タイトル:エリノア・ジャックマン キャラクター名:エリノア・ジャックマン 種族:ナイトメア [特徴:異貌、弱点[土、銀+2]] 生まれ:射手 ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:15 性別:女 髪の色:黒+白+赤 / 瞳の色:赤  / 肌の色:白 身長:158 体重:48 経歴1:家族から探されている 経歴2:家族に異種族がいる 経歴3:一定期間の記憶がない 穢れ度:1 ■能力値■      技     体     心 基礎   10     10     10    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F  12   2   1   3   2   7 成長   5   8   4   1      5 →計:23 修正 =合計= 29  21  15  14  12  22 ボーナス  4   3   2   2   2   3    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本   7   8  29  25 特技         0   0 修正 =合計=  7   8  31  27 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:5 Lv シューター  5 Lv  / マギテック 1 Lv スカウト   3 Lv  / セージ   1 Lv エンハンサー 5 Lv  / バード   1 Lv アルケミスト 2 Lv  /        Lv ■戦闘特技・値■ [参照]  特技名     : 効果                    : 前提 [p1-280]ターゲッティング : 誤射しない                 : [p1-280]鷹の目      : 乱戦エリアや遮蔽物越しに射撃・魔法攻撃可能 : [p1-281]武器習熟A/ボウ  : ダメージ+1、Aランク装備可能        :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本   3   6  21  63 修正 特技        0 =合計=  3   6  21m  63m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名        : 効果                          : 前提 [p]  ⏩キャッツアイ     : 動きを見ろ。                      : [p]  ⏩アンチボディ     : 健康でいられるって素晴らしいよな。           : [p]  ⏩ストロングブラッド  : 熱さも冷たさも、かなりマシになるぜ。          : [p]  ⏩マッスルベアー    : もうちょい弓を引けば、威力も出るだろ。         : [p]  ⏩デーモンフィンガー  : まるで、私の指じゃねえみてえだ。            : [p]  モラル        : ……結構、よく聞いてたからな。こんな感じ、だったっけ。 : 無し [p]  △⏩ヒールスプレー   : 消毒しときゃなんとかなるだろ。             : 緑*2 [p]  △⏩クラッシュファング : 得物を鈍らにしてやるぜ。                : 赤 ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター : グラップラー: フェンサー : シューター : 5   9   7   8 ・武器 価格  用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照) 21000  2H   9   2  12  24  10   9 [ボウA] *妖精(雷)のまばゆいブラッドランサム / 真紅の弓。……やたらめったら光る。めっちゃチカチカするぜ。【命中+1】【行動判定-1 サングラスで無効化可能】 (p) =価格合計= 21000 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 :  1   0   2   15 クロースアーマー / こんなもんでも無いよりマシだぜ。 盾 :              / 修正: = 合計 =    0   2   15 G (回避技能:) ・装飾品    価格 名称            / 効果 頭 :150  真珠と珊瑚の髪飾り     / ま、まあ、貰いもんだしな。付けなきゃあな。うん。 耳 :200  マギスフィア(小)      / ターゲットサイトに使うなら、この位置でもいいだろ。 顔 :1000 サングラス         / これ装備してりゃあ、ブラッドランサムの光もまだマシだぜ。 首 :                 / 背中:100  えびら           / 雷鳴*4 銀*6 粘×4 蛇*4 癒*1 魔*1 念*1 右手:900  スマルティエの宗匠の腕輪  / どうせ普通の腕輪を割る程金に余裕があるわけでもねえしな 左手:500  俊足の指輪         / 先手を取られちゃ、最悪死ぬしな。 腰 :200  アルケミーキット      / どんだけカード入るんだろうな、コレ。 足 :5000 ディスプレイサーガジェット / 不思議な人形だぜ。 他 :500  巧みの指輪         / どうしようもねえ時だけ、割る。 他 :500  巧みの指輪         / 同上だ。ま、そうそうねえとは思うがな。 =合計=9050 G ■所持品■ 名称           単価  個数 価格 備考 冒険者セット       100   1   100  とりあえずこれ持っとけ。 保存食(一週間分)     50   2   100  残り11日分。 あんまり美味くないのでなるべく食べたくない。 スカウト用ツール     100   1   100  手先は結構器用だからな、鍵開けとか出来るぜ。 使いやすい調理道具セット 50   1   50  ま、道具は使い易いに越したことはねえしな。                  1   0 雷鳴の矢         80   4   320  耳を潰すんだよ、それで結構動きが鈍る。 粘着液の矢        360   4   1440 うへぇ……荷物の中で破裂しない事を祈るぜ。 スネークアロー      900   4   3600 威力は出ねえ。だが、決まれば強いぜ。正しく切り札だ。 銀の矢          5    6   30  ブラッドランサムの真の力を引き出すには、これが要るんだよなあ。 念動の矢         160   1   160  これ使うまでもねえとは思うが、な。 魔力の矢         1400  1   1400 私がこれ使うこと、あんのかね……ま、一応持っとくぜ。 癒しの角の矢       1500  1   1500 味方を回復する。或いはアンデッドを殺す。それにしても高すぎるぜ。 1点魔晶石         100   1   100  差し込むようにして使う。 2点魔晶石         200   2   400  殆どターゲットサイト用だな。 3点魔晶石         300   7   2100 練技が丸々タダになるぜ。                  1   0 緑Bカード         20   6   120  これが色々使えるってんだから、不思議なもんだよな。 緑Aカード         200   6   1200 かなり高いが、まあ背に腹は変えられんぜ。 緑Sカード         2000  4   8000 とっておきもとっておき。消耗品じゃ一番高いぜ。 赤Bカード         20   3   60  色が複数種類あるってのも、ちょいと不便な話だな。 赤Aカード         200   3   600  ヒールスプレーみたいに用意する数が多くない分、まだマシだぜ。 赤Sカード         2000  2   4000 これも高額だが、まあ使うべき時には使うぜ。                  1   0 疾風の腕輪        1000  1   1000 砕くにゃ高すぎるぜ。                  1   0 流々家ラーメン代     5    1   5   美味しかった。 偕老硝子の彫像      未知数 1   0   ……へへ、よく見てみりゃ結構綺麗じゃねえか。こりゃ確かに売るのも勿体ねえな。 巨像のがらくた      0    1   0   ちょっくらちょろまかしてきちまったぜ。ま、いいだろ。 オルゴール        20   1   20  霧の街のお土産。綺麗な音色だぜ。 釣鐘草          0    1   0   別名、カンパニュラ。花言葉は、「感謝」「誠実」「節操」「不変」。 奈落のグルメ       0    1   0   ネームレスに貰った。……すげえな、この本。 ハンカチ         0    1   0   エラフィタ村の特産品。アイーリオに贈ってもらった。 明音のフルート      200   1   200  よく通る、音が出る。 =所持品合計=   26605 G =装備合計=    30065 G = 価格総計 =   56670 G 所持金    8772G 預金・借金    G ■魔力■ 知力ボーナス: 2 特技強化ボーナス: 0 武器ボーナス: 0  名前  Lv 追加修正 魔力 魔動機術 1       3 ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       - - エルフ語  - - / ドラゴン語     - - ドワーフ語 - - / ドレイク語     - - 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     ○ - 魔動機文明語○ ○ / 魔神語       ○ - 魔法文明語 - - / 妖魔語       - - 妖精語   - - / グラスランナー語  - - シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 [地方] ○ ○ ブルライト地方語 初期習得言語:交易交通語、親の種族の言語 技能習得言語:魔動機文明語、1個の会話or読文、1個の会話 ■名誉アイテム■ 点数 名称   0 称号【青空を掴みし者】  20 称号【空を掴む者】  20 称号【苦渋の杯を干す者】   5 称号【過去を識る者】  30 称号【蒼き海の護り手たち】   5 称号【リルフェス参加者】  20 称号【未来を生み出す者たち】  20 称号【咲き誇る花々】  20 称号【今を生きる者たち】  20 称号【石の街を拓くもの】  20 称号【水の都の冒険者】  20 コネクション【薔薇石商会"Emilia=Ortiz"と顔見知り】  15 コネクション【“リトル・マーメイド”エリアナと顔見知り】  15 コネクション【リリィ&アイリスの顔見知り】  15 コネクション【“善き隣人たちの友”ディルガンド・アイオリスの顔見知り】  20 冒険者ランク:ダガー  30 冒険者ランク:レイピア  50 冒険者ランク:ブロードソード 100 冒険者ランク:グレートソード 150 アビス強化(ブラッドランサム)  50 装備専用化(ブラッドランサム)  50 装飾品専用化(アルケミーキット)  50 装飾品専用化(真珠と珊瑚の髪飾り)  50 楽器専用化(明音のフルート) 【5】 使いやすい調理道具セット 所持名誉点: 209 点 合計名誉点:1004 点 ■その他■ 経験点:0点 (使用経験点:17000点、獲得経験点:14000点) セッション回数:23回 成長履歴: 成長能力  獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ)  メモ 1- 筋力    13500点(13500 / 一 / 0回)  あの魔神が何だったのかはわかんねえけど。ま、パウンドケーキめっちゃ美味しく出来たし、満足だぜ 2- 敏捷度     0点(   / 二 / 0回)  海賊団か。また相手することになりそうだぜ。 3- 敏捷度     0点(   / 三 / 0回)  もうあんな臭い洞窟はこりごりだぜ。二度と行きたくねえな。 4- 敏捷度    50点(   / 四 / 1回)  まあ、楽しかったっちゃ楽しかったな。ずぶ濡れにはなっちまったが。 5-        0点(   / 五 / 0回)  海ん中を自由に泳ぎ回るってのはいいな。この時期は、あのメットが無いとまだ寒いが。 6- 器用度     0点(   / 六 / 0回)  ……しばらくは、夢に見そうだぜ。 7-        0点(   / 七 / 0回)  夢でいいから、また見てみたいぜ。 8- 精神力     0点(   / 八 / 0回)  あんな迷宮作るなんて、アイツ結構凄い奴なのかもな。 9-        0点(   / 九 / 0回)  なーんか、楽しい夢見た気がするんだよなあ。 10- 器用度    50点(   / 十 / 1回)  えらく散々な目に遭ったぜ。あのハゲタカはマジで許さねえからな。 11-        0点(   /十一 / 0回)  地獄だった、本当に。 12- 敏捷度    0点(   /   / 0回)  なんで、こんな事に巻き込まれてんだ…… 13-       50点(   /十二 / 1回)  ちょいと失敗しちまったが、まあ美味しく出来たし、満足だぜ。 14- 精神力    0点(   /十三 / 0回)  やっべえ奴と手組んでんなあ、あの海賊も。ま、最後に一泡噴かせてやったから気分いいぜ。 15-        0点(   /十四 / 0回)  全く、とんだ依頼だったな。……本当、やりきれねえぜ。 16- 器用度    0点(   /十五 / 0回)  勘違いで襲いかかられちゃあたまったもんじゃねえが、まあお灸は据えてやったし良しとするぜ。 17-        0点(   /十六 / 0回)  ま、報酬増えたし良しとするぜ。 18- 敏捷度    50点(   /十七 / 1回)  まあ、いいぜ。どんな過去があろうが……お前はお前だ、アイーリオ。明るくて、いっつも音楽奏でてて、一緒に料理してると楽しい。……少なくとも。私にとっては、そんな奴だぜ。 19-        0点(   /十八 / 0回)  全く本当に、肝が冷えたけどよ 20- 精神力    0点(   /   / 0回)  万事解決、って事で。縁は、結ばれたみてえだしな? 21-        0点(   /十九 / 0回)  にしても、あんな場所にもあんな古い遺跡があったりするんだなあ。 22- 筋力     0点(   /二十 / 0回)  ファイレクシア、なあ……あ、ネームレスはご愁傷様だぜ。 23-        0点(   /二十一 / 0回) 命からがら、って奴だな。よく生きてたぜ。私。 24- 器用度    0点(   /二十二 / 0回) これだけは、言える。私たちの行動は、正しかった。 25-        0点(   /二十三 / 0回) やっぱ、クソ野郎をぶん殴るのはスッキリするな。スネークアローも、決まりゃあ強いぜ。 26- 敏捷度    0点(   /二十四 / 0回) 復讐か。私にゃわからんが……それでも成したいものなんだろうな。 27-        0点(   /二十五 / 0回) 何だったんだ、マジで。 28- 敏捷度    0点(   /二十六 / 0回) 生体は物騒だけど、綺麗なんだよなあ。あの花。 29-        0点(   /二十七 / 0回) あの野郎……許さねえ。絶対にぶっ殺してやる。 30- 器用度    0点(   /二十八 / 0回) ファイレクシア、な。可哀想な連中だが、私らからすりゃたまったもんじゃないぜ。 31-       50点(   /二十九 / 1回) なんか、見たことある花だと思ったら……そういや、アイツが体に挿したのも、カンパニュラだったな。 32- 敏捷度    0点(   /三十 / 0回)  あっちにも事情があるってのは分かるが、知ったこっちゃねえぜ。 33-        0点(   /三十一 / 0回) 私たちの勝ち、だぜ。 34- 筋力     0点(   /三十二 / 0回) あれ全部ワンパンで落とすとか、やべーよな。ウーの野郎。 35-       50点(   /三十三 / 1回) すげえ熱気だったぜ。っていうか、何で私のコスプレとかいるんだろうな……? 36- 筋力    100点(   /三十四 / 2回) 愛、愛なあ。……私にゃ、まだわからんぜ。 37-        0点(   /三十五 / 0回) あばよ、バカ野郎ども。 38- 精神力    0点(   /三十六 / 0回) お前を、連れて帰る! 絶対に、とびっきり美味しいケーキ食べさせてやるからな! 39-        0点(   /三十七 / 0回) ……これで、良かったんだ。何も、後悔はねえよ。 40- 生命力    50点(   /三十八 / 1回) 誰も、悪くなんてなかったのに 41-        0点(   /   / 0回)  どうして、こうなっちまったんだろうな…… 42- 精神力    50点(   /三十九 / 1回) ……へ、へへっ。幸せに、なれよ。二人、とも。     …………………………私も。好き、だったぜ。アイーリオ。 メモ: エリノア・ジャックマン【Elinor=Jackman】 家出少女。家のことは頑なに喋りたがらない。 就業経験もないナイトメアの道など冒険者くらいしかなく、人魚の歌声亭で適当に依頼をこなしながら暮らしている。また、ナイトメアであることを一切隠しておらず、角もむき出しである。 性格は生意気なクソガキ。すぐ調子に乗り、攻撃にさらされるとものすごい勢いで毒づき始める。そして形成が不利になると逃げたり命乞いを始める。優先順位の一番上に自分がいる系。 戦闘においては後ろからの嫌がらせが専らで、耳を潰してのたうつ敵を味方がタコ殴りにしていると楽しい。 一般技能 コックLv7 「誰かに教えられるくらい、上手くなった。みんなに美味しいって、言ってもらえるのは……嬉しいぜ」 「いひひひひ、やっぱ後ろから前衛が暴れてるのを見るのは気持ちいいぜ」 「そら、耳を潰してやったぞ! タコ殴りだタコ殴り!」 「あ゙ぁ、クソ……血が出たじゃねぇか、畜生、クソが! 死ね!」 エリノア・ジャックマン→  ノア ジャ クマ →アマノジャク キャラクターの外見イメージは東方輝針城より鬼人正邪の立ち絵(Dairi様作)を借りています。 ナイトメアであることを隠していないのは、いざ明かした時に拒絶されるのが怖いため。 ならばいっそ、最初から明かしておこう、と。親しいと思っている相手からのものよりも、親しくもない相手からの嫌悪の方が、まだ心の傷は浅いのだ。 実は家に居た間の記憶が全て抜け落ちており、ただ自身が“少なくとも半年以上家出中”である事しか覚えていない。 家が何処にあるのかわからない。何をしていたのかわからない。家族構成も覚えていない。……家出した理由も、全て。 家の事を喋りたがらないのは、そもそも語る内容が無いため。そして、その事についての不気味さから逃げるためでもある。 封じられた記憶から目を逸らし、精一杯の虚勢を張って、今日も少女は弓を引く。漠然と抱く恐怖も、いつか忘れられるように。 TrueEND (史実。エリノアが実際に辿ったエンディング) 到達条件:大切な誰かとの“約束”があった場合 それは、いつも通りの昼下がり。人魚の歌声亭でのんびりと紅茶を飲んでいるエリノアに、声がかけられた。 「……こんな所にいたのか、エリノア」 瞬間、背筋が凍りつく。 全身が粟立つ。 心臓が跳ね上がり、ありえないくらい早く鼓動を打ち鳴らす。 見つかってしまった、と。焦燥感が頭を覆い尽くす。 しかし、何故だ。 私は、この声を、知ら…… ……………… ……いや。 知って、いる。 思い、出した。 「あっ、お、おっ……」 「……お父、様」 「探したよ、随分と。いきなり家出をするだなんて、思っていなかったからね」 振り返れば、中肉中背の男性がそこに。 その声は優しく、顔には柔和な笑みを浮かべている。 「全く、親を心配させるものじゃあないよ。……ほら。帰ろう」 椅子から立たせ、肩に手を回す。その手に力が篭められる。 その瞬間、家での日々が思い起こされる。 独りで、部屋で、泣いていた、あの、日々を…… 気づけば、その手を全力で振り払っていた。 「……なんだ、エリノア。急に」 「────うるせぇっ!」 誰が、あんな毎日に帰るかってんだ。 私は……私は。幸せになるんだって、約束したんだ。だから。 「もう、沢山なんだよ。母さんが死んでからの、……お前の勝手に付き合うのは!」 「エリノア! 親に向かってその口の」 「うるせえっつってんだろうが!!!」 私が独りで泣いてたら、あいつが化けて出てくんだ。 んな事、絶対に嫌なんだよ、私は! 「おう、何だ? その顔は。“いつも”みてえに躾てくれるってか?」 「……っ」 「やってみろよ。ここは冒険者の店だぜ。私の仲間だって沢山いるんだ」 今頃になって、自分の置かれた状況ってやつに気づいたみてえだな。 いい気味だぜ、全く 「……出て行け。そんで、もう二度とその面見せんじゃねえ」 「んなっ、お前は」 「二度とは言わねえぜ」 「────~~~っ……」 しばらくして、踵を返してそいつは出て行く。 「……絶対に後悔するぞ」 「けっ、誰が」 それだけ言い残して、今度こそ扉をくぐり……見えなく、なった。 「……………………」 「はああああああああっ…………」 とんでもないほど大きな息を吐いて、崩れるようにして椅子に座り込む。 物凄く、疲れた。怖かった。 それでも……私は。これで、やっと。真の意味で、あの家から抜け出すことができた。 「……もう、一人じゃ生きていけない小娘じゃあ、ないんだぜ」 そうだ。ここから始まっていくんだ。二つとはない、私の物語が…… さっきまで飲んでいた紅茶に手を伸ばし、口をつけて 「…………冷めちまってるわ」 なんて、すこし締まらないながらも。また、“いつも”の日常へと回帰していく。 ……エリノア・ジャックマン。冒険者ランク、グレートソード級。彼女の冒険は、まだ、先へと。 ──────────────スターシーカー ~Where no man has gone before.────────────── BadEND (IFの話。もしかしたら、ありえたかも知れなかった結末) 到達条件:上記の条件を満たさなかった場合 ※とんでもなく長い上に陰鬱な内容のため閲覧注意 それは、いつも通りの昼下がり。人魚の歌声亭でのんびりと紅茶を飲んでいるエリノアに、声がかけられた。 「……こんな所にいたのか、エリノア」 瞬間、背筋が凍りつく。 全身が粟立つ。 心臓が跳ね上がり、ありえないくらい早く鼓動を打ち鳴らす。 見つかってしまった、と。焦燥感が頭を覆い尽くす。 しかし、何故だ。 私は、この声を、知ら…… ……………… ……いや。 知って、いる。 思い、出した。 「あっ、お、おっ……」 「……お父、様」 「探したよ、随分と。いきなり家出をするだなんて、思っていなかったからね」 振り返れば、中肉中背の男性がそこに。 その声は優しく、顔には柔和な笑みを浮かべている。 「全く、親を心配させるものじゃあないよ。……ほら。帰ろう」 椅子から立たせ、肩に手を回す。その手に力が篭められる。 その瞬間、冒険者として過ごした半年間が思い起こされる。 色んなことがあった。辛いこと、悲しいこと……それ以上に、楽しいことが。 ああ。この思い出たちと、一緒なら、きっと。 耐えられるだろう、から。 「…………はい。お父、様」 「いい子だ、エリノア」 この日。一人の少女が、静かに冒険者を辞めた。 それからの行方は、ようとして知れない。 ……十年後。 とある屋敷の地下室に、薄暗い部屋に不釣合いなほど、陽気な歌声が響いている。 『おきにいりの りぼん みつあみにして♪』 『いつも よりも ぜんぶね おしゃれにきめて♪』 歌っているのは、ナイトメアの女性。 長くて白い髪を三つ編みにして、先端に……元は、ハンカチだろうか。随分と汚れた布切れで作ったリボンが結ばれている。 『だれよりも はやく そらのむこうへ♪』 『とんでいって “あなた”に あいにいくの!』 そのあなた、というのが。 誰を指しているのかは、当の本人にしか、わからない。 『きょうは なんだか いつもよりもずっと♪』 『みんな みんな すべてが かがやいているの♪』 殺風景、としかいいようがない地下室。 その瞳には、何が映っているのか。 『きっと こういう ひには いいことが あるわ♪』 『でも なぜかどうしても どあが ひらかないの』 固く、閉ざされたドアの先。 その先を見たのは……もう、何年前だろうか。 『きらめいて はなもきも みんな みんな わらっている』 『わたしの まわりを────ま わ る !』 ばっ、と。腕を広げ、天を仰ぐ。 そこには、石の天井しか見えない。が。 『まあるい おそらを みあげてみれたら おひさまさまたち きらきらきらりん!』 『みんなで わたしが がんばれますように みまもってくれているの? ああ!』 『いとしい“あのひと”も どこかできっと わたしにむかって わらってくれる!』 『そうしたらわたしは いまよりもずっと あしたをすてきに あるけるの♪』 『たーぶーんー♪』 ぱたり。ベッドへと、上体を倒す。 その顔に浮かぶのは、何故か、底抜けに幸せそうな笑みで。 『とても ふしぎ ふしぎね たのしくなって♪』 『うつりかわる すべてが なないろにひかる♪』 『きっと さっき たべた きのこのおかげ♪』 『でも なぜかどうしても あしが うごかないの』 その足の健は、もう逃げることがないように。 断ち切られ、もはや立つことも叶わない。 『うたってる はなもきも みんな みんな ささやいている』 『わたしの まわりを────ま わ る !』 笑いながら、笑いながら……なぜか、こぼれてきた涙を気にすることもなく。 何かをごまかすように、歌い続ける。 『まあるい おそらを みあげてみれたら ほしくずさまたち しゃらしゃらしゃらりん!』 『すてきなおうちで あしたもきっと すばらしいひが まってるの? ああ!』 『いとしい“あのひと”も いつかはきっと わたしのことを みとめてくれる!』 『そうしたらわたしは いまよりもずっと じぶんをすてきに おもえるの♪』 『たーぶーんー♪』 『みんながわらってる……わたしをわらってる……わたしをゆびさして、笑って、る』 『私がわらってる……わたしを嗤ってる……っ、私を、ゆび指して……指、さし、て』 「っ……あああああああああああぁぁぁっ!!!!!!!」 その瞳に。 僅かに、正気の光が戻って。 ────誰にも彼にも愛されていない切れっ端の様な女の子がね 「嫌だ、嫌だあっ! もう、嫌だっ! 助けてくれ、誰かぁ!」ずるずると、もう動かなくなった足を引きずり、這う。 ────どこまでも続く暗闇の中で助けて欲しいと叫んだってね 「私は、私はっ……うぅ。メイ、ぐら男っ……ネームレス、アデリー、アン……!」もう、その声も顔も。朧げにしか、覚えていないけれど。 ────こんなにとおくて暗い所へ迷い込んじゃった女の子をね 「アイー、リオ……っ」かつての仲間たちの、名前を、呼ぶ。無駄であるとは、わかっていても。 ────助けてくれる人なんて居ないと気づいた時には手遅れなのよ 「助けて、くれよお……誰か、誰か……私もっ…………」伸ばした手が、掴まれることは無く。 皆が皆で、私を囲んで私の周りで嗤っているの。 誰も助けてはくれはしないのに、じっと見つめては 、嗚呼。 耳を塞いでも聞こえる声が、暗闇の中、響いて。 暗闇を見つめて。 一人見つめ返してきたのは私。 自分を見つめて “私”に “わたし”が “私”を “わたし”が “私”が 崩れる。 どろりと溶ける。 そうして私は 悲鳴を、上げる。 『らららららららららららららららら♪』 もはやまともな言葉すら紡がず。 『ららららららららら♪』 膨らんだお腹を撫でながら、歌ともとれぬ旋律を唄う。 『らららららららららららららららら♪』 すべては、過去のこと。 『ららららららららら♪』 その瞳に、光が戻ることは、もう。 ──────────────げんきになったときのうた──────────────