タイトル:霹靂の回廊亭 キャラクター名:リアニム・ムラリウス 種族:ティエンス [特徴:通じ合う意識] 生まれ:妖精使い ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:10 性別:女 髪の色:白  / 瞳の色:深紅 / 肌の色: 身長:136cm 体重:33kg 経歴1:B6-6 始まりの剣を持っている(いた) 経歴2:B1-3 異種族の友人がいる 経歴3:B6-5 引きこもっていたことがある 穢れ度:0 ■能力値■      技     体     心 基礎    7     11     10    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F   4   4   3   5   7  11 成長   4   4   2   5   2  11 →計:28 修正 =合計= 15  16  16  21  20  32 ボーナス  2   2   2   3   3   5    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本  13  15  51  35 特技         0   0 修正 =合計= 13  15  51  37 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:10 Lv フェアリーテイマー 1 Lv  /  スカウト   9 Lv セージ       1 Lv  /  エンハンサー 6 Lv バード       10 Lv  /         Lv ■戦闘特技・値■ [参照]  特技名      : 効果                              : 前提 [p2120] トレジャーハント  : 戦利品のロールに+1                       : スカウトLv.5 [p2123] ファストアクション : 戦闘の第1ラウンドで先手なら、主動作を2回行える         : スカウトLv.7 [p2120] 影走り       : 乱戦エリアの脇を通り抜けるとき、乱戦を宣言されない       : スカウトLv.9 [p2-229]特殊楽器習熟    : カテゴリ「特殊楽器」使用可能                  : [p2-228]呪歌追加      : 1レベルと5レベルのバードの習得枠をそれぞれ1つ得る 合計+2枠  : [p2-229]ハーモニー     : ペットと共に別々の呪歌を歌い、同一達成値扱いで同時に効果を得る : [p2-234]スキルフルプレイ  : 直後の演奏判定を2回行い、好きな方を選んで適用         : [p2-231]楽素転換      : 生成されている楽素1点を別のものに切り替え           :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本   4  11  16  48 修正 特技        0 =合計=  4  11  16m  48m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名      : 効果                                                     : 前提 [p]  オウルビジョン   : 暗視を得る。                                                 : [p]  アンチボディ    :                                                        : [p]  ラビットイヤー   :                                                        : [p]  メディテーション  :                                                        : [p]  ケンタウロスレッグ :                                                        : [p]  シェイプアニマル  :                                                        : [p]  モラル       : なし ↑1 13 ♡1 命中+1                                           : [p]  レジスタンス    : なし ↓1 13 ↑1 抵抗力+1                                         : [p]  レクイエム     : ↓2♡1 消滅 属性なし ↓1 13 ♡1 「アンデッド」の行為判定に-2                       : [p]  終律:秋の実り   : ↓1♡1 属性無し 1体のMPを「k0+奏力」回復、1日1回                               : [p]  終律:華の宴    : ↓2♡2 属性無し 3体までのMPを「k10+奏力」回復、1日1回                            : [p]  終律:蛇穴の苦鳴  : ↓4 半減 属性呪い 3体までに「k20+奏力」ダメ。                               : [p]  ブレイク      : なし 消滅 ↓2 18 ↓1 抵抗力-1                                      : [p]  トランス      : なし ↑2 18 ♡1 魔法行使+1                                         : [p]  アトリビュート   : なし 必中 属性無し ♡2 - ♡1 効果範囲内の「水・氷」「炎」「風」「土」「雷」のいずれかの属性ダメージを+2点 : [p]  ノイズ       : なし ↓1 13 ↓1 魔法行使-1                                        : [p]  バラード      : なし ↓1 13 ↓1 回避-1                                          : ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター : グラップラー: フェンサー : シューター : ・武器 価格 用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照) 30  1H投   1      0   1  10   0 [ソードB] *ナイフ / (1-301p) =価格合計= 30 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 :  1      2   15 クロースアーマー / 盾 :              / 修正: = 合計 =    0   2   15 G (回避技能:) ・装飾品    価格 名称             / 効果 頭 :506  ラル=ヴェイネの髪飾り    / 天然石 耳 :505  ラル=ヴェイネの耳飾り    / 同上 顔 :4000 ひらめき眼鏡         / 見識・探索+1 首 :7500 ラル=ヴェイネの金鎖     / 装備部位:その他を得る 背中:530  ラル=ヴェイネのハーフマント / 右手:500  知性の指輪          / 左手:500  俊足の指輪          / 腰 :250  宝石ケース          / 「水・氷」「炎」「風」 足 :600  ラル=ヴェイネのアンクレット / 銀製 他 :503  ラル=ヴェイネのリボン    / =合計=15394 G ■所持品■ 名称              単価  個数 価格  備考 ーー冒険道具類ーーーーーーー         0 罠探知の棒           150  1   150  両手に持っていると罠回避判定に+1のボーナス。 聴音の筒            300  1   300  壁にこのアイテムを当てて聞き耳判定をする場合に、+1のボーナス。 悪魔の血盤           400  1   400  脅威度8以下の魔域の脅威度がわかるかもしれない。 北向きの針           1000  1   1000  必ず北を向く針。 望遠鏡             1000  1   1000  倍率5倍 迷わずのチョーク        1200  1   1200  使用者が2度以上その場所を通ると発光する。1か月持続。@100回。 スモークグラファー       1700  1   1700  大きさ:小さな部屋、時間:1分で任意の映像を煙で作る。 獣除けの蝋燭          2130  1   2130  主動作で点灯。「動物」の特殊能力の達成値-4。累計10分まで。 マジックコスメ         4000  1   4000  変装判定+2。                        0 ーー冒険道具類消耗品ーーーーー        0 酒の種             100  1   100  @10粒 ジャックの豆          100  2   200 ネズミ玉            100  2   200  達成値の比べあいをするとき使用すると、隠密判定に+1。 5点マナチャージクリスタル    2500  1   2500 1点消魔の守護石         100  3   300 月光の魔符+1          500  1   500 陽光の魔符+2          1500  1   1500 アイスクリスタル        0   1   0   炎ダメ5点軽減。消費                        0 ーーポーション・薬品ーーーー         0 ヒーリングポーション      100  1   100  k20+レンジャー知力HP回復。 アウェイクポーション      100  1   100  【アウェイクン】と同効果。 アンチドーテポーションⅠ     500  1   500  達成値15以下の毒を解除。 アンチドーテポーションⅡ     2000  1   2000  達成値20以下の毒を解除。 キュアストーンポーションⅠ    500  1   500  達成値15以下の石化を解除。 キュアストーンポーションⅡ    2000  1   2000  達成値20以下の石化を解除。 ワクチンポーション       0   1   0   600G。HP回復威力20、毒属性ダメージを受けていた場合、威力+30(威力50) 七色ハチミツ          240  1   240  3時間の間、呪歌の達成値+1。                        0 ーー一般装備品ーーーーーーー         0 冒険者セット          100  1   100 ベルトポーチ          15   1   15 使いやすい調理道具セット    50   1   50   調理判定+1。 テント4人用           250  1   250 小型ハンマー          10   1   10 フック             10   2   20 舞っ平らの手鏡         50   1   50   変装判定+1。 着替えセット          10   2   20 軽い羽根ペン          50   1   50   執筆速度+10% インク             3   1   3 羊皮紙             5   5   25   @25 ハンカチ            4   3   12 ぬいぐるみ           30   1   30 虫眼鏡             100  1   100 砂時計             120  2   240  3分を測れる。 ティーセット          60   1   60   ポット、茶漉し、カップ×4。 化粧品セット          100  1   100 ワイン             20   2   40   瓶。 保存食お徳用          50   2   100  @14日分                        0 ーー冒険技能用アイテムーーー         0 ミューズのホルン        16900 1   16900 専用化。巧奏値を上回ると追加で楽素を生成。 ペット             100  2   200  蛙と小鳥 精密ツールセット        2500  1   2500  スカウト技巧判定+1。1ゾロで壊れる。 アンロックキー         100  2   200                     1   0 消費金額            3255  1   3255 アステル手製の化粧品      0   1   0   もらった。 巧みの指輪           500  1   500 水晶の首飾り          3000  1   3000 猫用の赤いショール       100  1   100 =所持品合計=   50550 G =装備合計=    15439 G = 価格総計 =   65989 G 所持金   81050G 預金・借金    G ■魔力■ 知力ボーナス: 3 特技強化ボーナス: 0 武器ボーナス: 0  名前  Lv 追加修正 魔力 妖精魔法 1       4 ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       - - エルフ語  ○ - / ドラゴン語     ○ - ドワーフ語 - - / ドレイク語     ○ - 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     ○ - 魔動機文明語○ - / 魔神語       ○ - 魔法文明語 ○ - / 妖魔語       - - 妖精語   ○ - / グラスランナー語  - - シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 [種族] ○ - オーガ語 初期習得言語:交易交通語、魔神語 技能習得言語:妖精語、1個の会話or読文、8個の会話 ■名誉アイテム■ 点数 名称   5 使いやすい調理道具セット  20 舞っ平らの手鏡  10 軽い羽根ペン  50 楽器〈ミューズのホルン〉専用化  50 宝石ケース専用化 所持名誉点: 641 点 合計名誉点: 776 点 ■その他■ 経験点:5630点 (使用経験点:48000点、獲得経験点:50630点) セッション回数:28回 成長履歴: 成長能力  獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 1- 器用度   2500点(   /2500 / 回) 2- 器用度   1160点(   /1160 / 回) 3- 器用度   1180点(   /1180 / 回) 4- 敏捷度   1210点(   /1210 / 回) 5- 敏捷度   1690点(   /1690 / 回) 6- 生命力   1260点(   /1260 / 回) 7- 生命力   1300点(   /1300 / 回) 8- 生命力   1450点(   /1450 / 回) 9- 知力    1390点(   /1390 / 回) 10- 知力    1690点(   /1690 / 回) 11- 精神力   1480点(   /1480 / 回) 12- 精神力   1420点(   /1420 / 回) 13- 精神力   2320点(   /2320 / 回) 14- 精神力   1560点(   /1560 / 回) 15- 精神力   500点(   / 500 / 回) 16- 精神力   1380点(   /1380 / 回) 17- 精神力    0点(   /   / 回) 18- 精神力    0点(   /   / 回) 19- 器用度   1400点(1400 /   / 回) 20- 筋力    1320点(1320 /   / 回) 21- 筋力    1450点(1450 /   / 回) 22- 精神力   1840点(1840 /   / 回) 23- 生命力   1590点(1540 /   / 1回) 24- 敏捷度   1620点(1620 /   / 回) 25- 敏捷度   1880点(1880 /   / 回) 26- 生命力   1850点(1850 /   / 回) 27- 精神力   1660点(1660 /   / 回) 28- 精神力   1900点(1900 /   / 回) 29-      1300点(1300 /   / 回) 30-      1720点(1720 /   / 回) 31-      1840点(1840 /   / 回) 32-      2110点(2110 /   / 回) 33-      1960点(1960 /   / 回) 34-        0点(   /   / 回) 35-      1700点(1700 /   / 回) 36-        0点(   /   / 回) 37-        0点(   /   / 回) メモ: 冒険に出た理由:44なりゆき 一般技能:配達員3、貴族1、歌手4、兵士1、踊り子2、物乞い1、娼婦1 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ むかーしむかし、あるところに、奈落から民を守る役割を与えられた夫婦が、暮らしていました。 毎日、過酷な環境の中に身を置き、ひたすら戦って生きていました。 でも、それを不幸だと思ったことはありませんでした。 なぜなら、皆のことを深く愛していたからです。 皆の日常を守るために、2人は戦いつづけていました。 齢が40を迎えるころ、「もう休んでいい。」「もうあんたらが頑張るときは終わったんだ。」老いのために、役目から外されました。 2人は、残りの時間を幸せに生きようと思いました。 子供を作って、3人で普通の家族みたいに暮らすのだと二人は話しました。周りには仲のいい知人がたくさんいます。きっと、自分たちがいなくなっても子を育ててくれると信じていました。「我が子の成人が見えないのは残念だけど」そう言って二人はこれからのことに思いをはせました。 しばらくして、2人の間に一人の子供が生まれました。 「ーーー」と名付けられたその子は、すくすくと育ちました。 その子が、5歳の誕生日を迎えた日のこと。 奈落から魔神の軍勢が溢れ出てきたという報せが届きました。 国からの、軍がつくまでの防衛をせよ、との命令でした。 辺鄙な場所にあるこの村にたどり着くまでには幾日もかかるでしょう。 つまり、命を使い、足止めをしろとの通達でした。 二人は皆のためになら、自分たちを犠牲にできます。 子供を避難する者に託し、二人は魔神と戦いました。 いえ、戦いにもならず、ただ数の暴力に押しつぶされたかもしれません。 彼らは今わの際に願いました。「どうか我が子が長生きしますように。」 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- むかーしむかし、ある村に一人の男が住んでいました。 男は、村を守っている夫婦に憧れを抱いていました。 小さいころに魔神に襲われそうになったところを助けられて以来、自分も彼らのように魔神を倒せるような頼れる男になりたい、と思っていました。 しかし、彼には師と呼べるものがいなかったのです。 誰にも教えを乞うこともできず、時間が過ぎていきました。 例の夫婦が退役したと、聞いたとき、彼はすぐに夫婦のもとを訪れました。 「どうにか弟子にしてくれないか」彼は頼みました。 その戦闘力に反し、夫婦は優しく彼は弟子にしてもらいました。 毎日訓練をし、山猫程度なら倒せるようになり、充実した日々を過ごしていました。 その日々は突然終わりを告げました。 魔神が大群で押し寄せてくる、と報せを聞きました。 仲の良かった夫婦に子供を連れて逃げてほしいと頼まれました。 「自分も戦える」彼は言いました。「お前が残るなら誰が娘を守ってくれるんだ。」 彼は、夫婦が、実子のことだけでなく、自分の心配もしてくれているのだと理解しました。 彼は頷きました。 「ご無事で。」願わずにはいられませんでした。 彼は夫婦の子を連れ、安全な場所を求め、首都の方へと馬を走らせました。 無事に首都についてさらに数日が経ちました。 いつまで避難所で過ごせばいいのか。皆が不満と不安を抱き、子供は泣きじゃくっています。 「泣かないでくれ。」彼なりに必死にあやしますが、泣き止みません。 悪い噂が流れました。 「軍隊が負けた。」「じきに魔神がここまでやってくる」「国は何をしている」「俺らはどうすればいいんだ」 混乱が訪れ、暴れるものも現れ、ただでさえ少ない兵士がそれを止める日々。 皆が早く終わってくれと、そう望んでいました。 変化が起こりました。城門の方から大きな破壊音が響き渡ったのです。 魔神がこの都市まで攻めてきた、狂乱が訪れました。 自分以外のものは押しのけ、踏みつぶし、より先へ、より先へ。 ただ逃げ回る住人達と追いかける狩人たち。 この国は滅びるのだと、皆が理解しました。 どうにかして、生き残る術はないのか。彼は考えました。 ふと、目につくものがありました。 小さな金属製の箱、小さな子供が1人はいれるくらいの大きさ。 ....これならば、自分は無理でもこの子だけは助けられるのではないのか...? そこからはすぐに体が動きました。 彼はすぐ傍にいる者に話しかけました。 「なぁ、しばらく眠っててくれないか?そのほうが運びやすいんだ。」 「■■■■■」 「あー...少し、食料が厳しいんだ。だから、収まったらすぐ起こすからさ、長い方の眠りだ。」 「■■■■■」 「ああ、大丈夫だ。安心しろ。おにいちゃんが絶対助けてやるからな。」 「■■■■■■■」 仮死状態になったその子を無理のない範囲で体を丸め、見つけた箱に納めた彼は、一つの魔法を唱えました。 「真、第六階位の封。封印、閉鎖、強化―強錠。」 「これで見つからない限りは無事なはずだ。念のため、隠して...。」 「...いつ、目覚めさせてくれる者がくるかはわからない。だけれども、これが最善だ。」 「...幸運がありますように。」 誰もいない避難所を覗く影があった。 牛ぐらいの大きさの四足獣の姿をしていて、口元にはべっとりとした赤い液体を、体には小さな焦げ跡...がすぐに消え、黒い毛皮に戻ったその生物はその様子を見て、一言呟きました。 「ダレモイナイ」 残念そうに呟くと、まだまだ獲物がいるであろう、悲鳴の方へと歩いていきました。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ある所に一人のドレイクがいました。 力のある上位蛮族の一人で、真語魔法と操霊魔法を高レベルで扱えることから「魔導子爵」と呼ばれ、恐れられていました。 部下を引き連れ、遺跡を探索していたとき、奇妙な箱を見つけました。 あまり大きくないその箱に、ものが入っている。 「開けろ。」そう命じると斥候の技術を持った部下が開こうと近寄り、開けられずに言葉を返してきました。 「コワス、ナイ。アケル、ナイ。」 「魔法の鍵か。」アンロックキーを放り投げ、「それでやってみろ。」 そう告げると、すぐにそれを受け取り、箱を開けました。 「タベモノ。ニンゲン、アル。」 「死体か?」 近づき、中を見ると、小さな人族の少女がうずくまっているのが分かりました。 (腐っていない?銀色の髪と、左手に...宝石か。ティエンスか?) 「試してみるか。」そう呟き、「真、第七位階の感。魔力、理解、探知-解魔」一つの魔法を発動させました。 (やはりな。)「そいつは持っていく。食うなよ。」部下に命じました。 山岳にある遺跡...住処にしている場所へと今回の戦利品を運び込ませ、一つの実験を行うことにしました。 「上手く躾ければスパイに育てられるか?穢れもない、神聖魔法でも判別できないというのは利点だな。人族は恐れるるに足らないというが、魔法の知識は貴重だ。殺す前に全て、蒐集しておかなければな。なに、失敗したら喰らえばいい。人の肉が食べたいやつらは多いしな。褒美にして、部下のやる気を煽るのも悪くないか。」 「まずは逃げ出さないように檻に入れ、バルバロスこそが至高の存在だと頭に叩き込むところから始めるか。」 「予想通り目覚めさせることができた。大きな声で叫び続けていたが力の差を教え込めば静かになった。やはり脆いが、これからだ。」 「抵抗が無駄だと分かったのか大人しくなった。食事を与え、殺さないようにと命令し、しばらく部下に任せる。」 「しばらく経った。そろそろ教育をして行くべきだな。怯えていたが、それでは困る。自分の役割というのを教えこまなくては。」 「訓練をさせることにした。ノルマをクリアできなければ食事を無くし、罰を与える。この方法が一番皆吸収が早いからな。」 「戦いの才能がないようだ。武器を与えても、素手だとしても、発動体などの触媒を与えても何一つまともに使えなかった。ただ、斥候としての才能はあるようだ。望んでいた最低限ではあるがスパイとしては活用できるだろう。戦力を持たないなら反攻する気も起きないだろう。これからは戦闘訓練は罰を与えたい時に言いつけることにする。」 「知識も身につけさせなければ。汎用程度ならわかるようになったが、それだけでは足りない。いくつかのバルバロスの言語を覚えさせた。」 「人族は弱く、悪で、バルバロスは強く、正義であり、本来の支配者だ。お前は特別で、人族に盗まれた知識を取り戻すために、生かしている。」 「これから人族の村へ行く。このナイフで2人以上殺してこい。証として頭を持って帰れ。できなければ、お前は殺す。特別に生かしてやっているんだ。忠誠を。人族に味方することはないと、示して見せろ。」 「また訓練だ。お前は人族の中では優秀だ。特別な訓練をしよう。痛いと言って、匙を投げるなんてことは許さないからな?」 「人族の愚かさ、人族の狡さを教えよう。どれだけ自分が惨めな存在か改めて思い知れ。そして、その中でもお前だけは生かしてやる。」 「人族の街に(固有名詞)と共に潜入し、1週間生き延び、戻ってこい。怪しまれたら死ぬぞ。」 「いい拾い物をした。」1人佇みつぶやく。 「戦力として期待出来ないのは良くないが、見た目と身のこなしは悪くない。これならば目的も果たせるだろう。」 「働かせて、目的が果たせたのなら用済みだ。殺して、部下にでも振舞おうか。」 「さて、次はどの街を…」 何かに気づき、耳をすませ、「静かだな?」 異様に静まり返った周囲。部屋への扉を開ける音が響く。