タイトル:ゲルマン キャラクター名: リディル・ファーヴニル 種族:ナイトメア [特徴:異貌、弱点[土、銀+2]] 生まれ:戦士 ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:15 性別:女 髪の色:銀髪 / 瞳の色:琥珀色 / 肌の色:白 身長:150 体重:50 経歴1:純潔である 経歴2:決して叶わない夢がある 経歴3:体に傷跡がある 穢れ度:1 ■能力値■      技     体     心 基礎    8     13      9    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F   9  10   6   1   6   7 成長   6      2   9   3   4 →計:24 修正              -2 =合計= 25  20  21  23  16  20 ボーナス  4   3   3   3   2   3    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本  14  14  56  44 特技        15   0 修正 =合計= 14  14  71  44 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:11 Lv ファイター 11 Lv  / プリースト/剣神ヒューレ 8 Lv レンジャー 3 Lv  /  エンハンサー       5 Lv ■戦闘特技・値■ [参照] 特技名     : 効果                            : 前提 [p2122]タフネス     : 最大HP+15                         : ファイターLv.7 [p223] 両手利き     : それぞれの武器で同一対象に攻撃可能、命中-2、必要筋力15以下 : [pIB31]武器習熟A/ソード : ダメージ+1、Aランク装備可能                : [pIB39]マルチアクション : 制限移動を条件に、近接攻撃と魔法を両方行使できる      : [pIB32]命中強化     : 命中に+1                          : [pIB39]魔力撃      : 近接攻撃ダメージに+魔力、回避・生命抵抗・精神抵抗-1    : 近接攻撃ダメージに+魔力、 [pIB30]二刀流      : 命中ペナルティなし、必要筋力15以下             :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本   0   0  20  75 修正 特技        0 =合計=  0   0  25m  75m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名      : 効果                         : 前提 [p]  キャッツアイ    : 命中+1                        : [p]  アンチボディ    : 毒・病気属性の魔法・特殊能力に対する生命・精神抵抗+4 : [p]  ビートルスキン   : 防護点+2点                     : [p]  マッスルベアー   : 追加ダメージ+2点                  : [p]  デーモンフィンガー : 器用度+12点                     : ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター :11  15  14  14 グラップラー: フェンサー : シューター : ・武器 価格 用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照) 620   1H   6     16   6  10  15 [ソードA] *マンゴーシュ / 右手装備 回避判定+1 (AW95p) 1210  1H  15     16  20  10  15 [ソードA] *タノワール / 左手装備 使用不可 (LL25p) 1580  2H  23     16  38  10  15 [ソードA] *フランベルジュ / 剣神ヒューレの特殊神聖魔法で必筋-5して使用する予定 教団の倉庫からパクってきたもの (p) 1770  1H  12     16  17  10  15 [ソードA] *ディフェンダー / 左手装備 防護点+1 (p) =価格合計= 5180 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 : 20      7  14000 イスカイアの魔導鎧 / 《マルチアクション》宣言時、命中力と魔力+1 盾 :              / 修正:     1   1 = 合計 =   15   8  14000 G (回避技能:ファイター) ・装飾品    価格 名称           / 効果 頭 :                / 耳 :100  聖印           / 顔 :                / 首 :740  ポーションインジェクター / LL95P あらかじめ仕込んでおいたポーションを補助動作で使用できる。 背中:9120 携帯神殿         / LL80P 特殊神聖魔法を1日1回だけMP0で使える。異大陸・地方でのMP上昇を抑制。 右手:1000 器用の腕輪        / 器用+2 左手:1000 敏捷の腕輪        / 敏捷+2 腰 :2800 血晶石の腹帯       / LL99P 適応ダメージの10分の1(端数切り上げ)に相当するMPをためることができる。魔晶石と同じ用法で使用する。 足 :2000 韋駄天ブーツ       / 通常移動距離+5m 全力移動距離+15m 他 :   器用の腕輪        / =合計=16760 G ■所持品■ 名称                 単価 個数 価格  備考 冒険者セット             100  1   100  背負い袋、水袋、毛布、火口箱、ロープ10m、ナイフ、たいまつ14本 ヒーリングポーション         100  8   800  威力20点 1本はインジェクター装備 薬師道具セット            200  1   200  LL80P 薬草類使用時威力表を「1d+4」で参照できる。 救命草                30  15  450  威力10 魔香草                100  3   300  威力0 地方地図               100     0 アイサス周辺地図           100  1   100  次の目的地「ラカン」徒歩10日 剛力の指輪              500  1   500 保存食(一週間分)          50  8   400  残量 44日分/56日分                          0 マナチャージクリスタル(5点分)   2500 1   2500  5/5                       1   0 魔動バイクの騎獣契約スフィア     1000 1   1000 知力の腕輪              1000 1   1000 敏捷の腕輪              1000 1   1000 十連マナチャージクリスタル(5点分) 2500 10  25000 10/10  通常のマナチャージクリスタルとして扱う 敏捷の指輪              500  1   500 月光の魔符              1500 2   3000  精神抵抗+2 陽光の魔符              1500 2   3000  生命抵抗+2 =所持品合計=   39850 G =装備合計=    35940 G = 価格総計 =   75790 G 所持金    645G 預金・借金    G ■魔力■ 知力ボーナス: 2 特技強化ボーナス: 0 武器ボーナス: 0  名前  Lv 追加修正 魔力 神聖魔法 8       10 ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       - - エルフ語  - - / ドラゴン語     - - ドワーフ語 - - / ドレイク語     - - 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     - - 魔動機文明語- - / 魔神語       - - 魔法文明語 - - / 妖魔語       - - 妖精語   - - / グラスランナー語  - - シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 [地方] ○ ○ ザルツ語 初期習得言語:交易交通語、親の種族の言語 技能習得言語: ■名誉アイテム■ 点数 名称  20 初期名誉点 所持名誉点: 10 点 合計名誉点: 30 点 ■その他■ 経験点:730点 (使用経験点:59500点、獲得経験点:57230点) セッション回数:24回 成長履歴: 成長能力  獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 1- 器用度   1000点(1000 /   / 回)  所持品購入用追加資金 2- 精神力   1000点(1000 /   / 回) 3- 精神力   1000点(1000 /   / 回) 4- 知力    1000点(1000 /   / 回) 5- 生命力   1000点(1000 /   / 回) 6- 生命力   1000点(1000 /   / 回) 7- 生命力   1000点(1000 /   / 回) 8- 生命力   1000点(1000 /   / 回) 9- 知力     90点(   / 90 / 回)  シナリオ1 黒き小隊(ナイトメア)に追われし者 チャプター1「森の妖精」 10- 知力     50点(   / 50 / 回)  シナリオ1 黒き小隊(ナイトメア)に追われし者 テャプター2「森の動物たち」 11- 器用度   6540点(3000 /3490 / 1回)  シナリオ1 黒き小隊(ナイトメア)に追われし者 チャプター3「誰もが望まない戦い」 12- 生命力   1220点(1000 / 220 / 回)  シナリオ2  チャプター1「信仰の街アイサス」 クエスト失敗 13- 筋力    2000点(2000 /   / 回)  シナリオ2 チャプター3裏「腐敗の女神ブラグザバス」+2+3 14- 器用度   2000点(2000 /   / 回)  シナリオ2 チャプター3裏+2+3 15- 生命力   2000点(2000 /   / 回)  シナリオ2 チャプター3裏+2+3 16- 生命力   2000点(2000 /   / 回)  シナリオ2 チャプター3裏+2+3 17- 筋力    2000点(2000 /   / 回)  シナリオ2 チャプター3裏+2+3 18-       50点(   /   / 1回)  シナリオ3 桃色髪の吸血鬼 チャプター1「鉱山の街ラカン」 19- 精神力   2000点(2000 /   / 回)  シナリオ4 チャプター1 「儀式魔法(リチュアル)」 20- 器用度   2000点(2000 /   / 回)  シナリオ4 チャプター1 「儀式魔法(リチュアル)」 21- 生命力   5580点(5000 / 480 / 2回)  シナリオ4 チャプター2 「ブラクザバス教団本拠地」 22- 生命力   5530点(5000 / 480 / 1回)  シナリオ4 チャプター3 23- 器用度  16170点(15000 /1170 / 回) シナリオ4 チャプター4 24- 精神力    0点(   /   / 回)  シナリオ4 チャプター4 25- 器用度    0点(   /   / 回)  シナリオ4 チャプター4 メモ: 特殊能力 補助動作で使用可能 効果:命中&回避&追加ダメージ+5    使用後、知力-1(永続) 能力使用による減少値:-2点 【キャラ設定】 名前はゲルマンの伝承にある武器と竜の名前からとったもの 周りの人からはディルと呼ばれている。 基本的には二本の剣を振るって戦うが、ダメだと思ったら一本に持ち替えて戦う。どんなにレベル差があろうとも、とりあえず最初は二本で戦いを挑む。 よって、二刀流で戦うときように2本、一振りで戦うときように両手利きのものを1本、合計3本装備している。 通常時は額の右の方に小さな角が見えるが、異貌時には額の左側からも長さが違う角が現れる。(コベリンとの戦いでの負傷によるもの) 絶賛思春期中であるため、ムクロに対して少し反抗的。 外見はプリズマイリヤのイリア(アーチャー夢幻召喚時)に角が生えた感じで 【一般技能】 クレリックLv1・・・知識はあるが、やらせてもらえなかったためレベルは低い。 ハンターLv3・・・修行の一環としてやってた時期があったため。 グレイブキーパーLv2・・・教団が管理している墓所の担当で、監視と清掃をおこなってきたため。 ノーブルLv1・・・ファーヴニル家の者として一応学んだが性に合わなかったため低め。 【背景設定】 ファーヴニル家は代々剣神ヒューレを信仰し、剣神を崇拝する者たちが集った《魔剣教団》を統率する家系である。 《魔剣教団》は、かつて魔法文明時代の終焉を迎えた直後に蛮族との戦いで活躍した“魔剣使い”の異名を持って知られた英雄を崇めており、教団が作られたのは大破局の後期、蛮族の進軍により絶体絶命の危機に追いやられ、死に直面していたファーヴニル家の者の前に二本の剣を手にした男が現れ、その場にいたすべての蛮族を蹴散らし、蛮族の侵略から救ったという。後にファーヴニル家の者は二本の剣を手にした男は剣神ヒューレだったのではないかと信じ、あの日のことを感謝し、その素晴らしさを広めるために剣神ヒューレの神官として生きる道を進んだ。 神官は自身の経験を語り、自分と同じ心を持つ同志を集め、剣神ヒューレを崇める《魔剣教団》を結成したのであった。 そんな教団では現在、ある“人物”を追い求めている真っ最中である。 話は約20年ほど前に遡る・・・ 剣神ヒューレを崇める《魔剣教団》の者たちにある噂が耳に入ったのである。その内容は、かつては《黒の剣士》、今では《剣聖》と呼ばれる男についてである。その男は数多の戦場を駆け抜けて敵軍を打倒し、人々に悪の脅威が襲い掛かれば颯爽と現れ悪を滅ぼし、助けを求める者の元へ現れるそんな英雄の話だ。この話が教主の耳にも入り、教主は教団の者に告げた。 「彼は剣神ヒューレの生まれ変わりだ。その活躍ぶりから間違いない。彼を生きた神として祭り上げるのだ!彼を我らが《魔剣教団》の神として!!」 その日を境に《魔剣教団》はその男をこの場に出迎えるために、調査が始まった。後に男の名を知り、教団は彼を求めて大陸中に神官を派遣し、本格的な捜査が始まった。それと同時に、彼に捧げるための品として魔剣の収集が行われるようになり、現在100本を超えるという(ただしほとんどが第8世代より後ものなので、性能に関しては魔法の武器+1や妖精の武器などより少し強いぐらいの量産品) いつか《剣聖》が教団の座に座るその日を夢見て・・・ そんなファーヴニル家に生まれたリディルは、ナイトメアとして生まれてしまったため神聖なる神官の家族としてはあまり受け入れられなかった。しかし、神官として無闇に命を奪うことはできないため、剣の迷宮攻略時に見つけたというルーンフォークに世話を任せた。 リディルにとってムクロは親のような存在であり、本音で話すことができる親友のような存在である。(リディルにとっては) 教育もムクロ任せであったため、《魔剣教団》に伝わる剣神ヒューレの戦い方を模倣した剣術を習得することができず、いつも影でこっそりのぞき見して剣術の基礎となる二刀流を真似した両手利きぐらいしか、得ることができなかった。なので、剣一本の時の方が強いため、当たらないと思ったらあきらめて両手利きをあきらめるぐらいの知力はある。 そして15歳、成人となったリディルに父は《剣聖》を見つけ出し、ここに連れてくるように課題を出した。もしその課題が達成できれば、リディルに剣術を教え、正式に教団の一員として認めてくれるといった。 父が初めて自分に出してくれた課題、父が自分を試そうとしている、父が自分に期待してくれている。 あの時リディルの心には喜びで満ち溢れていた。今こそ自分の存在を父に、母に、教団に認めてもらえるチャンスが来たのだと。ココロオドルリディルはすぐに身支度を済ませ、ムクロを連れ、《剣聖》を見つける旅に出たのであった。 これはリディルを追い出すためのていのいい建て前とも知らずに・・・(恐らくムクロは気付いている) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ここからおまけの設定~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ それから数日後、彼らはリバティに訪れていた。ここに《剣聖》について知っている人物がいるという話を聞いてやってきたのだ。名をスバル。街でスバルについて調べていくと、今はこの街にはいないらしく、どこにいるかもわからないとのこと。しかし、スバルが働いていた冒険者の店で一緒にパーティーを組んでいたことがるザイア神官のコベリンというなら何か知っているかもしれないと聞き、ザイア神殿へと足を運んだ。 そこにいたのは金属鎧に身を包み、箒を握りしめフルスイングをしている“動く魔晶石~フロウライト~”であった。 リディルはコベリンに話しかけ、スバルについて聞くと、ただではその情報を話すことはできないという。(状況が状況なため)しかし、リディルには情報を買うだけのお金も交換する物もない。そこで、リディルは昔習ったファーヴニル家の家訓である【困ったときは剣で語れ】を思い出し、コベリンに自分自身とスバルについての情報をかけて決闘を申し込んだ。コベリンはしぶしぶ了承し、リディルとコベリンの決闘が始まった。 結果はブラックセプテンバーの事件以降、ウェンドに剣術を習っているコベリンの勝利。リディルの攻撃は一度も当たらなかったもよう。あきらめの悪いリディルに対し、コベリンは止めととして異貌状態であったリディルの二本の角のうち一本を切り落とすことで決着が付いた。 負けを認め、自暴自棄になったリディルに対しコベリンは、スバルについての情報、スバルが今どんな状況であるかを教えてくれた。スバルから話を聞くにはまず、スバルを支配しているクロエという“悪の”悪の吸血鬼を倒す必要があると。コベリンがリディルに対して命じたのはいたってシンプル、 「クロエを倒せ」 そう告げたコベリンの顔は、どこか寂しげのようなものか、または心の内ではほくそ笑んでいるようにも感じた。(鉱石だし表情とかわかんね) そして彼らは次の目的地へと向かうために、ファーヴニル家流神のお告げ(鞘に納めた状態の剣の剣先を地面につけ、刀身を軸に右回転。回転が弱まり県が倒れ、剣先が示す方向に汝が求める者があるといったもの)を行い目的地への方角を知り、打倒悪の根源クロエを新たな目標とし、旅立つのであった。 (ちなみに雪さん卓で舞台となる大陸までの交通費はコベリンが用意してくれたもよう) ----------------------------------------------以下の内容はキャラ付けのために書いた過去設定である------------------------------------------ 「お前は出来損ないだ」 「私は出来損ないだ」  ムクロと共にスバルという男がいるリバティに向かう中、ふとリディルは父上の言葉を思い出した。彼女がが5歳になったときに初めて父上から告げられたあの言。今まで教団の敷地内から出る機会が少なかったリディルにとって、教団から離れたここ数日の生活によってホームシックを感じていた。 いつもはムクロがリディルの行動のたびにいじってくるのだが、流石にただ歩くことしかしていない現状にいじることはないのか黙ってリディルの後について歩いている。リディルはいつもいじってくる従者が大人しいため少し退屈を感じ、教団でのことを思い返し、父の言葉が思い浮かんできたのだ。 周囲には自分たちしかおらず、聞こえてくるのは時折吹く風の音と、二人分の足音。これも何かの機会だと思い、リディルは少し自分の過去について思い出すことにした。自分が両親に執着するようになったのかを・・・  リディルが10歳の時、教団内で毎年行われる剣神ヒューレがラクシアに生まれた日を祝う式典の時だ。リディルは毎年こと時期になると、式典のための準備に参加し、当日は教会の裏で、与えられた雑務をこなすことになっている。この式典には教団だけが参加しているのではなく、剣神ヒューレを神としてすくい上げた、騎士神ザイアの信者も招いて行われている。しかも、ただのザイア信者ではなく、ザイア神殿の本支部があるルキスラ帝国や、ファーヴニル家と古くから縁があるウィルソナイト家も招待されているのだ。ファーヴニル家にとって一生の恥であるリディルの存在は知られたくないのだろう。 そのことを理解していたリディルは、毎年両親が言っていたという言いつけを守っていたのだが、その年は山での修行を終え、久しぶりに教団に戻ったためか、少し気分が高揚していたリディルは、角を隠すためコイフをかぶり、式典に参加するという冒険をしてしまったのだ。  リディルが教会についたころには式典は終わり、その後に行われる食事会が行われていた。料理はコースではなく、それぞれが自分で食べたいものを取って食べるビュッフェスタイルであるため、教団の者やザイア神殿の者が自由に行動し、ほど良くお酒がまわっていたためかリディルは紛れ込むことができた。(剣神ヒューレは一部の食物を食べること禁じていたり、飲酒を悪としていないため、今回の食事会は貴族たちが行っているようなものに近い) このままふらふらとしているだけでは怪しまれると思い、テーブルに並べられた久しぶりに食べる料理をつまみつつ、式典のために飾られた教会内を見てまわっていた。この時見た光景はリディルにとって、一生の思い出となった。  しかし、この時リディルは気が付いていなかった。剣神、騎士神の正装は頭巾をかぶるものではないため、子供でコイフをかぶったリディルは、酒が入っている状況でなければ速攻で不審に思われたであろう。そんなリディルに、一人の男性が話しかけてきた。 ???「おや?式典中では見かけていない子だね。教団の子みたいだけどどうしたんだい?顔を隠したりなんかして?」 その男性に問われてリディルは気が付いた。リディルの場合の正装は、角を隠すためにコイフを身に着けることになっていたが、他の者は違う。もしこの姿を教団の誰かに見られれば、すぐにリディルであることが特定されるだろう。そのことに考えがたどり着いたとたん、リディルの体は震え、目の前が真っ白になった。 ???「ふむ?何か事情があるみたいだね。丁度私は退屈していたんだ。君のことは教団には黙っておくから、少し私とお話ししてくれないか?ここでは    なく外で。」 リディルはその男に逆らうことはできないため、おずおずとしながらその後についていった。 ???「ん~酔った体に夜風が染みる。実に心地よい感覚だ。そう思わないか?といっても、君はお酒は飲んでいないか。」 今まで興奮していてだいぶ体温が上がっていたため、コイフで少し群れていた頭部に風が当たり、リディルも彼と同じような感覚を覚えた。 ???「今はここには僕たち二人しかいないんだ。頭にかぶっている物は脱いでもいいんじゃないかな。君にとっては邪魔なものだろ?」 その言葉にリディルはビクッと反応する。彼は自分の種族について気が付いている様子だ。 リディル「・・・いつから?」 ???「最初から。これでも私は昔、冒険者として活動してたことがあるんだ。その時に得た知識や、騎手としての知識もあったから人族の見分け方ぐら    いなら簡単にできるよ。」 月の光が彼の金髪を照らす。もし彼が酔っていなければ、おとぎ話に出てくるような騎士を連想させるだろう。 ???「さて、お話をする前にお互いの自己紹介をしようか。私の名前はアルム・ウィルソナイト。その名の通りウィルソナイト家の者であるが、ザイア神官ではないんだ。今日はウィルソナイト家の者としてここに招待されたんだ。」 まだ話して間もないが、この時リディルはアルムに対し奇妙な親しみを感じていた。どことなく、彼と私は似ている。そう思い、彼になら自分のことを話してもいいのではないかと、 リディル「・・・リディル・ファーヴニル。魔剣教団の準騎士です。」 アルム「うん、よろしくね。リディルちゃん。」 今宵、三日月の光が地上を照らす中、ウィルソナイト家とファーヴニル家の落ちこぼれがであった瞬間であった。 その後、アルムは自身の昔話を話してくれた。かつて自分はザイア神官で、ウィルソナイト家の神童とまで呼ばれていた時期があったが、ある日を境に神官としての力を失い、当時の彼のすべてが失われた。しかし、彼は信仰心を捨てず、神官とは別の形で己の信仰心を貫くべく、剣の道へと進んだ。その修行の道中に、冒険者として活動していたこともあったと話していた。そして、冒険者となったおかげか、再び彼の人生を揺るがす事態が起きた。彼が働いていた冒険者の店に、騎士神ザイアが現れたという。その後についてはよく覚えていないが、ザイアザイアとやたら連呼し、アルムは本当にザイアに対する信仰心で満ちているのだと思った。今は仕事場で見つけた孤児たちを集め、ウィルソナイト孤児院の院長として活動しているそうだ。本当は孤児院の子たちもここに連れて行きたかったそうだが、兄に止められてしぶしぶおいてきたということも言っていた。 アルムは、一度底辺に落ちながらも諦めず、己の信仰心を貫き通し、今の居場所を手に入れた。リディルにとってアルムは目標で理想の人物だ。リディルの夢見ていることを実現した体現者だ。 アルム「さて、私の話はこんなところでいいかな。もっとザイアのことを語ってもいいが、次は君の番だ。君の物語を聞かせてほしい。」 リディルは話した。今までの自分の物語を。誰にも、一番親しい存在であろうムクロにも話したことはない、今までの思いもすべて。 「お前は出来損ないだ。」 父上の初めての言葉を聞いたあの日。私は理解した。父上は私に失望し、母上は私に憎しみを感じているのだと。あの日から私は生きる意味を求めていた。何のために?どうして?疑問ばかりが頭を渦巻く。剣神の教えは私を導きはしなかった。どれだけ剣を振ろうと、教団の者たちのように扱えず、どれだけ聖書を読もうと、答えは出ることもなく、ただただ日々を過ごしただけだった。 私には剣の才能もなく、神官としての才能のもない。いっそ諦めて別の道に進んだ方がよかったのかもしれない。だが、剣術や剣神の教えは両親との関係をつないでくれる貴重なものだ。それを諦めてしまっては、本当に両親との縁が途切れてしまう。それは、それだけは嫌だった。父上に出来損ないといわれ、母上には憎まれたままで終わるのだけは、自分の存在を否定されたまま生きるのだけは。 だから私は努力した。父上に認めてもらえるよう強く。母上に愛されるように強く。両親にお前はファーヴニル家の者で、私たちの子であると認めてもらえるように強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、強く、 アルム「・・・君は自分の居場所を求めているんだね。」 リディルは、自分がリディル・ファーヴニルとして認めてくれる居場所。それは両親に認めれられることでしか得ることはできないと思っている。アルムがザイアに認められることがすべてであるように。リディルはかつての自分だ。ザイアに恋い焦がれ、ただひたすらに好意を寄せ、盲目になっていた時分だ。そんな自分だから、今だからこそ言える。それは、リディルの考えは間違っていると。 この世の真実は一つだろう。しかし、答えやゴールは一つではない。無限大にあるといってもいいだろう。私は昔思い描いていた答えに至ることはできなかったが、別の答えにたどり着くことはできた。だから、 アルム「リディル、君には自分自身の存在を認めてくれる居場所が必要だ。君の人生はそこから始まるといってもいいだろう。」 リディル「・・・だから私は父上は母上に認められるように強く!」 アルム「答えは一つじゃない。本当に君の居場所はそこだけなのかい?世界は広い。この世界のどこかには君のことを認めてくれる居場所もある。」 リディル「そんなのある訳・・・」 アルム「私は君を受け入れよう。リディル・ファーヴニル。君が望むのならば、君の存在を認めてくれる居場所に招待しよう。」 居場所、恐らくはアルムが管理している孤児院のことだろう。 リディル「私は孤児じゃ・・・」 アルム「ウィルソナイト孤児院は孤児だけではなく、人生に迷える者たちも面倒を見よう。君には導く者が必要だ。このままでは君は迷い続けるばかり     で、答えにたどり着くことはないだろう。」 リディル「そんなんことやってみなくちゃわからないでしょ!」 アルム「わかるさ。我々はね、一人では答えにたどり着くことはできない。導いてもらい、時には導くことで答えにたどり着く。現に私はそうだった。」 アルムはリディルに右手を差し出し、 アルム「もう一度聞こう、君が望むのならば、君の存在を認めてくれる居場所に招待しよう。」 この手を握れば、リディルは自分が自分が求めていた別の答えにたどり着く。それはきっと今よりは幸せな物語になるのかもしれない。それに、自分の思い描いた理想が目の前にいるのだ。彼についていくことが正しい答えだったのかもしれない。だが、 リディル「ありがとう。素敵なお誘いだけど、お断りするわ。」 アルム「どうして?」 リディル「私は、私自身の存在を両親に認めてほしいだけじゃない。私はファーヴニル家の一人娘。血縁上ファーヴニル家を継ぐことができるのは今のと     ころ私だけ。先代の思いが受け継がれているファーヴニル家を私の代で終わらせたくはない。それに、父上と母上の関係を壊したくないの。」 アルム「両親の関係?」 リディル「母上は私のせいでもう子を産める体ではなくなってしまったわ。もし、私以外の者にファーヴニル家を継がせるなら、父上は別の女性との子を     産むかもしれない。二人が今まで築きあげてきた関係を壊したくないの。だからごめんなさい、あなたのところにはいけないわ。」 アルム「・・・う~む、こうもスッパリとフラれるとは」 リディル「ザイアばかりじゃなく、もう少しレディの扱いを勉強した方がいいんじゃない?」 アルム「仕方ない、フラれた男はさっさとこの場を去りますか。ああ、最後にもう一つ。君はもう少し自分を表に出した方がいい。今の君の方がかわいげ    があって私は好きだよ。」 そう言い残し、アルムは会場に戻っていった。 その後、リディルは教団の者に見つかり、いつもの教育を受けることになる。初めて言いつけを破ったこの日、アルムとの出会いはリディルの人生の重要な分岐点となったであろう。アルムとの出会いの結果、リディルは自分の目標を明確化することができたのだから。果たしてこの選択は良いものなのか、悪いものなのかは、わからないが。 ※ウィルソナイト孤児院については以下のURLのその他メモ参照 http://charasheet.vampire-blood.net/374796 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