイリスは、自信の滲むドヤ顔で胸に手を当て笑った。 ========= "空飛ぶ鳥の王"と、"鱗持つ蛇の王"を巻き込むことに成功したベイリー音楽団は、一路、マジェラニカ大陸を目指していた。目的は胸踊る冒険と、独自に進化したという錬金術の習得、そして現地に住まう人との芸術的交流である。度重なる試練を乗り越え、珍しい音楽(とそれを演奏する顔ぶれ)を武器にガーデナーの一人に接触したまではいいものの、庭園術の習得には苦戦していた。やれば何でもそれなりにできる事が災いして、今まで努力らしい努力を経験してこなかったため、常識からして違う概念の習得に手こずったのである。頑張れと励ますギルマンとどうやったら上手くできるかを共に考えてくれるスケルトンを尻目に山賊が言った。 「無理なら諦めてもいいんじゃないか? 所詮ただのお嬢ちゃんには無理だったって事でさ」 アイリスが怒りを込めて笑うと同時に、山賊を地形の攻撃が襲った。 ========= いくらかの人はベイリー音楽団を気に入ってくれたし、また来た時には歓迎すると言ってくれた。ほんの少しの寂しさと共にマジェラニカ大陸を後にした一行は、パリス同盟へ向かっていた。目指すは古都グランフェルデン。そろそろ並ぶ者も少なくなり、更なる強さを得るには自分より遥かに上をいく伝説たちと接触する他なくなってしまったので、古い情報の集まる場所であるグランフェルデン王国が当てなき人探しには最適だとの判断である。 到着したはいいものの、本当に当てが無いためひとまず腹ごなしに商店街へと向かったが、行く店は全て休業中。不審に思い話を聞くと、悪魔が戦争をしているなどと何やらキナ臭い。調べるにつれ、とある悪魔と出会うことになる。上位魔族ベルゼブブを名乗るそれは自身の持つ魔杖を見せ、ニヤリと笑うと言った。 「この面倒な争いにはワタクシ飽きてきていたのです。あなた様にお仕えする事を条件に、どうか戦争を終わらせてはいただけないでしょうか? この魔杖はお貸し致します。指揮棒の代わりにでもなさるとよろしいかと」 アイリスは、魔杖ジルドレイを受けとると、心得たとばかりに笑った。 ========= 禍々しい杖を手にもつ極悪魔法使いと、やけに繊細な音楽を奏でる魔物たちで構成されるベイリー音楽団は、グランフェルデンを中心にパリス同盟に名を轟かせた。多くの魔物(と動物の王と悪魔)を従えて悪魔の派閥争いを終結させ、その後は復興を手伝いながら住民の耳を楽しませた事は、その卓越した指揮能力、地形さえ変化させる不思議な魔術と共に様々な憶測を呼んだ。アイリスは畏怖と尊敬の混じった視線に晒される事となったが、これを好機と売名しまくった。ベイリー音楽団が生きやすいようになるには、功績が広まらなければならなかった。結果としてグランフェルデンにある王国錬金術協会に所属することとなり、名誉研究員として末席を汚す事となった。 そうなるとそろそろしがらみが窮屈になってきて、アイリスの実家へと一度戻る事にした。長らく家を空け、両親も(既に諦めてはいるものの)心配しているはずだ。そんなわけで村へと戻ると、噂を耳にしていた長の一族が家族よりも帰りを歓迎してくれた。なんだか乗せられるままにドルイドの秘術を伝授される流れになり、修行とやらに付き合うのだが……辛い。日が昇らぬうちに起床して訳もわからず滝に打たれ、粗食を心掛け、怪しげな祈句を唱えさせられる。ようやく初歩が身に付いた……と評されホッとしたのも束の間、長は言った。 「さて、明日から本格的な修行に入ります。まずは2週間の断食からですね」 アイリスは、片頬をひきつらせながら笑った。 ========= 逃げた。それはもう逃げた。今ほど敏捷が低いことを呪ったこともないというほど、必死に逃げた。 気がついたら森にいた。妖精が住んでいて、楽しかった。困っていたので、助けてあげた。お礼に、と王の元へと案内されたのだが、めちゃくちゃ警戒されてしまった。この面子で警戒されなかったら俺はその方がヤバイと思うね、とは山賊の言である。ギルマンとスケルトンは言葉下手ながら必死に悪い魔物でないと主張するが、横で慇懃に笑う悪魔が信用を落としている。見かねた動物の王たちが出て来て、説明すること1時間。なんとか怪しいものではないとわかってもらうも簡単には心を許してくれないようだったが、褒美としてドレスと冠を賜った。王が言うには、これを着けているとすごく強くなれるらしい(後で悪魔から聞いたところによると、妖精を攻撃できなくなるとか。頑張れば傷つけられないこともないらしいけれど)。その時は嬉しすぎて何でもできそうだったので、王が信用するためだ、といって体よく押し付けた厄介事を全て解決してあげた。気をよくした王は最後に、と前置きしてこう問いかけた。 「お主は神の呼び掛けに呼応し、その意思を汲むと誓えるか?」 アイリスは、簡単な問いだと頷き笑った。 ========= 元々、仲間と名声を与えてくれた運命の神には感謝しており、その頼みを断るつもりはなかった。見た目は(それと一部中身も)悪そうでも、自分に幸せを与えてくれる彼らと出会えたのは運命だとしか思えない。これからも彼らとの旅を続けられるなら、神に恭順する事は束縛ではない。そう語ると、王は満足げに空を仰ぎ、暖かな風がアイリス達の間を吹き抜けた。新たな力を神より授かったことに気付き、一行はしばらく頭を垂れた。 放浪の運命に導かれて森を出たベイリー音楽団は、時折はぐれ妖精を助けたり、いたずら妖精を叱ったり、神のお願い(無茶振り)に応えたりしながら、今日も楽しく活動する。 「神様の頼みがこんなに多いなんて、きいてなーーーい!!!!!!」 ベイリー音楽団は、アイリスの言葉に三者三様の反応を見せ、笑った。