タイトル:東堂 翔也 キャラクター名:東堂 翔也(偽名) 職業:詐欺師 年齢:25 / 性別:男 出身:兵庫(姫路) 髪の色:黒 / 瞳の色:黒 / 肌の色:黄色 身長:175 体重:65 ■能力値■ HP:13 MP:12 SAN:47/93      STR  CON  POW  DEX  APP  SIZ  INT  EDU  HP  MP 作成時  10  12  12  14  18  13  13  15  13  12 成長等 他修正 =合計=  10  12  12  14  18  13  13  15  13  12 ■技能■ ------------------------ 戦闘系技能 ------------------------ 習得/名前       現在値 習得/名前    現在値 習得/名前      現在値  《回避》      28%   《キック》  25%   《組み付き》   25%  《こぶし(パンチ)》50%   《頭突き》  10%   《投擲》     25%  《マーシャルアーツ》1%    《拳銃》   20%   《サブマシンガン》15%  《ショットガン》  30%   《マシンガン》15%   《ライフル》   25% ------------------------ 探索系技能 ------------------------ 習得/名前   現在値 習得/名前   現在値 習得/名前   現在値  《応急手当》30%  ●《鍵開け》 40%   《隠す》  15% ●《隠れる》 49%  ●《聞き耳》 31%  ●《忍び歩き》65%  《写真術》 10%  ●《精神分析》48%   《追跡》  10%  《登攀》  40%  ●《図書館》 75%  ●《目星》  85% ------------------------ 行動系技能 ------------------------ 習得/名前    現在値 習得/名前   現在値 習得/名前    現在値  《運転》   20%   《機械修理》20%   《重機械操作》1%  《乗馬》   5%    《水泳》  25%   《製作()》  5%  《操縦()》  1%    《跳躍》  25%   《電気修理》 10%  《ナビゲート》10%  ●《変装》  61%   《》     % ------------------------ 交渉系技能 ------------------------ 習得/名前    現在値 習得/名前      現在値 習得/名前 現在値 ●《言いくるめ》85%   《信用》     15%   《説得》15%  《値切り》  5%    《母国語(日本語)》75%   《》  % ------------------------ 知識系技能 ------------------------ 習得/名前      現在値 習得/名前      現在値 習得/名前  現在値  《医学》     5%    《オカルト》   5%    《化学》 1% ●《クトゥルフ神話》6%    《芸術()》    5%    《経理》 10%  《考古学》    1%    《コンピューター》1%    《心理学》5%  《人類学》    1%    《生物学》    1%    《地質学》1%  《電子工学》   1%    《天文学》    1%    《博物学》10%  《物理学》    1%    《法律》     5%    《薬学》 1%  《歴史》     20%   《》       %    《》   % ■戦闘■ ダメージボーナス:0 名称 成功率 ダメージ 射程  攻撃回数 装弾数 耐久力 / 備考                              /                              / ■所持品■ 名称          単価 個数 価格 備考 偽名の名刺          1   0 偽の身分証明書        1   0 ピッキングツール       1   0 ノートパソコン(薄型)    1   0 Wi-Fiルーター         1   0 携帯電話           1   0 =所持品合計=     0 所持金 預金・借金 ■その他■ メモ: 偽の絵画や無名の絵を色々な金持ちに言葉巧みに売りつける事によって生計をたてる詐欺師。 人の弱みに付け込むこともあり、人を慰めていくうちに精神分析が高くなった。 色々な人に恨みを持たれているため、逃げているうちに危険を察知する事や隠れる、変装などが得意になった。 相手を丸め込むための知識を身に着けるため、調べる事も得意になった。 最近は、獲物の情報を手に入れるために様々な職員に変装して情報を集める事もするようになった。(相手によっては、女装して女だと思わせて詐欺を行う事もある) 基本的に人を騙すことに抵抗はない。というよりも身分を偽りすぎて自分自身、無意識に嘘をぺらぺらと喋っている事がある。 ポリシーとして金を持っていない人間からは、搾取しない。 恋愛には、興味がない。それに加え、詐欺師が他人と恋愛するなど馬鹿げているという意識を抱いている。 初対面の人に対しては、人当たりが良く、微笑みを絶やさない礼儀正しい人間だが、自分の利益にならない相手と分かった時、かなり雑な対応をする。 姫路に住んでいるが活動拠点は次々と変えているが今の活動場所は、神戸である。 大学生までは、普通の善良な市民だったが、ある時、大学の友人に詐欺の片棒を担がされ初めての詐欺を経験する。 それ以来、その友人とは、縁を切り、社会人として一般企業に就職するも整いすぎた容姿から人間関係に問題が出来、会社を辞める。 途方に暮れるなか、美術展が目に入り、自分が昔、詐欺でかなりの収入を得たことを思い出し、詐欺師として働くことを決意した。 最初の頃は、失敗して命の危機に直面する事もしばしばあったが、なんだかんだ運よく生き延び、次第に詐欺の技術が上達していった。 大金が一度に手に入るので金銭感覚が狂い、金を使う事にあまり躊躇がない。店を開くためのお金は貯金している。 金持ちを相手にするため、しっかりとしたブランド品を身に着けている。 趣味は、旅行で国内旅行にはよく行く。(基本的に旅行中にお金を浪費する) 『毒入りスープ』 姫路の自宅で眠りについたはずだったのだが、気がつけば、窓のない弱弱しい光を放つ豆電球のある小さな部屋にいた。 部屋の真ん中には、机と一つの椅子があり、机の上には、赤いスープが置かれていた。部屋の四方には、それぞれ、扉があった。 この部屋にいたのは、私だけではなく、巌名 時良という男もいた。彼は、BARを経営している人間らしく、この場所にも心当たりはないという。度々、私の事を不審に思っていたがお互いさまだろう。 身に着けているものは、着た記憶のない白いローブを着ていて巌名さんも同じ服装をしていた。持ち物を探してみたがどこにもない。 拉致されたと思った私は、辺りを物色する事にした。すると、椅子の上に2枚の紙がある事に気付き読むとそこには『ここから出たければ、毒入りスープを飲め。一時間以内に飲まないと迎えが来るぞ』と書かれていた。 もう1枚には、部屋の見取り図が書かれていた。見取り図には、『図書室』『調理室』『礼拝室』『下僕の部屋』と書かれていた。私達は、各自、部屋を見て回ることに決め、じゃんけんで行く先を決めた。その時、私は、じゃんけんに負け、礼拝室と見取り図に書かれた場所に向かい、巌名さんは、図書室に向かった。本当に運がない。 礼拝室と書かれた場所には、小さな小窓がある扉があった。耳を澄ますと中からずるずると何かを引きずる音が聞こえ、気になって扉に付いた小窓をのぞき込むとそこには、とても巨大な蛇のような怪物が存在していた。蛇のような存在でありながら、体は、非常に大きく背中からは一つの翼が生えている奇妙な生き物だった。 私は、慌てて距離をとり、図書室から出てきた巌名さんにそのことを伝えると、私の言葉を信じてくれたのか、その部屋には出来るだけ近づかないようにしようと言った。巌名さんは、図書室には、べとべとの本があるからそれを読んできてほしい、それから一緒に蝋燭を持ってきてくれと言ってきた。この男、調査する気があるのかと若干の不満もあったが、あれだけ取り乱してしまった手前、下手に反抗するのも危険と考え巌名さんの言葉に従った。 図書室に入ると中は薄暗く、蝋燭の火と小さな豆電球が一つ弱弱しく光っているだけだった。私は、巌名さんに言われた場所に向かうと確かに本に黒いぬめぬめとしたガムシロップのようなものがべっとりと付いていた。 私は、服で手を覆い出来る限り、その液体に触れないように読むことにした。そこには、この部屋を含めた5つの部屋についての事が書かれていた。 真ん中の部屋には、未完成のスープがある。 調理室の鍋の中には、スープの残りがある。 下僕の部屋には、とってもいい子が面白いものを持ってるよ。 礼拝室には、毒の資料があり、神様が眠っている。帰ってもらうには活きの良い生き物を食べさせるのが必要 そんなニュアンスの事が書かれていたと思う。 私は、それをなんとか記憶すると蝋燭を持って外に出て、内容を巌名さんに伝えると「今度の危険な場所には私が行こう。」と下僕の部屋に行くと言い出した。危険な化け物が出てくるかもしれないので、彼が中に入るのを見ていると誰かに向かって何かを話し掛けていた。がしばらくすると扉を閉めてしまった。私は、特に危険はなかったのかと判断し、調理室に入った。 中は、電球がいくつもあったため、非常に明るく、どうやら、一通りの調理器具は、置いてあるようだった。部屋を見渡すと部屋の隅にメモが落ちていることに気付き読んでみると「特別な調味料は品切れ中」と書かれていた。意味が分からなかった。 そして、ふと部屋のコンロの上に置かれた鍋があったことに気付いた。スープの残りがあるのだろうかとのぞき込むとそこには、バラバラにされた人間の遺体が鍋に入っていた。そして、その瞬間、私は、気づいたのだ。最初に部屋に置いてあったのは、人間の血のスープだったのだと・・・ 私は、慌てて外に出た。正直、散々な1日だと思った。すると、丁度、巌名さんも出てきたので情報交換をすることになった。 私は、ありのままを話した。巌名さんは、相変わらず、私の事を疑っているようだった。人間不信だったのかもしれない。今となっては、分からないが・・・ 私が巌名さんには、何か発見があったのか聞くと巌名さんは、扉を開いた。そこにいたのは、銀髪で赤い目のした少女だった。 彼が言うには、何を尋ねても不明瞭な感じなんだ。と少し困ったように言っていた。下僕の部屋の中には、一人の死体があったのだという。また死体があるのかと、かなり気持ちが沈んだ。そして、死体には、紙が握られていたらしい、『この子は、名前のないあなたの下僕です。とても人懐っこくて、良い子です。嫌な事でもなんでもいう事をききます。可愛がってあげてください』とあったのだという。確かあの部屋には、鍵がかかっていたはずだ。確か、巌名さんがこじ開けていたのを見た。つまり、彼女は、ずっと、あの部屋にいたことになる。しかも、死体と一緒に・・・。私がそんな事を考えていたその矢先、巌名さんがとんでもないことを言い出したのだ。 「俺達も随分とストレスが溜まってるだろう? 丁度、女がいるんだ。発散しないか?」 私は、巌名さんに対してかなりイメージが悪くなるのを感じた。というよりも、気持ち悪さを感じた。 俺が無言でいると「冗談は、このぐらいにして」巌名 時良と話を仕切りなおした。冗談だったのだろうか? 彼が言ったのは、至極単純な事だった。簡単に言えば「あんたが信用できない」という事だった。それに関しては、同感だった。 彼が私の事を信用していないのと同じように私も彼の事を信用はしていなかった。 そして、巌名さんは、私を信頼できる人間かどうか見極めるためにいくつか質問してきた。どうやら、彼は人を見る目には、自信があるようだった。 彼の真剣な態度に私も彼はこの事件の犯人ではないのではないかと思うようになった。そして、最後に確認のためにお互いが見た事が本当にあっているかどうか確認する事を提案された。ここで敵対されるのもよくないと思い了承した。 少女は、あんたのそばにおいても良いと言ってきたので私もいくつか彼女に質問をした。 どうやら、下僕というのは、この少女を指している事で間違いないという事とこの少女が気づいた時には、もうすでに中にいた死体は、あの状態だったということ、そして、化け物がいるかを知っているという事だ。巌名さんが言うには、拳銃を持っていたという事だが、彼女が犯人ではないらしい。 その理由は、死体が明らかに銃で死んだ風ではなかったかららしい。 部屋は暗いからと巌名さんから図書室から持ってきた蝋燭をもらった。中に入ってみると確かに死体があった。首のない遺体が・・・ すっぱりと切り取られたように首から上のない死体は、他に目立った外傷はなく、確かにこれを少女の持っている銃で行うのには、無理があるように感じた。 中の状況は、大体、巌名さんの言っていた通りの状況だった。しかし、それだと妙な事が多い。鍵はいったい誰が閉めたのか、そして、あの暗い中で少女は、どうやって生きていたのか、そして、何より一番の疑問は、何故、少女が気づくよりも前に死んでいた死体が少女に関するメモを持っているのか、不思議で仕方なかった。単純に考えれば、少女が男を殺したのであれば、そういう風に偽装する事は、可能だろうが、そんなことを行えるものは軽く見た限りなかった。疑問は募るばかりだが、今は、どうしようもない。 俺が外へ出ると巌名さんは、調理室にあった銀の食器を持ってきていた。何かあった時のためにナイフか何かを持っていくと言っていたのでその関連だろう。もし、何かあった時というのが、あの礼拝室の怪物と戦うためなら何の助けにもなる気はしないが、気休めにはなる。 「どうだい? 女の子とは仲良くなれたかい?」と巌名さんが出てきた私達に気付いてそんな事を尋ねてくる。まあ、間違いなく変な発言をして少女を怖がらせた巌名さんよりは、仲良くはなっただろうが・・・ 私は「仲良くなれたかは、ともかく、ある程度会話は出来た。」と言葉を返した。 「それで、中の様子は、どうだった?」巌名さんは、自分の言っていた事が正しかったかと尋ねてるようだった。 「確かに言ったとおりだった。そっちは?」 「ああ、確かに言われた通りだったよ。東堂さん、あなたの事を信用しよう。」そう言って巌名さんは、手を前に出し握手を求めてきた。私は、「ええ、私もあなたの事を信用します。」と握手に応じた。 巌名さんが持っている銀の食器が気になったので尋ねると「面白いものを見つけたんでな。持ってきた。」と巌名さんは、銀のスプーンを俺達に見せた。 「それが何か?」正直、あまり、言っていることの意味が理解できなかった。そんなに珍しいものなのだろうか? 理解できていない私に気付いてか巌名さんは、説明を始める。 なんでも、銀には、魔よけとして使われるだけでなく、毒を見極めるためにも使えるらしい。毒の成分があれば、銀は、黒くなるそうだ。 彼は、試しにと血のスープにスプーンを突っ込んだ。しかし、なにも変化は起こらなかった。毒のスープだと思っていたらしく、少し意外そうな顔をしていた。もう一つ、どうやら、調理室から持ってきたらしいスープの予備にも突っ込んだが変わらず何も起こらなかった。 「毒は入っていないってことか・・・」私が呟くと巌名さんは頷いた。「完全に手詰まりだな。」だとするなら、残されたのは、あの怪物のいる部屋だけだ。巌名さんもそう思ったらしく、こう言いだした。 「東堂さん、確か、本には、神を帰すには活きのいい生き物を食べさせるのが必要と書かれていたんですよね?」 確かにそう書かれていたので私は、頷いた。 「本の内容からして全て他のものは正しかった。つまり、これも正しい可能性が高い。東堂さん、あなたは、自分自身が活きのいい生き物であると思ってますか?」 その瞬間、私は、背筋が寒くなった。この人、まさか、私に行かせる気か? そう思って巌名さんを警戒する。しかし、どうやら、そうではなかった。 彼は、「誰かが必ず行かなければならない。だから、公平に汚れ仕事を決めようじゃないか。3人で」とそう言った。 3人というのは、少女も含めてじゃんけんをするという事だろうか。 「公平だろう? まあ、東堂さんが自ら進んで入ってくれるのなら私もやぶさかではないが・・・」 私は、じゃんけんに応じる事にした。ここで何かを言っても下手をするとより危険な事になるかもしれない。 巌名さんは、少女にもじゃんけんをするように言うと少女は、少し怯えた様子ではあったが、コクリと頷いた。 じゃんけんで命が決まるなんて本当に馬鹿な話のような気がしてならないが、他に決めようもない。 じゃんけんの結果は、巌名さんが負けた。しかし、巌名さんの表情には、恐怖の色はなかった。「運がないな。仕方ない。汚れ役は、私が引き受けよう。東堂さん。」そう私に向かってそう言った後、少女の方に体を向けると「君が行くんだ。」とそう言った。 少女は、今までで一番怯えた顔を浮かべていたがそれにも構わず、巌名さんは続けた。「君が行ってこの拳銃でその怪物を殺してきてくれるかい? 倒したら帰っておいで、入った後は必ずドアを閉めるんだよ。さぁ、お行き」 少女は、絶望した表情を浮かべていたが諦めたようにコクリと頷き礼拝室に足を進めた。 「お、おい!」と私が少女に声をかけようとした時、巌名さんに無理やり図書室へ押し込まれた。 「一緒に生き延びようと約束したろう?」と巌名さんがそう言った。 この男、正気か? 汚れ役とは、少女に命令を下す役だったのだ。つまり、自分自身の命を懸ける気なんて毛頭なかったという訳だ。 巌名さんは、図書室の扉を閉めた。部屋は、真っ暗だった。そして、しばらく、その場にいると一発の銃声が聞こえ、その後、少女のものと思しき断末魔が聞こえてきた。まるで、責めるように、恨むように、命が尽きる前の最期の絶叫。 数分間にわたる叫び声は、徐々に小さくなり、そして・・・・・・消えた。 その瞬間、ぐにゃりと視界が歪んだ。体が力を失いその場によろける。 すると数メートルはありそうな巌名さんが、俺を支えていた。 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 この部屋のものは、こんなに大きかったのだろうか、身の丈の数倍はありそうな本棚、人ひとり分ほどのサイズの本、そして、数メートルの大きさの人間 私は、その恐怖に気付けば叫んでいた。少女が俺の事を責めているのだろうか、悪かった。許してくれ。 「ごめんなさい。ごめんなさい。許して、許して、許して、お願い、お願いあああああ、許して、ごめんなさい。」少女に向かって謝罪を繰り返していた。 「おい、しっかりしろ!」巌名さんの呼びかけにふと我に返るとさっきまでの異常な世界ではなく入った時と同じ図書室だった。 「大丈夫か。」巌名さんは、少し呆れた様子だったが、私の身を案じてくれた。 「ああ、すまない。かなり、おかしくなっていたみたいだ。」私は、巌名さんに謝罪すると「気にするな。一緒に生き延びるためには、こんな所でおかしくなっては困る。」と図書室から出ていった。私もその後に続いて図書室を出た。 部屋は、先ほどと比べ驚くほど静かだった。礼拝室の前に立つと巌名さんは、中に耳を澄ませていた。私も同じように耳を澄ますと少女のあの悲痛な叫び声が聞こえたような気がして気分が悪くなった。そうしているうちに巌名さんは、ドアから中をのぞき込んでいた。 「何もいない。」と巌名さんは呟いた。 「何もいない? 化け物は? 女の子は!?」 「化け物はいない。女の子も。ただ、辺りに血が飛び散っている。どうやら、少女は死んでしまったようだ。」 巌名さんは、そう淡々と言いながら扉を開けた。中には、何もいなかった。あるのは、巨大な石板と象の頭、人間の体を持つ気味の悪い彫刻だった。 中に何もいないのを確認して私達は、中に入った。 一番目についたのは、石板だった。巨大な石板は、見たこともない言語で書かれていたが何故か少し時間をかければ解読できそうな気がした。 特に何かそう言った技術を持っている訳ではないはずなのだが、なんとなく、確信めいたものがあった。 私が石板を見ていると巌名さんが紙切れが落ちていたと私のところに持ってきた。そこには、『調味料は、中央の小さな太陽の中、もしくは、黒い知識の夢にある。』と書かれていた。 「これが毒のありかってことか。」 「そうみたいだ。そっちは、何かわかったか?」 巌名さんに私は、石板の事を話すとやはり、胡散臭そうな顔をされてしまった。だが「まあ、解読できるならそれにこした事はない。私にはさっぱりだが、東堂さん、お願いしてもいいか?」と言ってきたので私は「わかった。じゃあ、そっちは、調味料を探してきてくれ」とお願いした。 「いや、その必要はない。これを読んだ瞬間から、もうすでに場所は、分かっているからね。一つは、中央の小さな太陽というのは、あの豆電球の事だろう。もう一つの黒い知識の夢というのは、あのベタベタの本の事だろうね。君の服にもあの本の黒い液状のものが付いているしね。」 そう言われて自分の服を見ると確かに本を読むときに手が汚れないようにした時についた黒い汚れが付いていた。 「まあ、確認のために豆電球を調べておこう。東堂さん、一応、あなたの服についているものも採取してもかまわないか?」 「ええ、勿論」と私は、巌名さんに汚れを取ってもらった。 「扉は、開けておくから、何かあったら、すぐに呼んでくれ」そう言って巌名さんは、スープのあった部屋に戻った。 私も石板の解読を始めた。石板の文字は、なんとも珍妙な読み方をするようだったが、なんとか読むことが出来た。 その内容は、『邪神 チャウグナル・ファウグン』についてだった。 邪神は、象ように見える頭を持ち体は、人間、耳には触手が伸び、夜になると触手や鼻を伸ばして生き血を啜るらしい。そして、人を自分の夢に閉じ込めて試すのだという。 この異様な世界もチャウグナル・ファウグンの作り出した夢なのではないだろうか? そして、最初に見た手紙の迎えとは、その邪神を指しているのだと私は理解した。どうやら、石像は、チャウグナル・ファウグンを模して造られたのだろう。どうやら、のんびりしている余裕はないらしい。 私は、慌てて巌名さんのところに向かったが、部屋は、蝋燭の明かりだけになってかなり薄暗くなっていた。 巌名さんは、スープに銀のスプーンを突っ込み引き抜くところだった。銀のスプーンは黒く変色していた。どうやら、毒は、それで間違いなかったようだ。 「良いタイミングだ。丁度、スープの実験が終わったところだ。どうやら、調味料は、毒で間違いない様だ。」 「そうみたいだな。」私は、石板に書かれていたことをそのまま巌名さんに話した。「にわかには、信じがたい話だが、それなら、あまり時間は残されていないようだね。」と巌名さんは、言うと私にもスープを渡した。 「ただ、問題は、本当に毒入りスープを飲んで帰れるのかという事ですね。」私の呟きに巌名さんがこう言った。 「何を言っているんです? 誰が同時に飲むなんて言いました?」 「え?」 「当たり前でしょう。どちらか片方が飲んで結果を見てから行動するのが正しい判断です。」 そう言って巌名さんは、私に向かって拳を向けた。 「最初から最後までじゃんけんで決めてきたでしょう? 最後のじゃんけんです。負けた方が毒入りスープを飲む。成功したらそれでよし、失敗したら生き残った人間が、他に手段を考える。」 「・・・・・・分かった。」 私は、巌名さんと向かい合い最後の話をする。 「何か言い残すことはあるかい?」 巌名さんは、私にそんな事をきいてきた。 「いや、お互い、これが最期になるかもしれないからね。遺言があれば元の世界に戻った時に伝えてあげるよ。」 そんな事をいきなり言われても困るが、しかし、遺言を伝える相手は、私にはいない。 犯罪者になってからは、色々な人との縁を切ってきた。住む場所を変え、名前を変え、生きてきた。だから、遺言などは、必要ない。 「残念ながら、遺言を伝える相手がいないのでね。巌名さんがもし誰かに遺言があるなら伝えておいてあげますよ。」 「そうですか。なら、東京にあるBARイワナにいる私の父にこう伝えておいてください。『俺は仕事を継ぎたくはなかった。』と」 巌名さんにも何か事情があるようだった。そうして、私達は、人生を賭けたじゃんけんを行った。 「・・・・・・なるほど。本当に運がない。」毒入りのスープを持ち巌名さんは、そう呟いた。 「東堂さん、最後に言っておきます。私は、死を覚悟しない。必ず、生きてこの夢から生還します。それでは、東堂さん、現実でお会いできる機会があれば、お会いしましょう。」そう言って毒入りスープを巌名さんは一気に飲み干した。 その数秒後、巌名さんは苦しみだし、息が出来ないようで、ヒューヒューと空気の抜けるような呼吸をした後、絶命した。 そして、その瞬間、世界は、真っ黒に染まった。それと同時に『勇気ある者たちよ。元の世界へ帰るがよい』という声が聞こえた。 目を覚ますといつもの自室のベットの上だった。どうやら、無事帰れたようだった。 巌名さんは、無事帰れただろうか、そう思いながらも私は、眠っていたはずなのに感じる疲れに耐え切れずにもう一度、眠りに落ちた。 今度は、普通に目覚められるように願いながら・・・ 『後日談』  夢の出来事だったのだろうか? 思い出すだけでも吐き気のしそうな事だった。 瞳を閉じると思いだす、少女の怯えた絶望の表情が・・・。 あれは、本当にただの夢だったのか? いや、このはっきりとした記憶は、偽物ではない。 直接、消しかけた訳ではないが、少女を死に追いやってしまった。今でも、彼女の断末魔が耳にこべりついて離れない。 化け物がいる事もやばい事も分かっていた。だが、自分は、少女を止める事は、出来なかった。死ぬのが怖かったのだ。 いくつも命の危機のある経験をした自分でもあの未知の存在に立ち向かう事は恐ろしくてできなかった。 後悔は、常に胸の中にある。願うなら、彼女も夢から現実に帰り無事でいてほしい。 その後、私は、詐欺師を辞めた。そして、今まで集めてきたお金を使って孤児院を建てる事にした。 せめてもの少女への贖罪であり、自己満足かもしれないが、それでも何もせず、詐欺師のまま生きていくことは、私には出来なかった。 ■簡易用■ 東堂 翔也(偽名)(男) 職業:詐欺師 年齢:25 PL: STR:10  DEX:14  INT:13 アイデア:65 CON:12  APP:18  POW:12  幸 運:60 SIZ:13 SAN:93 EDU:15 知 識:75 H P:13  M P:12  回避:dex*2  ダメージボーナス:0 ―――――――――――――――――――――――――― [技能](職業技能点:300 個人技能点:130) (書式:職業/個人<成長>[その他]) ―――――――――――――――――――――――――― [持ち物] ・武器 ――――――――ここに記入―――――――― ・防具 ――――――――ここに記入―――――――― ・所持品 ――――――――ここに記入―――――――― [プロフィール]