タイトル:『オルタナティヴダブル』 キャラクター名:湊元千日 職業:探偵助手 年齢:20 / 性別:女 出身: 髪の色:真朱 / 瞳の色:紅赤 / 肌の色: 身長:162 体重:49 ■能力値■ HP:12 MP:16 SAN:68/99      STR  CON  POW  DEX  APP  SIZ  INT  EDU  HP  MP 作成時  16  12  16  17  18  11  16  20  12  16 成長等                        1 他修正 =合計=  16  12  16  17  18  11  16  21  12  16 ■技能■ ------------------------ 戦闘系技能 ------------------------ 習得/名前       現在値 習得/名前    現在値 習得/名前      現在値 ●《回避》      75%   《キック》  25%   《組み付き》   25%  《こぶし(パンチ)》50%   《頭突き》  10%   《投擲》     25%  《マーシャルアーツ》1%    《拳銃》   20%   《サブマシンガン》15%  《ショットガン》  30%   《マシンガン》15%   《ライフル》   25% ●《日本刀》     76%   《》     %    《》       % ------------------------ 探索系技能 ------------------------ 習得/名前   現在値 習得/名前   現在値 習得/名前   現在値  《応急手当》30%   《鍵開け》 1%    《隠す》  15%  《隠れる》 10%  ●《聞き耳》 80%   《忍び歩き》10%  《写真術》 10%  ●《精神分析》70%   《追跡》  10%  《登攀》  40%  ●《図書館》 85%  ●《目星》  85% ------------------------ 行動系技能 ------------------------ 習得/名前    現在値 習得/名前   現在値 習得/名前    現在値  《運転》   20%   《機械修理》20%   《重機械操作》1%  《乗馬》   5%    《水泳》  25%   《製作()》  5%  《操縦()》  1%    《跳躍》  25%   《電気修理》 10%  《ナビゲート》10%   《変装》  1%    《》     % ------------------------ 交渉系技能 ------------------------ 習得/名前    現在値 習得/名前      現在値 習得/名前 現在値  《言いくるめ》5%   ●《信用》     80%   《説得》15%  《値切り》  5%    《母国語(日本語)》105%   《》  % ------------------------ 知識系技能 ------------------------ 習得/名前      現在値 習得/名前      現在値 習得/名前  現在値 ●《医学》     80%   《オカルト》   5%    《化学》 1%  《クトゥルフ神話》0%   ●《芸術(絵画)》  8%    《経理》 10%  《考古学》    1%    《コンピューター》1%   ●《心理学》87%  《人類学》    1%   ●《生物学》    14%   《地質学》1%  《電子工学》   1%    《天文学》    1%    《博物学》10%  《物理学》    1%   ●《法律》     14%   《薬学》 1% ●《歴史》     75%   《》       %    《》   % ■戦闘■ ダメージボーナス:1d4 名称 成功率 ダメージ 射程  攻撃回数 装弾数 耐久力 / 備考                              /                              / ■所持品■ 名称 単価 個数 価格 備考       1   0       1   0       1   0       1   0 =所持品合計=     0 所持金 預金・借金 ■その他■ メモ: 〇湊元千日(みなもと・ゆきひ)/『オルタナティヴダブル』HO助手 【千日紅】:「色あせぬ恋」「不死」「不朽」「永遠の恋」「変わらぬ愛」「重宝」「独身」「恋の希望」 「――――どうか、どうか。僕を此処においてくださいませんか」 〇三行まとめ  はんなりとした男装の麗人。  礼儀正しくお淑やか。家事炊事が得意。  献身的で自己評価は低め。 ・世界が暗闇に沈む間際の夕暮れを絹と編み込んで、肩につかない短さで丁寧にまとめられた真朱の髪は、横髪だけをふんわりと長く伸ばしており、斜陽の風に遊ばれて揺れる。瞳もまた、どこまでも澄み渡った紅玉を閉じ込めたかのような、燃え上がる火花を散らしたような紅赤。同色の睫毛が、僅かな憂いを帯びたようにも虹彩へと影を落とし、その狭間から世界を静かに見つめる、赤い眼差し。  全てが完璧、とも取れるほどに、容貌が整っている。然し、何処か性差の境い目が曖昧であり、男女の区別が一見付きづらい。然し、男であったとしても美しく、女であったとしても美しい、そんな姿。 ・身体は華奢であり、体力もあまりない。けども、小柄ゆえの身軽さと軽やかさを持ち、また、華奢な見た目に反して力は強い。  柔和ながら、凛と伸びた背筋でまっすぐに物事を見据え、時にふうわりと身軽な足取りで意識から外れる、何処か不思議な儚さを持つ。  所作の一つ一つが美しく、洗練されている。女性的でも男性的でもなく、洗練、という言葉がいちばんに見合う。凛とした、けども柔らかな気配と横顔は、何処か他者を安心させるような、そんな穏やかに満ちている。 ・自身の美しさはきちんと理解をしているものの、あまりそれをひけらかすことは好みではない。  ただ、場で必要であればきちんと自身を飾り、TPOは弁える。どちらかと言えばあまり露出しない服装を好み、首元が閉まっている方が落ち着く。  また、頭に常に花飾りをつけており、それらもまた、季節や状況によって使い分けている。基本的には赤い千日紅の花が、赤髪の耳もとでふうわりと揺れている。  誰かに褒めてもらえることは純粋に嬉しく、またそれはきちんと受け取っている。けれど、それを鼻にかけることはしたくはなくて、重なり過ぎてしまうとちょっと困ったような反応をしてしまう。上手く受け取れなくて、すみません。 ・はんなり、とした柔和な性格。あまり言葉や感情を荒立てることはしないが、ふわりころりと表情は変わり、感情の表現は存外豊か。  控えめに見えて、押しの強いところはしっかりと押す胆力も持つ。必要な主張はしっかりとする。けども、時折、不思議なほどにすんなりと身を引くことがあり、その時も何処か困ったように笑っている。大体他者を困らせてしまいたくないとき。コミュニケーションになるくらいならばいいが、相手に酷く不快な思いをさせたくない為、よほどのことがない限りは、その線引きは自身の中では明確。  他者を困らせたくない、己といるときに嫌な思いをさせたくはない。その気持ちが非常に強い。 ・善良で面倒見もよく、困っている他者や頼みを断ることが出来ない。安請け合い、というほどでもないが、それなりに受け取ってしまい、けども受け取ったからには、自身が出来ることを尽くす。  ただ、自身のできる範囲もそれなりにしっかりと把握しているため、自身に対して不相応や過剰な頼み事はやんわりと断りをいれることも。或いは、それに見合う誰かを共に探す、といったまたベクトルの違う手伝い方の方面へとシフトさせる。だが、結局断られず受け取ってしまうことも多い。  大胆だが、他者からの押しにもまた弱い。 ・また、些か心配性。さまざまな可能性は常に頭の中で考えており、それらを踏まえて行動する。そのため、咄嗟の判断が一瞬遅れてしまうこともある。  どちらかと言えば、一度頭の中で考えてから動く。全てに於いては「間」が大事だとも考えているため、突発的な行動は基本的に控えるようにしている。  けども、どうしたって突発的な動きをしてしまうことは当然あって、その時は仕方がないと受け止めているが、時折、もう少し考えればよかった、と一人で自己反省会をしている。 ・他者を傷つけることを厭い、それならば自身が傷つく方がいい。  献身的、と言えば聞こえはいいが、自己犠牲の精神が強く、上記の心配症も合わさって、自分の為、というよりも基本的に他者の為に動き、考える。  人をよく観察をしており、他者の空気を感情を読み、大胆な押しをするときは、そんな雰囲気から必要があると感じたとき。  他己的。自身よりも他者が優先。勿論、あまりそれを気取られないようには意識しているが、時折隠し切れないことも多い。  自分を大切にできない者は、他者を大切にすることも出来ない。よくないことだ、と自覚はあるけども、中々治らない悪い癖。 ・人の為になれること、人の役に立てること、それが何よりも嬉しい。  誰かが、笑っていてくれる顔を見れることが好きで、穏やかな姿を目に出来ることが嬉しい。  人々に対して、基本的には平等に優しく善良であり、些か博愛主義的な部分もある。等しく大事でいとおしい。  けど、時折仲良くなることが出来た人がいれば、その人々のことは何よりも大事に大切にして、彼らの健やかな幸せを願っている。  また、彼らの為ならば、己のできることは何なりと尽くそうとする。 ・つまるは、自己評価の根本の部分が低い。 ・丁寧な言葉遣い、言葉選びを無意識的に意識しており、あまり強い言葉や表現を使うこともまた、好まない。  言葉のチョイスが些か古いが、丁寧で、また美しい言葉を選ぶようにしている。  だが、勿論状況や相手によっては、かみ砕いて柔らかく、今時の言葉でにこりと笑う。  声の質が落ち着いているため、何処か柔らかく響くようでもある。  ただ、その為、早口言葉や言葉を素早く放つことが実はちょっと苦手であり、急いで喋ろうとすると噛んでしまったり、言葉に詰まってしまうこともある。 ・家事や炊事が得意で、一通りのことはほぼ完ぺきにこなすことが出来る。プロ並み、とまでは行かないが、それでもレベルはかなり高い。  得意でもあり、好きでもあるため、それらを両立している。どんな料理でも大抵は作れてしまうが、得意なのは和食。 ・また、頭もよく、人に教えることも好んでいるため、よく家庭教師や塾の講師などを受け持つこともある。  得意なのは文系だが、凡そ理系も問題ない。一番教えることが得意なのは古典と歴史。雑談や小話を交えて分かり易く話すため、その時々の生徒たちには好評。ノートなどのまとめ方も分かり易い。 ・甘いものが好き。特に和菓子系、いちごや桜の味のものを好んでおり、それを食べているときはいつもふわふわ柔和な表情に、さらにふんわり花が咲く。  好き嫌いはよくないので、なんでもちゃんと食べるが、すっぱいものはその実ちょっと苦手。でも頑張って食べる。 ・若々しい見た目ながら、そんな落ち着きと献身を持ちつつ、時に年相応のようなそんな表情を見せる、何処か不思議な麗人。 ・カラーコード:#E83929 紅緋 ・好きなもの(2d100)  32:さくらもち  91:あまいもの  118:ほうじ茶 ・苦手なもの  93:早口言葉  70:血  76:すっぱいもの ・バレたくない小さな秘密・苦手とできないこと編  2:早口言葉、噛んじゃうから言いたくない ・料理のミスり方・軽微編  12:塩を入れようとしたが塩コショウしか見当たらずやむなく振りかけた 【特徴表】 17:勉強家 25:鋭い洞察 【花言葉】 1:アイリス 「吉報」「愛」「情熱」 いつでも希望を忘れない。望めば必ず報われると知っているから。なにも悲しむことはない。泣くことは諦めだとわかっているから。 55:辛夷(こぶし) 「友情」「歓迎」「信頼」 貴方は誰も拒まない。心から触れ合えば、必ずやその関係は好転するだろうと考える。裏切られても気にしない。さらに手を広げよう。自分の器が小さかっただけだ。もっともっと器を大きくしよう。そうすれば拒んだ者たちすら抱えられる日がくるだろう。 53:ムスカリ 「失望」「失意」「絶望」 すでに打ちのめされたのが貴方。なにに? 全てに。癒してくれる人はもう居ない。心を通わせる人ももう居ない。なにもかもが悪い方向に転がる気がするのだ。もう助けを求める声も枯れ果てた。……しかし、だからこそ、這い上がるしかない現状を理解する。 【通過シナリオ】 ・『オルタナティヴダブル』  序章「母胎」  本章「双生児」  終章「蛹」 ・『天声』 ・『ラブレターフロムロラン』 ・『深海遊色』 <以下、『オルタナティブダブル』HO助手秘匿情報有り> ・もう、朧気で曖昧な記憶の中。けども、憶えていられる限りの、遠いはじまりの記憶は江戸中期。綱吉さまか、家宣さまの時代だったか、あの頃の治世は生きることに必死で、統治者の名前まではしっかりと憶えられてはいなかった。あとから、ああ、あのお方が、と知った。  そう、――――その当時から、今に至るまで。途方もなく長い時を、生きてきた。  生きて、いる。 ・不老不死、という己の形に気付いたのが、その当時であったから、もしかしたらもっと長くを生きているかもしれないけれど、そこまでは明確に覚えていない。  ただ、ただ、長い時を、老いず、死なず、大病にもならず、大きな怪我も治り、――――死ねずに、今まで生きてきた。生きて、しまってきた。 ・不老不死に気付くまでは、柔和ながら快活な、極々変哲の無い村娘だったのだと思う。  ただ、器量もよく、また容姿も酷く美しかったから、誰に嫁いでも恥をかかないようにと、周囲の人々から花嫁修業として様々な家事や炊事、必要な知識を教えてもらった。  飲み込みもよく、また向いていた為に、それらの知識をぐんぐんと吸収し、細々と、けども穏やかに質素に過ごせる日々は幸せだったのだと思う。 ・自身が不老不死であること、人とは違うこと。最初に気が付いたときは、酷く衝撃で、どうして、とただ思った。  周囲の人々が老いて逝く。周囲の人々が死んでいく。当時は満足に生きることが難しく、また、若さを保つことも難しい。短くも懸命な生を人々が謳歌しては散っていく傍らで、自分は全く、変わることがなかった。  見知った人々が変わっていく中で、けども変わらない己。そんな自分を見る人々の目が――――好奇と、嫌悪と、異端と、驚愕と、畏怖と。そういった数多の感情を持って自分を見ることにだって、気付くのに時間はかからなかった。  嫌悪と、畏怖と、恐怖と。人ならざるものへ、向けられる瞳。視線。ああ、…………どれだけ時が経とうとも、姿も形も変わらない人間は、そうだ、存在しない。お伽話の、中にしか。  理由も、原因も、何もかもわからなくて、…………否、当時だったらもしかしたら覚えていたかもしれないけれど、長い歴史の中で、その衝撃はいまだ覚えているけれども、それは、きっとあの時の形のままではない。だから、そうやって感情が削れて落ちていってしまったように、当然記憶だって崩れ、消えて、忘れてしまって。  ただ、異端なのだと。  周囲と決して同じには慣れないのだと、嫌になるほど気付かされて。  不老不死なのだと、そんな言葉と概念を理解したときにはすでに、周囲との距離の取り方には、慣れてしまっていたんだと思う。 ・けれど、生半可以上の美しさを持ってしまっていたから。  時に、決して老いない見目は大切にされ、時に、嫌悪の対象ともなった。  ある時は、時の権力者に囲われて、一時軟禁状態に近しい時もあった。 ・人との距離方はわかっていたつもりだったけれど、――――それでも、どうしたって、長らくを一人でいることは、寂しくて。  例え己の容姿目当てであったとしたとしても、元来の柔和な性質と相まって、声を掛けてくる面々に応えてしまうこともあって――――大切にされようと、酷くされようと、結局は最後に、全て置いて逝かれてしまった。 ・女であるがゆえ、己が不老不死だと分かれば手酷くし、或いは不老不死の自分を使って子を為せば、その子も不老不死となるのではないかと、それなりの目にあった経験もある。 ・だからこそ、大正を過ぎたあたりからは、己の性別を隠すようになった。女でありながらも、髪を短くし、喉をわざと枯れさせ、声を低くし、首元や体格を隠し。衣服を硬く纏って、己の輪郭を隠した。  時にわざと快活なそぶりを見せて、人を欺いて、己の身を守るための自衛の手段も身に着けた。 ・一時仲良くなった男は、確か新鮮組だった。刀の使い方を教えて貰って、時代を変えたいと語っていた彼の話を頷いて聞いて、けども、何かの事件で斬り殺されたのだと、あとになってから人伝てに聞いた。  一時仲良くなった女は、吉原で名の知れた花魁だった。彼女の世話係と、時に話相手として、一時を共にして仲良くなった。けども、ある時密やかにずっと恋焦がれていた男からの身請け話を貰ったと喜んでいて、その数日後、時の権力者に大金の元に買われていって、後の姿は見ていない。  一時、仲良くなった少年は鹿鳴館の下働きだった。頭がよく、利発的で、自身にも様々な教えを乞うた彼は、外国に行きたいと瞳を煌めかせていた。ある時運が巡り、ある外国人に気に入られ、下働きではあったが外国に行けるんだと嬉しそうに語っていて、けれど、その数日後、彼が乗った船は紀州沖で沈没したそうだと、後になってから知った。  一時、自身に教えを乞うていた少女は、父が戦争に駆り出され、母が病弱だったから、幼い身でありながらも必死に働いて、妹や弟を懸命に守っていた。貧しいながらも清らかで、懸命に工場で働いていた。いつか、東京に行きたいんだと話していて、けれど、ある時の戦火で、鉄の飛行機が落とした爆弾がその工場を吹き飛ばした。 ・そして、ある時。  とある男と、情をもった。あの頃は確か、もう既に男として過ごしていたはずだけれど、自分が女であることを見抜いて、けども誰にも言うことは無かった誠実な彼だった。  身元が明らかでない自分は、偶然か、それとも当然か戦争に召集されることはなくて、――――けれど、誠実な彼には赤い紙が届いて。御国の役に立てると喜んでいた周囲とは裏腹に、彼の瞳が絶望に染まっていたのは、よく覚えている。  その夜、彼から懇願された。彼は、己が不老不死であるということも気付いていて、けど「愛があれば共に終われるんじゃないか」と、解いてきた。  今までだったら、いつもだったら。そんなこと、と柔らかい言葉で拒絶をしていたのに。  あの時は、拒否が出来なかった。それに、彼の言葉に期待してしまったんだ。…………もし、もし。本当に追わることが叶ったら?  そして、また。あの絶望した彼の表情を、瞳を、切り捨てることはできなかったから。  共に逝こうと、頷いて、手を取って。  誰にも知られずに、たったふたりで、海に身を投げた。  ――――どんな話を、したのだったか。そんな記憶さえも曖昧な己は、きっと白状なのだ。  けれど、最期に見た…………安心しきったような彼の表情は、忘れることなんか、できない。もしかしたら、己も。…………安堵の表情を、浮かべていたかもしれない。  長い長い生に、終止符を打つことができるんじゃないかって、そんな淡い期待で。 ・――――けども結局、彼は死んで、己は生きた。  気付いたら、知らぬ海辺に自分だけが打ち捨てられるように倒れていて、…………彼の姿は、水底の遠い其処へと眠っていた。  彼は死んで、己は生きた。  …………ああ、もし。自分があそこで頷いていなかったら、彼は、死ななかったのだろうか?  或いは、戦争にいって、戦火の元で、絶望と共に死んだんだろうか。  ――――私と、出会わなかったら、彼の運命は変わらなかったのだろうか。 ・それ以前にも、一度。  ああ、確か、江戸が終わるころ。画家の男だった。あの時は己もまだ、女として在って。  己の美しさに魅入られたから、と、幾度も幾度も描かせてほしいと己を訪ねてくる、気のいい男だった。気はよかったけれど押しが強くて、モデル、を請け負ってしまって。気恥ずかしかったけれど、言葉巧みにこちらを褒めて、時に笑わせてくる彼との時間は、楽しかったんだと思う。  彼にも、変わらない美しさは、老いるものがないのだとバレてしまって。  でも、彼は歓喜した。ああ、それならば君の美しさを俺は一生描けるのか、と。  驚いて、他の人々と同じで、けれど、…………そうだ、彼は絵を描くことに夢中だったから。イヤな気は、しなかったんだ。  彼とも、ひと時を過ごして、――――ああ、時間は流れるのだから、彼も老いて。  けども、反して変わらない、己の手を、今際の際の床の中で、皺だらけの手で握って、じっと見つめ来たあの、青い目も覚えている。  「一緒に逝って、あの世でも描かせてくれないか?」  ――――なんと、答えたのだったか。そんな記憶も曖昧な自分は、きっと、冷淡だ。  でも、あの時だって、頷いて、期待してしまった。だから、己の手をにぎったまま、囲炉裏の火を消さずに、其処に油を投げ込んだ彼の行動を止めなかった。 ・――――けども、結局あの時だって、己は生きて、彼は死んだ。  燃え落ちたのは、彼だけだった。 ・だから、知っていたのに、分かっていたのに。  終わりを、望んで、けれど、…………叶うことは無いのだと、身をもって分かった。  わかっていた、のに。 ・彼だって、あの時自分が止めていたら、生きていただろうか?  或いは、静かに今際の際の眠りを、火に汚されることなく甘受、できていたんだろうか。  ――――私と、出会わなかったら、彼の運命は狂うことがなかったんだろうか。 ・多くの人に老いて逝かれた。数多の人を見送った。  多くの出来事見て、多くの言葉を聞いて、数多の、事柄を忘れて。  何度も何度も味わった痛みには、慣れたつもりだったんだ。実際慣れていたけれど、…………時々、酷く、何度でも痛んだ。  今となっては歴史として語られて出来事を実際に目にして、体験をし、身をもって証明し――――今へと至る。 ・人と共に、いなければ。  人を見送ることも、狂わせることも、ないのだってわかっているのに。  …………ああ、どうしたって一人は寂しい我儘で、人の中に、時折降り立ってしまう。  こんな己はもう、人ではないんだと、分かっているのに。思い知ったのに。溺れても、焼かれても、斬られても、打ち据えられても、死なない人間なんて存在しないんだ。 ・だから、せめても。  人との刹那を、意識することにした。袖振り合うも他生の縁。ひと時を過ごして、己の異常さに気付かれる前に姿を消す。自分から消えてしまえば、相手がどれだけ情を持っていようと、気付かれる前に消えられる。  ……………………人を傷つけるしかない、ひどい、存在だ。  でも、そうすれば、きっと、その人を狂わせて、運命を変えてしまうことはないんだ。 ・献身も、聡明も、寄り添いもすべて、他者の為でもあって、同時に、自身のためでもある。 ・見送ることしかできない自分が、置いて逝かれるしかない自分が、ひどく苦しい。  でも。もう、どうしようもないことは、理解しているから。  …………せめて、出会う人を、慈しみたい。愛したい、大事にしたい。だって彼らは、限られた時の中を、生きているのだから。 ・純粋に人間のことを愛していて寄り添いたいけれど、――――それを為してしまっては、いつか人のことを殺してしまう、美しく、悲しいバケモノ。  こんなことなら、…………人の温もりも営みも、知りたくなかったのに。  知ってしまっているからこそ、こんなにもいとおしくて、美しいんだ。 ・本名は「源天鞠(みなもと・てまり)」、現代で名乗る必要がある場合は「湊元千日(みなもと・ゆきひ)」と名乗っている。 天鞠、千日、どちらも千日紅から。 あまり自分の苗字と名前は好きでは無いが、名乗る必要がある場合はどうしても、な気持ち。 ・EDU→5+15 ・イメソン  「僕が死のうと思ったのは」https://www.youtube.com/watch?v=OsIc-bDP3d8  「夏灯篭」https://www.youtube.com/watch?v=2epJQyYSF2Q   「Alive」https://www.youtube.com/watch?v=7jqVuqVQvvA  「勇者」https://www.youtube.com/watch?v=OIBODIPC_8Y   「Anytime Anywhere」https://www.youtube.com/watch?v=r105CzDvoo0 ・『オルダブ』通過後  「生きてさえ」https://www.youtube.com/watch?v=CBedBVOLoTQ  「Soranji」https://youtu.be/44cICMd3jW4?si=_WfIan4EsniAnGiH 〇HO2 助手  あなたは不老不死だ。  江戸時代中期に不老不死を自覚してから歴史の一部始終を見届けて、現代へと移り変わった。変化しない容姿を不審に思われる前に行方を眩まして町を渡り歩くことが常だった。  不老なだけではないかと疑い、自らの命を絶つこともあったが、耐え難い苦痛を伴うだけで死にはしなかった。自死を試みたのはこれ一度きりである。   △▽△▽  ある日あなたは都会の煩雑さに疲れ果て、田舎町に身を置くことにした。  次の拠り所を探す中、山奥にて探偵事務所を構える人が居ると聞いて事務所を訪ねた。  迎え入れられた部屋でHO1に話しかけて――あなたは殺された。一瞬の出来事のため、事実は定かではない。  その後HO1は一切これを言及せずにあなたを助手として迎え入れた。それ以来「不可解な死」は無く、安息の日々を送っている。 ・導入  閑古鳥が鳴く事務所での共同生活にも慣れた頃、一本の電話が掛かる。 □EDUは1D6+15で決めること。(EDU16〜21であれば継続探索者でも可) □職業技能は三つ以内に職業を選択してから割り振ること。 □見た目は15〜25歳にすること。(自称年齢は自由) □あなたは町に用事で降りたことはあっても住民とは交流していない。 ---------------------------------------------------------------- ◯共通  HO2はHO1が構える探偵事務所に所属、及び所属と称して居候かルームシェアしている。秘匿HOに触れないならば、事前のすり合わせやキャラクターシートの公開は可能。 【通過シナリオ】 ・『オルタナティヴダブル』  序章「母胎」:SAN値-3,法律+4,生物学+7  本章「双生児」  終章「蛹」 ・『天声』:SAN値+26,生物学+6 ・『ラブレターフロムロラン』:SAN値-10,芸術(絵画)+3,目星+4,日本刀+1 ・『深海遊色』:SAN値+9,目星+1 「そっか。…………、僕が教えることが、できなかったのは、「助けて」って、人に手を伸ばしていいこと、だったのかなぁ。ねぇ、ショウ」 「…………、どうか、来世で。約束、ですよ」 AF:ヒビの⼊った砂時計 (乳⽩⾊の砂が⼊った、ヒビ割れた砂時計。 砂時計を完全に壊す事で、今回夢の中で回復した SAN 値の値分、再び回復する事が出来る。尚その際、このシナリオの夢の中で起こった出来事は全て記憶から消される) 後遺症:明晰夢の現実(今後この探索者がメタフィクション要素に触れた際、その際のSAN 値減少が+1 される。また、これはヒビの⼊った砂時計を使⽤する、或いはその他の要因で『夢の出来事を忘れた』場合に解消される) ■簡易用■ 湊元千日(女) 職業:探偵助手 年齢:20 PL: STR:16  DEX:17  INT:16 アイデア:80 CON:12  APP:18  POW:16  幸 運:80 SIZ:11 SAN:99 EDU:21 知 識:99 H P:12  M P:16  回避:dex*2  ダメージボーナス:1d4 ―――――――――――――――――――――――――― [技能](職業技能点:420 個人技能点:160) (書式:職業/個人<成長>[その他]) ―――――――――――――――――――――――――― [持ち物] ・武器 ――――――――ここに記入―――――――― ・防具 ――――――――ここに記入―――――――― ・所持品 ――――――――ここに記入―――――――― [プロフィール]