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クトゥルフ PC作成ツール
有栖川 怜
ID:3208248
MD:acdd80a8b73b218a1c638f5666224221
有栖川 怜
タグ:
赤薔薇
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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初期
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デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
通過シナリオ「君におはようと言えたら」「キャンディレイン」「飛ぶのは、凶」「探索者がシャトルラン走るだけ」「肉ノ結婚」「肉ノ迷宮」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ドレスデザイナーとして活動をしている男性。 デザイナー界隈ではそれなりに有名人であり、普段は都内にある自分のアトリエに引きこもっている。 様々な企業から声をかけられてはいるが、それらは全て断っており、あくまでも自分の作りたいものを作るためだけに活動している。 自分の気の向いた時にしかドレスを作らず、自分の認めた相手にしか売らない。 それでも有名なのは、彼にしか表現できないセンスでもって生み出されるドレスが様々な人物の目を惹きつけるためである。 性格は基本的に面倒くさがりであり、かなり不愛想。 気を遣ったりするのも面倒であるため、極力人との関わりは避けようとする。(社会的な対応は一応しっかりとしている) なにか行動を起こすにしても、やり始めるまでの時間が長い。 また、気が乗らなければ、いつまでも手を付けることがなく、かなりの気分屋。 ただし、一度手を付けはじめれば、かなりの集中力を発揮し、三日三晩、飲まず食わずでその一つの物事に取り組む姿が見られる。 そのため、しばしばアトリエ内でぶっ倒れている姿もしばしば……。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【肉ノ結婚事前設定】 最初に抱いた印象は「物好きで面倒な奴」だった。 それは某都内、よく晴れた昼下がりのあるアトリエでの出来事。いつもとなんら変わらない日々のちょっとした出来事の1つ。 そのアトリエにはいくつものトルソーやマネキンが広い部屋の一角に立ち並び、壁に沿って並ぶ棚には様々な色や柄の布地がロール状に並び、また、その部屋の中央にはイーゼルとキャンバスが設置されていた。その前には椅子が一脚設けられており、俺はその椅子に腰を掛け、目の前のキャンバスに描かれたデッサンをじっと睨みつけていた。ふと視線をキャンバスから逸らし、その後ろに意識を向ければ開け放たれたクローゼットにいくつもかけられているドレスが目にちらつく。それらは今まで俺自身が手掛け、作り上げられてきたものであり、俺の唯一の商売道具だ。 すっかり止まってしまったペンを握った手を下ろし、ふと立ち上がり、並べられたドレスの1つを引っ張り出す。その手に収まっていたのは派手な装飾などはあまりなく、慎ましいながらも気品と美しさを兼ね備えた一着の所謂ウェディングドレス。 きっかけは幼い頃、ある親戚の結婚式に参列した時のことだった。 その当時、よく家に遊びにきては世話になっていたお姉さん的存在の人が結婚するとのことで、親に連れられて綺麗な教会に行ったことは覚えていた。 よくわからない大人達に囲まれて、退屈だと感じていた時、教会の扉が開き、目に飛び込んできたのは息をのむのも忘れるぐらいに衝撃的な光景だった。 普段とは違う雰囲気に後ろから差し込む光がより美しさを演出していて、普段は見る事すらない純白のドレスに身を包んだいつもとは違う女性がそこにはいた。 いつも見ていた人のはずなのに、どこか現実とはかけ離れた雰囲気に圧倒されてしまっていた。 こんなにも女性は輝けるのかと…胸を締め付けられるほど、視線を逸らせないほどにその光景は何よりも「綺麗」だと感じた。 もしもあんな瞬間を自らの手で作り出せるのなら…その一心で色々と手を尽くし、たどり着いた先がドレスデザイナーという職だった。 その女性にとって最高の瞬間に着飾るドレスを自らの手で生み出せたら…そう考えながら日々過ごしていたが、ここ最近はスランプに陥っていた。 いくつもの案は思い浮かぶが、形にしてみてもどうしても満足のいく出来に仕上がらず、あの時のような本心から「綺麗」だと思えるようなものに仕上がらない。 深く溜息をついて、手に持っていたドレスを戻そうと顔を上げた瞬間、ふと窓のほうを見てみればその人と目が合った。 日光をよく取り入れられるように設置された大きめの窓の向こう側。そこには一人の女性がこちらをじっと見つめて立っていた。 外側からアトリエの中もよく見れる構造になっているため、よくここで作業をしていると、興味を持つ人がたまに見ていくことがあった。 この女性もそんな通行人の一人なのだろうと思いつつ、気に留めないことにしてドレスを戻し、作業へと戻って行く。 適当に作業に没頭していればそのうちいなくなるだろうし、相手にして面倒事を増やすのも勘弁だったからだ。 だから再びキャンバスへと向き直り、デッサンを続けていく。作業に没頭していれば、他のことも考えずに済んだ。 ただ一心に、ただ目の前のことに向き合って、ペンを動かしていく―― やがてデッサンを終えて、ある程度のイメージを目の前のキャンバスに落とし込めた。アトリエ内に差し込む光も赤みがかってきて、作業もひと段落したところでそろそろ休憩しようかと腰を持ち上げて、ふと視線を下に落とすと、差し込む影に違和感を覚える。 こちらの足元にまで伸びる誰かの影が一つと目が合ったのだ。 また誰かが覗きに来ていたのだろうかとゆっくりと顔を上げれば、その目に映ったのは、先ほども見た女性の顔。壁にかけられている時計へと目をやれば、最初に見かけた時から5時間は経過していたはずだ。 その間、ずっとそうして見ていたのか? いや、もしかしたら一度どこかへと出かけて、また戻ってきたのかもしれない。 そんなことを考えながら再び彼女へと視線を移せば、その女性は柔らかな笑みを浮かべ、小さく頭を下げてきた。 普段であれば人と関わるのは極力面倒だからと相手にもしなかっただろう。今日はもう終わり、それだけのはずだった。 しかし、もしずっとその場で見ていたのであれば、流石に放っておくのはなんだか悪い気もした。そんな、ただのちょっとした気まぐれだった。 作業部屋を後にして、手早く身だしなみだけを簡単に整え、外に出る。 女性が立っていた窓先のほうにまで足を運んでみれば、案の定その人物はじっと食い入るようにアトリエの中を覗き込んでいた。 「あー…そんなに気になるのなら、案内しましょうか?」 その人物の後ろからそんな風に声をかければ、彼女はすこし驚いたようにこちらに振り替える。 声を掛けられると思ってもなかったのだろうか、夕焼けに照らされて赤みがかった髪を揺らし、丸い目を右往左往させながらもコクリと頷いてみせた。 その様子を見ては、踵を返し、玄関の方へ歩みを進めて扉を開き、再び彼女のほうへ視線を移し、「どうぞ」と中へ促す。 その女性はすこし小走りで自分の後ろに続いてアトリエへと足を運び入れると、そのまま作業場の方へと案内していく。 その途中でふと、気になったことを口に出す。 「ずっとあそこで見てたんですか?」 その問いに対して、彼女はすこし恥ずかし気に顔を俯かせながらも、おずおずを口を開いた。 「えっと…綺麗なドレスとかがいっぱいで、どんな風に作られてるのかなって気になって見ていたら、つい…」と。 その言葉から、恐らく本当にずっとあそこにいたのだろうと想像がつく。 それだけの時間よくもまぁあの場にずっといたものだと思いつつも、同時にそれだけ見入ってくれていることに気恥ずかしさもありつつ、それを誤魔化すように一つ深いため息をつく。 作業場の扉を開き、その中へ彼女を案内すると、見ればわかるほどに目を輝かせ、並べられたドレスや作業台、立てかけられていたキャンバスや机の上に並べられた数々のデッサンを食い入るように見入っていた。 やはり女性にとってはウェディングドレスは1つの憧れであり、そのドレスの数々を身に纏う姿を想像しては心を躍らせるものなのだろうか…そんなことを考えつつ、彼女から投げかけられてくる一つ一つの質問に答えながら、彼女ならばどのようなドレスが似合うだろうかと、気が付けばいつもの癖のようなものが出ていた。 日もすっかりと落ち、月明りがアトリエに降り注ぐ時間になったころ、ようやく満足したのであろう彼女を流石に一人で帰すわけにもいかないため、送って行こうという話になり、アトリエを後にする。 「すみません…案内もしてもらったのに、近くまで送ってくださって」 「別に、買い出しもあるんでそのついでですよ。一人で帰してなにかあったら後味悪いですし」 そんな話をしながら、すっかり静まり返った夜道を二人で並んで歩いていく。 特に仲がいいわけでもなく、今日あったばかりである上に、そもそも自分から話を振るような人間でもないため、ただ二人の足音だけが辺りに響いていた。 そんな静寂に耐えきれなくなったのか、隣を歩く彼女が「あのっ」と口を開く。その声につられて、視線をそちらに向ければすこし緊張しているのであろう彼女の揺れる瞳と目が合う。 「その、明日もあそこでお仕事をされているんですか?」 彼女のすこし緊張した面持ちから、なにか大事なことでも切り出されるのかと思っていたため、その言葉の意図が掴めず、「えぇ…」とただそれだけを零す。 すこしだけ間を置いて、彼女が一度唾を飲み込めば、意を決したように口を開く。 「よければ、明日も見に行ってもよろしいですか…? もちろん、お仕事の邪魔にならないようにしますのでっ」 なにをそんなに必死そうに尋ねるのかと思えば、そんなことかと肩を落とす。例えばドレスを作ってくださいだとか、実は企業の人間でーとか、そういった話であれば面倒だからと断ったことだろう。作り上げたいものを作るのに様々な枷をかけられるのが心底嫌いだからだ。 しかし、ただ別に見ていたいというのであれば特に断る理由もない。自分も他人の技術を見て盗む時によくやってきたことだ。邪魔にならないのであればそれでよかった。 「まぁ、別に構いませんが――」 その言葉と同時に彼女はパッと顔を綻ばせる。それほど嬉しいことなのか?と不思議に思ったりもしたが、彼女にもなにかしら思うことはあるのだろう。そこまで踏み込むことでもないため、その場では気にも留めなかった。 そんな考えを他所に、彼女は前へと躍り出ればくるりと踵を返し、こちらに向き直りへにゃりと笑みを浮かべる。 「それじゃあ、私はこの辺りで。あ、私、高木命って言います。また明日、よろしくお願いしますね、有栖川さん」 そう告げて、彼女は小さく手を振れば、早足でその場を去っていく。自分も軽く手を挙げて応えれば、買い出しに向かおうと歩みを進める。 そういえば自分は名乗ったか?とふと疑問に思うものの、もしかしたら以前から見ていたこともあったのかもしれないなどと気に留めることはなく、これから頻繁に顔を合わせる事になるのだろうか、あのアトリエの前であれだけ集中して見入る事が出来るなんて随分と物好きなんだなだとか、ふと思い返せば自分もドレスに対しで色々と知ろうとしていた時はあんな風だったのだろうかなどと思いつつ、なにはともあれ、これが彼女――高木命との出会いだった。 ――アトリエでいつものように布生地を手にミシンを動かしながら作業をしていると、後ろから声がかけられる。 「有栖川さん、そろそろお昼にしませんか?」 桃色の髪を揺らしながら、高木さんがこちらの顔を覗き込みながら、綺麗に盛り付けられたサンドイッチの乗った皿を手に笑みを向けてくる。 高木命と知り合ってから数か月の時が過ぎようとしていた頃、もはや彼女がアトリエにいる事が当たり前のようになっていた。 最初の頃こそ、週に2、3回ぐらいの頻度が今ではほぼ毎日通ってくるようになっており、ただ見学していただけだったはずが、気が付けばアトリエ内の軽い掃除や食事を作ってくれたりと、ちょっとしたお手伝いさんとして、すっかりアトリエに溶け込んでいたのだ。作業に没頭しすぎて食事を怠ることの多かった自分が高木さんに注意を受け、ちょっとした喧嘩になったのは記憶に新しいところだろう。結局はこちらが折れる事になり、こうして食事やらを準備してくれるようにもなった。 こうして大きな変化と共にいつもと違う日々を過ごしていたが、ここ最近、もう一つ大きな変化が二人の間に訪れていた。それは―― 「はい、あーん」 物思いに耽る自分の目の前にずいっとサンドイッチが差し出される。それを手にしてる彼女はすこし頬を赤らめながらも、それでも真っ直ぐにこちらを見つめてじっと口にするのを待っていた。 普段であれば絶対に相手をしないようなことではあるのだが、”そういう関係”であるのならば特に断る理由もないし、なにより相手にしなくていじけられるほうが面倒だ。じっとこちらを見つめる瞳に観念したように小さく溜息をつけば、差し出されたサンドイッチを口に頬張る。満足そうに笑みを浮かべる彼女に、どこか気恥ずかしさを感じて、視線を逸らす。今までは考えられもしなかった、すこし甘ったるい日常がそこにはあった。 そんな昼食の時間を終え、作業がひと段落したところで、ふとそういえばと思い出したように口を開く。 「そういえば、今週末は空いてるか?」 そんな何気ない問いかけに、作業部屋の片付けをしていた彼女は突然のことで驚いたのか、すこし間の抜けた返事を返し、頷いてみせる。 「その日に式場の下見に行く用事があるんだが、すこし遠い上に港のほうにある式場でな。折角の遠出だから、ちょっとした観光がてらツーリングでもと思ったんだが…一緒に来るか?」 「えっ? それって…デートってこと?」 彼女の興味が惹かれたのか、相手がずいっとこちらに詰め寄ってくれば、「あー…そうなる、か?」と我ながらなんとも情けない声で、そういうことになるのか?などと考えながら口に出すが、逸らしていた視線をちらりと彼女のほうを向ければ、今にでも踊りだしそうなぐらい嬉しそうな笑みを浮かべて、咄嗟にこちらの手を握る。 「行く! 絶対行くよ! すっごく楽しみにしてるからっ!」 ここまで喜ぶと思っておらず、呆気に取られている自分を他所に、「初デートかぁ…えへへ」と恐らくその日はどうしようかなどと考え、期待に胸を膨らませているのであろう彼女を見て、こういうのもたまには悪くないかと頬を緩めた。 ――数日後、海の一望できる教会に訪れていた俺は高木さんと共に式場を見て回った後、近場のレストランへと足を運び、テラス席へと腰を落ち着けつつ、昼食をとる事にする。適当に注文を済ませつつ、一息つけば水の入ったグラスをあおりつつ、前に座っている彼女のほうを見やる。 彼女は先ほど見学していた式場を思い返して興奮冷めやまぬといった感じで、「あの教会の内装が~」だとか思ったことや感じたことを抑えきれないといった感じで話してくれていた。やはり女性のほうがそういったものに憧れが強いのもあるのだろう、彼女ならではの視点や捉え方を教えてくれるため、最近は彼女から学ぶとこも決して少なくはなかった。 数か月前まではスランプに陥っていたというのに、今では彼女のおかげで新たな視点を得て、仕事方面においても軌道にのってきていた。それもこれも、一つの目標を得られたからなのかもしれない。 「えっと、なにかついてる?」 ふと、じっと見つめていた彼女と目が合えば、どうしたの?と小首を傾げて不思議そうな顔をする。ずっと考え事をしていてそのつもりはなかったのかもしれないが、もしかすれば―― 「――いや、ただ見惚れていただけかもな」 そんなふうに冗談っぽく誤魔化す。 こちらの口からそんな言葉が出てくるとは思わなかったのであろう彼女は「そ、そう?」と頬を赤く染めて、照れたように俯く姿もまた愛おしいだなんて感じて。こんなことを考えるようになった自分の変化に驚きつつも、それでも決して嫌な感じではなく、それを大事にしていけたら……そんな彼女との日々は目まぐるしく過ぎ去っていった。 ――高木命と付き合って、もうすぐで三年の月日が流れようとしていた。 長いようで短かったその三年で、随分と自分を取り巻く環境も変わった。その界隈ではそれなりに名の知れるドレスデザイナーとして知らしめることが出来たし、おかげで生活も随分と豊かになったように思う。現実では到底考えられないような不可思議な出来事に巻き込まれたりもしたし、時にはこの命すら脅かされることもあったが、だからこそ今を生きていること瞬間が幸せなことなのだと実感することが出来る。そして、いつその足場が崩れてもおかしくないんだということも…… そんな今までの出来事を思い返しながら、すっと目の前の大きな布にかけられた”なにか”に触れる。 そこにあるのは、自分にとっての生き甲斐でもあり、人生の指標でもあり、一つの終着点でもあり、そして”夢”だった。 これを完成させるために、自分は今まで生きてきたのだという証でもあった。 ただ、それをまだ完成させることは出来ず、そのためにどうしても足りないものが存在した。 「――怜?」 夕暮れ時の赤い日が差すアトリエの中、一つの声が響き渡る。 声のした方を振り返れば、そこには一人の女性が立っていた。 出会った頃は物好きで面倒で…それでもどこか自分に似ている人物だと思った彼女が。 気が付けばここにいる事が当たり前になっていて、それでいて自分にとって大きな変化を与えてくれていた彼女が。 いつの間にか自分の中で大きな存在になっていて、ただ愛おしいと、そう思える彼女――高木命がそこにいた。 「急に会いたい、なんていうからちょっとびっくりしちゃった。でも、どうしたの?」 そう問いかける彼女に向き合い、一度ゆっくりと深呼吸をして、自分自身を落ち着かせる。 そしてこの瞬間を決して間違えないように、ゆっくりと、何度もイメージしていきた自分自身を思い浮かべて、言葉を紡ぐ。 「俺には、夢があったんだ……小さい頃からの憧れで、それを叶えるために色々とやってきた」 「キッカケなんて本当に些細なもんで、その当時思い描いてた夢も、結局は漠然としたものだったんだ」 幼い頃に見た光景がどうしても忘れられなくて、いつしか自分の手でその光景を作り上げたいと願っていた。 それでも、本当に自分は最高に輝ける瞬間を作り出せているのか? 結局、人生の中でのほんの一瞬の出来事の中で、最高の瞬間と言えるものを引き出せているのかと不安になっていた。 「でもな、命に出会えて、一つだけ……しっかりとした夢を一つ持つことが出来たんだ」 それは確かな道標になって、自分自身をこの瞬間まで導いてくれていた。 きっと彼女と出会っていなければ、漠然とした靄のかかった暗い道を彷徨い続けていたかもしれない。 「本当に命には感謝してもしきれない…だからこそ、その夢を叶える瞬間を、隣で一緒に見届けてほしい」 後ろを振り返り、そこにあった大きな”なにか”にかけられた布をゆっくりと剥がしていく。 どこか神々しさすらも感じさせながらも、決して派手だと主張しすぎず、それでいて目が離せなくなるような美しさを纏った純白のウェディングドレスが、そこにはあった。 そのドレスをただ食い入るように、ただ言葉の理解が追い付かずに呆然としている彼女に向き直り、そっと手を取る。 「俺の夢は、俺の手で作り出したドレスで命の人生最高の笑顔を引き立てて、それを隣で見届けて一緒に笑う事だ。」 その場で膝をつけば、ポケットに忍ばせていたケースを取り出しつつ、それを彼女の目の前で開けて見せる。 その中に収められていたのは、控えめながらも中心に一つの宝石が輝く指輪だった。 「俺はこれからもずっと命に隣にいてほしい。」 「――俺と、結婚してくれないか?」 差し込む夕日に照らされた彼女は、一体どんな表情をしていただろうか。 それでも、次の瞬間に強く抱きしめられた感触も、少しだけ嗚咽を漏らしながらも返事をくれた彼女の声も、きっと忘れる事はないのだろう。 ――待ちに待った瞬間は、もうすぐそこまで迫っていた。 ーーーーーーーーー【以下ネタバレ注意】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【シャトルラン回数】5回 【会得呪文】 〈アフォーゴモンとの接触 〉 1.五芒星を中心とした魔法陣を描き、その五芒星の頂点に1人ずつ、計5人の生贄を捧げる 2.五芒星の中央に銀で作られた鍵を捧げる 3.アフォーゴモンに対し、行きたい時代を願いながら40MPを捧げる MPは複数人で出し合ってもよい。MPを捧げた全員がその時代へと移動される。ただし、生贄は今までに殺人を犯したことのない清らかな者でなければならない。間違えれば、アフォーゴモンの怒りが召喚者へと与えられる。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
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