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新興宗教信者の母親に育てられた青年。 身体の弱かった我が子を治してくれたということをきっかけに神秘の水を定期購入したり集会に参加したりする母に倣って、疑うことなく同じように過ごしてきた。 教団の人たちは優しくて良い人ばかりだった。 しかし、次第に母に教えられた自分の世界と周囲の家庭環境や認識の齟齬に気がつき始め、目が覚め、家を出ることを決意。20歳になってようやく親元を離れられた矢先の誘拐だった。神様は本当にいて、天罰が降ったのかもしれない。 ……と、身体の持ち主についてはそう記録している。監禁後は、いつか死んだ身体が崩れて中身が出てきてしまうのではないかと恐れて、寝室の薄い毛布にいつも包まっている。 ⬛︎2022.04.24 密室のパスト エンド3『死体と失踪』 アマネは嬉しいと思う。これからはエドインが側にいて、頭を撫でてくれるから。 …俺はどうしよう。もう撫でてくれる人、なくなっちゃった。僕のこと知ってる人、いないね。毛布もエドインにあげちゃった。全部ないね。 私はどうすればいいんだろう。 -------------------------------- 不定▷一時的偏執症 期間：2セッション分(現在0/2済) SAN値回復 +3% 七年間怪異に浸された 【オカルト】+10% 【クトゥルフ神話】+1% 整形手術によりAPP14→15 -------------------------------- 以降、顔立ちと名前を変更すること。 ▶︎密室のパスト通過後 ひとりぼっちの怪物 ◇ 降り立った先の港街の人々によくしてもらい、しばらく歓迎のもてなしを受けた後に街を去った。ここではない、自分の居るべき場所はここではない。あの暗闇が恋しかった。頭を撫ぜる温もりがもう何処にも無いと思うと、持ち合わせないはずの人間的な感情が湧いては消えていく。涙が溢れる。一体なぜ？どうして？自分はもう、泣かなくても良いはずなのに。 怪物はあてもなく答えを求めて放浪する。 ◇ それからさらに7年が経過した。 どの土地へ行っても心が休まることはなかった。どれだけ優しくもてなされても、いずれ正体がばれて命を害されるのでは無いかという想像に取り憑かれ、泣き怯え続けた怪物は悟る。 この世は穢土で、あの箱の中こそが自分の浄土だったのだ。あの医師に従って己ごと死んでおくべきだったのだ。 伊在丸エドヴィンこそが、自身を導く神であったのだ。嗚呼、今になってはもう手遅れだというのに、もう一度あの温もりに撫でられたい。後頭部の古傷が酷く疼く。 相も変わらず、高い高い青空の下。星の細胞達が哀れな姿の怪物を見ては、涙をにじませんばかりに笑うのだった。 彼の怪物は未だ正気を取り戻さないままだ。 ▷名前の改変 具足円満歓喜天井在夜ノ帷 (ぐそくえんまんかんぎてんいざよいのとばり) ◇ 初めて降り立った街の人々につけてもらった「いざよい」をベースに、その地に根付いていた民衆宗教から字面を拝借したもの。神聖な部分は伏せておくのが好ましいとされるため、普段は「夜ノ帷(よるのとばり)」と名乗っている。 (※実在の宗教・団体とは一切関係ない創作上のみの設定です。実存の規則法則には準じません。)

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