タイトル:れあ キャラクター名:日隠 柊和(ヒガクシ ヒヨリ) 種族: 年齢:19 性別:男 髪の色:あか / 瞳の色:ふつう / 肌の色:ふつう 身長:178 体重:62 ワークス  :大学生 カヴァー  :大学生 シンドローム:バロール、ブラックドッグ ■ライフパス■ 覚醒:渇望 衝動:飢餓 ■能力値と技能■ 【肉体】:2 (シンドローム:0,2 ワークス:0 ボーナス:0 成長:) 〈白兵〉:SL / 判定 2r 〈回避〉:SL1 / 判定 2r+1 〈運転〉:SL2 / 判定 2r+2 【感覚】:2 (シンドローム:1,1 ワークス:0 ボーナス:0 成長:) 〈射撃〉:SL / 判定 2r 〈知覚〉:SL / 判定 2r 〈芸術〉:SL / 判定 2r 【精神】:4 (シンドローム:2,1 ワークス:1 ボーナス:0 成長:) 〈RC〉:SL10 / 判定 4r+10 〈意志〉:SL1 / 判定 4r+1 〈知識〉:SL2 / 判定 4r+2 【社会】:1 (シンドローム:1,0 ワークス:0 ボーナス:0 成長:) 〈交渉〉:SL / 判定 1r 〈調達〉:SL3 / 判定 1r+3 〈情報〉:SL1 / 判定 1r+1 学問 【HP】    28 【侵蝕基本値】 31% 【行動値】   8 【戦闘移動】  13m ■エフェクト■ 《スキル名》     /SL /タイミング/判定/対象   /射程/コスト/効果など 《ワーディング》   /★$/オート$  /自動/シーン  /視界/-$  /非オーヴァードのエキストラ化 《リザレクト》    /1$ /気絶時$  /自動/自身   /-  /[SL]d$/コスト分のHPで復活 《コンセントレイト》 /3 /メジャー /  /     /  /2   /c-[SL] 《雷の槍》      /5 /メジャー /対決/     /視界/2   /Da+[SL*2+4],Di-1 《雷神の槌》     /2 /メジャー /対決/範囲(選択)/視界/3   /Da+6 《黒の鉄槌》     /1 /メジャー /対決/     /視界/1   /Da+[LV*2+2] 《黒星の門》     /1 /メジャー /  /     /  /2   /[至近不可]打ち消し。Di+[SL+1] 《紫電一閃》     /1 /メジャー /対決/     /  /6   /C-1 《覇皇幻魔眼》    /3 /メジャー /対決/単体   /  /5   /Da+[SL*5] 《マグネットフォース》/1 /オート  /自動/自身   /至近/2   /カバーリング ■装備とコンボ■ ・武器とコンボ 名称 価格 種別 命中 攻撃力 G値 射程 メモ       0   0 =価格合計= 0 pt ・防具     装甲 回避 移動  価格  名称 / 備考 鎧 :               / 下着:               / 修正: = 合計 =  0   0   8    pt ■所持品■ 名称 単価 個数 価格 備考       1   0       1   0       1   0 =所持品合計=     0 pt =装備合計=      0 pt = 価格総計 =     0 pt 【常備化ポイント】 8 pt 【財産ポイント】   pt ■ロイス■ 対象    好意  悪意  備考 亜純血           《黒星の門》取得 日隠 陽芽  感服  食傷  保護者。お陰で生活が台無しにされたけど殺せねえ 被害者親族 同情  嫌気  弱者の親類。お陰で生活が台無しにされたのでいつか殺そうと思う 立花漉奈  好意  隔意  シナリオロイス。多分絶対やたら構ってくるし姉貴面してる。めんどい。 来栖 未緒  好奇心 脅威 佐藤 実姫  庇護  無関心 ■その他■ メモ: 「クソ、いきなり何だってんだよ!?」  俺――名前は使わなくなって久しいので咄嗟に出てこない――は、突然蹴り開かれたドアから飛んでくる銃撃に舌打ちを漏らすしかできなかった。東京の廃ビルで暮らしていればマナーも礼儀も食えたもんじゃないのは分かっていたが、それにしたって挨拶が粗過ぎる。浮浪者でもここまで喧嘩ッ早い奴はいないだろう。最近ここまで恨みを買った覚えはないと泣き言を漏らしたいのを抑え込んで、ジャンクのタワーPCの裏に隠れて厄介な客の存在を"ブッ飛ばして"やろうと認識を凝らした。  不躾な来客は、蹴破ったドアを気にする様子もなく歩を進める。中にいるであろう俺に怒鳴りつけるでもなく、淡々と。俺は不審に思う他なかった。ルール無用、試合開始のゴングさえ待てない奴が感情を一欠片たりとも見せずに、相手は最悪死んでもいいやくらいの凶行に出るものか?  短い時間だが、息を整えるがてら考えてみても、"発声器官の付いてない化物"以外の答えが出てこない。そんなモンいるわけないだろ。そうこうしている間に、再び銃撃音が鳴り響いた。その音で"化物"の位置は特定できたが、それ以上に激しい音が俺の耳を貫いた。  視界の端で、細かい部品がバラバラと散らばっていくのが見える。間違いない。俺が三か月掛けてちまちま集めた――かっぱらってきたとも言う――ジャンクの塊だが動けるレベルにまで仕上げたPCが、文字通りバラバラと音を立てて粉砕されたのだ。  視界が真っ赤に染まる思いだった。PCの替えはあるが、いい加減新しいものが必要だとせっせと集めていた代物をこんな物の価値もわからんようなボケ野郎に一瞬で破壊されていい訳がない。 「何すんだ――」  そう言いかけた俺の喉は、一瞬で閉ざされることになる。軌道さえ見えないほどの速度で接近してきた女が、俺の喉仏にナイフを突きつけてきたからだ。 「静かにして」 「なッ……」  無機質といっても差し支えない声に対して、そう言うのがやっとだった。口を開けば随分と身の厚い、人間でなく熊だのサメだのに一矢報いてやるための刃が喉に食い込んでくる。一斉に噴出した冷や汗を拭う間もなく、肩を押し倒されて冷たい床に叩きつけられた。PCの部品が突き刺さって痛いが、文句は言わせてもらえそうにない。 「空間系に作用する能力、電気系統の異能、先週にこの下で殺人。貴方で間違いない?」  舌打ちを漏らすしかできなかった。間違いなく、俺のことを話している。何が殺人だと声を荒げたかったが、今ははいと言わなければ喉を捌かれかねない。どうせ、死にはしないだろうが。 ――――――――  あれよあれよという間にUGNなどという施設くんだりまで連れていかれ、妙な検査に掛けられること数時間。適当に壁に穴でもぶち抜いて逃げ出してやろうかと画策しても、妙な真似をすれば死にたくなるまで殺す、とばかりに目を光らせてる女のおかげで伺う隙がどこにもありゃしない。溜息を吐くくらいは許されているようなので、盛大な溜息を何度も吐いてやった。それしか抵抗の意を示す手段がないのが妙に悲しくなって少しだけ背を曲げている。 「それで?」  一頻り身体を見られた後は、尋問が待っているらしい。やたら柔らかい椅子に座らされ、対面して質問を浴びせてくるのは、分かっていたが例の女だ。 「だから、因縁付けてきたから相手してやっただけで、死ぬとは思わなかったんだよ。弱すぎるのにも限度がある」 「貴方、自分の力がどれほどのものか分かってる?」 「知ってるさ。知ってるからどうなるんだ? 大体アンタの方が――」  そこまで言って、対面の眼光が強くなったのを感じた。下手なことは言わない方が良い、というのは初めての経験だった。だがそこで物怖じするつもりはない。ナメられたら終わり、というのはこれまでに何度も経験してきたからだ。 「それで、俺をどうするつもりだ? 隔離施設か、それとも地下で穴堀りでもさせられるのか? あるいは実験動物か」  鼻で笑う。流石にそこまでするからには本気で怪我するつもりで来い、という意図は伝わっただろうか。 「貴方の処遇についてはいずれ協議が行われるはずだけど、今決めてもいい」 「……処遇? 協議? 何言ってるのか、分からないが」 「貴方は私の監視下で保護。これでどう?」  どうもこの女、日本語が不自由らしい。人のことをとやかく言えるほどの教育を受けているつもりはないが、何を言っているのか分からない、という言葉に対して更に分からない言葉を返せるほど不躾ではない。俺の場合、大抵は喧嘩に発展するため一々言葉を交わす必要がないというのも、この女との差異を際立たせている。 「これからは、貴方は私と暮らすの。あんな埃っぽい所よりはマシでしょう?」 「……は?」  思考が完全に停止した、と思う。 「その方が貴方の処遇決定にも有利に働くし」 「待ってくれ?」 「人手不足なんだから、とっとと使い物になってくれないと困るし」 「待てよ!!」 「……なに?」  女が怪訝な顔をした。自分の宣ったことの突拍子の無さを棚に上げて、俺の発言にケチを付けたがっている顔だ。 「なにもクソもないだろ! いきなり人のこと取っ捕まえておいて一緒に暮らすだの使い物だのと、それこそ何のつもりだ!?」  俺の話は至極真っ当なものだった、と思う。人権団体が聞いたら頭を抱えるレベルの暴論に比べれば、ただ弱者に蹴りを入れただけの俺の意見が通らない道理がない。女は一頻り考える素振りを見せてから、 「嫌なら実験動物だけど」 「……あの家に戻る選択肢は?」 「家ぇ? 不法占拠は犯罪よ」 「拉致監禁も犯罪じゃないのかよ……」 「ウチはいいの。で?」  言いながら、左手に構えたナイフが閃くのが見えた。一般的には"詰み"である。俺は頭を振るしかなかった。 「なんでアンタなんだ?」 「そりゃあ、逃げそうな君の相手できるのが私しかいないし、何より部屋に空きがありそうなのも私くらいだし」 「さいでっか……」 「それに。貴方と私には、それが必要なのよ」 「は?」  意味が分からなかった。が、それを問いただすことは少しだけ憚られる気がして、口を噤む。面倒くさいのは嫌いだ。 「貴方、名前は?」 「……柊和」  随分と久々に使った名前だ。お陰で、喉から引っ張り出すのに時間が掛かった。名前の響きが女子っぽくて時折からかわれていたのを思い出した。今みたいな力があれば、そいつらを皆叩きのめしたのだろうか。 「そう。よろしく、ヒヨリ君」  ふざけるな、と声を大にして言いたかった。  だがそうやって、俺の生活は終わった。 ―――――――― 「運転中だからって妙な真似が出来るとは思わないでね」 「……クソッ」  言いながら、指示された車に乗り込む。牙を抜かれたとは思いたくないが、抵抗する気力が今は無いことも事実だ。 「どうしてあんな所で暮らしていたの」  ハンドルを握るなり、随分と直球に聞き出してきやがった。答える義理はない、と突っぱねる選択肢が浮かんで、消えた。 「……元々、家族がいなかったんだよ。俺がいない内に事故って死んだ。一応親戚の家には預けられたけど、そことの折り合いも悪かったし、田舎じゃ事故って一人だけ生き残るような曰く付きには厳しかったんだよ」  黙って陽芽――エージェントの女の名前だ。自分で"ひめ"というような可愛げのある奴じゃないと自嘲していた――は俺の話を聞いていた。自分でも楽しい話でないし、運転手を蹴り落として車を奪いたくなったが続ける。 「高校の頃に隣町のクソ野郎に目付けられて喧嘩になった。野郎反則だろ、バットで頭カチ割る気だったんだぜ? そしたらオーヴァードに覚醒してて、ああオーヴァードってのは俺達みたいな能力者のこと。アングラサイトじゃそう呼ぶんだ……んで、逆に空間ごと野郎の頭を潰して、町にいられなくなったからその日の内に逃げてきたんだ」 「……そう。それで? どうやって生きてこれたの」 「パクれるモンは何でもパクっただけだ。空き家も飯も」 「貴方ねえ、」 「そうやって適当にほっつき歩いて、ここまで来た。良い物件と、秋葉原の裏の奥にあるようなしょぼくれたトコからジャンクをくれる爺さんがいたから、あとはネットで稼いだんだよ、そっからは真っ当に金払って生きてんだ」 「稼ぐったって、そんな話が――」 「うるさいな。ネットバンキングなんておもちゃに穴がある方が悪いんだろ?」 「……これからは、ちゃんとしたお金が貴方に渡るから。犯罪行為は推奨されない」 「やめろとは言わないんだな。流石、人の家に押入って暴行をはたらく奴は言うことが違う」  隣でハンドルを握る彼女の顔が少しだけ歪んだ気がする。少しだけ良い気味になった。  車を降ろされて案内されたのは、大きなマンションの一室。扉の前に立ち、言われるがままに振り返ると、街明かりの束を見下ろせたのが印象に残った。地に足の着かない廃墟暮らしをしていては、この先一生目に掛かる光景ではなかっただろう、などという感想を抱いたのが妙に腹立たしい。  扉が開かれる。この先に一歩踏み込むのは流石に躊躇われる、という意図を察してか否か、先に玄関まで立ち入った彼女が柔和な笑みを――来なければ殺すとでも言いたげはにしているが――浮かべ、 「おかえりなさい」  などと宣いやがった。俺は心底嫌そうな顔を浮かべる他に抵抗の意を示せなかったので、この上なく厭味ったらしく中指を天に突き立てた後で、吐き捨てた。 「……ただいま」  それは、随分と懐かしい響きだった。今日の俺を何より俺を苛つかせたのは、多分これだ。 ――――――――  定住先を与えられることが、これほど苦痛だとは思わなかった。親戚の家に預けられた時の何倍も面倒だった。UGNの能力訓練だの何だのと、俺の人生に”スケジュール”などというものが与えられたり、面倒を取沙汰して行けばキリがない。  面倒の内の一つに、日隠陽芽――名前の半分を俺にくれてやった女の生活態度がある。初めて部屋に立ち入った瞬間の衝撃を、今でも覚えているくらいには。UGNの仕事以外は何一つ出来ないと言わんばかりに生活能力が崩壊しているため、部屋はとっ散らかっているを通り越してスラム街まである。俺が渡り歩いたどんな部屋より酷い。  その上ロクな飯も作れやしない。アレから三ヶ月経つ間に、真っ当な飯を"俺が"作れるようになるくらいにはUGNの施設で調理術を叩き込まれた。  それからもう一つ。いい年してまともに勉強もしてないことに目を付けられたUGNから、やたら賢いだけのエージェントを送り込まれて”圧縮教育”といっても差し支えない程のハイペースな教育を受けさせられ、挙句の果てに今は大学に通わされている。曰く、「秩序を守るには必要」らしい。組織の手回しの器用さには目を見張るものがあるが、そこまで面倒を押し付けなくてもいいような気もする。大学に通う中で、監視役に宛がわれたのか、知り合いのオーヴァードが一人増えた。  こうして、俺の素敵で退廃的な放浪生活は終わった。 url: https://charasheet.vampire-blood.net/3525975