タイトル:クイネラ キャラクター名:クイネラ 種族:レプラカーン [特徴:暗視、見えざる手、姿なき職人] 生まれ:野伏 ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:21 性別:女 髪の色:金  / 瞳の色:翠  / 肌の色:色白 身長:134 体重:35 経歴1:卵を温めたことがある 経歴2:家族に異種族がいる 経歴3:物心付いた時には独りだった 穢れ度:0 ■能力値■      技     体     心 基礎   12      5      6    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F  11   5  12   9   9   8 成長   1   1   1      2   1 →計:6 修正 =合計= 24  18  20  14  18  15 ボーナス  4   3   3   2   3   2    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本   7   7  29  18 特技         0   0 修正 =合計=  7   7  29  18 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:5 Lv フェンサー 3 Lv  / マギテック 1 Lv スカウト  1 Lv  / レンジャー 3 Lv セージ   3 Lv  / ライダー  5 Lv ■戦闘特技・値■ [参照] 特技名      : 効果            : 前提 [pIB38]必殺攻撃     : C値-1,回避-1        : [p221] 武器習熟/メイス  : ダメージ+1、Aランク装備可能 : [p222] 防具習熟/非金属鎧 : 防護点+1、Aランク装備可能  :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本   6   4  18  54 修正 特技        0 =合計=  6   4  18m  54m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名  : 効果                                : 前提 [p103]騎獣強化  : 命中力、回避力に+1                        : [p104]高所攻撃  : 騎手や同乗者の物理ダメージ+2                   : [p104]探索指令  : 騎獣の知覚で「足跡追跡/危険感知/探索」判定を行える ライダー+知力 : [p]  HP強化   : HP+10                               : [p]  超高所攻撃 : 騎手や同乗者の物理ダメージにさらに+2(計+4)          : 高所攻撃 ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター : グラップラー: フェンサー : 3   7   6   6 シューター : ・武器 価格 用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照) 460   1H   7   1   8  17  11   7 [メイスA] *フライパン / 武器としての性能はピリオンと同じ。使い古したフライパン。脂が良く馴染んで絶対に焦げ付かない神フライパン (235p) 190   1H  10      7  10   9   6 [ソードB] *包丁 / 良く切れる包丁。大体なんでも切れるオールラウンダー。武器としての性能はレイピアと同じ。 (232p) 90  1H投   7      7  12  10   6 [アックスB] *方頭刀 / 堅い食材や骨ごと切る食材を切るときに使う四角いやつ。武器としての性能はハンドアックスと同じ。 (233p) =価格合計= 740 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 : 10      5  1000 ブレストアーマー / 盾 :  8      1   100 中華鍋 / 盾としての性能はラウンドシールドと同じ。揚げ物から炒め物までなんでもござれの熱が均等に伝わる神中華鍋。 修正: = 合計 =    6   7  1100 G (回避技能:フェンサー) ・装飾品    価格 名称        / 効果 頭 :200  マギスフィア(小) / ねこさんの形のマギスフィア。傍に浮いている。 頭 :100  └オプションパーツ / 【ターゲット・サイト】MP-1(消費MP2) 耳 :             / 顔 :             / 首 :0   竜の鱗のペンダント / 透き通っていてとてもきれいだ 背中:             / 右手:50  魔道具の腕輪    / なんか睡眠効率が上がるらしい。 左手:0   浄化の指輪     / ピュリフィケーションが使える。シルヴィからの贈り物 腰 :15  ベルトポーチ    / 中身は大体調味料 足 :             / 他 :   知性の指輪     / 大妖精からの借り物 他 :1000 怪力の腕輪     / 筋力+2 =合計=1365 G ■所持品■ 名称             単価 個数 価格 備考 【装備品・戦闘関連】        1   0 ロングマント         50  1   50  フード付き エプロンドレス        150  1   150  神獣「ねこ」をモチーフにしてある可愛いメイド服。給仕系器用度+1                   1   0 *《騎獣関連》           1   0 ドラゴンのごはん代      250  1   250  よく食べるので食費が嵩む。大体が新鮮な生肉。 ヴィダの浮き輪        500  1   500  スイスイ泳げる 飛べるようになったヴィダ   2000 1   2000 その為に鞍などを新調した。高かった。 ビッグホーン         800  1   800  角が生え変わってきも〜ち大きくなりました 頭装備新調に800も掛かりました 打撃点+1 騎獣用皮鎧          300  1   300  防護点+1                   1   0 【道具類】             1   0 *《汎用冒険道具》         1   0   詳細は後で決める 値段は後で入力 テント            250  1   250  4人用 冒険者セット         100  1   100  背負い袋、水袋、毛布、たいまつ4本、火口箱、ロープ10m、小型ナイフ(調理以外で使う用) 通信装置              1   0   発信機と受信機(*2)のセット。発信機の使用にはマギテック技能が必要。 小型ナイフ          20  1   20  果物、野菜用。小さく脆いので戦闘には使えない ランタン           40  1   40  明るい 油              20  2   40  調理・ランタン兼用 着替えセット         10  1   10  一週間分 下着類            10  1   10  3枚で10Gの特売品。ピンクのやつと、黒いやつと、しましま。 水袋             20  2   40  ヴィダに括りつけている。 救命草            30  2   60  香草扱いしてる 布              4   2   8   風呂敷。                   1   0 *《生活関連・調理器具類》     1   0   ねこさんの形のマギスフィア そばに浮いてる 燃えカスの木炭        0   5   0   鉛筆替わりに毎度集めている。 白紙だった本         30  1   30  レシピが記されている。 調理道具セット        50  1   50  鍋、菜箸、おたま、フライ返し、クッキングスプーン、トング、まな板等 魔導冷蔵庫          3000 1   3000 いとしいいとしい魔導冷蔵庫。収穫祭の優勝景品。 硝子瓶            3   3   9   0.5Lのもの。1セット3つ。 水瓶             0   1   0   民家から拝借したもの。尿瓶にする予定である。ひどい 小袋             3   2   6   2枚1組のセット 色々入る 魔導樽            20  1   20  炭酸水をそのまま保管できる。200Lサイズ(厳密な値段は300+60) 森で拾ってきたものを加工したもの。拠点においてある。 清潔な布           3   1   3   篩や濾し器代わりにも使える 3枚セット 石鹸                11  0   ミルク,赤パプリカ,黄パプリカ,トマト,リンゴ,ローズ,ハイビスカス,グリーンティ,ハチミツ,サンゴ,アロエ タオル            2   2   4   大きめのタオル。まっしろでふかふか 魔導ドライヤー        50  1   50  髪の毛を乾かすのが何と半分の時間で済む すごい。                   1   0 *《嗜好品・日常雑貨等》      1   0 釣りセット          10  1   10  釣り竿、釣り針、糸、バケツ、餌入れのセット 釣り餌            0   *   0   そのへんで拾った釣り餌の虫 歯磨きセット         2   1   2   歯ブラシ、コップ、歯みがき粉 傘              2   1   2   やっすい傘。雨の日に買い物に行く用 封蝋セット          3   1   3   お徳用ワックス詰め合わせとスタンプ台4種くらい。 押し花            0   *   0   レシピメモに使う為、現地の花を採取し合間にコツコツ作っている。 ベルホオズキの硝子鈴        1   0   海で釣りあげたベルホオズキを乾燥させ、組み紐と組み合わせたもの。涼しげな音がする                   1   0 *《化粧品》            1   0 化粧ポーチ          50  1   50  化粧品を入れているポーチ。ねこちゃんの模様 魔法使いの鉱石リップ     250  1   250  ひと塗りで唇がうるうるつやつやになるサファイアで出来たリップグロス。マナに反応して色づく。 純白真珠のフェイスパウダー  180  1   180  真珠の中でも特に白く輝くものを使ったフェイスパウダー。肌理細やかな美白肌を貴女に…… 朝と夜の美容液        120  1   120  暁草の朝露と、竜の息吹で灰にした月夜草のエキスを使用した美容液。肌にめちゃくちゃ潤いを与える。 夢想花の乳液         200  1   200  夢想花エキスを使用した乳液。保湿成が高く、お肌がもちもちになる。 春運び蜂のハンドクリーム   80  1   80  春運び蜂のハチミツを使ったハンドクリーム。はちみつはムーンドロップ草から採取したものだけを使用している。冬でもあかぎれ知らずのもちもちすべすべお手手に。 虹色林檎のヘアオイル     140  1   140  虹色林檎のエキスと春運び蜂のハチミツを使ったヘアオイル。うねりを抑えて絡まり知らずのサラサラヘアにする。 ハートベリーのリップクリーム 50  1   50  ハートベリーの果汁と花の蜜を使用したリップクリーム。唇がもちもちぷるぷるになる。                   1   0 【食料品関係】           1   0 *《未加工・販売品》        1   0 ワイン            20  1   20  調理用 3回分使用済み 残り7回 ソーダ水              3   0   水脈を見つけた。瓶にいれて冷やしてある。拠点には樽で確保済み 保存食(1週間分)       50  2   100  (1日分使用済)干し肉、ドライフルーツ、調味料、香草、(可能なら乾燥した茶葉やコーヒー豆、小麦粉、米等の)保存がきくもの達 調理用なのでそのままは食わない。 拾った保存食         0   2   0   塩漬け肉やドライフルーツ、魚の干物、缶詰などと思われる 故郷から持ってきたハーブ類  0   *  0   乾燥させていっぱい持ってきた。調理用以外の用途無し。 食品類            5   1   5   パンや野菜等の長期保存が利かないものたち 調理用 根菜類            5   1   5   にんじん、じゃがいも、たまねぎなどの根菜数個セット。 まあまあ日持ちする 毒消し草           0   3   0   にんじんのような形 毒に効くとされている 火傷草            0   3   0   火傷に効く草 カブのような風味 麻痺消し草          0   3   0   痺れを取るとされている薬草 にんにくのような風味 要冷蔵のなまもの       5   1   5   牛乳1L*2 ヨーグルト1パック 卵1パック8こ 生クリーム500ml*1  魔導冷蔵庫にinしてある。                   1   0 *《加工済み》           1   0 スミレの砂糖漬け       0   1   0   近所で採取したものをよく洗って漬けたもの ハイビスカスシロップ     0   1   0   近所で採取したものをよく洗って煮詰めたもの フルーツシロップたち     3   3   9   キウイ、梅、さくらんぼをそれぞれ瓶につめて氷砂糖でサンドしたもの。数日後に使えるようになる。 ドライピチカートピーチ       1   0   ピチカートピーチを干したもの。紅茶に入れて飲むと美味しい 手製のジャム         3   1   3   摘んだ野イチゴをジャムにして瓶に詰めたもの。さらにラブベリージャムと金木犀ジャムが追加された 桜はちみつ          0   5   0   拠点傍にある不思議な庭園で摘んできた桜を加工したもの サバクトビバッタの佃煮       1   0   ご飯によく合う                   1   0 【採取品類】            1   0 *《動物性のもの》         1   0 サバチュウ          0   1   0   どれもサバ子ではない。食べるまでの間ドライフルーツを与えて飼っている 4.5回戦利品の魚達          *   0   種類が多すぎるので詳細はスプレッドシートに 湯虫                1   0   温泉に生息するブヨブヨの生き物。炙ってつまみにするとおいしい 湯たんぽぽの殻           1   0   湯たんぽになる コレドウミテモエビヤンケ      1   0   どう見てもエビなサソリ                   1   0 *《植物性の物》          1   0 拾った食料類         0   1   0   ノコンギク(30G) アサツキ(30G)ツリガネニンジン(80G) 山ワサビ*1 栗*2 りんご 拾ったきのこ類        0   1   0   ポルチーニ(300G)*3 マツタケ ホンシメジ エリンギ 第四回の戦利品           1   0   コシアブラ*1 ツリガネニンジン*2 ハマダイコン*1 ハマエンドウ*1 アサツキ*1 自然薯*1 ココナッツオイル          1   0   海辺で採取 全員ソルガムじゃねーか    0   9   0   すっごいソルガムだよこれ! 乳化剤            0   2   0   ゴムの木から採った乳化剤 どんぐり              7   0   あま〜いシイの実。チョコレートになります ローリエ              5   0   月桂樹の葉。煮物に使うといい。 ヴェルディアップル         1   0   ツルが音符の形をしているやや赤黒いリンゴ。八分音符でかなり甘い 星屑ナッツ             1   0   様々な形をした滑らかでクリーミーな木の実 つまみに最適 ブルースベリー           1   0   栄養価が高く抗酸化作用のある木のみ。ほんのり甘酸っぱく風味豊か                   1   0 *《鉱物・その他》         1   0 琥珀糖               1   0   岩糖とも呼ばれる、大きな砂糖の塊。上質な甘味                      0                   1   0 【その他】             1   0 探索君強化費用        500  1   500  【水中適正】が追加される予定 パーティ資金から貸出中    1000 1   1000 =所持品合計=   10534 G =装備合計=     3205 G = 価格総計 =   13739 G 所持金    5855G 預金・借金    G ■魔力■ 知力ボーナス: 3 特技強化ボーナス: 0 武器ボーナス: 0  名前  Lv 追加修正 魔力 魔動機術 1       4 ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       - - エルフ語  - - / ドラゴン語     ○ - ドワーフ語 - - / ドレイク語     - - 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     ○ - 魔動機文明語○ ○ / 魔神語       - - 魔法文明語 - - / 妖魔語       - - 妖精語   - - / グラスランナー語  - - シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 初期習得言語:交易交通語、魔動機文明語 技能習得言語:3個の会話or読文 ■名誉アイテム■ 点数 名称  10 【モンスターメロンバスター】 所持名誉点: 79 点 合計名誉点: 89 点 ■その他■ 経験点:60点 (使用経験点:14500点、獲得経験点:11560点) セッション回数:6回 成長履歴: 成長能力 獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 1- 筋力    1350点(1250 /   / 2回)  ベニテングダケ売却額150G 2- 知力    1480点(1380 /   / 2回)  戦利品売却額970 3- 精神力   2040点(1990 /   / 1回)  パーティ資金から250使用(テント購入) 戦利品売却額:840G 4- 器用度   550点( 500 / 50 / 回)  ねんがんの 魔導冷蔵庫を てにいれたぞ! 5- 知力    2520点(2370 /   / 3回)  戦利品売却額370  現在の合計値2080 大ちゃん借金1500G 6- 敏捷度   3620点(3020 /   /12回)  内自報酬2600,パーティ資金750(合計値2830-1000),探索君費用500 大ちゃん借金500返済 メモ: わたしはレプラカーン。名前は無い。 否、あるにはあるのだろうが、わたしはそれを知らない。 わたしの最も古い記憶……物心が付いた頃には、もう親も兄弟も居なかった。 死んだのか、それともただわたしが捨てられただけなのか。わたしはそれすら知る術を持たない。 生きる為に出来ることは何でもしてきた。 残飯を漁り、泥水を啜り、時には裏路地でくたばっているヒトの屍を食べた事もあった。あれは非常に不味かった。 残飯はまだ美味い方だ。元々ヒトが食べるものだからな。 魔物や、ヒトの死肉となると無加工ではとても食えたものではない。エグみとか、臭みとか……とにかく凄いのだ。 どうせ食すならわたしも美味いものが食べたい。 飲食店のダストボックスに住めるのならば、それで解決するのだがそうも行かない。 この世というのは、どうやら浮浪者に厳しいようなのだ。それが例え子供であっても、だ。 故にわたしは自身での狩りを強いられる生活にあったのだ。 そこで話のはじめに戻る。どうせなら美味いものが食べたい。 ならば美味くしてしまえばいい。レプラカーンとは、本来器用な種族らしいのだ。 わたしにとってはわたしだけが基準だから、果たして器用なのか不器用なのか定かでは無いが、成功と失敗を重ねるうちに臭い肉も渋い草も美味く食べられるようになった。 その辺りからだった気がする。わたしを「クイネラ」と呼ぶ者が出始めた。意味は『料理人』だそうだ。 呼び名に困ったらそう呼ぶと良い。 料理は好きだ。同じ臭い肉も、渋い草も、調理法で違う顔を見せてくれるし、同じ調理法でも魔物や獣によって全然味わいが違うのだ。 わたしはすっかり料理の虜になってしまった。 それからわたしは残飯を漁ることをやめ、自身での狩り一本に絞った。 罠を仕掛け、獣を取ったり。深い森に足を運び、野草を採って戻ってきたり。 時には毒にあたって死にかけた事もあったが、今はピンピンしている。 そんなある日の事だ。いつものようにわたしは狩りへ出た。深い、深い森だった。 通い慣れた森だったのだが、その日は妙に騒がしかったのを覚えている。 野鳥が騒がしいし、何よりも森の澄んだ空気に混じって血のニオイがする。 わたしの力ではとても狩れないが、その森にはクマや大型の狼といった獰猛な動物が住み着いていたはず。恐らくそれらの縄張り争いだろう。 半端に手負いとなった獣は恐ろしいが、もしも既に瀕死ならばわたしだけでは狩りきれない大型の肉を得られるチャンスでもある。 わたしはニオイの元を辿る事にした。 先に、通い慣れたと言ったがその頃のわたしの狩場は主に森の入口付近だけだ。あまり深く入り込むと“狩りきれない大型の肉”の縄張りに踏み込む事となり、わたしがそいつ等の肉になってしまう。 ……故に、血のニオイを辿って進んだ先は未知の世界だったのだが、初めて見る景色でありながら普段の景色ではない事は容易に察せた。 何故ならば、血の中で転々とヒトが死んでいるから、だ。 騎士……と呼べる程装備が充実している訳でもなく、武力に乏しい一般人に比べれば入念な準備がされている身形。 冒険者か、或いは密猟者……結論から言えば、後者だった。 出血が原因で息絶えている者、装備も肉も溶かされ焼け焦げている者、死因は様々だったが、皆一様に鋭い爪で切り裂かれた形跡が残っていた。 火を吹く熊でも居たのだろうか。だとすれば深追いは危険かも知れない。 生存第一。死肉を貪り、泥水を啜ってきた日々は全て生きるために行ってきた事だ。 だからその日も、わたしは生きる為に引き返すべきだと考えた。 ……だが、空気に当てられたのか、それとも……もっと何か、運命的なものなのか。 わたしの脚は、血痕を追うことをやめなかった。 森の奥は、長年ヒトの手も足も入ることは無かったのだろう。木の遠くなるような樹齢であろう大樹ばかりだった。 その大樹らが、わたしの耳ほどもない若木の頃から生きていたであろう生き物……ドラゴンが、そこに居たのだ。 血のニオイはそこからだった。 血で染まっていなければ……いや、血で染まっていても。その体躯は白かった。 わたしは縁のないものだとして聞き流していたが、『言葉にならぬほど美しい宝石の様に輝く白い鱗を持つ竜』が居て……その鱗で作られた装飾品は高く売れるのだそうだ。 まさにその竜が目の前のドラゴンだったのだろう。 僅かな木漏れ日にも反射して輝く鱗は確かに美しく、わたしも目を奪われてしまった。同時にこれだけ輝くのだから野生で生きていくのは厳しそうだとも感じたが、その厳しさをものともせず生きられるほどの強さが備わっている……そんな説得力がある風格だった。 夥しい量の血を流し、大きさも形状も異なる様々な武器が身体に深く突き刺さっても尚、その竜は生きていた。 無謀にも挑んだであろうヒトの屍体がそこかしこに散らばっていた。逃げ無ければわたしもそうなる、と言われている気分だった。 そこで漸くわたしは正気に戻り、その場を離れようとしたのだが……足元まで意識出来ず、枝を踏み抜いて音を立ててしまったのだ。 風が吹いて木の葉も揺れ、住み着いた野生動物たちの声もする。環境音に紛れて聞き流されるかも知れない、という希望はわたしをしっかり射抜く大きな二つの目玉を見て一瞬で砕け散った。 蛇に睨まれたカエル、というのはあの時のことを言うのだろうな。生きた心地がしなかった。 竜とわたしとの距離はかなり空いていたのだが、それでもわたしが逃げようと振り返る瞬間に噛み殺すことが可能だっただろう。 這いつくばってても生きようと、強かに、安全な道を歩いてきたつもりだったが、一瞬の好奇心や気の迷いで命を落とすものなのだな……と、わたしの人生に別れを告げていたのだが……まあ、見ての通りわたしは生きている。 だが『見逃された』わけでもなかった。 その竜は母親だった。 いや、母親になる竜だった、といえばいいか。 血濡れの白竜が身体を休めているそこは、巣だったのだろうな。 藁や木の枝で作られた寝床の中に、卵……だったものが散らばっていた。密猟者との戦いで割れてしまったのだろう。 生き物の形になる前の内容物がそこかしこに飛び散っている様がどう足掻けどももう産まれることのない生命なのだと物語っていた。 だが、たったひとつ。たったひとつだけ、無事だったのだ。 母竜は大きな翼で空へ逃げることも無く、ただこの場に留まって戦い続けたのは……子を守る為だったのだろうな。 その卵は、硬直しているわたしに差し出された。 不思議なもので、先まで死を覚悟する大きな要因となっていたその視線から恐ろしさが消えていたのを覚えている。 わたしが生まれてから死ぬまでの時間より、もっともっと長くを生きてきたであろう気高い竜が。次に命を繋ぐために戦い、そしてその灯火が今消えようとしている。 自分の命と引き換えに守ったそれを、何故ただそこに現れただけのわたしに託そうとしたのか。よりにもよって、自分の明日を守るので精一杯なわたしに。 竜の考えることはわからない。 だが、それを断れる程、わたしは非情にはなれなかった。 ゆっくり歩み寄るわたしを、母竜は一時も目を離さなかったが、欠片程の敵意を見せる事もなかった。 卵の時点でわたしの頭より大きかった。とても抱えきれる大きさでは無かったが、それでもわたしは両手で抱き上げて見せた。 母竜は安心したように目を細めて……。 …………。 …………最期に、何と言っていたのだろうな……。 わたしは学がない。学んだのは生きる知恵だけだ。 それでも、母竜が……彼女が、事切れる瞬間に……最期に、なんと言ったのか。 それが知りたくて、竜語を学んだのだが、未だ彼女の言葉の意味を知る事はできていない。 ……その日から、わたしの拠点は竜の巣になった。 卵が運べないからではない。それは時間を掛ければいくらでもできるが、母竜の身体をそのままにしておきたくなかったのだ。 放っておけば遺骨も荒らされることだろう。時間を掛けてでも埋葬しておきたかったのと……竜を育てるにあたって、より多く肉を狩る必要があるだろう。 危険も多いが、奥に拠点を構えたほうが何かと都合が良かったのだ。 わたしの生存第一な生活は崩れさったけれど。ふふふ。 育児?大変だったぞ。……いや、大変なのは今もか。 食事量も多いし、躾をしようにも基礎の能力が違うからわたしの方が怪我をしてばかりだった。 しかし育てばいい相棒になる。わたし一人では狩りきれない大型の肉も、ヴィダ……ああ、ええと。卵から孵った竜の名だ。 ……ヴィダの力を借りれば可能となった。 食べ切れない量も食べてくれるから、獲物も無駄にならない。 育てることになってから3年になるが、周辺の生物は大体味見し尽くしてしまったのでな。 引きこもるのも教育に悪いし、旅でもしながら新たな食材でも探そうと出てきた……というわけなんだ。 取り急ぎ……そうだな。ドラゴンの卵なんて、食べてみたいと思う。ははは。 ん?ああ……食べたよ。母竜。 勿論全てではない、流石に食べきれないからな。 わたしは力尽きた母竜から、美しい逆鱗……今身に着けているコレが、そうだ。逆鱗と、少しの肉を貰った。 ほんの少し。調理もせず、生で齧り……飲み込んだ。 なんとなく、そうしたかった。食すことで、彼女はわたしの肉となる。 『母』を託されたが、卵の親は紛れもなく彼女だ。 だから、この卵が孵って……そしてやがて、一人で生きていくその日まで。 わたしは竜になろう。 …………だから、初めの自己紹介は改めなければならないな。 わたしはレプラカーンであり、誇り高き竜だ。名前は無い。 ------- 【クイネラ】 元孤児のレプラカーン。物心ついた頃には親兄弟が周りに居らず、自身の名もわからないまま幼少期を過ごす。 生に執着しており、生きるために魔物や人族の屍を口にする事も少なくは無かったが、お世辞にも美味いとは言えないそれらをストレスなく食すために レプラカーン種の器用さを活かし調理しはじめ、以後料理の楽しさを知り虜になる。 その頃から彼女をよく目にする者たちから「クイネラ(料理人)」と呼ばれる事が増え、無い名の代わりにそれを名乗るようになった。 成人してからしばらくしたある日、森の中で瀕死の竜と出会い死を覚悟するが、瀕死の竜はクイネラへ竜の卵を差し出した。 運命的なものを感じその卵を孵化させ、子竜に『ヴィダ』と名付けると以後家族として暮らし始めた。 ヴィダと共に暮らすことで以前自身のみでは狩れなかった大型の獣なども狩り、食すことができるようになった結果周辺の生き物の味を知り尽くしてしまい、 未知の美食を極めるためにヴィダと共に旅に出ることを決意する。 首に下げているのは母竜の逆鱗。死した母竜の種は美しい鱗を持つことで有名で、この鱗も高値で取引されるものだが手放す気はなく、 肌身離さずつけているようだ。 調理師Lv7 魔物調理師Lv5 娼婦Lv10 高級娼婦Lv7 ------- 【ヴィダ】 ドラゴンの子供。3歳。 いずれは鉄をも溶かす高熱の炎を吹いたり、複数のヒト族を乗せて飛び回ることも可能だが、 今はまだ赤ちゃんなのでいずれもできない。 臆病で人見知りなのでママのそばに付きっ切り。 竜語はちょっと喋れる。人語はわかるけど喋れない。プルルャ!