タイトル:ら キャラクター名: 職業: 年齢: / 性別: 出身: 髪の色: / 瞳の色: / 肌の色: 身長: 体重: ■能力値■ HP:0 MP:0 SAN:/99      STR  CON  POW  DEX  APP  SIZ  INT  EDU  HP  MP 作成時   0   0   0   0   0   0   0   0   0   0 成長等 他修正 =合計=   0   0   0   0   0   0   0   0   0   0 ■技能■ ------------------------ 戦闘系技能 ------------------------ 習得/名前       現在値 習得/名前    現在値 習得/名前      現在値  《回避》      0%    《キック》  25%   《組み付き》   25%  《こぶし(パンチ)》50%   《頭突き》  10%   《投擲》     25%  《マーシャルアーツ》1%    《拳銃》   20%   《サブマシンガン》15%  《ショットガン》  30%   《マシンガン》15%   《ライフル》   25% ------------------------ 探索系技能 ------------------------ 習得/名前   現在値 習得/名前   現在値 習得/名前   現在値  《応急手当》30%   《鍵開け》 1%    《隠す》  15%  《隠れる》 10%   《聞き耳》 25%   《忍び歩き》10%  《写真術》 10%   《精神分析》1%    《追跡》  10%  《登攀》  40%   《図書館》 25%   《目星》  25% ------------------------ 行動系技能 ------------------------ 習得/名前    現在値 習得/名前   現在値 習得/名前    現在値  《運転》   20%   《機械修理》20%   《重機械操作》1%  《乗馬》   5%    《水泳》  25%   《製作()》  5%  《操縦()》  1%    《跳躍》  25%   《電気修理》 10%  《ナビゲート》10%   《変装》  1%    《》     % ------------------------ 交渉系技能 ------------------------ 習得/名前    現在値 習得/名前   現在値 習得/名前 現在値  《言いくるめ》5%    《信用》  15%   《説得》15%  《値切り》  5%    《母国語()》20%   《》  % ------------------------ 知識系技能 ------------------------ 習得/名前      現在値 習得/名前      現在値 習得/名前  現在値  《医学》     5%    《オカルト》   5%    《化学》 1%  《クトゥルフ神話》0%    《芸術()》    5%    《経理》 10%  《考古学》    1%    《コンピューター》1%    《心理学》5%  《人類学》    1%    《生物学》    1%    《地質学》1%  《電子工学》   1%    《天文学》    1%    《博物学》10%  《物理学》    1%    《法律》     5%    《薬学》 1%  《歴史》     20%   《》       %    《》   % ■戦闘■ ダメージボーナス: 名称 成功率 ダメージ 射程  攻撃回数 装弾数 耐久力 / 備考                              /                              / ■所持品■ 名称 単価 個数 価格 備考       1   0       1   0       1   0       1   0 =所持品合計=     0 所持金 預金・借金 ■その他■ メモ: //メモに書かれたカフェ名= //ニセの店 //カフェの店名 07「本編-Day6」 === 07「本編-Day6」 【Day6 Mon.朝】 ここは、どこかの国の街のかたすみ。街の中心からは遠く離れた裏路地に、ひっそりとたたずむ小さなカフェがある。その名も【カフェの店名】。天気は快晴。太陽光は未だ薄暗く、夜と朝の狭間の冷たい空気を感じるだろう。 ※夜行動があった場合の処理はp119,120参照 今日の朝は、馬車を借りるための待ち合わせをボブとしているはずだ。急いで正装に着替えてAPPを+1して向かおう! 40秒で支度しな! <アイデア>または<生物学> →今日は馬車の馬に長い時間お世話になる予定だ。人参や、他の馬が食べそうな物でも持っていってあげよう。<幸運>成功で、まだ萎びていない何かしらがキッチンにあってもいい。 ・【HOカフェピアニスト】が昨晩、アリスの薬を花が入った花瓶に使用している場合 →p84参照 ※条件はDAY4記載と同じ。 ※花を新品に取り替えていた場合、HOカフェピアニストが同じようにすれば、再びまったく同じことが発生する。 ※花瓶の中の水以外のところで溶かした場合は花は枯れない。 ・天気についてPL/PCが疑問を持った場合 p115参照 ※今後強制イベントがあり、そこでの処理が望ましいので、指摘された場合のみ発生 ●KP情報 先述の通り、店を出る度に持ち物確認の必要があるシナリオだが(p67参照)、この日の持ち物確認は特に忘れないこと。 招待状を忘れたことで積む、などのイベントは起こさなくて良いが、【HOオーナーバリスタ】が銃を持っていくかどうかなど、戦闘に関わりそうなものはしっかり確認したい。 ●森の入口 「あ、皆さんおはようございます!」 森の入口へと向かうなら、相変わらず獣道すらも見えないような木々の前にボブが立っている。そこにはやはりどこからどう連れてきたのか馬が二頭佇んでいて、その胴には四人乗りの大きな車両がついていた。 ・まだ<乗馬/2>に誰も成功していない場合 馬はジッと探索者を見ている。品定めされているようだ。 ==秘匿:HOシェフパティシエ== あなたは<乗馬>/2の代用として、任意の<交渉技能>を振ることができる。 ・<生物学>に成功すると、任意の<交渉技能>+50で判定可能 ・人参を渡すと+20で判定可能 (<生物学>の結果と人参は重複ありのため、最大で任意の<交渉技能>+70となる) <乗馬/2> 失敗 →低く唸った馬が、乗ろうとした探索者をとても美しいフォームで蹴り飛ばす。HP-1d3 ==秘匿:HOシェフパティシエ== 全員失敗で<アイデア> →「ちょっテメ何してくれてんだオラァ!」と大変ご立腹の様子である。どうやら食べ物の賄賂が必要そうだ。 ※食べ物を渡した場合、「【HOシェフパティシエ】が成功」の描写 【HOシェフパティシエ】以外が 成功 →馬はなんだか少々不満そうではあるが、大人しく操られてくれそうだ。 【HOシェフパティシエ】が 成功 または食べ物を渡す →探索者達は目を疑うかもしれない。馬たちが突然、喜々として【HOシェフパティシエ】にすり寄っている。尻尾をブンブンと揺らし、頬擦りをして時折舐め回す様は、まるで懐いた大型犬のようだ。見る間に【HOシェフパティシエ】の顔がベッチャベチャのドロドロになっていくだろう。喜んで乗せてくれそうだ。 「よかった、思ったより大丈夫そうですね。それじゃあえっと、お気をつけて! 帰る時間が分かったら連絡ください。ここで待ってますから」 と、ニコニコとボブが見送ってくれるだろう。 城までの道は、招待状同封の紙に書かれた簡易地図とGmapでどうぞ。このまましばらく道なりに進むルートです。 ・既に誰かが乗馬に成功している場合 馬たちは姿を見るなり、全力で【HOシェフパティシエ】に擦り寄っている。他に食べ物を持っている探索者がいるならそちらにもチラチラと視線をやっている。 「それじゃあえっと、お気をつけて! 帰る時間が分かったら連絡ください。ここで待ってますから」 と、ニコニコとボブが見送ってくれるだろう。 城までの道は、招待状同封の紙に書かれた簡易地図とGmapでどうぞ。このまましばらく道なりに進むルートです。 【Day6 Mon.昼@馬車】 あなた達はしばらく、城のある泉の方へと向かう馬車に揺られることになる。 車の座席より固く、がたがたと揺れる箱の中は決して早いとも居心地が良いとも言えないが、心はウキウキ遠足気分かもしれない。 ちゃんと招待状のお手紙は2通持ちましたか? 仮面は? 昼ごはんのバナナは? なお車窓から見える道路にはもちろん人が歩き、一般車が走っているので、あなたたちは道路でめちゃめちゃに目立っている。なんならベンツが走るよりよっぽど目立っている。が、観光の馬車なのかな〜?という感じである程度は受け流してもらえるだろう。 しかし仮面を付け正装を着込んで馬車に乗っているのだから、無断でY○uTubeやらその他SNSやらにはあげられるかもしれない。が、それくらいはご愛嬌だ。道端の幼女に指を指され「こすぷれ?」「見ちゃいけません!」と親に言われるかもしれない。が、それくらいはご愛嬌だ。道中ちょっとお茶目なバイク野郎どもに煽られ馬が大暴走し、馬車の中で寝ちゃおうかな?とか思ってた探索者はしっかり睡眠を邪魔されたりするかもしれない。が、それもご愛嬌だ。 人馬共に適宜休憩を挟みつつ進み、青空に天高く昇っていた日が傾き、太陽が橙に色を変え始めた頃。それに真っ先に気付くのは御者台に立つ探索者だろうか。あなたたちは視線遠くに巨大な建物を目にする。 泉の畔に立つ、西洋調の石造りの城。白い壁面の美しい、まるでおとぎ話に出てくるようなその建物こそ、あなたたちの今宵の戦場である。悪く言えばATMである。 ※以降、城から出るまで一時的に実質ターン制ではなくなる 【Day6 Mon.夕方@城】 しばらくして、カラカラと車輪を鳴らしながらあなた達の馬車は城の入口付近までたどり着く。 そうすれば今宵招かれた客達だろう、数台のリムジンがそこかしこに停まっており、2023年だというのに馬車のあなたたちはやっぱりここでもめちゃめちゃに目立っていた。仮面越しにも分かるほどの視線の集中を感じる。 ちゃんと他の車に習って馬を横付け停車すれば、そこに立っていたドアマンが尻尾にぺしんと顔を叩かれびっくりしていた。やったね! しかし驚きはするものの、さすがプロというべきか、すぐに気を取り直してあなた達に話しかけてくるだろう。 「えー、これはその……ごほん。恐縮ですが、招待状を拝見させていただいてもよろしいでしょうか、お客様?」 招待状を見せると、ホテルで言うところのフロントの役割も担っていたらしい男性は、首を傾げてあなた達を見る。 「恐れ入りますが、招待状と皆様のお名前が違っているようで……?」 バレないかと思いきや、なんとしっかり客の名前と顔を把握しているらしい。この仮面の意味とは? あなた達が言い訳を考えていると、突然、城の入り口の方から陽気な女性の声がするだろう。 「ばんは〜!! 何してんのぉ?」 口調は場違いなほどフランクである。くるくると可愛らしく巻かれた金髪。現代チックなドレス。20代前半であろうその女性の、どこぞのギャルのような品のない口ぶりに、しかしドアマンは咎めるでも眉をひそめるでもなく、勢いよく90度にお辞儀した。 「え、エラお嬢様! なぜコチラに……!」 「いやぁ、みんな忙しそうでやることなかったからぁ、SNSでも眺めよ〜ってスマホ見てたら、もぉびっくりじゃん? パカラッパカラッて馬の走る音すんだもん! そりゃウチも飼ってるけど、ウチでしか見たことないからさ? マヂ? 超イカス! って思って、部屋から飛び出してきちゃった♡」 そう言うと、デコレーションで重たそうなネイルの乗った指でひょいと招待状を取り上げ、その内容と探索者とを交互に見つめる。 「ああ〜、なるほどなるほど。あっは、面白いことするじゃん探偵のおじさま! 替え玉ってわけ? ん〜まぁいいよいいよ! 入んなよ。アニキにはアタシから上手いこと言っとくからさぁ」 「で、ですが……」 「いーの。ちょっと予想外で非日常なくらいの方がアニキも好きだって! あの人ほんっと"おもしれーヤツ"? 大好きだし! 今日だって『仮面ってマジタルいし、グラサン舞踏会でよくねェか?』って、自分で仮面舞踏会って言い出したくせに駄々こねてたくらいなんだし……」 そこまで言うと、軽薄そうな口調から一転、高価そうなドレスに似合った優雅な一礼をして、エラと呼ばれた女性はあなた達を歓迎するだろう。 「我が城へようこそ、名前も知らない飛び入り参加のお客様? ……っあ〜やっぱ名前だけ教えてくんない? 呼びづらいや」 探索者は、彼女のドアマンからの扱い、そして彼女だけが仮面をつけていない自由な様を見て、説明されるまでもなく彼女がこの城を所有する人物の一人なのだと悟るだろう。 <博物学> →一見して分からないようなデザインだが、彼女の身につけている衣服もアクセサリーも、どれも0がいくつも並ぶような高級品ばかりだと気付く。 エラは「どーせ本当は従者とかじゃないんっしょ?」と、主役従者役関係なく、探索者ひとりひとりに自己紹介を求めてくる。ついでに一人ずつ「〇〇っち」や、最初の二文字だけ取った妙な略し方をしたりした、変わったあだ名をつけて呼んでくる。 彼女に押し切られたドアマンは、しばらく冷や汗を垂らして状況の打破を考えていたようだったが、エラのはしゃぎように諦めたようで、あなたたちを通し、説明をしてくれる。無人になった馬車の方には他の男性がやって来て、どこかに代わりに停め置いてくれるようだ。 「この後は、しばらく皆様がおそろいになるまで大ホールで軽食やご歓談などを楽しまれてください。くれぐれもその間も仮面は外されませんように。一段落の後に舞踏会と、……その他、自由に参加いただける催しがございますので。どうぞ今宵はごゆっくりお楽しみしくださいませ」 「ね。ね! (任意の探索者)はぁ、なんで馬車で来たの? というか今日はどっから来たの? 探偵のおじさまとはどういうお知り合い? てかてかLINEやってる? 話聞かせて〜!」 ドアマンの説明も話半分に、探索者の一人はエラに袖を掴まれグイグイと引っ張られて、そのまま足を踏み入れることになるだろう。 城の中は、期待をまるで裏切らない内装だった。天井は見上げるほど高く、まるでここがキャンバスだとでもいうように美しい絵画が描かれている。そこから吊り下がった巨大な円錐型のシャンデリアは等間隔にいくつも並び、夕方の暗さをほとんど感じさせない。傷一つ無い床の大理石は靴を乗せるだけでカツリと音を奏でる。まるでテーマパークのように広い玄関ホールに入った、その時、 「お嬢様〜〜!! エラお嬢様! 一体どちらに行かれておられるのですかな〜?!」 どこからか聞こえてきた老人の声に、名前を呼ばれた彼女はビクリと体を硬直させた。 「げっ。やばっ、じいやだ! ねぇ、見つかったらチョー面倒だからさ、一緒に来てよ!」 そう小声で言うと、探索者の腕を無理やり引いて、彼女はこの場から逃げ出すだろう。このままこの広い城で迷子になってしまえば、もう二度と出会えないかもしれない。他の探索者も急いで彼女達について行くことになる。 しばらく、城の中を逃げるようにあなたたちは歩き回った。 ペルシャ製であろう絨毯を踏みしめ、一段ずつの広さが異常な階段を上り、豪華絢爛な輝きをいくつも頭上に、自分の背丈より遥かに大きなサイズのステンドグラスがこれでもかと貼られた廊下を歩き回った。その光景はどこを切り取ってもまるで異世界のようだったが、本物の城なんて観光地でぐらいしか入ったことがないのだから仕方がない。少々お上りさんになったって誰も咎めないはずだ。 時々どこからか聞こえてくる「お嬢様〜?! 爺から逃げても無駄ですぞぉ〜!! この爺、お嬢様がどこへ逃げようと天国の果てまで追いまする! 観念なさいませお嬢様〜!」の声を器用に避けながら、エラはスタスタと進んでいく。 そうしてたどり着いたのは、これまた綺羅びやかな一室だった。カーテンの質といいソファーの縁にくっついたどう見ても無駄な装飾といい、見学料を取れそうな時代と歴史を感じる内装なのに、並んだネイルのボトルと絨毯の隅の方から伸びたケーブルがやけに浮いていた。充電中のスマホが刺さっている。 「あ、ここ、アタシの部屋ね。テキトーにくつろいでくれちゃって大丈夫だから」 「じゃあ、悪いんだけどちょっと待ってて。どうせみんなの目当てもギャンブルなんっしょ? それまでに爺に摘み出されちゃったら元も子もないし、ここに居なよ。あと、ついでに持って来れたらなんか軽いもの、取ってきたげるね!」 そう言い残して、エラは慌ただしくパタパタと部屋を後にするだろう。 ●エラの部屋 豪勢な作りの部屋だ。壁もベッドも絨毯も家具も何もかもがとても華やかで、ここを自室とするのはさぞ落ち着かないことだろう。 探索箇所: スマホ / 本棚 / 机 / 窓 ・スマホ ※スキップ可能な探索箇所 あなた達のすぐ側に、充電中のスマートフォンがあった。どうやら時間経過ロックされる前の画面のままらしく、近づけば見えてしまいそうだ。 スマホを覗き込んで見る場合 自動開示 →彼女は「SNSでも眺めようとしていた」と言っていたが、見るからにそのような画面ではない。何かの記事を読んでいたようで、「気になるあの人に振り向いてもらうための10の方法」と胡散臭いタイトルが掲げられている。操作してみるなら、続きの内容を読むことができるだろう。 操作して更に記事の先を見る場合 自動開示 →内容は、ありきたりな恋愛指南のようだった。そのうちの一つにどう見たって気休めな、けれど初々しくて可愛らしいおまじないが載っている。「綺麗な月と湖の見える南向きの窓に、好きな人の名前を書けば両想いになれる」というもの。 <アイデア>または<知識> →なお偶然にもこの城の側には泉があり、この部屋の窓は南向きである。 ・本棚 雑誌、小説、教養書まで、あの性格の割にはというべきか、案外いろいろな書物が並んでいる。「テキトーにくつろいでくれちゃって大丈夫」と言っていたので、ここにあるものは読んでも問題ないだろう。 <図書館> →低俗なゴシップ雑誌の記事の切り抜きを挟んだファイルを見つける。 見出しには「旧貴族の一人息子に熱愛発覚?!」とあり、写真はぼやけているが暗い町中で金髪の男女が寄り添っている姿のようだ。 ・街の図書館で上の内容を見つけていない場合 内容は城を別荘としている金持ちの男性が、隣町で女性と夜な夜な歩いているのが目撃された、というもの。紙面は目が滑るような文章で埋め尽くされている。 ・街の図書館で既に見つけている場合 この切り抜きが、以前カフェのある街の図書館で見つけたゴシップ記事と同じものだと分かる。だが、ファイルにしまわれているのはこの号の切り抜きだけで、他の切り抜きは無いようだ。 更に<心理学+20> →あなたはこの雑誌の切り抜きが、とても大事そうにファイルにしまわれていたと感じる。 更に<変装+20> →あなたはこの紙面の金髪の女性が、マスクなどで顔を隠してはいるが金髪の男性と似た顔つきであることに気付く。もしかすると、エラではないだろうか? だとすると、ただ兄妹で夜道を歩いているだけのところを「いつものだ」と勘違いされて撮られたのかもしれない。 ・机 ※スキップ可能な探索箇所 テーブルとは別に、読書や書き物をするための机がある。ブランド物のネイルボトルや時計の他に、小さなブックスタンドに僅かに本が並んでおり、その中に少々古い日記が一冊あるのを見つける。 読むなら自動 →中を見れば日付が書かれていなかったり、しばらく日記をつけるのをサボってしばらく出来事が飛んでいたりする。あまりマメなタイプではないようだ。そのせいで長持ちしているのだろう。 内容も「昨日髪切った! やっばい、ちょっと切りすぎたかも〜 笑」などかなり適当で、城を別荘に持つ程のお嬢様らしさなどはなく、ただの女の子の日記のようである。 続けて<目星> →あなたはふと、その日記の中のとある1ページに目を留める。日付こそ書かれていなかったが、かなり昔に書かれた内容のようだった。 「アニキが、俺史上最高の一世一代の大勝負だとか張り切って、また賭け事をしに行ってた。まぁ勝ってきたみたいだったからいっか。でもなんとなく、あんまり嬉しそうに見えなかった。勝ったのに? 変なの。 ところで、今回賭けたのはお金じゃなくて『心』だったんだって。なにそれウケる笑 漫画かよ笑 って笑って流しちゃったけど……よく考えたら、どういうことだったんだろ? なんかアレからあんまり顔色も良くないし。口を開いたと思ったら、昨日の天気ってなんだったっけ、なんて言い始めた。……しょーがないから、しばらくは優しくしてやろっかな?」 <アイデア> →前後の日付の書かれている日から察するに、この内容が約6年も前に書かれたものであることが分かる。 <心理学-20> →明確に名前が書かれているわけでも、これだと言える文章があるわけでもない。だが、書き連ねられた言葉の端々や、彼女自身によって記された日々の行動から、感じることができるだろう。 おそらく。この日記を書いた女の子は、"アニキ"のことが好きなのだ。それも、恋愛的な意味で。 ・天気についてPL/PCが疑問を持った場合 ※今後強制イベントがあるので指摘された場合のみ発生 →p115参照 ・窓 城らしい、風情のある両開きの窓だ。南向きで、夕日の中に薄っすらと綺麗な月と大きな湖が見える。 あなたがデ○ズニープリンセスとしての資格を持つ者ならば、両手で開けば愛らしく小鳥が寄ってくるところである。開きますか? 窓を開くなら自動 →窓を開いた途端、外で囀りまわっていた小鳥たちが10d3羽ほど一斉に室内に飛び込んでくる。そして一直線に【HOシェフパティシエ】の元へと集まり、チチチチ!と鳴きわめきながら、我先にと【HOシェフパティシエ】の指先や肩や頭にとまった。結果、羽毛にもっさり埋もれてしまっているが、多分これもプリンセスの一種なのであろう。 窓を開いた探索者は<目星> →眼下、城から少し離れた場所に馬小屋らしきものを見つける。どうやら古い城だけあって、そういったスペースも残っているようだ。角度の関係でよく見えないが、自分達の馬もあそこに停められているのだろうか。 スマホの情報を既に知っており、探そうとするなら自動開示 知らない場合は<幸運/2> →窓を息で温めてみると、かつて指で書かれたらしい文字が浮かび上がってくる。「キット」。誰かの名前のようだ。 なお鳥たちは追い払おうとしても、ちっとも離れてくれない。諦めてください。 ●エラの部屋 探索終了後 以上の4箇所を調べ終えても、何故だかエラはなかなか帰ってこない。 ==秘匿:HOシェフパティシエ== あなたというとまり木にとまったままの鳥たちは、服やら髪やらをくいくいと引っ張り、あなたをどこかへ連れて行きたいようだと感じる。 そうしているうちに、【HOシェフパティシエ】にとまっていた小鳥たちが、突然一斉に動き始めた。 一部は羽ばたきながらグイグイと【HOシェフパティシエ】を引っ張り、残りの一部は器用に部屋の扉を開いて、強制的に【HOシェフパティシエ】を廊下に連れ出す。【HOシェフパティシエ】がどうにか抵抗しようとしても、鳥たちに掴まれて足が浮くので不可能である。 他の探索者が驚いているうちに【HOシェフパティシエ】は鳥に連れさらわれる。急いで廊下に出て見ても【HOシェフパティシエ】の背中も見つからない。一瞬のうちの犯行だった。 エラも中々戻ってこないし、小鳥に誘拐されたプリンセスを助けに行った方がいいかもしれない。 【HOシェフパティシエ】以外の探索者は<追跡/2> 失敗→「●廊下」の探索へ p145 成功→「●大ホール」の探索へ p148 ●KP情報 【HOシェフパティシエ】は小鳥に運搬されて、強制的に「大ホール」に向かうことになる。 ・一緒に【HOシェフパティシエ】を追いかけていても、「廊下」の探索者はいつの間にか他の探索者とはぐれてしまったものとしてする。 ・廊下の探索も必要なので、全員成功した場合は1d100などで廊下役を決めてください。 ●廊下の探索 あなた達がエラの部屋に着くまで散々歩き回っていた廊下だ。一度通った道なんだし、料理取りに行くなら多分一階だろうし、とりあえず階段降りれば着くよね、と慢心してしばらくグルグル歩いていれば、今自分がどこにいるのか分からなくなってしまうことだろう。これはまずい。いつの間にかすっかり迷子である。 そうしているうちに、とあるひとつの扉の前までたどり着く。他の部屋の扉に比べてずっと装飾がシンプルで分厚い。見張りなどは居ないが、見るからに厳重そうで、大きな錠前がかけられている。 試みるなら<鍵開け> ※任意 失敗→扉が中々開かない。次の描写に進める。 成功→ガチャガチャと弄くり回し、扉が見事開きかけた時、次の描写に進める。 廊下の進行方向、奥の方から、「いやぁ、どうしたもんかなぁ、まいったなぁ」「どうするもこうするも、なんとかするしか……」と話をしながらこちらへと歩いてくる、二人分の足音を耳にするだろう。 そうこうしているうちに、廊下の角から男性が二人、歩いてくるのを目にする。きっちりと着こなした正装で、腕を組んでうんうんと唸りながら何かを話し合っているようだ。 「しかしピアニストなんて、まさかそう都合よくこの辺りに居るわけ……」 ・男性たちに話しかける 「ああ、すみませんお客様。お見苦しいところをお見せいたしました。実はその、我々は雇われの音楽隊でして。舞踏会の最中にいくらか演奏をすることになっているのですが、一人、ピアニストがリハーサルの時間になっても何故か来なくって」 「なのでどうしたものかと……」 詳しく話を聞くなら、演奏するのは有名なクラシック曲を数曲で、決められた時間まで同じ曲をリピートさせるようだ。 ・【HOカフェピアニスト】がこの場にいる場合 <芸術(ピアノ)> 失敗→有名曲ばかりなので、楽譜があれば弾けるかもしれない。 成功→最近それらの曲をしつこく弾いた覚えがある。問題なくいけそうだ。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== ※<芸術(ピアノ)>に成功でも失敗でも発生 しっかり覚えているかどうかは別にして、あなたの長すぎる生の中で何度か演奏したことはある程度の有名曲だ。 ・【HOカフェピアニスト】がこの場にいない場合 <アイデア>または<知識> →確か、店で【HOカフェピアニスト】がその曲を弾いているのを聞いたことがある。楽譜があれば弾けるのではないだろうか。 ・ピアニストの代役を引き受ける 「えええ! い、いやしかしですね、お客様にそんなことをさせるわけには」 「いやでも正直、人手が足りないのは確かなんだよな……」 「……す、すみません。報酬は弾みますのでその、お手伝いお願いできませんでしょうか」 と話は進み、提示される金額はカフェで一週間働いたお賃金分くらいだ。なおこの手伝いをした場合、探索者は<芸術(ピアノ)>に+1d3の即時成長が得られる。 ・【HOカフェピアニスト】がその場にいる 「早速で申し訳ございませんが、リハーサルまで時間がございませんので来ていただいてもよろしいでしょうか?」 「大ホールの裏の部屋で行いますので、こちらに……」 と(一緒に居た探索者含め)大ホール付近まで案内してもらえる。 ・【HOカフェピアニスト】がその場に居ない 「ところで、皆様はどうしてこのような場所に? もしかして迷われてしまったのでしょうか?」 「城内は広いですからね。よろしければメインホールの方までご案内しますよ」 と、大ホールまで案内してもらえる。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== ※PL間の話し合い等で代役を受けることが既に決定している場合は、その時点で【HOカフェピアニスト】に開示して良い。 あなたは練習の最中に1つだけ、雑談として演奏家の人々に話を聞くことができる。ただし彼らが確定で知らないことに関しては質問数としてカウントされず、他の質問に変えることができる。 行われた質問にはKPから秘匿で返信を行うが、空き時間に連絡をとったとして、他の探索者と「何を質問するか」の相談をすることも可能。また、得た情報を他の探索者に共有することも可能。 ●KP情報 演奏家達が答えることのできる内容については以下の通り。 以下の内容以外のことは基本的に知らないものとするが、エラの部屋で取り漏らした情報に該当する内容を訊かれた場合には、演奏家達が知っていてもおかしくないとKPが判断したものなら、改変の上で答えても良い。 ・回答可能な質問集 ※回答は後述(p154) Q.錠前のかかった部屋について Q.いなくなったピアニストについて Q.主催者について(※キットの名前を出さない) Q.「キット」について(※キットの名前を出す) Q.エラについて(人柄や性格など) Q.エラについて(好きな人) Q.エラが今どこにいるかについて Q.馬小屋について Q.天気について Q.生きたままの心臓・強靭な心臓について Q.左右色違いの眼球を持つ生き物について ●大ホールの探索 長い長い廊下をしばらくグルグル進んでいれば、いつの間にか大ホール前までたどり着いていた! 城で一番大きなそのホールには既に、廊下から見ても分かるほどの多くの人が集まっている。皆、今宵招待を受けた客人達なのだろう。誰も彼もが繊細な細工の施された仮面を身につけ、装飾品を輝かせて、優美なドレスやら礼服やらに身を包んでいる。大ホールの綺羅びやかな内装も相まって、現代とは思えない非日常感に満ち満ちていた。 なお、こちらも違う意味で非日常的な体験をしたばかりの【HOシェフパティシエ】だが、ここまで【HOシェフパティシエ】を運んできた犯人こと大量の小鳥達は、途中で窓の外に美味しそうな木の実を見つけて飛び去っていったり、すれ違った人の仮面の羽飾りを毟りに行ったり、流石に運び疲れたのか「俺は置いて先に行け……」と別れたりなどして、今現在は頭に一匹とまってチュンチュチュしているのみである。 <目星> →あなたは、ホール内のテーブルの上の様子に気付く。立食パーティのように料理が並べられているが、客に比べて料理の数が足りていないのか、空いた皿が少々目立っている気がする。 そうして、これは入っていいものかとぼんやり大ホールを見ていると、探索者は右奥の廊下の方から「いやぁ、どうしたもんかなぁ、まいったなぁ」「どうするもこうするも、なんとかするしか……」という話し声を耳にするだろう。 ==秘匿:HOシェフパティシエ== 小声でチュチュチュン!と鳴く鳥は、どうやら大ホールに来たかったわけではないらしい。話し声の聞こえた右奥の廊下の方へと、ぐいぐいあなたの髪を引っ張ってくる。 声の聞こえた方へと向かえば、そこでは料理人らしい服装をした男性が二人、腕を組んでうんうんと唸っていた。休憩中なのか、帽子を外し肩を回して、疲れたようにペットボトルの水を煽っているところだ。 「いやぁ、どうしたもんかなぁ、まいったなぁ」 「どうするもこうするも、なんとかするしか……」 「しっかしなんでまたこんなに人数が少ないんだ? ちゃんと今日に向けて人員確保してたはずだろ?」 「さぁ? 予想外に人が多かったとか? 事前に参加者数くらいちゃんと数えとけって……。にしても忙しすぎるよなぁ、猫の手でも借りたいくらいだ!」 「お客様の中に腕利きの料理人はいらっしゃいませんか〜! なんて、この場でできるわけもないしな。はぁ……」 【HOシェフパティシエ】の頭上の小鳥は、その料理人達を見ながらチュンチュチュ騒がしい。ほら行け!すぐ行け!と言わんばかりだ。 ・料理人の代役を引き受ける 「えええ! い、いやしかしですね、お客様にそんなことをさせるわけには」 「いやでも正直、人手が足りないのは確かなんだよな……」 「……す、すみません。報酬は弾みますのでその、お手伝いお願いできませんでしょうか」 と話は進み、提示される金額はカフェで一週間働いたお賃金分くらいだ。なおこの手伝いをした探索者は<製作(料理)>に+1d3の即時成長が得られる。 それでは早速と、片方の料理人は厨房へと料理長への連絡のために駆け出し、もう片方の料理人が厨房に入るための替えの服を探しに行ったところで、「廊下」を彷徨っていた探索者と合流になる。その後ろには見知らぬ男性2人も立っていることだろう。 ※多少の情報共有時間にしてよい。 しばらくすると、料理人は白い制服を手に「いやーほんと助かりましたよ!」と笑いながら戻って来るだろう。サイズは【HOシェフパティシエ】にピッタリのようだ。 と、料理人は【HOシェフパティシエ】の頭に大人しく止まったままだった一羽の小鳥に今更気付き、驚いた声を上げた。 「あれっ、お前、確かアイツがいっつもパンくずあげてた奴か? へぇえ、もしかして、お前がこの人を連れて来てくれたのか? これぞまさしく小鳥の恩返し! なーんてことあるわけ無いか! ……ん?」 そこまで小鳥を見ながら話したところで、突然不思議そうに首を捻る。 「まぁいっか。さて! こちらにお願いします助っ人さん!」 ・尋ねるなら ※任意発生 「え? ああ、いやぁ……この鳥に餌をやってた"アイツ"って誰だったっけ?と思って……。ま、いっか! そのうち思い出しますよね。じゃあこっち、付いてきてくださいね〜」 料理人が【HOシェフパティシエ】を誘導し始めると、満足したように、小鳥はどこかへと飛び去っていく。 ==秘匿:HOシェフパティシエ== あなたは仕事の最中に1つだけ、雑談として厨房の料理人達に話を聞くことができる。ただし彼らが確定で知らないことに関しては質問数としてカウントされず、他の質問に変えることができる。 行われた質問は秘匿で返信を行うが、空き時間に連絡をとったとして、他の探索者と「何を質問するか」の相談をすることも可能。また、得た情報を他の探索者に共有することも可能。 ●KP情報 料理人達が答えることのできる内容については以下の通り。 以下の内容以外のことは基本的に知らないものとするが、エラの部屋で取り漏らした情報に該当する内容を訊かれた場合には、料理人達が知っていてもおかしくないとKPが判断したものなら、改変の上で答えても良い。 ・回答可能な質問集 ※回答は後述(p154) Q.錠前のかかった部屋について Q.いなくなった"アイツ"について Q.主催者について(※キットの名前を出さない) Q.「キット」について(※キットの名前を出す) Q.エラについて(人柄や性格など) Q.エラについて(好きな人) Q.エラが今どこにいるかについて Q.馬小屋について Q.天気について Q.黄金の林檎(のタルト)について Q.左右の目の色が違う白い猫について そうして【HOシェフパティシエ】がいなくなると、【HOカフェピアニスト】も「それではお願いします」と頭を下げる演奏家2人に連れられて、大ホール近くの控え室へと向かうことになるだろう。 【Day6 Mon.夜@大ホール内】 廊下にいた【HOオーナーバリスタ】と【HOウエイトスタッフ】は、どうしようかとその場に留まっていたかもしれないが、そのうちにやって来た城の者に「どうぞお入りください、お客様」と促され、目の前のホールに足を進めることになるだろう。 夕暮れの空が縁から黒く染まり、天の無数の大きな星々が瞬き始めた頃、大ホールでは舞踏会が始まった。奥の舞台上から響く演奏の音で、廊下を彷徨っていた他の客人達も、どうにかホールにたどり着くことができているようだ。 夜の闇をかき消すほどの輝きを放つ巨大なシャンデリア。その下で、隅でグラス片手に踊りを眺めているだけの者もいれば、テーブルに並べられた多彩な料理を楽しむ者、中央で互いの手を取り優雅に足を運ぶ男女の姿も見える。高い天井にいくらか溶けつつも、品よく談笑する声はそこかしこから聞こえ、この空間でだけ時間がゆったりと流れているように感じるだろう。 大ホールの探索者は<目星> →あなたは踊っている男女の奥に、不服そうに壁の花をしているエラを見つける。そばには使用人らしき老人がぴったりしっかり張り付いており、どうやらあなた達のもとに帰る前に捕まってしまったようだ。こちらから声をかけに行くのは難しそうだと分かる。 大ホールの探索者は<アイデア/2> →あなたはテーブルの上に並んだ料理のひとつを口に運び、あれ、これウチの【HOシェフパティシエ】が作った料理じゃね? と気付く。他の料理に負けず劣らずの素晴らしい出来だ。 大ホールの探索者は<聞き耳+20> →ホールの中、美しいピアノの音色が聞こえてくる。【HOカフェピアニスト】の演奏だろう。普段は合奏はしていないはずだが、流石、ぶっつけ本番でも上手くやっているようだ。 ・大ホールの探索者の質問 大ホール内に居る【HOオーナーバリスタ】と【HOウエイトスタッフ】は、<信用>または<言いくるめ>に成功すると、この場にいる客人達から一人1つだけ話を聞くことができる。 ・誰かをダンスに誘い、上手く踊れたかの判定に成功すると、<信用>または<言いくるめ>に+20で判定することができる。 ・上手く踊れたかの判定に使用する技能は<APP*5>、<DEX*5>、対応する<芸術>等、PLから自由に提案が可能。 ・彼らが確定で知らないことに関しては質問数としてカウントされず、他の質問に変えることができる。 ・どこかのタイミングで連絡をとったとして、別の場所にいる探索者と「何を質問するか」の相談をすることも可能とする。 ・回答可能な質問集 Q.錠前のかかった部屋について Q.主催者について(※キットの名前を出さない) Q.「キット」について(※キットの名前を出す) Q.エラについて(人柄や性格など) Q.エラについて(好きな人) Q.エラが今どこにいるかについて Q.馬小屋について Q.天気について 【Day6 Mon.夜:質問回答集】 ●KP情報 以下、回答集。以下の内容以外のことは基本的に知らないものとするが、エラの部屋で取り漏らした情報に該当する内容を訊かれた場合には、大ホールの客人達が知っていてもおかしくないとKPが判断したものなら、改変の上で答えても良い。 ・【HOシェフパティシエ】【HOカフェピアニスト】への回答も、このタイミングで同時に行うこと。【HOシェフパティシエ】【HOカフェピアニスト】への回答はそれぞれ秘匿で行い、大ホール側への回答は公開で行うのが望ましい。 ・会話が通るように適宜セリフを省略等して良い。 Q.錠前のかかった部屋について この件について尋ねると、以下のことが分かる。 ・廊下にある、錠前のかかった部屋は宝物庫である。名前の通り様々な宝物が入っており、加えて、城主が数年前に賭け事で手に入れたという『特別な宝物』もしまってあるらしい。 ・『特別な宝物』とは金でもアクセサリーでもなく、それら以上に価値のあるものであるとも、逆に人目に触れるとまずいようなものであるとも噂されている。 Q.いなくなったピアニストについて いなくなってしまったピアニストは、中肉中背で赤毛の男性であることが分かる。その他は、手先がとても器用で足が速いこと以外、これといった特徴はないようだ。 「そもそも仮面舞踏会ですから、探すのも大変そうだって言うんで、どうしようかと思っていたんですよ。なので助かりました! まったく、いつまで迷子になってるんだか」 「そういえば彼、今思えば、朝から様子がおかしかったような気がするんですよね。城の前まで一緒に来たし、一度目のリハには居たんですけど、なんかずっと妙にソワソワしていたというか……。うーん、でもこんな凄いお城での演奏だし、緊張くらいするか」 Q.いなくなった"アイツ"について 誰に聞いても料理人たちは首を傾げるばかりだ。 「確か、いつもパンくずとかをこっそり小鳥にあげてる奴が、前まで居たと思ったんですけど……誰だったかな。でもでも、最近退職した奴っていないはずなんですよね。おかしいなぁ」 Q.主催者について(※キットの名前を出さない) 「え?! 知らないんですか?!」 なんで!?という顔をしてくるが、誤魔化せば適当に「まぁそんなこともあるか〜」と流されてくれる。 「次期ご当主様で、キット様っていうんですが、お若い割に金持ちらしく羽振りがよくて、ちょっと変わり者で……あとはまぁ、結構遊びの激しい方だって噂もありますね。ほら、週刊誌でも毎度色々な女性と撮られているでしょう? お顔立ちもいいし、金もあるしで、まぁそりゃモテますよね。あ〜羨ましい!」 「あとは、それはもうかなりのギャンブル好きって話で。ああ、今日いらっしゃってるんだから、それは流石にご存知ですかね? 昔っかららしいですよ。でも、今でも二十数歳っぽいのに昔っからって……学生の頃のヤンチャですかね?」 Q.「キット」について(※キットの名前を出す) 「キット様のことですか? あんまりご存じないんですかね? あれ、舞踏会のお客人なのに……?」 不思議そうな顔をしてくるが、誤魔化せば適当に「まぁそんなこともあるか〜」と流されてくれる。 「次期ご当主様ですよ。お若い割に金持ちらしく羽振りがよくて、ちょっと変わり者で……あとはまぁ、結構遊びの激しい方だって噂もありますね。ほら、週刊誌でも毎度色々な女性と撮られているでしょう? お顔立ちもいいし、金もあるしで、まぁそりゃモテますよね。あ〜羨ましい!」 「あとは、それはもうかなりのギャンブル好きって話で。ああ、今日いらっしゃってるんだから、それは流石にご存知ですかね? 昔っかららしいですよ。でも、今でも二十数歳っぽいのに昔っからって……学生の頃のヤンチャですかね?」 Q.エラについて(人柄や性格など) 「ああ、キット様の双子の妹様ですよね? パッと見で似てらっしゃるな〜とは思いますけど、まぁ男女なので、双子かどうかまでは流石に分からないですよね、見ただけじゃ」 「お兄様に似てちょっと変わった方だなぁとは思うんですが……うーん、何と言えば良いのか……。お兄様よりは目立ってない気がします。性格的な問題じゃなくて、表に出る回数というか……やっぱり同い年なのに次期当主が向こうだから〜とか、お家問題みたいな? 大きな家だし、遺産とかも凄いだろうし、色々あるんですかねぇ。仲が悪いとまでは聞いたこと無いんですけど、あんまりお二人で並んでるところも見たことないですし……」 Q.エラについて(好きな人) 「ええ? いやぁ、流石にそんなことまでは……」 と苦笑される。 「……いやでも、そういえば、兄のキット様は散々雑誌とかで女性関係のことは言われているのに、エラ様のそういった話は聞いたこと無いな。双子でもそういう性格は違うんですかね?」 「うーん、とにかく、エラ様に関するそういった噂は知らないですね。居るならちょっと気になるけど。あの双子、やたらと顔がいいから……や、すみません、これは内緒で……!」 Q.エラが今どこにいるかについて 質問をした人は「さぁ……?」といった様子だったが、たまたまあなたの話を聞いていた別の人物が答えてくれる。 「さっき、廊下でお付きの方に捕まってる? ようなのは見ましたよ。その後どこに行ったかまでは、流石にちょっと分かりませんが」 Q.馬小屋について 少し首を捻った後、ああ! と思い出したように答える。 「そういえばありましたねぇ、大きいのが城の外の隅の方に。昼の時点で一頭いたの見ましたよ。まぁ確かに、ここ本物の城なんだから、馬小屋くらい残っててもおかしくないですよね」 「あ、そういえば知ってます? 今日も馬で来た人が居るらしいですよ」 「まさかこの2000年もとうに過ぎた時代に馬車で来るなんて」 すげ〜笑と周囲で話を聞いていたモブたちにプークスされる。まさかその「馬車で来た」の一人があなただとは思ってもいないのだろう。 Q.天気について 少し首を捻った後、不思議そうに口を開く。 「ええっと、最近は晴れだったと思いますけど?」 しばらく晴れ続きなことについて尋ねても、「……?そうだっけ?そうかも……?」と、不思議そうにしている。どうやら晴れ続きであることについて、深く疑問に感じていないようだ。 (SANc1/1d3) ※一度発生している場合はSANc不要。 Q.生きたままの心臓・強靭な心臓について 「超物騒! そんなの知ってるわけないじゃないですか!」 ゾゾゾとドン引いたような顔をするが、それでも真面目に答えてくれる気はあるようで、考えてくれる。優しい。 「でもなんか、そういったホラーチックな話は聞いたことがあるような……どこでだったかな。結構最近な気がするんですけど。まさかこの城にあったり……なーんてこと、あるわけないですよね〜!」 Q.左右色違いの眼球を持つ生き物について 「オッドアイ? 見たこと無いな〜。リアルに居たら結構レアですよね」 と言いつつ、そういえばと口を開く。 「待てよ、そういえば、近くで居るって聞いたことがある気がします! 犬か猫かなんか……えーっと、どこだったかな……あんまり人の行かないところだった気がするんですけど、すみません、詳しい場所まで思い出せなくて……」 Q.黄金の林檎(のタルト)について 「そういう名前のタルト結構ありません? いや、まぁ確かに名付けやすいですけどね〜。……あ、黄金林檎といえば、ちょっと遠くの【ニセの店】って店の裏メニューであるって知り合いに聞いたことありますよ。売り切れ必至だって。どんな味してるか、気になりますよねぇ。でも並ぶのはちょっとなぁ」 Q.左右の目の色が違う白い猫について 「オッドアイ? 見たこと無いな〜。リアルに居たら結構レアですよね」 と言いつつ、そういえばと口を開く。 「待てよ、そういえば、近くで居るって聞いたことある気がします! 猫だったかは正直ちょっと怪しいんですけど、えーっとどこだったかな……あんまり人の行かないところだった気がするんですけど、すみません、詳しい場所まで思い出せなくて……」 【Day6 Mon.夜@キットと合流】 そうして舞踏会が進んでしばらく。大ホールにいた【HOオーナーバリスタ】は突然、「失礼」と背後から声をかけられる。 そこにいたのは、金髪にサングラスの見知らぬ若い男性だった。見るからに質の良さそうな衣服はこのような場であるからまだ良いとして、顔の大部分を覆う黒サングラスは明らかに場違いだが、その見事な場違い加減と、サングラス越しの整った顔に、よく似た女性を目にしている探索者にはすぐに分かった。 おそらくこの人物は、エラの双子の兄。すなわち舞踏会の主催者だ。 男性はサングラスを取ろうとして「あ、一応仮面舞踏会だから外しちゃ駄目なんだっけ?」とその手を止め、【HOオーナーバリスタ】に向けて微笑むだろう。 「ようこそ、ええっと、【HOオーナーバリスタ】さん。あなたのことはエ、……妹から聞きました」 と笑顔で手を差し出してくる。握手を求めているようだ。 ・握手をする ==秘匿:HOオーナーバリスタ== 彼と握手をすれば、やたらしっかりねっとりと掴まれた。あなた程、人を見る目を持つ者ならすぐに分かる。目の前の人物から、自分に対しての隠しきれない執着心のようなものを感じるだろう。 ==秘匿:HOウエイトスタッフ== <目星>または<心理学(自己判定)> →隣でその握手の光景を見ていたあなたは、【HOオーナーバリスタ】の手がやたらしっかりねっとりと掴まれたことに気付く。目の前の人物から、【HOオーナーバリスタ】に対しての隠しきれない執着心をのようなものを感じるだろう。 ・握手に関することを指摘する/手を振り払う 「ああ、失礼! 少々強く掴みすぎましたかね」 と彼は動じない。手を離した後も、変わらずニコニコと【HOオーナーバリスタ】のことを、【HOオーナーバリスタ】のことだけを見つめている。 ・何の用か尋ねる 「いえ、妹から、面白い方が城に来たと話を聞いたもので、どのような方かなと興味を持ちましてね。名前からして、お招きした記憶はありませんでしたから。……一応、イベントの性質上、替え玉は禁止だったのですがね」 ・替え玉について/話を進めるなど 「ルールとしては禁止でしたが、私個人としては大歓迎ですよ。……ですが、あなたが替え玉でこの後の大会に出るというのは、流石にフェアじゃあないですから。ご遠慮いただきたいのです。そして、その代わりと言っては何ですが、よろしければ大会とは別に私とひと勝負、お願いできませんか?」 ずい、と【HOオーナーバリスタ】に更に一歩近づいてくる。サングラスさえなければ、まつげの数も数えられそうな距離だ。 「もちろん、こちらの勝負でも結果次第で賞金をお渡しいたします。私のポケットマネーでよろしければ。……まぁ、大会の賞金もそうですけれど」 ・勝負を受ける 男は笑みを深める。不快感のない整った顔立ちをしてはいるが、更に一歩近づかれると、その美しさより「近っ……」という感情が先立つだろう。 「ではよろしければ、今すぐにでも別室で。はしたないと思われるかもしれませんが、楽しみなことは1分1秒も待てないタチでね。ああ、よろしければ、そちらの方もご一緒に」 そう言うと、そばにいた従者を呼び止め、それを供に、【HOオーナーバリスタ】を連れて廊下へと出ようとする。 【HOウエイトスタッフ】は<目星>または<幸運> →踊っている男女の中で、不服そうにしているエラに気付く。(彼女の側に居たはずの爺やの姿は、いつの間にかなくなっているだろう。) エラはふと、大ホールの入り口付近にいるあなた達に気づき、すこし驚いた様子でじっと見つめてくる。かと思えば、ちょうど彼女を踊りに誘おうと横からやって来た男性の手をやんわりと止めて、俯きながら足早にどこかへと行ってしまった。この人混みの中では、彼女を追うことは難しそうだ。 続けて<目星>または<アイデア> →エラはこちらをじっと見つめてきたが、視線が若干合っていないような気がした。自分達ではなく、どちらかといえば金髪の男性の方を見ていたのではないかと思う。 ●キットと廊下に出る 男性と共に廊下に出れば、舞踏会の最中のためか、廊下にひと気は少ない。絨毯を踏みしめながら上の階へと上がることになる。道中、何かあれば1つ程度なら質問をすることができる。 ※何もなければスキップして良い。 ・男性に名前を訊く ※ここまでにキットの名前を知らない場合、KPは「そういえばPCは彼の名前を知らないですね」などと、名前を訊くことを促しても良い。 彼は、「……え?」と一瞬不思議そうにした後、「ああ、すみません。俺は……じゃなかった。えー、私はキット。キットです」と、すぐさま先程までと同じ笑顔を浮かべた。 【HOオーナーバリスタ】が上記名前の質問をした場合 <心理学> ※【HOオーナーバリスタ】に1/2自動判定 →キットは【HOオーナーバリスタ】に名前を聞かれて、酷く驚いた後、なぜか落ち込んだように見えた。 ・エラについて訊く 「エラ? ええ、私の妹ですが……」と、世間話程度なら笑顔で応じてくれる。あまり深い話は出てこないが、兄妹仲はそこまで悪くもないようだ。 <心理学> ※【HOオーナーバリスタ】に1/2自動判定 →エラのことを話す時、一瞬キットが何かを考え込むような面持ちになっていたのに気付く。 ●【HOカフェピアニスト】の描写 あなたは舞台の上で一生懸命演奏を行っているところであるため、このシーンでの行動はできない。 <目星> 失敗 →演奏中、舞台上からふとホール内を見れば、ちょうど【HOオーナーバリスタ】と【HOウエイトスタッフ】が廊下に出て行ったことに気づける。 成功 →演奏中、舞台上からふとホール内を見れば、ちょうど【HOオーナーバリスタ】と【HOウエイトスタッフ】が、サングラスをかけた金髪の男性と共に廊下に出て行ったことに気づける。 ●【HOシェフパティシエ】の描写 あなたはちょうど、一通りの調理が終わったところだ。厨房の料理人たちの半分が片付けを始め、半分がこの後の催しのためのツマミやら酒やらを用意している。 一息つけば、「ここまでで大丈夫です。今日は本当にありがとうございました!」と深々頭を下げられるだろう。あとちょっとお金ももらえるだろう。お小遣いとしては十分な金額だ。 服を着替え、廊下に出たところで、どこかから女性の話し声が聞こえてくるのに気付く。エラと、誰か女性が話をしているようだ。 【Day6 Mon.夜@城の窓辺】 【HOシェフパティシエ】が話し声の方へと向かうと、エラはすぐに見つかるだろう。角を曲がった先、大ホールから少し離れたひと気のない窓辺で、年若いメイドと何か話をしているようだ。 「でも……うん、そう、なのかな……」 夜空の下、バルコニーに立つ彼女の物憂げな後ろ姿は、相変わらず派手ではあるが、そうして大人しくしていればごくごく普通のお嬢様のように見える。 ・様子を見ている/話しかけようとするなど と、メイドはちょうど背後にいたあなたに気づき、一礼してどこかへと行ってしまう。エラも突然席を外したメイドの視線の先を追って、そこにあなたが居るのに気付くだろう。 「あ、あれ、(【HOシェフパティシエ】のあだ名)? どうしてこんなとこに……あ! そうだった、ごめん! ホントにごめん! 部屋戻る最中に爺やに捕まっちゃってさぁ!」 「でも、部屋から出てきてたんだね、よかったぁ……。こんな時間まで飲まず食わずで、みんなお腹空かせちゃうとこだったじゃんね〜。あはは!」 エラは明るい声でそう言うが、それは見るからに空元気で、落ち込んだ様子を上手く隠せていないのが分かる。 ●KP情報 ・以降のエラの会話によって、終盤のイベントの発生分岐難易度が変わる。 ・下の「メイドと何を話していたのか尋ねる」をしてもしなくても、シナリオ進行に問題はない。生還率が多少下がる可能性があるが、そこまで大きな変化はない。なので、イベントを起こすかは【HOシェフパティシエ】またはPL達の自由にして良い。 ・尋ねない場合は適当にRPをした後、次のシーンに移る。 ・メイドと何を話していたのか尋ねる 「え、き、聞いてたぁ? ええっと別に、その、なんでもないよ……」 エラはあからさまに視線をそらしながら、ゴニョゴニョと濁そうとする。彼女の頬にほんのり赤みが差しているのは、夜の暗がりの中でも分かるだろう。 <信用+20>または<説得+20>または<言いくるめ+20> または 恋愛系の話かと指摘するなら自動成功扱い → 「んと……まぁ恋バナっていうか、その……。……ひ、引かない?」 と、不安げに【HOシェフパティシエ】を見つめる。 肯定を返せば、胸の前でキュッと手を握りながら、エラは口を開いた。 「実はさ、アタシその……アニキのことが、好きで。……恋愛的な意味で」 あはは、と乾いたように笑って顔を上げ、【HOシェフパティシエ】に向き直る。 「血ぃ繋がってて、しかも双子なのに、こんなのキショって思う? そんなのアタシが一番良くわかってんだけど、まぁもうコレ昔っからだし、仕方ないことって諦めてて、……でもね、その……」 そこでエラは再び口ごもり、少し周りを確認した後、言いづらそうにあなたにこう告げた。 「実はその……アニキ、……(【HOオーナーバリスタ】のあだ名)に惚れたっぽい……んだよね。したらさ? もうアタシ、絶対ダメじゃん〜……女な上に妹とかさ、マジ無し? バリ圏外? って感じじゃん……」 そこまで言うと、自分で言って事実を再確認してしまったせいか、エラは肩を落としながらよろよろとバルコニーの柵にもたれかかった。 ●KP情報 エラが「アニキは【HOオーナーバリスタ】のことが好き」と思った理由について、【HOオーナーバリスタ】の性別や年齢に合わせて、下線部分のセリフの変更を行うこと。以下はセリフの差し替えの一例。 ・【HOオーナーバリスタ】が男性の場合 「女な上に妹とかさ、マジ無し? バリ圏外? って感じじゃん……」 ・【HOオーナーバリスタ】が女性の場合 「(【HOオーナーバリスタ】のあだ名)、すごい素敵な人だし、アタシって所詮妹だしさ……マジ無し? バリ圏外? って感じじゃん……」 ・【HOオーナーバリスタ】が年上(30代以降)の場合 「年もたぶん上のが良いのかもだし、したら、アタシって同い年な上に妹だしさ……マジ無し? バリ圏外? って感じじゃん……」 ・キットは【HOオーナーバリスタ】のことが好き、について 落ち込んだ様子のエラだったが、のろのろと顔をあげて答えてくれる。 「アニキ、(【HOオーナーバリスタ】のあだ名)のこと、なんかすごい好きみたいで。なんでか分かんないんだけど……。さっきちょっと会った時にね、この人達が飛び入りで来たよ〜って監視カメラの画像持ってこさせて、アニキに見せたら、一瞬で目の色変えちゃってさぁ。『ぜひ一戦交えたい!』だって。あんなに張り切って目を輝かせてるアニキ見るの、マジ超久々っていうか……6年ぶりくらいっていうか……何なの?って感じじゃん。きっと今頃ゲームでも誘って、(【HOオーナーバリスタ】のあだ名)と部屋にこもってるよ……」 まさかそんなわけ、と仕事終わりで何も知らない【HOシェフパティシエ】は思ったかもしれない。が、長い爪で髪をくるくるといじりながらそう言うエラの言葉には、「そうかも……偶然舞踏会の中で出会って声かけたりかけられたりして、なんやかんや別室に移動して、特別に二人っきりでギャンブルとか始めちゃうのかも……」と思わせる強さがあった。 「アニキ、昔は好きな人が居たみたいなんだけどね、最近は全然名前出てこないし、もう狙ってる人いないのかな〜って思ってたとこだったのに……。ああ、前はね、 【HOオーナーバリスタの昔の名前】? って人のこと追ってたみたいなんだ。だったらアタシってさぁ……」 はぁ、と深い溜息をつきながら、エラは空を見上げる。南向きのバルコニーには、白々とした月がポツンと浮いていた。彼女の目尻が僅かに光って見えたのは、その派手なメイクのせいかもしれないし、それ以外の何かが大ホールからの灯りで反射したせいかもしれない。 「……ホントは今日ね。こんなに月も綺麗だし……フラれるって分かってるけど告白、とか? してみよっかなぁ〜なんて? 思ってたんだけど。あはは! タイミング悪いよねぇアタシって! ……はぁ」 ・エラのことを慰める、応援するなど ※慰める、応援するなど、エラの恋心を肯定するような行動を取れば、自動的にエラから言ってくるものとする。 エラは目元を指で拭った後、「あはは、優しーんだね、(【HOシェフパティシエ】のあだ名)は!」と、はにかんだような笑顔を見せるだろう。まだどこか影の残る笑みではあったが、最初に見たよりはずっと、彼女らしさを感じさせる表情だった。 「ね、ねぇ。じゃあさ……その、お客さんに何いってんだって話かもしれないんだけど。もしも、もしももしも、アニキと二人っきりになれそうなタイミングとか、いい感じの時とか、なんかよく分かんないけどさ。そういう時があったら、その、……私に、"頑張れ"って言ってくんない?」 その願いに探索者が肯定を返すなら、エラは元の可愛らしさのまま、ふうわりと微笑んだ。 「えへへ……あんがと」 ●KP情報 DAY6最後付近のシーンに関わる分岐。ここで協力することにした場合、変更があるので忘れないようにすること。 【Day6 Mon.夜@キットの部屋】 一方その頃、渦中の【HOオーナーバリスタ】と【HOウエイトスタッフ】。二人がキットとその使用人の後に続いて城の中を進んで行けば、辿り着いた先は城の最上階、彼の私室だった。 エラの部屋と同じようなどこか落ち着かないゴテゴテとした華美な内装で、その上キレイに整えられているせいか、生活感は彼女の部屋より更に薄く感じる。 【HOオーナーバリスタ】はその部屋の更に奥にある、小部屋へと案内される。小部屋と言っても一人暮らしのワンルーム程度はあるその部屋の中には窓がなく、中央にはカジノで見るような緑のマットを貼ったゲームテーブルが1台置かれている。彼専用のプレイルームになっているようだ。 ==秘匿:HOオーナーバリスタ== 敢えて似せて作られたであろうゲームテーブルだけでなく、窓がなく自然光の入らない作りや、時計が一つも置かれていない様子が、あなたがかつて入り浸っていたカジノの内装を彷彿とさせる。 さすが自分の城で自費でギャンブル大会を開催するような大金持ち、と言ったところだろうか。 なお、ここまで付いてきた【HOウエイトスタッフ】は、プレイルームの前、すなわちキットの私室の方で待機するように言われる。キットの付きをしていた年老いた男性もそこに待機するようだ。 「せっかくなら、誰にも邪魔をされない真剣勝負がしたいんです。どうかお願いできませんか?」 口調は下手に出ているが、そうでなければ勝負はしません、とはっきり顔に書いてあるようだ。 ・プレイルームに【HOオーナーバリスタ】とキットだけが入る キットが【HOオーナーバリスタ】に続いて室内に入り、部屋の中から鍵を閉めると、【HOオーナーバリスタ】はこの場が酷く静かなことに気付く。完全な防音になっているようで、まったく外の音が聞こえない。自分たちが出ようとしない限り、何者にも邪魔されない部屋、というわけだ。 二人っきりになると途端、キットはさっきまでより随分と砕けた口調で話しかけてきた。 「あー、なァ、アンタ。……その、俺のこと覚えてない感じ?」 探索者が反応を見せなかったり、知らないと答えると、キットはハァと溜息をつく。一歩、革靴を強く鳴らしながら【HOオーナーバリスタ】に近づき、あなたの手をそっと掬うように取って、 「……本当に?」 と、近距離に囁いてくるだろう。サングラス越しに、エラと同じ色をした瞳が見える。ジッと、真っ直ぐに【HOオーナーバリスタ】を見つめていた。 「俺達、あんなにも熱い夜を過ごしたってのに、……ま、いいさ」 そう言ってパッと離れ、テーブルの向こう側の席に着くだろう。 ※PCからの質問などはあるだろうが、ここでシーンを強制的に切る。 ●キットの部屋の【HOウエイトスタッフ】 【HOウエイトスタッフ】は側付きと共に、キットの私室内に取り残されていた。しっかりと閉まったプレイルームの中から音が聞こえてくることはなく、今いる部屋の中を見渡そうにも、側付きが真横に居る手前、なんとも動きにくい。 <聞き耳> →部屋の外でなにか、物音が聞こえた気がする。 突如、パンッと乾いた音。間近から突然聞こえた空気を裂くような破裂音に、あなたは思わず振り返るだろう。 部屋の入口には、見慣れない赤毛の男性が一人立っていた。正装に仮面を付け手袋をした男性は、それだけなら今宵の客の一人にも見えるのに、手にしっかりと拳銃を握っている。放たれた銃弾はキットの部屋の装飾品に当たったようで、陶器が粉々に割れ、破片が甲高い音を立てて辺りに散らばった。 ピアニストが赤毛であることを知っている場合 <アイデア> →そういえば、演奏家達が「ピアニストが見つからない」と言っていた。身体的特徴から、この人物が件の行方不明のピアニストなのではないかと気付く。 「両手を上げろ。そこのアンタ、懐のモンを寄越せ。……その服の内側に仕舞ってあるモンだよ、爺さん」 突然のことに驚きつつも、立ち位置の関係から客人のあなたを庇うようにしていた側付きは、決して渡さないというように服の内側を庇うような素振りを見せる。と、舌打ちをした男はそのまま容赦なく3発、側付きに銃弾を打ち込んだ。 ぐっと呻き、血を流しながら倒れる男性から、赤毛の男は何かを奪おうと迫ってくるだろう。 !! 特殊な処理 !! ●KP情報 室内の【HOウエイトスタッフ】の特殊な処理が発生する。 ・1ターンずつできることをPLに開示し、選択させる。他PLとの相談可。 ・基本的にこの特殊な処理中に、戦闘を行う、赤毛の男性が捕まる、などは想定されていない。 赤毛の男(ピアニストの男) STR 13|CON 17|POW 5|DEX 17|APP 7|SIZ 14 HP 16 (装甲7|ダメージを与えられると減少する) <拳銃>70 <回避>34 1ターン目 赤毛の男は、倒れた側付きから何かを奪おうとしてくる。あなたよりも男の方が側付きに近く、妨害をするのは難しいだろう。【HOウエイトスタッフ】と赤毛の男のDEX17との対抗ロールを行う。 <DEX17とのDEX対抗ロール> 成功 →赤毛の男が、側付きの胸元から袋のようなものを奪い取ったタイミングで、咄嗟に間に合ったものとして、続けて攻撃が可能。 ただし突然の襲撃かつ、足元に壊れたものが散らばり体勢も整っていないことから、武器を使用する戦闘技能、マーシャルアーツ、武道、組み付きの使用は不可とする。 ・NPCにダメージが入った場合 →あなたの咄嗟の攻撃が命中する。だが、男は何か着込んでいたようで、打撲時とは違う妙な音が上がるのに気付くだろう。その薄い服の内側に、何を着たらそんな音になるのだろうか? (SANc0/1) 2ターン目へ ・NPCにダメージが入らなかった場合 →次の「失敗」と同じ処理 失敗 →あなたの目の前で、男は手際よく側付きの胸元から袋のようなものを奪い取り、立ち上がった。 2ターン目へ 2ターン目 赤毛の男は素早くそのまま部屋を出て、走り去っていこうとする。 追いかける場合、部屋を飛び出る処理になる。追いかけない場合、倒れた男性の様子を<応急手当>または<医学>で確認することができる。 01,男を追いかける場合 部屋を出た男の後を追う事が可能。 3ターン目へ 02,倒れた男性に<応急手当>または<医学> 成功 →男性は酷い怪我をしているが、まだどうにか息はあるようだ。 失敗 →男性は酷い怪我をしており、一向に目を覚ます気配がない。 3ターン目へ ※ここの<応急手当>成功失敗で後のシーンの選択に影響があるのでメモしておくこと。 3ターン目(01,男を追いかける場合) 部屋から脱出し、城の廊下を逃げようとする赤毛の男を<DEX*5>の判定で追う事ができる。 <DEX*5> 成功 →赤髪の男の後ろ姿を捉えることができる。男は追いすがるあなたに舌打ちをすると、懐から瓶のようなものを取り出し、投げつけて来た。 <回避> 成功 →絨毯にぶつかった瓶は、そこから突如として炎をあげ、一瞬のうちに燃え広がっていく。その間に男はどこかへと走り去って見えなくなってしまうだろう。 絨毯の上を舐めるように広がっていく炎は手持ちのものでは鎮火できそうもない。それどころか、消火器を持ってきても対応は難しいかもしれない。 キットのプレイルームが防音室で、かつ鍵が内側からかけられていることなど知らないあなたは、その火を見てひとまず急ぎキットの部屋まで戻るだろう。 失敗 →絨毯にぶつかった瓶は、そこから突如として炎をあげ、一瞬のうちに燃え広がっていく。あと避け損ねたあなたもちょっと焦げる。  ダメージ1d2 その間に男はどこかへと走り去って見えなくなってしまうだろう。 絨毯の上を舐めるように広がっていく炎は手持ちのものでは鎮火できそうもない。それどころか、消火器を持ってきても対応は難しいかもしれない。 キットのプレイルームが防音室で、かつ鍵が内側からかけられていることなど知らないあなたは、その火を見てひとまずキットの部屋まで戻るだろう。 失敗 →随分と逃げ足が早いようで、あなたはすっかり男性の姿を見失ってしまう。 続けて<聞き耳> 成功 →男の姿を探そうとしていたあなたは、辺りを見回して気付く。……なんだか焦げ臭いような。臭いのする方向へと向かうなら、角の向こうの廊下に敷かれた絨毯が何故か炎上していた! 絨毯の上を舐めるように広がっていく炎は手持ちのものでは鎮火できそうもない。それどころか、消火器を持ってきても対応は難しいかもしれない。 続けて<目星> 成功 →燃え盛る絨毯の中央に、ススで黒くなった瓶を見つける。あの男が逃げる最中に火炎瓶でも投げたのかもしれない。 キットのプレイルームが防音室で、かつ鍵が内側からかけられていることなど知らないあなたは、その火を見てひとまずキットの部屋まで戻るだろう。 失敗 →キットのプレイルームが防音室で、かつ鍵が内側からかけられていることなど知らないあなたは、その火を見てひとまずキットの部屋まで戻るだろう。 失敗 →男の姿を探そうとしていたあなたは、しばらく辺りを歩き回り、見回して気付く。……なんだか焦げ臭いような。と、角の向こうから僅かに黒い煙が上がっていることに気付く。 慌ててそちらを確認すれば、廊下に敷かれた絨毯が何故か盛大に炎上していた! 絨毯の上を舐めるように広がっていく炎は手持ちのものでは鎮火できそうもない。それどころか、消火器を持ってきても対応は難しいかもしれない。 キットのプレイルームが防音室で、かつ鍵が内側からかけられていることなど知らないあなたは、その火を見てひとまずキットの部屋まで戻るだろう。 3ターン目(02,倒れた男性に<応急手当>または<医学>) あなたが部屋にいると、どこからか焦げ臭いニオイが漂ってくることに気付く。一体なんだろう? <聞き耳> →タバコの臭いというわけではなさそうだ。どちらかといえば、部屋の外、廊下の方から漂ってきている気がする。 ※部屋の外を確認する前に描写を切る 【Day6 Mon.夜@大ホール付近】 同時刻、大ホールではちょうど舞踏会が終わりを見せ始めた頃だ。 手も疲れ切った頃合いにやっとすべての演奏が終わり、演奏家達から「いや【HOカフェピアニスト】さん、めちゃくちゃ上手いですねピアノ!」「どうですか、このままうち入りません?」とスカウトを受けているかもしれない。 そんな大ホール近くの穏やかな控室に、城のメイドがやって来る。部屋に飛び込むなり、慌てた様子でこう叫んだ。 「あの! こちらに怪しい赤毛の男性は逃げて来ていませんか?! どうも警備隊から拳銃を奪って行ったらしくって……!」 不穏な話にざわ、と演奏家達が声を上げるが、「あ、赤毛?」と一人の男性が眉をひそめた。 「うちのピアニストが赤毛で、今朝城で迷子か何かになったまま、まだ見つかってないんですけど……いや、まさかそんな……」 そこに更に別のメイドが複数人、続けてバタバタとやって来る。控室に先に来ていたこのメイドを探していたようだ。 「た、大変です! 上の階から銃声が!! 炎が!!」 「銃声? 炎?! 落ち着いてください、一体何が……」 「最上階から銃声がしたものですから、外から窓を見上げてみましたら、煙が上がっていたんです! 犯人が逃走のために放火したものかと……! キット様の部屋のある階ですので、確認しようとしたのですが、階段のひとつが既に火で塞がれていて近づけなくて」 「なんですって? キット様は一時的に舞踏会からは席を外されて、確か、ホームム様? という方と、最上階の自室に一時的に戻られたはず」 「で、でも火が上がっていますし、流石に気付くんじゃ」 「もしプレイルームにいらっしゃったら……キット様の部屋の奥にあるプレイルームは特注の防音室ですし窓もありませんので、きっと火災には気付かれませんわ! 一緒に誰か付いていらっしゃったら、その方がプレイルームの鍵をお持ちでしょうけど、どうなっているかしら。心配だわ……」 「ええとそれから、炎は消火器では難しそうな程広がってしまっていて、もちろん消防も呼んだのですけれど、この森の中ですのでいつ頃着くか分からないとのことでした」 「と、とにかく! あなたはお客様方の避難を! あなたの方は、エラお嬢様を探してください!」 「お嬢様なら、先程近くのバルコニーでお客様と一緒にいらっしゃるのを見ましたわ!」 「では、あなたはそちらに! 私は他の者達に声をかけて、プレイルームの鍵を持っている方を探します。それからあなたは例の赤毛の男性の捜索を__」 と慌ただしく指示を出している。 その場にいた演奏家の人たちと共に【HOカフェピアニスト】にも声がかかり、すぐにこの城から避難するようにと言われるだろう。 <アイデア+50> →ホームムという変わった名前の人が二人も舞踏会に呼ばれたと考えるより、招待状に書かれた名前のまま、従者たちに情報が出回ったと考える方が自然だろう。 つまり、"キット様"と共に最上階の部屋に行ったのは、ホームムの招待状を持つ、【カフェの店名】の誰かということになる。 ●バルコニー 同時刻。エラが「ごめん、長話になっちゃったね。そろそろ戻ろっか」と笑い、あなた達がバルコニーから離れようとしたその時、まだ年若そうなメイドが一人駆けつける。 慌てた様子の彼女の話を聞けば、赤毛の男性が警備隊から拳銃を奪って逃げ出したということ、それから城の最上階に火が放たれたようだということを知るだろう。 確かにいつの間にか辺りは騒がしく、まだ一階まで火の気配が感じられないためか落ち着いてはいるものの、大ホールの客人たちも城の外へと誘導されているのが見える。 「ですので、お客様とお嬢様も早くお逃げください!」 「う、うん、分かった。(【HOシェフパティシエ】のあだ名)もアタシと一緒に行こ。あ、でも、最上階ってアニキの部屋が……そうだ、アニキは今どこにいるの?」 「それは……」 メイドが言いづらそうに言葉を濁そうとしたところで、ちょうど控え室から出てきた【HOカフェピアニスト】は、【HOシェフパティシエ】とエラの姿を目にする。【HOシェフパティシエ】もすぐに【HOカフェピアニスト】の姿に気付くだろう。 【HOカフェピアニスト】が上の<アイデア+50>に成功していない場合、情報共有をすれば再度判定が可能。かつ、【HOシェフパティシエ】も<アイデア+50>で判定が可能。 ・キットが最上階の自室に居ることを知る ※【HOカフェピアニスト】がキットの居場所を言わない場合、メイドがエラの圧に負けてキットが自室に居るということを言ってしまう処理とし、描写は変わらない。 「そんな……」 キットが最上階の自室にいるかもしれないことを知ると、エラは呆然とした顔で呟く。 「……い、行かないと。アニキのこと、助けに行かないと!!」 年若いメイドはオロオロとしながら引き止めるが、エラは兄の安否がどうしても気になる様子で、今にも駆け出しそうだ。 城の情報を事前に図書館などで知っている場合 <知識> →この城は石造りであるが、屋根が木製でできていることをあなたは知っている。この構造は大まかには数年前にフランスで全焼した教会と同じだ。 つまり、今はまだ落ち着いているが、火がまわれば全焼することもあり得るだろう。なんならここらの森一帯焼けるかもしれない。 ==秘匿:HOシェフパティシエ== 獣は本能的に炎を怖がる。キッチンの小さな火程度ならまだしも、人でも恐怖するほどの大火を前に、非常に優秀とはいえ猫のあなたが平静を保つのは困難だ。 あなたが燃える城の中に残る場合、ダイス判定をKPから要求される度に<POW*1>に成功する必要がある。失敗すると意思に反して、あなたはその場から走って逃げ出してしまうだろう。 例:<目星>を振るようにKPから告げられた場合、同時に秘匿で<POW*1>を判定し、<POW*1>に失敗するとその場から逃げて城の外に出る処理となる。<目星>を振ることを選択せず失敗扱いにする場合も、<POW*1>の判定は必要となる。 ●選択 【HOシェフパティシエ】と【HOカフェピアニスト】は、以下の3択から以降の行動をそれぞれ選択する。 1 エラを連れずにキットの自室まで向かう 2 エラも連れてキットの自室まで向かう 3 城の外へ逃げる(エラは一人でキットの部屋に自動で向かう) 注意: ・エラは基本的にキットの部屋へと向かいたがる。1の「エラを連れて行かない」選択肢を希望する場合、【HOシェフパティシエ】が<信用+50>(エラの悩みを聞いた場合)または<信用>(エラの悩みを聞かなかった場合)に成功すれば可能。 ・火の手はこのままでは馬小屋の方にも及ぶ。そしてあなたたちの馬はアリスからの借り物で、もし死なせでもすれば非常に問題があるだろう。何より馬が焼け馬になるのはとても可哀想である。 <アイデア> →この城の中は非常に広く、迷いやすいことをあなた達は知っている。自分達だけでキットの部屋までたどり着くことができるだろうか? ●KP情報 以降、【HOシェフパティシエ】が馬小屋に向かい、【HOカフェピアニスト】がキットの部屋へと向かう想定として記載する。 ・逆になった(【HOシェフパティシエ】が途中で逃げた)場合や、二人とも逃げるを選択した場合、キットの部屋の【HOウエイトスタッフ】のところにはエラが無事に到着したものとしてシナリオを進行する。 ・メイドはまだ新米なので、この混乱しきった状態でキットの部屋まで迷わず行くことはできないものとする。 1 エラを連れずにキットの自室まで向かう 馬小屋へと向かうことになった【HOシェフパティシエ】に連れられて、エラは「(【HOカフェピアニスト】のあだ名)、その、アニキのことよろしくね……」と、不安そうにしながらもその場を後にする。 キットの部屋へと向かうには、最上階まで辿り着く必要がある。ただしこの城が迷いやすいことはあなたは身をもって知っているだろう。 <幸運>を3回、もしくは<ナビゲート>を1回だけ判定する。 <幸運>0〜1回成功、または<ナビゲート>失敗の場合 →キットの部屋に辿り着くのに時間がかかってしまった。最上階へ向かう階段の辺りは既に火が周りつつあり、炎の熱が肌を焼くことだろう。 ダメージ1d3 <幸運>2回成功 →キットの部屋に辿り着くのに少々時間がかかってしまった。最上階へ向かう階段の辺りは既に火が周りつつあり、もうじき人も立ち入れなくなってしまうことだろう。 ダメージ1d2 <幸運>3回成功、または<ナビゲート>成功の場合 →スムーズにキットの部屋まで辿り着くことができた。まだ火の手は回りきっていないが、もうじき人も立ち入れなくなってしまうことだろう。 探索者が最上階の部屋に入ると、おそらくここがキットの部屋だろうと説明されなくても分かるほどの華美な内装と、様子がいつもと違う【HOウエイトスタッフ】、そして血に濡れて倒れた男性の姿を目にする。 プレイルームの鍵を探す場合、男性の体を探しても鍵は見つからない。また扉を叩いても中から一切反応はなく、ノブを回そうにも動かない。鍵をかけてしまうとノブが動かない仕組みになっているようだ。 部屋の中に鍵のスペアでも隠されていたり、もしくは男性が倒れた拍子に鍵がどこかに飛んでいってしまっていたりしないだろうか。 室内を探すなら<目星> →炎が燃えている室内と外との寒暖差で、かつて誰かに指で書かれたのであろう文字に気付く事ができる。 「エラ」 この部屋の窓は、南向きだ。 室内を探すなら<幸運> →あなた達は部屋の中にプレイルームの鍵が無いかと探している途中、ノートを取り落とす。開かれたそのノートには、最近の天候が記録されているようだ。ここ数年、ほとんど毎日記載されたソレを目にしてあなたは気付くだろう。__信じがたいことに。どうやらこの街は、ずっと"晴れ"らしい。 そういえば。あなたはふと気付いてしまう。そういえば、この街に雨が降ったことはあっただろうか? あなたはこの街に数年前(数ヶ月前)から住んでいる。だというのに、そんなことを疑問に思うのは明らかに異常だ。 思い出そうとする。一週間前は?二週間前は?一ヶ月前は?一年前は?最後に傘を手にした日は、果たしていつだったか__そして自分は何故、このことを今の今まで疑問に思わなかったのか? (SANc1/1d3) ●KP情報 天気についての違和感は、探索者同士での情報共有でも気付くことができる。詳細はp115参照。 そこまで室内を探しても鍵は見つからない。火の回りは早く、そろそろこの部屋から脱出しなければ、あなた達も危ないだろう。 と、部屋の外からメイド達の話し声が聞こえてくる。階段の踊り場で話をしているようだ。 「プレイルームの鍵をお持ちの方は見つかりましたか?!」 「いえ、お客様の誘導係にはいませんでした。そもそも、城の中に居る方々の人数がいつもより少ない気がして……」 「少ない? ではどなたとお会いしたんですか?」 問いかけに、片方のメイドが人の名前をいくつか上げていく。もう片方のメイドはそれを聞いた後、 「ええと、じゃあ、宝物庫の方に向かった方々とは、全くお会いしていないのかしら? ……あっ。そういえば前に、宝物庫には城の最上階に繋がる抜け道があるらしいって、聞いたことがあるわ」 「そうなんですか?! では急いでそちらに向かいましょう!」 そう言って、パタパタと一階に降りていく足音が聞こえる。 <アイデア> 失敗 →最上階の部屋数は少なく、またキットの部屋の中を探しても抜け道になりそうなところはなかった。なら、プレイルームの中に宝物庫に繋がる抜け道があるかもしれない。 成功 →最上階の部屋数は少なく、またキットの部屋の中を探しても抜け道になりそうなところはなかった。なら、プレイルームの中に宝物庫に繋がる抜け道があるかもしれないと思いつく。 また、赤毛の男性が何かを狙って襲撃をしたのだとしたら、その目当ては宝物庫の可能性があると思い至る。 キットの部屋を出て「宝物庫」に向かう、または「城の外」へ逃げることができる。側付きの男性を避難させる場合は、最低一人は「城の外」を選択することになる。 ※【HOウエイトスタッフ】が事前に<応急手当>に成功している、もしくは今ここで再度判定し<応急手当>に成功した場合、ここで側付きの男性が目を覚ます。目を覚ました場合、自分でどうにか城の外に向かうことができるものとしてよい。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== ※「城の外」に行くPCが必要な場合のみ あなたは、もし運悪く炎の広まる速度が速まり、この城の火災に巻き込まれたとしても、自分が死なないということを知っている。宝物庫に向かうべきなのは自分だろう。 宝物庫に向かう探索者は <幸運>または<ナビゲート>または<追跡> (宝物庫前に行ったことのある探索者が居れば全員+20) 成功 →炎に巻かれることなく一階の宝物庫まで辿り着くことができる。 失敗 →燃えかけの階段や煙を避けて通りながら、一階の宝物庫まで辿り着く。ダメージ1d2 城の外に向かう探索者は <幸運>または<ナビゲート> 成功 →炎に巻かれることなく出口まで辿り着くことができる。 失敗 →燃えかけの階段や煙を避けて通りながら、一階の出口まで辿り着く。ダメージ1d2 →p183へ 2 エラも連れてキットの自室まで向かう メイドが「自分も」と付いて来ようとするが、他のメイドに呼ばれ、この場を後にする。忙しないその様子を見て、思いついたようにエラは馬小屋へと向かうことになった【HOシェフパティシエ】に声をかけるだろう。 「あ、ねぇ(【HOシェフパティシエ】のあだ名)! あのさ、アタシの馬も馬小屋にいると思うから、ごめんだけど時間があったらその子も助けてあげてくんない? これだけみんな慌ててると、馬のこと忘れちゃうかもだし……近くの湖のとこまで移動させてあげたら、しばらく大丈夫だと思うから。お願い!」 【HOシェフパティシエ】と別れると、あとはキットの部屋へと向かうのみだ。この迷いやすい城の最上階まで辿り着く必要があるが、 「アニキの部屋まで、アタシが案内したげる。こっち!」 と、エラは探索者を先導して迷うことなく複雑な城内を進んでいく。 <幸運> 失敗 →危ないところもあったが、エラの案内で比較的スムーズにキットの部屋まで辿り着くことができた。まだ火の手は回りきっていないが、もうじき人も立ち入れなくなってしまうことだろう。ダメージ1 成功 →エラの案内でスムーズにキットの部屋まで辿り着くことができた。まだ火の手は回っていないが、悠長にしていればこちらまで燃え広がってしまうことだろう。 探索者が最上階の部屋に入ると、おそらくここがキットの部屋だろうと説明されなくても分かるほどの華美な内装と、様子がいつもと違う【HOウエイトスタッフ】、そして血に濡れて倒れた男性の姿を目にする。 エラは慌てた様子でプレイルームの前へと向かうと、ドンドンと扉を叩き始める。 「アニキ! ねぇ、アニキってば! お願い、気付いて!!」 しかし、中から一切反応はなく、ノブを回そうにも動かない。鍵をかけてしまうとノブが動かない仕組みになっているようだ。 部屋の中に鍵のスペアでも隠されていたり、もしくは男性が倒れた拍子に鍵がどこかに飛んでいってしまっていたりしないだろうか。 室内を探すなら<目星> →炎が燃えている室内と外との寒暖差で、かつて誰かに指で書かれたのであろう文字に気付く事ができる。 「エラ」 この部屋の窓は、南向きだ。 室内を探すなら<幸運> →あなたたちは部屋の中にプレイルームの鍵が無いかと探している途中、ノートを取り落とす。開かれたそのノートには、最近の天候が記録されているようだ。ソレを目にしてあなたは気付くだろう。ここ数年、ほとんど毎日記載されたソレを目にしてあなたは気付くだろう。__信じがたいことに。どうやらこの街は、ずっと"晴れ"らしい。 そういえば。あなたはふと気付いてしまう。そういえば、この街に雨が降ったことはあっただろうか? あなたはこの街に数年前(数ヶ月前)から住んでいる。だというのに、そんなことを疑問に思うのは明らかに異常だ。 思い出そうとする。一週間前は?二週間前は?一ヶ月前は?一年前は?最後に傘を手にした日は、果たしていつだったか__そして自分は何故、このことを今の今まで疑問に思わなかったのか? (SANc1/1d3) ●KP情報 天気についての違和感は、探索者同士での情報共有でも気付くことができる。詳細はp115参照。 そこまで室内を探しても鍵は見つからない。火の回りは早く、そろそろこの部屋から脱出しなければ、あなた達も危ないだろう。 「ど、ど、どうしよう……!」 辺りが煙たく感じる。エラも事態にすっかり動転してしまっている様子だ。 <精神分析> 成功 →慌てているエラを落ち着かせれば、深く深呼吸をした後「ごめん……」とか細い声で謝るだろう。と、ハッと顔をあげて思い出したように探索者を見る。 「あ、そ、そうだ。ここって昔、マジのお城だったからいくつかの部屋には王様の逃げ道? 隠し通路みたいなのがあるって聞いたことあんの! ええっと、確かここから降りてこれる場所は……宝物庫の中?」 失敗 →続けて<アイデア>または<知識> 成功 →ここはかつて本当に王城として使用されていた建物だ。なら、隠し通路などはないだろうか? そのことをエラに伝えると、ハッとしたように顔をあげて、探索者を見る。 「そ、そうだ。ここって昔、マジのお城だったからいくつかの部屋には王様の逃げ道? 隠し通路みたいなのがあるって聞いたことあんの! ええっと、確かここから降りてこれる場所は……宝物庫の中?」 失敗 →あなたも焦ってしまい、なかなかいい案が浮かばない。そうしているうちにも火の手が迫っていると思うと、精神がすり減る心地だ。(SANc0/1) ※<アイデア>または<知識>が成功するまで繰り返し キットの部屋を出て「宝物庫」に向かう、または「城の外」へ逃げることができる。側付きの男性を避難させる場合は、最低一人は「城の外」を選択することになる。 エラは基本的に宝物庫に行こうとするが、側付きの男性の避難を<言いくるめ+20>成功で任せることも可能。 ※【HOウエイトスタッフ】が事前に<応急手当>に成功している、もしくは今ここで再度判定し<応急手当>に成功した場合、ここで側付きの男性が目を覚ます。目を覚ました場合、自分でどうにか城の外に向かうことができるものとしてよい。 ※エラに任せることも可能。彼女も側付きを心配しているので、<交渉技能>等は不要。ただし宝物庫までの道のりは彼女が居れば迷わないだろう。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== ※「城の外」に行くPCが必要な場合のみ あなたは、もし運悪く炎の広まる速度が速まり、この城の火災に巻き込まれたとしても、自分が死なないということを知っている。宝物庫に向かうべきなのは自分だろう。 ・エラが城の外へ出る場合、追加描写 「う、うん。分かった。……その、アニキのこと、お願いね!」 エラはそう言うと、従者に肩を貸しつつ部屋を出て行く。あなたはそれを横目に、先に進むことになる。 宝物庫に向かう探索者は<幸運>または<ナビゲート>または<追跡> (宝物庫前に行ったことのある探索者が居れば全員+20、エラが居れば自動成功) 成功 →炎に巻かれることなく一階の宝物庫まで辿り着くことができる。 失敗 →燃えかけの階段や煙を避けて通りながら、一階の宝物庫まで辿り着く。ダメージ1d2 城の外に向かう探索者は<幸運>または<ナビゲート> 成功 →炎に巻かれることなく出口まで辿り着くことができる。 失敗 →燃えかけの階段や煙を避けて通りながら、一階の出口まで辿り着く。ダメージ1d2 p183へ ●KP情報 「3 城の外へ逃げる」、【HOシェフパティシエ】側の描写は後程p201にまとめて行われる。 【Day6 Mon.夜@プレイルーム】 一方その頃の、【HOオーナーバリスタ】。あなたはキットと二人、キットの自室奥にあるプレイルームに居る。 完全な防音設備のために外からの音は聞こえない。一切の無音だ。椅子を引く音、革靴の軋み、キットの息遣いやあなた自身の呼吸音がやけにうるさく感じるほどで、城内でのぼや騒ぎどころか、隣の部屋の銃声も、他の探索者があなたを助けようとする音さえ聞こえては来ない。 キットが「座んな」と促せば、あなたは彼の向かいの席へと着席することだろう。 カードが1ケーステーブルに置かれ、滑るようにして渡される。仕掛けがないことをあなたに確認させるためだ。カードの切る音を聞きながら、キットは口を開く。 「……俺に、聞きたいことあるって顔じゃん? でも生憎様、タダで色々教えてやるほどキット様は優しくねェの。その人の心を読む目と、強靭な精神力とで名をはせたアンタとなら、俺はできれば一晩中でもやりあってたい。から、すぐに終わっちまうのは惜しい。 そこで提案だ。試合は3点先取。ただ、アンタの勝ち点1を消費すれば一つ、俺が質問に答えてやる。つまりアンタが最初の試合に勝ったとして、それを勝ち点1に数えねェ代わり、俺に1つ質問ができる。質問をしなければ、それは普通に勝ち点の扱いになり、アンタに1点になる。 ま、俺もアンタに聞きてェことはいくつかあンだ。こっちからの質問も、同様に扱ってもらえっと助かるな。 ……どうだ? 異論がねェなら"今回こそは"マジの勝負で頼むぜ、【HOオーナーバリスタの昔の名前】」 ●PLへの情報 ・キットへの質問は秘匿で聞いても良い。ただしキットの回答の公開/秘匿はシナリオに指定されているため、それに従って行われる。 ・メタ的な考えで、部屋の外の状況を気にして行動を取る(途中で部屋を出ようとする、勝負を早く終わらせようとする 等)ことは非推奨。PCはゲームに集中しているものとしてください。 ●KP情報 ・p38記載通りのカード勝負を公開で行う。 ・終了条件は、必須の質問「心について」を回答した状態で、4試合目が終了すること。 ・4試合目終了時点で「心について」が公開されていない場合、公開するまで試合は続行する。逆に1~3試合目で「心について」が公開されていても、4試合目までは続ける。 ・終了時にPCよりキットの持ち点の方が高くても問題ない。 ・キットは基本的に勝ち点は【HOオーナーバリスタ】への質問に消費する。質問が無くなった場合、勝ち点に追加する。 ・時間が過剰にかかりそうな場合や、キットが3点を取り勝ってしまいそうな場合、PLにされた質問にいくつか答えをくっつけて、一緒に答えてしまっても良い。 キット ※PL非公開 STR 12|CON 13|POW 16|DEX 12|APP 16|SIZ 14 HP 14 DB+1d4 <こぶし>70 <回避>30 <心理学>【HOオーナーバリスタ】の-20 <芸術(ギャンブル)>【HOオーナーバリスタ】の半分 ●キットが回答できる質問一覧 Q.自分とどこかで会ったことがあるか Q.何故【HOオーナーバリスタの昔の名前】を知っているのか Q.自分とキットが勝負をしたことがあるか Q.自分が勝負をして負けたことがあるか Q.「心」について Q.何を言いかけたのか尋ねる Q.エラのことをどう思っているか Q.エラの感情に気付いているか ※これ以外のことについてもKPが答えられそうだと判断した場合は答えて良いが、「心について」の回答ができないとシーンが次に進めないので留意すること。 ※市場の犬のことや黄金林檎のことなどについては興味がないのでキットは知らない。「俺にはわかんねェから、別の質問にチェンジで」などと却下が可能。 Q.自分とどこかで会ったことがあるか A. 「ああ、忘れもしねェ6年前。アンタと俺と二人っきり、どこぞの都会のアンダーグラウンドで。……まァ、薄情なアンタはすっかり忘れてるみたいだけどな」 そう笑って彼の告げた店の名前は、あなたも良く知るものだ。確かに、あなたが6年前に行っていたとしてもおかしくはないだろう。 ==秘匿:HOオーナーバリスタ== <心理学> →キットが嘘をついている様子はない。どこか寂しそう……いや、随分と疲弊しているように感じる。 Q.何故【HOオーナーバリスタの昔の名前】を知っているのか A. 「そりゃあ、アンタと会ったことがあるからさ。忘れもしねェ6年前。アンタと俺と二人っきり、どこぞの都会のアンダーグラウンドで。……まァ、薄情なアンタはすっかり忘れてるみたいだけどな」 そう笑って彼の告げた店の名前は、あなたも良く知るものだ。確かに、あなたが6年前に行っていたとしてもおかしくはないだろう。 ==秘匿:HOオーナーバリスタ== <心理学> →キットが嘘をついている様子はない。どこか寂しそう……いや、随分と疲弊しているように感じる。 Q.自分とキットが勝負をしたことがあるか A.※【HOオーナーバリスタ】に秘匿で開示 「ああ。6年前アンタは俺と勝負して、そして負けた。でも俺は、アンタはあの日、わざと負けたんじゃねェかと思ってる。……確証はねェよ。でもそう見てる。なんせ、あの日のアンタは随分おかしかった。気もそぞろっつーか? あン時まだ学生だった俺が勝てたのも、当時はそんなこともあるかと思って喜んでたが……今になって思えば、それほどの実力があの頃の自分にあったか?って言われっと疑わしいし。だからまァ、あの時のアンタは、俺に「心」を押し付けたかったんだろうな」 Q.自分が勝負をして負けたことがあるか A.※【HOオーナーバリスタ】に秘匿で開示 「ああ。6年前アンタは俺と勝負して、そして負けた。でも俺は、アンタはあの日、わざと負けたんじゃねェかと思ってる。……確証はねェよ。でもそう見てる。なんせ、あの日のアンタは随分おかしかった。気もそぞろっつーか? あン時まだ学生だった俺が勝てたのも、当時はそんなこともあるかと思って喜んでたが……今になって思えば、それほどの実力があの頃の自分にあったか?って言われっと疑わしいし。だからまァ、あの時のアンタは、俺に「心」を押し付けたかったんだろうな」 Q.「心」について ※必須 ※【HOオーナーバリスタ】に秘匿で開示 A. 「心。それが、俺達が6年前に勝負で互いに賭けたモンだ。アンタが連れて来た……なんつったか、魔術師だか占い師だかって名乗る、とにかく怪しい奴の力を借りてな。 正直、今の今まで半信半疑だったんだけど。今のアンタの様子を見て確信したよ。アンタ、あの日の俺との勝負の記憶、マジで綺麗サッパリ無くなってんだろ?」 キットは目を細め、あなたを見る。サングラス越し、相手も感情を隠すのはそれなりに得意だろうに、今あなたを見つめるその目には、明らかに疲れが見えた。隠すことすら既に難しいほど、彼は疲弊しきっているのかもしれなかった。 「心。感情って意味じゃない。文字通りの"心"をベットして俺たちは戦った。……分かんねェって顔だな。はは。じゃ、手を当ててみろよ。アンタ自身の胸に。そっから音はするか? 鼓動は、感じるか」 そこで、あなたは気付く。部屋の中は無音だ。銃声もない。逃げる人々の声もない。二人分の呼吸とカードの擦れ合う音だけが聞こえている。 いくら待っても、そこに他の音は混ざらない。 その時、あなたは始めて気付いた。今まで不自然なほど気に留めていなかったこと。自分の心臓の音が、あなたの胸の中から聞こえてこないことに。 (SANc1/1d6) ※PL公開:ここでの発狂は自動で、次の勝負での心理学/ギャンブルの判定を不可とする。 キットは、わずかに動揺するあなたを見ながら続ける。 「あン時、俺の手に渡ったアンタの心臓は、この城の宝物庫にしまってある。……別に俺は、アンタの心臓が欲しかったわけじゃない。というか、"心"を賭けようって言い出したのはアンタの方なんだぜ? 当時は臓器を賭けるほどの真剣勝負にしたかっただけなんじゃないかと思ってた。俺もアンタも、賭け事に関しちゃァ頭イかれてるからな。で、アンタが今ここで俺に勝ったら、あの心臓も追加で持って行ってくれていい。 ……や、正直なこと言うとな。俺はアンタの心臓を早く手放してェんだ。理由は、……きっと説明するより、見た方が早ェよ」 ==秘匿:HOオーナーバリスタ== <心理学(自己判定)> →彼がまだ何か言いたげにしたが、口をつぐんだのに気付く。 根は真面目な性格のようだ。尋ねれば答えてくれるだろう。 Q.何を言いかけたのか尋ねる ※試合数が足りない場合は自動で出していい。 ※【HOオーナーバリスタ】に秘匿で開示 A. 「それは、……なァ、知ってるか? 人の記憶や人格ってのは、臓器に宿るらしい。アンタの賭け狂いの性格は、俺もそこまで変わりねェから良いとして……1人の人間の体に2つの記憶があンのは、異常なことだ。無意識に比較しちまって、知りたくねェことにも気付く。移植したわけでもねェってのに、所有してるってだけで流れ込んでくるその事情は分からねぇが……俺はもうこれ以上、見なくて済む真実は見たくねェ……」 と、弱りきった様子を隠さず頭を抱えるだろう。 Q.エラのことをどう思っているか A. 「はァ? なんでンなこと……」 拍子抜けした、と言わんばかりにキットは眉間にシワを寄せる。 「本当にそれが質問でいいのか? そんなアンタにはどうでもいい、……いや、そういうルール、だからな。……はァ、分かったよ」 一つ溜息をついた後で、あなたを真っ直ぐに見つめて言い切った。 「世界で一番大切な女。……これでいいか?」 Q.エラの感情に気付いているか A. 「はァ? なんでンなこと……」 拍子抜けした、と言わんばかりにキットは眉間にシワを寄せる。 「本当にそれが質問でいいのか? そんなアンタにはどうでもいい、……いや、そういうルール、だからな。……はァ、分かったよ」 一つ溜息をついた後で、口を開く。 「……知ってる。でも、それに応えるかどうかは、また別の話だ。流石にその理由までは言えねェからな? ったく、もっと他に聞くことあんだろ……」 ●キットからPCへの質問 Q1 退屈について 「ンじゃあ、そうだな……。今の毎日について、アンタはどう思う? 俺はここの他にもいくつか別荘として持ってるとこがあるけど、人が多いか少ないかだけで、どこも大体同じだ。何年経っても俺の心の飢えは満たされねェ。何に煩わされることもない快適な環境。ここでの暮らしは少し、平和すぎンだろ? アンタはどう思ってる? この平和をただ享受してるのか、それとも……まだアンタの身の内に、飢えた獣はいんの?」 退屈していると答えた場合 →「ふぅん。……アンタでそうなら、仕方ねェのかな」 退屈していないと答えた場合 →「へェ。ソイツはいいことだな。俺もアンタくらいになったら、そう思えるようになンのかね」 Q2 人生相談 「これは、質問ってか……そうだな、くだらねェ人生相談を一つ、させてくれよ。何とも関係ない。ただの世間話として捉えてくれ。 例えば、アンタが世界で一番大切にしてる人間がいて、その人間には願いがあるとする。アンタはその願いを今すぐにでも叶えてやれる。だがもし、その願いが叶ったら、その大切な人間も、もしかしたらアンタ自身も、この世界から消えて跡形もなく無くなっちまうとしたら……アンタなら、どうする?」 答えた後 →「……なるほどな。や、変なこと聞いて悪ィ。……参考にさせてもらうわ」 ●終了条件を満たした <CON*5> 失敗 →あなたたちがもう何度目かの勝負へと移ろうとしたその時、あなたは妙な息苦しさを感じた。 「……けほ」と一度、正面でキットが咳き込んだ。ただの咳払いかと思われたそれは中々止まず、キット自身も「けほ、っなんだ?」と不思議そうにしているだろう。 続けて<聞き耳+20> →妙に焦げ臭い匂いが漂っているのに気付く。 続けて<目星> →プレイルームの扉の隙間から少しずつではあるが、煙が入り込んできているのに気付く。 成功 →あなたたちがもう何度目かの勝負へと移ろうとしたその時、あなたは妙な息苦しさを感じる。 「……けほ」と一度、正面でキットが咳き込んだ。ただの咳払いかと思われたそれは中々止まず、キット自身も「けほ、っなんだ?」と不思議そうにしているだろう。 焦げ臭い匂いが漂って来たのに気付いたあなたが周囲を見回せば、部屋の扉の隙間から、少しずつではあるが、黒い煙が入り込んできていた。 キットは目を丸くして、このプレイルームに一つしかない扉の方を見る。 (すべての判定に失敗している場合、ここで<目星><聞き耳+20>の描写) 「おい、一体なにが……!」と駆け寄り、ドアノブに手をかけたかと思えば、「熱っ!」と急いでそこから手を離している。金属製のそれは既に灼熱の炎によって熱され、容易に触れるものでは無くなってしまっているのを、ゲームに夢中になっていたあなた達は今の今まで知らなかったのである! 「おいおい、まさか火事か?」 と、キットは舌打ちをするだろう。 <アイデア> →この漏れ出ている煙の量からして、この扉から出ることは難しそうだ。他に脱出口はないだろうか。 ・無理やり扉を開けようとする場合 ※任意 熱に耐えながら無理やりドアノブを触ったものとして、1d3のダメージを受けることで扉を開けられる。 しかし眼の前に広がる炎と充満した煙によって、プレイルームを出ることはできない。他に脱出口はないだろうか。 ・扉以外の脱出についてキットに尋ねる 「他って言われても……ああ、そうか!」 キットは何かを思いついた顔をして、カードの乗ったままのゲームテーブルに手をかけると、それを横にズラし始める。 テーブルの全長の半分程度を移動させたところで、下に敷かれていた高級そうな絨毯をめくれば、大理石の床の上に不自然な切れ込みがあった。側に持ち手のような窪みがある。どうやら隠し扉のようだ。 「ここ、昔の城だから、いろんな部屋にこういった通路があるらしい。昔は城を攻められたときに王族が逃げ出すための道だったって話。俺も一度も使ったことはねぇンだけど。鍵とかは……なさそうだな。よし、そっちの端、悪ィけど持ってくれ」 床の隠し扉を二人でこじ開ければ、そこには下りの階段が続いていた。見るからに古い木製の階段で、両脇の壁もヒビが目立つ。空気は夜だというのにほのかに熱く、静寂に慣れきっていた耳に、城内の騒ぎも遠くから聞こえはじめるだろう。 「俺もこれがどこに繋がってるかは知らねェけど……ま、仕方ないか。さっさと降りようぜ。携帯で明かりくらいつけられンだろ?」 薄暗い階段をしばらく下っていけば、その先には短い廊下があった。目の前に一枚の扉が現れる。鍵はこちら側からかかっており、簡単に開けることができそうだ。 【Day6 Mon.夜@宝物庫】 【HOオーナーバリスタ】、あなたが扉を開いた先には、真っ暗な空間が広がっていた。何も見えないが、一歩、足を踏み入れたその靴音の響きから、それなりに広い空間だと分かる。部屋の外の熱のせいかどこか暑く僅かに息苦しいものの、先程までのプレイルームよりはいくらか室温は低いようだ。 「この部屋ってもしかして……ちょっと待ってろ、ここが俺の思ってる通りの部屋なら、電気が通ってる。確かこの辺にスイッチが……」 と、キットが部屋の明かりを探して壁際を叩けば、すぐにぱちりと部屋の中の電気がつく。 と同時に。 「うわあああ!!」 男性の叫び声が室内に響いた。それはあなたの声でも、キットの声でもない。銃撃を実際に目にし、彼の声を聞いていた【HOウエイトスタッフ】がこの場にいたならば、その声が例の赤毛の男性のものだと気付いたかもしれない。 一体何事かと辺りを見たあなたは、目に飛び込んできたその光景に息を飲むことだろう。 天井の高く広い室内は、他の部屋に比べて無骨で簡素な石造りだ。そして部屋の中央には、質素な丸いテーブルがひとつだけ。その上に、一本の筒が立てられていた。 筒の直径は人の頭部より僅かに小さい。高さも人の腕より僅かに短い。そんな見慣れないガラス張りの円柱だった。内部は薄い緑の透明な液体に満たされており、その中にひとつの肉が浮いている。 その肉は、心臓だった。 そして驚くべきことに、その心臓はまだ動いていた。 ハートに似た形状を歪に膨らませた肉は、一定の速度で収縮を繰り返す。上部から幾本か、下部から1本伸びる血管は、筒の壁面に蔦のように張り付いているだけで、どこかにつながっているわけではない。水面から何か振動が与えられているわけでも、電気を流されている様子もない。だというのに、ただプカプカと溶液に浮かんでいるだけのそれは、人の鼓動とほとんど同じ速度で蠢き、しっかりと脈打っている。 筒状のケースの中で脈打つ、"生きたままの人の心臓"。本来ありえないはずのその光景を目撃したあなたは(SANc1/1d6) ==秘匿:HOオーナーバリスタ== 何か理由があるわけではない。けれど、あなたは目の前の心臓を見て、「これは自分のものである」と確信した。確信できてしまった。 SANc(0/1) 未だに響いていた赤毛の男性の叫び声は、この真っ暗な部屋の中に照明のないまま忍び込んでいたところに、キットに明かりを突然点けられ、蠢く心臓を突如として見てしまったことによるものだったらしい。 闇の中から唐突に現れた未知の物体にパニックを起こした男性は、手に握りしめたままだった銃を闇雲に2発、発砲した。 【HOオーナーバリスタ】は<回避>または<幸運> 成功 →一発目は無事に避けられたが、続けて放たれた2発目までは避けることができなかった。その弾丸を、庇う人影がある。キットだ。彼はあなたの目の前に咄嗟に割り込むと、代わりに銃弾を受ける。  キットにダメージ1d3 痛みを堪えるような短い声。幸い肩の肉を僅かに抉った程度のようで、服から血が滲み出すが、彼が倒れることはないだろう。 失敗 →あなたに当たりそうになった弾丸を、庇う人影がある。キットだ。彼はあなたの目の前に咄嗟に割り込むと、代わりに銃弾を受ける。  キットにダメージ1d6 痛みを堪えるような短い声。幸いどちらも致命的な箇所には当たらなかったようで、服から血が滲み出すが、彼が倒れることはないだろう。 赤毛の男性はそのままもう一発と、あなた達に銃口を向ける。が、引き金からはカチリと乾いた音が上がった。どうやら弾切れらしい。 完全に錯乱しきった男性はカチカチと音を立てるだけになった金属を投げ捨てて、奇声を上げながら殴りかかってくるだろう。 !! 戦闘 !! 赤毛の男(ピアニストの男) STR 13|CON 17|POW 5|DEX 17|APP 7|SIZ 14 HP 16 DB+1d4 (装甲7|ダメージを与えられると減少する) ※HPおよび装甲がp168時に減少している場合、減少そのままの値。 <拳銃>弾を使い切ったので使用しない <こぶし>30(発狂により-20) <回避>14(発狂により-20) キット ※PL非公開 STR 12|CON 13|POW 16|DEX 12|APP 16|SIZ 14 HP 14 DB+1d4 <こぶし>70 <回避>30 ●KP情報 この戦闘は最大1Rで描写を中断する。 ●宝物庫前廊下 キットの部屋から階段を降り、宝物庫前の廊下までやってきた探索者達は、遠目にも気付くことがある。宝物庫の扉にかけられていたあの頑丈そうな錠前が、壊れて絨毯の上に転がっているのだ。扉は薄く開かれたままになっている。 <聞き耳> →扉の中から人のうめき声が聞こえてくる。 扉を開けると、そこには更に短い廊下が続いていた。そしてその短い廊下に従者達が十数人、うめき声を上げて倒れている。濃い鉄の匂いが鼻につくだろう。 (SANc0/1) エラがこの場に居れば、青ざめた顔で名前を呼びながら、一番手前のメイドに駆け寄っている。 <目星>または<アイデア>(【HOウエイトスタッフ】は+20) →従者達は拳銃で撃たれたのではないかと分かる。火事場泥棒を恐れたか、はたまた赤毛の男性を追ってここまでやって来たかして、撃たれてしまったようだ。あの男性が相当な腕前だと分かる。 ・宝物庫入室の選択 宝物庫前にいる誰か一人が「救出役」となり、まだ息のある従者たちを助け出そうと動くならば、城の他の場所にいる従者たちとバケツリレーのように協力するなどして、全員自動で助け出せるものとしていい。 ただし、「救出役」は奥の部屋で今行われている【HOオーナーバリスタ】の戦闘には参加できないものとする。 注意事項: ※救出役は、城の外にいる探索者と合流するか、戦闘終了後【HOオーナーバリスタ】達と合流することを選択できる。後者の場合、救出役PCは城の外には一度も出なかった扱いになる。希望する場合は今宣言すること。 ※城の外に向かった探索者は合流不可。もうちょっと待っててね。 ※エラがこの場にいる場合に追加:エラに「救出役」をさせることも可能。彼女は目の前で倒れている従者達を心配しているため、救出役を任せるのに<交渉技能>等は不要。ただし、彼女は戦闘後の【HOオーナーバリスタ】達との合流はできない。 <アイデア> ※エラがこの場にいる場合 →城はもう燃え始めて随分と経過している。彼女を探して従者たちが城に飛び込んでしまうかもしれないことを考えると、救出役はエラに任せてそろそろ城の外に出てもらった方がいいかもしれない。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== ※既に送っている場合は不要。 あなたは、もし運悪く炎の広まる速度が速まり、この城の火災に巻き込まれたとしても、自分が死なないということを知っている。宝物庫内に向かうべきなのは自分だろう。 ・「救出役」がエラになった場合、追加描写 「う、うん。分かった。……その、アニキのこと、お願いね!」 エラはそう言うと、急いで宝物庫の扉を開けて飛び出して行く。廊下に残っている従者達を集めようとしているのだろう。あなたはそれを尻目に、先に進むことになる。 ・「救出役」と別れた後の描写 ※<応急手当>などの時間を取ってもいい。 短い廊下の先には、細かい装飾の施された扉がある。こちらも鍵は既に開けられていた。 その重い扉をくぐった直後、煌々と照らされた宝物庫内に探索者が見る光景は、【HOオーナーバリスタ】や赤毛の男が見たものと同じ、筒に収まった"生きたまま"の人間の心臓である。 (SANc 1/1d6) ==秘匿:HOカフェピアニスト== あなたはアリスの願いである、「人間の"生きたまま"の心臓」を探していた。筒に入った蠢く心臓はまさしく、あなたの求めるものだろう。 室内にいた【HOオーナーバリスタ】は、あなたとキットがやって来た方と反対側にある、おそらく赤毛の男性がやって来たであろう扉から、あなたのよく知る従業員が顔を出したのを目にするだろう。 ●KP情報 ・以上の描写の後、合流した探索者およびエラを含めた戦闘を、2R目始めから再開する。 ・赤毛の男性のHPが2以下になり、自動気絶または死亡した場合、次のイベントに移る。 エラ ※PL非公開 STR 8|CON 17|POW 13|DEX 11|APP 16|SIZ 12 HP 15 DB+0 <こぶし>50 <回避>30 <応急手当>60 ●戦闘終了後イベント ※HPが1d3減少すると死亡するPC・NPCがいる場合や、気絶しているPC・NPCがいる場合、<応急手当>などの時間を取ってもいい。 赤毛の男性が沈黙した、その直後。 「おい、伏せろ!」と突然叫んだキットの声と、奇妙な鈍い音に、あなたたちは思わず【HOオーナーバリスタ】がやって来た方の扉を見るだろう。それと同時に、人の身長を超える程の高さのある赤い炎がその扉を弾き飛ばし、勢いよく吹き出した。炎自体はそこに留まり広がりはしないものの、真っ黒の煙を室内にもくもくと撒き散らしていく。 火災による死亡原因のほとんどは煙による一酸化炭素中毒である。あなたたちの意識を刈り取ろうと、黒い煙が急速に迫るだろう。 ・「救出役」のPCが【HOオーナーバリスタ】側への合流を希望していた場合、追加描写 従者たちを救出し、今まさに宝物庫に戻ってきたあなたは、仲間の無事を確認しようと急いで宝物庫の扉を開いた。その直後、状況も良く分からないうちに人間の生きたままの心臓をまず目にしてSANc1/1d6が入るし、それに発狂する前に反対側の扉がスパーン!と吹っ飛び、そこから黒煙が勢いよく吹き出してくる。タイミングも運も何もかも最悪! ※【HOカフェピアニスト】がこの処理を行う場合、前述p196の秘匿をここで送る。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== あなたはかつて、魔女として焼かれてもなお生きていた実績がある。ここで煙に倒れたとして、おそらくいつものように、また少し後には何食わぬ顔で目を覚ますことができるだろう。服は少々、燃えるかもしれないが。 合流した「救出役」PC含め、宝物庫内の全員に <CON*1> 失敗 →意識がぐらりと揺れる。呼吸がままならない。そのまま皮膚に焦げ付くほどの熱を感じながら、あなたは為す術もなく気絶する。 ダメージ1d3 成功 →あなたはこの煙の中、どうにか意識を保つことができる。しかし辺りから人の倒れる音が聞こえ始め、行動を起こそうと思った時には既に遅く、あなたの意識も強制的に黒く塗りつぶされていくだろう。 続けて<目星> ==秘匿:上記<目星>を判定したPC== 【HOカフェピアニスト】以外→ あなたは意識を失うその寸前、頭上から崩れ落ちた巨大な照明が、【HOカフェピアニスト】の方へと向かったのを目にした。 【HOカフェピアニスト】→ あなたは意識を失うその寸前、頭上にあった巨大な照明が、自分に向かって落ちてくるのを目にした。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== ※長い秘匿処理であるため、オンラインでのセッションなら通話を分けることを推奨する。 あなたはふと目を覚ます。おはよう、こんばんは。 黒い煙に意識を刈り取られ、あなたは確かに死んだはず。なのに生きている。 通常ならば発狂モノ程度には不思議なことではあるが、あなたにとってはさほどおかしなことではない。何度か身に覚えのある日常である。嘘だ、ちょっと盛った。日常というには少し頻度が低いかもしれないが、まぁそれなりにあり得ることである。ので、あなたはほぼ正気のままだ。やったね。 <HPを全快に戻す>かつSANc(1/1d3) 確かめるまでもなく、体にあったであろう傷や火傷は全快している。もし戦闘やらファンブルやらで追加で怪我を負っていたとしても、それも何もかもつるつる、HPは満タンだ。 一方、本日下ろしたての服はなかなか悲惨なことになっており、そのせいでボロボロの服の隙間から無傷の身体が見えてしまう。これを見られたら流石に少々不自然だろう。なので、誤魔化したければ皮膚を多少焼いてから出るのがいいかもしれない。きっと痛いだろうが。 <目星>または<アイデア> →あなたのすぐ近くには、粉々に壊れた照明の破片が散らばっていた。天井を見れば電線がプランと虚しく垂れ下がっており、どうやらあなたは運悪く落ちて来た照明に潰されて即死したらしい。いや、これは逆に運がいいのだろうか? さて、改めて見渡してみれば、そこは気絶した宝物庫の中そのままで、すでに火の海はかなり迫りつつあった。煙も口元を思わず覆う程に凄い。とはいえ、数時間寝落ちていたわけではないらしい。なんなら数分も、もしかすると数秒も経っていないかもしれない。少々熱いが、焼かれ加減はまだレア未満だ。 周りには見知った人が数人倒れている。見知らない赤毛も一応いる。生憎様、あなたの腕は二本であるので、抱えられるのは二人までだ。筒はかなり丈夫な構造なのか煤けてはいるものの、ちっとも割れていないだろう。 まぁ急いで頑張れば、城から出て、ここに戻って、また城から出ての一往復ならできるだろう。追加で一回くらい死ぬかもしれないが。 どうする? ●【HOカフェピアニスト】PL公開情報 燃え盛る城から、宝物庫に倒れている人を連れ出して逃げる判定を行います。 01.<STR*5>の判定に成功で最大2人、失敗で最大1人まで運ぶことができます。ただしあなたにダメージ1d3+1を追加することで、失敗でも最大2人まで運ぶことができるようになります。 02.<幸運>の判定に失敗で、城から出る道中運が悪かったとしてあなたにダメージ1d3が発生します。 03.城から出た後、再び宝物庫まで戻るのに<幸運>の判定を行い、失敗で道中運が悪かったとしてダメージ1d3+1が発生します。 04.再び宝物庫まで戻り、<STR*5>の判定に成功で最大2人、失敗で最大1人まで運ぶことができます。ただしあなたにダメージ1d3+1を追加することで、失敗でも最大2人まで運ぶことができるようになります。 05.<幸運>の判定に失敗で、城から出る道中運が悪かったとしてあなたにダメージ1d3+1、運び出す人にダメージ1が発生します。 注意事項: ・筒は数としてカウントせず、いつでも持ち出すことが可能です。ただしサイズ的に隠すのは困難です。 ・宝物庫に残し、二度目に連れ出す予定の人には、手順「01」の後に<CON*5>の判定が入ります。成功でダメージ1、失敗でダメージ1d3が発生します。これは対象のPLまたはNPCの場合KPが判定します。 ・<応急手当>または<医学>に成功で、倒れている全員の傷の具合(残りHP)を知ることができます。失敗でも、残りHPの少ないPC/NPCの順番をKPに教えてもらうことは可能とします。 ・途中であなたが死亡または自動気絶した場合、すぐに目を覚まし、SANc(1/1d3)が発生します。目を覚ましたタイミングであなたのHPは全快しています。 ●KP情報 以下の手順で秘匿処理を行う。 p198の描写を行い、【HOカフェピアニスト】のHPを全快にする。 ↓ 【HOカフェピアニスト】に<応急手当>または<医学>を振らせ、成功した場合、キットとエラ(居る場合)も含め、倒れている全員の現在のHPを【HOカフェピアニスト】に公開する。失敗した場合、HPの少ない順に名前を教える。 ↓ 手順「01」の処理を行う。選ばれなかった探索者およびNPCに秘匿で<CON*5>成功でダメージ1、失敗でダメージ1d3の判定をさせる。 ↓ 手順「02」の処理を行い、全体公開でp201の描写を始める。p204-5の描写の後、【HOカフェピアニスト】の秘匿で「03」の処理を行う。 ↓ 手順「04」の処理を行う。もう宝物庫に戻ることは出来ないので、筒の持ち出しを忘れている場合は指摘する。希望した場合、残っている人に<応急手当>または<医学>の判定も可能とする。 ↓ 手順「05」を行い、で<幸運>に失敗した場合、運んでいる人に対し秘匿でダメージ1を受けさせる。 ↓ p206の描写を公開で行う。 ※途中で【HOカフェピアニスト】が死亡または自動気絶した場合、SANc(1/1d3)かつ<HPを全快にする>処理を行う。 【Day6 Mon.夜@城の外】 ※「3城の外へ逃げる」のPCの描写(全体公開) 時はとっても遡り、馬小屋に向かった探索者。あなたは人混みの中、城を出ようとする。まだ火は1Fまで届いておらず、熱もちっとも感じないことから、火災と聞いても皆が走って逃げてあわや大惨事…ということにはなっていない。しかし誰も彼もが好き勝手に話す空間はひどく騒がしい。あなたはただ城を出るよりも随分と時間をかけて、どうにか外まで抜け出すことができただろう。 ・エラが【HOシェフパティシエ】と外に出た場合(「1 エラを連れずにキットの自室まで向かう」選択時)の描写 エラは探索者と共に外に出ると、既に避難誘導のために行動していた従者達の指揮を取る仕事に回る。その別れ際、 「あ、ねぇ(【HOシェフパティシエ】のあだ名)! あのさ、アタシの馬も馬小屋にいるから、ごめんだけどその子も逃してあげてくんない? この近くの湖のとこまで移動させてあげたら、しばらくは大丈夫だと思うから。お願い!」 と頼まれる。 あなたは人混みをかき分けて進み、どうにか馬小屋の前に辿り着いた。 ・エラがキットの部屋に行った場合(「2 エラも連れてキットの自室まで向かう」選択時)の描写 外に出ると、従者たちが慌ただしく客の避難誘導をしている。その中をかき分けて、どうにかあなたは馬小屋の前まで辿り着いた。 馬小屋は城から付かず離れずの位置にあり、馬達はまだ繋がれたままだ。このままでは焼き馬になってしまうところだったかもしれない。その事実が分かっているのかいないのか、助けに来たあなたに対してブルルと震え声のような擬音で鳴いて擦り寄ってくる。 またアリスから借りた馬以外にも繋がれた馬が一頭だけおり、これがエラの愛馬だと分かるだろう。 馬を小屋から解き、人の騒ぎ声で興奮する中、どうにか宥めつつ時間をかけて城から離れた湖の方へと移動させる。逃げ出す人混みや渋滞する車の中、その移動作業をたった一人で行うのは大変な重労働だ。 やっとのことで湖近くの木に3頭分の手綱を結びつけ終えた頃、顔を上げれば、あなたは城が燃え盛る姿を見ることになる。 ・キットの部屋→城の外に出たPCが居る場合の追加描写 と、あなたは遠目に、城の入り口からやって来る人の姿を見つける。見慣れた姿はまさしくあなたの知る人物だ。 キットの部屋から側付きを運んで出た探索者が、付近の従者に彼を渡し、湖近くの【HOシェフパティシエ】のもとまで近づいてきたその時、あなた達の背後、城の方からゴウと一層炎の燃え盛る音が響いた。 ・キットの部屋→城の外にエラが出た場合の追加描写 と、あなたは遠目に、城の入り口からやって来る人の姿を見つける。あれはエラだ。 キットの部屋から側付きを運んで出た彼女は、付近の従者に彼を渡し、駆け寄ってきた従者たちと何やら話している。その時、城の方からゴウと一層炎の燃え盛る音が響いた。 この城は石造りであるため本来なら燃えにくいはずであるが、屋根が木製であるので、天井一面が燃えてしまっている。また中の様子を知っているあなたは、絨毯が敷かれているせいでそこからも火が移ってしまっているのだろうと推測できる。しかし幸運なことに、一階への煙の充満や炎の周りは、木造建築に比べれば遅いようだ。 だが、中に入ったはずの知り合い達は帰って来ない。他の客はとうに城を抜け出し、車で次々と避難している。誘導をしていた従者たちも、そのほとんどが近くの街へ避難した客の対応をするために共に去ってしまった。それでもまだ、顔なじみの従業員達は帰って来ない。 城の入口付近は既に今から入れるような状態ではない。あなたはただそこで待っていることしかできないだろう。 ==秘匿:HOシェフパティシエ== 燃え盛る城は、既に巨大な炎と化している。ここに飛び込むのはその道の職業の者でなければ、いくら優秀なあなたでも難しい。こうしてそばに留まっているだけでも、本能的な恐怖が忍び寄ってくるだろう。 ……ふと、炎上する城を見て、あなたは思い出す。燃え盛る炎。命を飲み込む程の巨大なそれを、あなたは以前にも目にしたことがある。__あれはそう、あなたがまだ猫だった頃。 あなたは燃え盛る炎から逃げていた。夢の中に何度か現れた、白い仔猫を口に咥えて。 どうして当時の自分がそのような状況に置かれていたのかは思い出せない。けれど、小さな獣の身体を飲み込んで余りある程の巨大な炎から、あなたは逃げて、逃げて、逃げて、逃げて。そうして、どうなったのだったか。 そこから先は、どうしても上手く思い出せない。けれどあの時のとてつもない恐怖は、記憶の中のものであったとしてもあなたの心を震え上がらせるのに十分だった。 (SANc 1/1d3) ・エラが【HOシェフパティシエ】と共に外に出ている場合(「1 エラを連れずにキットの自室まで向かう」選択時) ・キットの部屋→城の外にエラが出た場合 の描写 「あ、(【HOシェフパティシエ】のあだ名)! ここに居た!」 城を見上げていた探索者の側に、ひと仕事終えたエラが寄ってくる。 逃げ出した客たちは全員近くの街へと避難させ、消防車も救急車も既に呼んだらしい。あとは任せてと従者たちに避難を勧められたが、「まだ(【HOシェフパティシエ】のあだ名)たちが残ってるはずだから」と、単独で留まることにしてしまったようだ。 側の木に繋がれた馬を見て、 「ジョセフィーヌのこと、助けてくれてありがとね」 と微笑むが、その表情は心配を隠しきれていない。 残ることを探索者が心配するなら「本当にヤバくなったらジョセフィーヌで逃げるよ。アタシ乗馬はできっし、水の側にいるからか、まだもうちょっと落ち着いててくれそうだから」と、キットが戻って来るまでこの場を動く気が無さそうだ。 ・宝物庫前「救出役」がエラの場合の描写 と、あなたは遠目に、城の入り口から出て来る人の姿を見つける。あれはエラだ。 彼女は外に出るなり従者たちに何やら話しかけられており、城の中に再び行こうとするのを止められているようだと分かる。 しばらくそうして話していた彼女だが、諦めたように肩を落とし、辺りを見回すと、こちらと目があった。すぐさまエラが走り寄ってくる。 湖の側の木に繋がれた馬を見て、 「ジョセフィーヌのこと、助けてくれてありがとね」 と微笑むが、その表情は心配を隠しきれていない。 【HOシェフパティシエ】はエラから、バルコニー前で別れてから今ここに来るまでの道中に何があったかを教えられるだろう。 残ることを探索者が心配するなら「本当にヤバくなったらジョセフィーヌで逃げるよ。アタシ乗馬はできっし、水の側にいるからか、まだもうちょっと落ち着いててくれそうだから」と、キットが戻って来るまでこの場を動く気が無さそうだ。 ・宝物庫前「救出役」が探索者で、かつ城の外に出ることを選択した場合の描写 と、あなたは遠目に、城の入り口から出て来る人の姿を見つける。見慣れた姿はまさしくあなたの知る人物だ。 救出役の探索者が、湖近くの探索者のもとまで近づいて行けば、馬が3頭、木に繋がれているのが分かる。無事なようだ。 ここまでの間に起きたことの情報共有が可能。 ・誰も出てこない場合の描写 特に描写をせず次のシーンに移る。 あなたはずっと、城を眺めていた。美しかったはずのあの建物がどんどんと赤く染まっていく。もう、誰もここから出て来ることはできないのではないか。そう思ったその時、__紅蓮の炎が揺れる。 そこから現れたのは、俺達の【HOカフェピアニスト】だ。 【HOカフェピアニスト】は、燃え盛る炎を背に、服は少々焦げてしまっているもののしっかりとした足取りで顔を出す。まるでファイアーマンさながらである。手には何かを持っているようだ。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== あなたはしばらく城の中を歩き、入り口まで出てくることに成功した。すっかり夜になってしまっている外の景色を見渡せば、少し離れた湖のところに繋がれた3頭の馬と、見慣れた人の姿があるのに気付ける。 手に持った人(もしくは物)は、入口付近にでも寝かせておけば辺りにいる人に回収してもらえるだろう。 それより、火は更に強まっているが、急げばもう一度くらいなら中に入ることができそうだ。 ・エラが外に居り、この時キットが連れ出された場合の追加描写 「アニキ!!」 あなたの横を通り、エラがキットのもとへと駆け寄っていく。 何度もキットを呼びながら、しかし息をしているのが分かるとホッとした様子で、目に涙を浮かべていた。 そのままキットを抱え、彼の面倒はエラが見ようとするだろう。 ・筒を持ち出している場合の追加描写 また、【HOカフェピアニスト】は人の他に、何か大きな筒のようなものまで抱えていた。だが、筒は壊れはしていないものの煤けて真っ黒で、中身は良く分からない。 数秒だけ会話をした後、再び【HOカフェピアニスト】は城の中へと入っていくことができる。GOOD LUCK。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== あなたは再び城の中へ入るだろう。炎は先程までより明らかに強まっている。急げ〜! ・筒を宝物庫に置いていった場合の追加描写 熱さは強まり、煙も盛んに昇っている。しかしそこには変わらず、心臓を閉じ込めた一本の筒があり、熱の中煤けて真っ黒になってはいるものの一切溶けもせず佇んでいた。このままではテーブルの方が先に燃え落ちてしまいそうだ。 あなたはその筒に手を伸ばし、宝物庫から出ることができるだろう。 【Day6 Mon.深夜@城脱出】 【HOカフェピアニスト】が再度人を抱えて城の扉をくぐって出た、丁度その時、城は音を立てて焼け崩れ始めた。空からおびただしい量の火の粉が降り注ぎ、泉近くの草木まで飛び火が始まっている。 馬達も巨大な炎にひどく興奮した様子で、一刻も早く馬車に乗り、逃げ出す必要があるだろう。 ※運ばれてきた探索者、およびNPCはまだ目覚めない。 ・ここで筒を持ち出している場合の追加描写 また、【HOカフェピアニスト】は人の他に、何か大きな筒のようなものまで抱えていた。だが、筒は壊れはしていないものの煤けて真っ黒で、中身は良く分からない。 ・エラが【HOカフェピアニスト】に救出された場合の追加描写 と、ううん、と唸ったエラが一足先に目を覚ます。ぼんやりとした顔で辺りを見渡した後、「あ、アニキは!?」と飛び起きるだろう。 ・エラが外に居り、この時キットが連れ出された場合の追加描写 「アニキ!!」 あなたの横を通り、エラがキットのもとへと駆け寄っていく。 何度もキットを呼びながら、しかし息をしているのが分かるとホッとした様子で、目に涙を浮かべていた。 そのままキットを抱えて自分の馬まで運び、彼の面倒はエラが見ようとするだろう。 ・エラが外に居り、キットが死亡している場合の描写 「(【HOカフェピアニスト】のあだ名)、……これで、全員?」 エラは静かに【HOカフェピアニスト】に尋ねる。 「そう、……そっか。……ううん、ごめん、なんでもない……」 ギュッとスカートの裾を握りしめた彼女は、「早く、行かないと」と、あなた達に向けて小さく告げる。それは、自分に言い聞かせる言葉のようでもあった。 あなた達が気絶した人たちを馬車へと運び込もうとしたその時、がさりと、湖近くの草むらから音がする。 そこから現れたのは一匹の巨大な犬だった。スピッツだかサモエドだか、とにかく白くてもふもふな姿を見せたかと思うと、尻尾を振りつつ「ワウ!」と高らかに吠える。そしてその犬は、目にも留まらぬ速さで心臓の入った筒(真っ黒でほとんど中身は見えないが)へと飛びかかった。筒の持ち手を器用にひったくり、口に咥えると、人間には到底追いつかない脚力で林の中へドドドと走り去っていく。追跡は難しそうだ。というかそれどころじゃない。 【HOシェフパティシエ】はなんだかグロテスクなものを筒のススの隙間から一瞬見た気がしたがきっと気のせいだ。 ==秘匿:HOシェフパティシエ== 獣は本能的に火を嫌う。この燃え盛る城の近くまで野生の犬がやってくるとは到底思えない。飼い犬でも相当訓練を積んでいなければ難しく、さらに特定のモノを奪って逃げ出すとなれば、その行動は明らかに異常だ。(SANc0/1) 続けて<アイデア+20> →あなたは今の犬の鳴き声が、マーケットで聞いたことのある犬の声と同じだと分かる。 ・キットとエラが生きている場合の描写 犬はともかく。探索者はアリスの馬車に乗り込む。倒れている探索者を寝かせればそれで満員になってしまうが、エラはキットを自分の愛馬の方、カブリオレに乗せるので、全員で逃げ出すことができるだろう。飛び去る森の鳥たちと共に、風のように馬を操る。 ・キットが死亡し、エラが生きている場合の描写 犬はともかく。探索者はアリスの馬車に乗り込む。倒れている探索者を寝かせればそれで満員になってしまうが、エラは自分の愛馬に乗るので、全員で逃げ出すことができるだろう。飛び去る森の鳥たちと共に、風のように馬を操る。 ・エラが死亡している場合の描写 犬はともかく。探索者は倒れている人たちを押し込んで、アリスの馬車に乗り込む。飛び去る森の鳥たちと共に、風のように馬を操ることだろう。 しばらく、炎に追われながらがむしゃらに走った。 城から十分に離れ、たどり着いた山の麓の街で馬車を止めた探索者は、美しい城が炎に包まれ焼け落ちて行く様を眺めるだろう。夜空も僅かに赤く色を変えて、不謹慎かもしれないがどこか幻想的な光景だ。先にここまで避難していた客人達だけでなく、近隣住民もこぞってやじうまのように窓から顔を出し、燃え尽き崩れていく城を眺めている。 辺りのあまりの騒がしさに、気絶していた探索者達もここでやっと目を覚ますだろう。なんと、とっても不思議なことに、あなたはまだ生きているようだ! ※RPや<応急手当>など、互いの状況を確認した後、以下の描写。 ●エラが死亡している場合 人混みの中から、従者が一人あなた達のもとまでやって来る。話を聞くに、この街の医療機関はすでにほぼ埋まってしまっているらしく、別の町の医療機関を使用するための紹介状を渡しているようだ。 探索者も、希望するなら受け取ることができる。あなた達はアリスのせいで街にハブられている身だが、名家の紹介状とあれば医者も流石に無視できないだろう。街まで帰った方が良さそうだ。 →「DAY6終わりの描写」へ ●キットが死亡している場合 「__みんな!」 と、人混みの中からエラが駆け出してくる。改めて彼女を見ればドレスの裾はボロボロで、彼女の表情も疲弊しきったものだった。 「今日はごめんね、せっかくの舞踏会だったのに、こんなことになっちゃって……」 救急車の灯りが差しこんで、彼女の横顔が染まって見える。こちらを見つめて来るまだ年若い女性は、けれど気丈にも頬を濡らしてはいなかった。 「ここら辺の医療は、もう結構埋まっちゃってるみたいでさ。もしアレなら、みんなの街の夜間救急とかに罹った方が早いかもと思って来たんだ。アタシ、紹介状書いてあげるから」 希望するならエラに紹介状をもらうことができる。あなた達はアリスのせいで街にハブられている身だが、名家の彼女の紹介状とあれば医者も流石に無視できないだろう。 礼を言うならエラは、 「ううん、……アタシにはそれぐらいしかできないし」 と寂しそうに笑う。 一瞬の静寂の隙間を縫うように、背後から「エラお嬢様、どちらに__」と従者が心配そうに彼女を探す声がする。彼女はツインテールを揺らしてパッと振り向くと、辺りの様子を改めて見回し、口を開いた。 「ああ、ごめん。……くよくよしてる場合じゃなかったや。もう行かなきゃ……。その、今日はホントにありがとね! それじゃあ!」 明るくそう言って、あなた達に向けて手を上げ、再びパタパタとどこかへ走っていくだろう。 →「DAY6終わりの描写」へ ●キットが生きている場合 「__みんな!」 と、人混みの中からエラが駆け出してくる。改めて彼女を見ればドレスの裾はボロボロで、彼女の表情にも疲労が滲んでいた。だが、どこか安心したように緩んでもいた。 「今日はごめんね、せっかくの舞踏会だったのに、こんなことになっちゃって……」 救急車の灯りが差しこんで、彼女の横顔が染まって見える。目元の濃いメイクが涙で少し乱れてしまっているのには、まだ気付いていないようだ。 「ここら辺の医療は、もう結構埋まっちゃってるみたいでさ。もしアレなら、みんなの街の夜間救急とかに罹った方が早いかもと思って来たんだ。アタシ、紹介状書いてあげるから」 希望するならエラに紹介状をもらうことができる。あなた達はアリスのせいで街にハブられている身だが、名家の彼女の紹介状とあれば医者も流石に無視できないだろう。 ・キットのことを尋ねる 「ああ、アニキはね、結構大丈夫そうではあるんだけど、これから病院に運ばれるって感じ。ウチが贔屓にしてるとこで……こういう時、まだ身分って残ってんだな〜みたいなさ。アタシも付いて行こうか迷ったんだけど、みんなのことが気になっちゃって」 そう言って、【HOカフェピアニスト】の方に近づくと、キュッとその手を取った。 「アニキのこと、助けてくれて本当にあんがとね。このお礼は必ずするから……」 【HOカフェピアニスト】は、彼女の手がまだ僅かに震えているのが分かる。一見大丈夫そうに見えても、目の前で起きた大火事と、大事な人を無くす恐怖に緊張していたのだろう。 手を離すと、彼女は他の探索者にも頭を下げる。 「他のみんなもありがと。みんなが居なかったら、今頃どうなってたか」 そう言って、何かを思い出したように彼女はハッと空を見上げる。時刻は既に深夜だ。城の炎で赤く染まってはいるものの、まだ沈んでいない月が西の空に浮いていた。 「……そういえば、今日こんなことにならなかったら、ホントは私、アニキに……、……あはは。あー、ごめんごめん、なんでもない!」 ちらりと一瞬【HOシェフパティシエ】を見たが、すぐに気を取り直したように微笑むだろう。 「アタシそろそろ行かなきゃだ。もう夜遅いし、みんなも帰り道、気をつけてね」 エラのキットへの感情を知っている探索者 <アイデア>または<心理学(自己判定)> →今日はとても月の綺麗な夜だった。彼女の様子を見るに、今晩キットに想いを告げようとしていたのではないかと分かる。 ●KP情報 ここでエラにキットへの告白を促すかどうかで、翌日からの探索中の描写が変化したり、後のDAY12でのイベントが発生するかどうかが決まったりする。 生還に必須のイベントではないため、ある程度時間を与えてプレイヤーがそのようなRPを行わないならば、以下の内容は発生させなくて良い。その場合、そのままDAY6終わりの描写へ移る。 発生条件(以下のどれか一つで良い) ・【HOシェフパティシエ】がエラに"頑張れ"と言う。 ・キットの部屋の、南向きの窓に書かれていた「エラ」の文字を告げ口する。 ・キットへの告白を促す。 ・その他、間接的でもKPがそう感じたと判断すればOK。なるべく広めに判定すること。 ・【HOシェフパティシエ】が"頑張れ"と言う場合の描写 「(【HOシェフパティシエ】のあだ名)……。」 驚いたように【HOシェフパティシエ】のことを見る。と、それまで気丈に振る舞っていたのが嘘のように、エラは瞳を潤ませた。口を開き、閉じて、また開き、空気に溶けてしまいそうなほど小さく呟く。 「……、うん。そだね、こんなことになっちゃったけど、……きっとアニキ、病室なんて退屈だろうし。話す時間はいっぱいあるもんね」 そこまで言うと、顔を上げて【HOシェフパティシエ】のことを見る。僅かに緊張した面持ちは、彼女の決意を感じさせた。 「……あんがと。今すぐにかは分かんないけど……"頑張って"みる!」 →探索者と別れた後、「DAY6終わりの描写」へ ・キットの部屋の「エラ」の文字を告げ口する場合の描写 「え?」 エラは驚いたように探索者の方を見る。 「それって、……そ、それって?」 徐々に意味を理解して、僅かに顔を赤らめると、視線を地面に落としウロウロと彷徨わせる。両手の指先を絡めて解いてを繰り返し、動揺しきった様子だ。 「そ、そう! ……そう、なんだ。そっか、……え、えっと……」 少しの間そうしていたが、すう、はぁ、と深呼吸をすると、彼女は顔を上げて探索者を見る。頬に赤みが残りつつも、僅かに緊張した面持ちは、決意を感じさせた。 「……あんがと。その、えっと……まぁ、こんなことになっちゃったけど、きっとアニキ、病室なんて退屈だろうし。話す時間はいっぱいあるし……まだ諦める必要、ないもんね!」 →探索者と別れた後、「DAY6終わりの描写」へ ・告白を促すなどの場合の描写 エラは驚いたように探索者のことを見る。 と、それまで気丈に振る舞っていたのが嘘のように、エラは瞳を潤ませた。口を開き、閉じて、また開き、空気に溶けてしまいそうなほど小さく呟く。 「……うん。そだね、こんなことになっちゃったけど、……きっとアニキ、病室なんて退屈だろうし。話す時間はいっぱいあるもんね」 そこまで言うと、顔を上げる。僅かに緊張した面持ちは、決意を感じさせた。 「……あんがと。今すぐにかは分かんないけど……"頑張って"みる!」 →探索者と別れた後、「DAY6終わりの描写」へ 【Day6 Mon.未明@終わりの描写】 ともかく。今日一晩で様々なことがあったが、あなた達は無事にカフェのある街まで帰ることができる。 馬を更に走らせ、見慣れた街に到着した頃には、時刻は既に朝と言える時間になっていることだろう。日の出直後の強い日差しが眩しい。きっとボブがひやひやしながら待っているので、早く連絡してこのまま馬は返しに行ってあげよう。【カフェの店名】に馬を停められるようなスペースはないことだし。 また、馬を返しに行く前にボロボロの従業員を夜間救急にぶちこんでいくなら、今から向かうことが可能。 ・夜間救急に行く 夜間救急に行くなら、扉を叩いた時には「よりによってコイツラかよ」みたいな顔をされるが、エラの紹介状を「コレが目に入らぬか」すれば、問題なく診察を受けることができる。 診察を受けてすぐカフェに戻る場合、HP回復 1d3 半日入院していく場合、HP回復 1d3+3 ・ボブに馬を返す ボブに電話をすれば、朝方だが数コールで電話に出る。疲れた頭に少年の元気な「おはようございます!」の声は少々響くかもしれない。馬を返却することを伝えると、「あ、お、お疲れさまです! では、いつもの森の入口でお待ちしていますね!」と返される。 そのまま森の入口まで向かえば、電話の通りそこにボブがおり、少々不思議そうに馬と探索者を見るだろう。 「んと、なんかちょっと……焦げてます……? 大丈夫ですか?」 そりゃアレだけの火事から逃げてきたので、あなた達は今盛大にボロボロだ。ダメージとしての怪我は負っていなくても、汗やら泥やら火の粉やらで凄いことになっているだろう。 「ともかく、この子達はお預かりしますね。お疲れさまでした!」 【Day6 Mon.早朝@カフェ】 ※半日入院していく探索者には発生しない。 ここを出てまだ24時間程度しか経っていないはずだが、店のベルの音を聞くのも随分前のことに感じるかもしれない。カランカランといつもの乾いた音に、無事帰って来られたことを実感させるだろう。 ドッと疲労が押し寄せる。今日はもう寝よう。 <目星> →店の固定電話のランプがピカピカと光っているのに気付く。留守番電話のメッセージが保存されている時の表示だ。表示を見れば、例の隣町の探偵からの着信だと分かる。あなた達が城に行くために店を出て数時間後、電話を寄越していたようだ。 メッセージを再生してみるなら、何故か数十秒間ずっと無音が続き、そのうちに切れてしまうというものだった。 続けて<聞き耳> →メッセージが終わる直前、「……いや、違う……」と、呟くように小さな声が聞こえた。 ●KP情報 ・DAY6、DAY7の間、いくらかけ直しても探偵は電話に出ない。 ・メッセージは今再生しなくてもいい。DAY7に起きてから再生する場合、カフェに戻ってきた探索者も<目星>で留守番電話の存在に気付くものとする。 ==秘匿:HOオーナーバリスタ== ※カフェにいる場合に発生。Day6初めに日記を持ち出すと宣言していれば、病院で半日入院している場合でも発生させていい。 日記、本日は何か書きますか? ※お遊びなので書いても書かなくても良いです。 ※日記を書いたことで睡眠不足判定になることは無いものとします。 書いた場合 <アイデア> 成功 →習慣は習慣だ。あなたは疲弊しながら今日の日記を書いたが、どこかがいつもと違う気がする。その細かい違和感を追うには今は少々眠すぎる。一旦睡眠を取ってから、もう一度見直してみよう。(※PL情報:次回、この日記を確認した際に対して行う判定が自動成功になる。) 失敗 →習慣は習慣だ。あなたは疲弊しながら日記を書いたが、どこかがいつもと違う気がする。その細かい違和感を追うには今は少々眠すぎる。一旦睡眠を取ってから、もう一度見直してみよう。 ==秘匿:HOカフェピアニスト== ※カフェにいる・もしくは香水瓶を持ち歩くと宣言している場合のみ病院でも発生 アリスに渡された香水瓶について、何か行動をしますか? ●KP情報 ピアニストの行動については、p82参照。 なお、ここで今花瓶に花があるかは確認しておいたほうがいい。(翌日の処理のため) ==秘匿:HOシェフパティシエ== <CON*5>または<CON*7> →p435「12 本編-その他の処理」参照。 ==秘匿:HOウエイトスタッフ== 液体を使用した場合、 p439「12 本編-その他の処理」参照。 12「本編-その他の処理」 === 12「本編-その他の処理」 本編中に発生する特殊な処理のうち、一部のまとめ。 p435 【HOシェフパティシエ】の夢処理 p439 【HOウエイトスタッフ】の夢処理 p440【夢1回目】 p444【夢2回目以降 - 冒頭分岐】 p445【夢2回目以降 - 判定失敗時「お茶会の夢」】 p448【夢2回目以降 - 判定成功時「病院の夢(初回)」】 p452【夢2回目以降 - 判定成功時「病院の夢(再訪時)」】 【HOシェフパティシエ】の夢処理 ●KP情報 ・【HOシェフパティシエ】が就寝前、<CON*5>または<CON*7>に成功することで夢を見る。 ・何も薬を使用していない場合は<CON*5>、Day3の薬を使用している場合は<CON*7>、Day7の薬を使用している場合は自動成功。 ・【HOシェフパティシエ】が『ちょい夢み〜る』を飲んだ場合は、まだ処理していない夢があれば任意でおこなっても良い。その際SAN回復はなし。 ・夢情報の最大数は決まっているため、成功し続ければシナリオ後半は夢を見ないことになる。 ●1回目 まどろみの中、あなたは目を開いた。 そこは町の中だった。【カフェの店名】のある、今住んでいるドイツの街ではない。どこか知らない異国の街。いや、夢の中でなら何度か見たことのある見慣れた街。 視線が低い。ふわふわで小さな足が、視界の端からにょきりにょきりと現れる。自分は猫で、視界の中に見えるこれは自分の前足なのだと、当然のようにあなたは理解する。 これは夢だ。時々見る、自分がまだ体もちゃんと猫だった頃の夢。そう、あなたは猫であるはずなので。 あなたの体がちゃんと猫だった頃、自分はいわゆる"野良"という暮らしをしていたのだと、あなたには分かる。もちろん、野良という概念を昔は知らなかった。なんだか部屋の中に閉じ込められている猫がたまにいるなぁと思っていた程度だ。 人間の生活も楽しいけれど、気ままに日々を過ごす野良猫の暮らしも悪くはなかった。狭い路地裏を進み、塀をひらりと登り、時折真横を通り過ぎる車にヒヤッとして、泥だらけになっても命の危険があっても子どもに追いかけ回されても、それでもあなたを縛るモノは今よりずっとずっと少なかった。 夢の中、あなたという猫は慣れた足取りで、どこか目的の場所へ向かっているようだった。草の生い茂る生け垣に頭からすぽりと潜り込み、その先、ひときわ巨大で大きなレンガの塀を、爪を立てながら勢いよく登った頂上。そこから見えるとても大きなお屋敷の二階の窓を見上げれば、そこにはカーテン越しにこちらを見てくる"閉じ込められている猫"。ちいさなちいさな、白い仔猫が居た。 __そこで、あなたは目を覚ました。 SAN回復+1d2 ●2回目 まどろみの中、あなたは目を開いた。 そこは町中だった。カフェのある、今住んでいるドイツの街ではない。どこか知らない異国の街。いや、夢の中でなら何度か見たことのある見慣れた街。 視線が低い。ふわふわで小さな足が、視界の端からにょきりにょきりと現れる。自分は猫で、視界の中に見えるこれは自分の前足なのだと、当然のようにあなたは理解する。 これは夢だ。時々見る、自分がまだ体もちゃんと猫だった頃の夢。そう、あなたは猫であるはずなので。 生け垣に潜り込んだその先、ひときわ巨大で大きなレンガの塀を登った頂上。そこから見えるお屋敷の二階窓を見上げれば、そこにはカーテン越しにこちらを見るちいさな白い仔猫が居た。 あなたが白猫を見つけるのと同時に向こうもあなたに気づいて、にゃあと声をあげたように口を動かす。僅かに開いていた窓を、カリカリと前足でどうにか頭が抜けるくらいまでこじ開けると、白猫はするりとその室内から出てきた。 この白猫は、夢の中の自分によく懐いている猫だ。何度も夢に見たことがある。白猫はまだ仔猫で、けれど彼女はいわゆる飼い猫であったから、すでに成猫のあなたにも物怖じせず近寄ってきた。何度も何度もまとわりつかれているうちに放っておけなくなり、なんとなく共に過ごす時間の多くなった、そんな白猫。 二階の窓から僅かな溝を伝い、ポテポテと危なっかしい足取りで白猫が屋敷を飛び出してくる。最後にぴょんとこちらの塀に飛び移ろうとして、案の定飛距離の足りなかった白猫のうなじをあなたが慌てて咥えれば、ぷらんと体を風に揺らした仔猫はのんきに「にあぁ」と鳴いた。__そこで、あなたは目を覚ました。 SAN回復+1d2 ●3回目 まどろみの中、あなたは目を開いた。 そこは町中だった。カフェのある、今住んでいるドイツの街ではない。どこか知らない異国の街。いや、夢の中でなら何度か見たことのある見慣れた街。 視線が低い。ふわふわで小さな足が、視界の端からにょきりにょきりと現れる。自分は猫で、視界の中に見えるこれは自分の前足なのだと、当然のようにあなたは理解する。 これは夢だ。時々見る、自分がまだ体もちゃんと猫だった頃の夢。そう、あなたは猫であるはずなので。 今日は雨の日の夢だった。木陰に転がるあなたの隣には、ちいさな白猫がいた。あのお屋敷の危なっかしい仔猫だ。一匹、外を歩き回って雨に濡れ、冷えきってしまったあなたの体に仔猫が擦り寄る。自分が濡れるのも構わずに、するりと仔どもの熱を分けるようにまとわりつく。 その猫の両目を見て、あなたは気付いた。左右の色の違う瞳。そうだ、この仔猫はとても不思議な目の色をしていたのだった。けれどその自然界に明らかに反した色合いに、猫の自分は嫌悪感もなく__それは何故だったのだろう? 白猫は「にあぁ」と甘えるような声を出して、あなたに体を擦り付ける。温かい。生き物の体温だ。それ以上に、この温度はあなたの体にとても馴染んで心地良い。雨に濡れた路地裏の猫二匹はそのまま、暖を取るように身を寄せ合って眠った。__そこで、あなたは目を覚ました。 SAN回復+1d2 ●4回目 まどろみの中、あなたは目を開いた。 そこは町中だった。カフェのある、今住んでいるドイツの街ではない。どこか知らない異国の街。いや、夢の中でなら何度か見たことのある見慣れた街。 視線が低い。ふわふわで小さな足が、視界の端からにょきりにょきりと現れる。自分は猫で、視界の中に見えるこれは自分の前足なのだと、当然のようにあなたは理解する。 これは夢だ。時々見る、自分がまだ体もちゃんと猫だった頃の夢。そう、あなたは猫であるはずなので。 それは、夜中の夢だった。あなたはいつも通りに例の白猫と会おうと、白猫の住む館の塀を登って、その光景を目にした。 館が、燃えている。 炎は動物にとって恐怖の対象だ。猫のあなたにとっても勿論そうだった。 けれど、あなたはとても賢い猫だったから。 炎への恐怖より、もっとずっと、あの白猫のことが気になってしまったのだ。 あなたという野良猫は、この屋敷の構造にはとても詳しかった。するりと苦もなく屋敷に入り込めば、人間の叫び声がいくつも聞こえた。パチパチ恐ろしい音がする。黒い煙がもくもく目に染みる。その中、ちいさくちいさく「にあぁ」といつもの鳴き声が聞こえた気がして、あなたは一直線にそこへと向かった。 煤けて黒猫のようになってしまった白い猫がそこにいた。色違いの目であなたを見て、にあぁと鳴いていた。 この仔猫を、助けないと。 __そこで、あなたは目を覚ました。 【HOウエイトスタッフ】の夢処理 ●KP情報 【HOウエイトスタッフ】が夢を見た場合の処理。この処理はすべて秘匿で行うため、オンラインのボイスセッションでは通話を分けるなどすることが望ましい。 発生条件 1.アリスから受け取った薬品の効果のある状態で、【HOウエイトスタッフ】が夜ターン後に就寝した場合。 ※使用した薬、明晰夢の知識によって一部処理が変化する。 2.『ちょい夢み〜る』を【HOウエイトスタッフ】が服用して眠ったターン。 ※朝/昼/夜やアリスからの薬の服用有無、明晰夢の知識に関わらず発生。 ※錠剤の使用量によって一部処理が変化する。 分岐について ・1回目に見る夢の内容は「交差点の夢」固定。 ・2回目以降の夢の内容は「病院の夢」または「お茶会の夢」。ダイス結果、または使用した薬によって変化する。 ・「病院の夢」の初回の内容は固定。2度目以降は自由探索となる。つまり「病院の夢」の中で自由探索をするのに、最低でも3回は夢を見る必要がある。 注意 ・「病院の夢」で侵入することができた探索箇所の数が、シナリオラストの【HOウエイトスタッフの元の名前】のダイスに影響するのでチェックすること。 ・【HOカフェピアニスト】が薬を使用しない場合、夢は発生しない。最悪『ちょい夢み〜る』を得られるまで一度も夢を見ない場合もあるが、これは注意事項の「「他PLのせいで自分のPCがロストする」「自分のせいで他PCがロストする」が無自覚に発生する可能性が非常に高く、生還難易度の高いシナリオです。」に含まれるとして、無理な誘導はしないものとする。 【夢1回目】 ・交差点の夢 まどろみの中、あなたは目を開いた。 傘を差し、水たまりを踏みしめる。水滴が足元に跳ね返って、あなたはすぐに気付く。ああ、これは夢だ。だって目の前に広がる光景がいつもと違う。「いつも」と言えてしまうくらい、この光景を目にするのは久々だった。 そこにあるのは、あなたが【HOウエイトスタッフの元の名前】だった頃、見慣れていた日本の町並み。あまりの懐かしさにぐるりと辺りを見渡すかもしれない。 そこは、住んでいた家の近くの道のようだった。夢の中の自分はどこかへと向かっているようで、しとしとと雨の降りしきる中、傘を差して歩いている。足元に跳ね返る水が、氷のように冷たい。まるで現実のようなその感覚に、違和感を覚えるかもしれない。 水たまりに反射する自分の姿はやはり覚えのある、現在とは似ても似つかない『【HOウエイトスタッフの元の名前】』のもの。 その時、あなたは気付いた。 そうだ。自分はこんな顔だった。 普通、自分の顔なんて忘れようはずもない。それなのに、あなたは自分の顔を忘れてしまっていた。そして今、自分はこんな顔だったと思い出した。 それは毎日見ていたはずの小学校のときの同級生の顔を、同窓会で久々に会って、見て、思い出したようなもので、長年見ていなかったのだから不思議なことではない。仕方のないこと、なのだけれど。 自分の本来の姿が一時でも、自分の記憶の中から失われてしまっていた。その事実はあなたの背筋を凍りつかせるのに十分だろう。 このまま生きていれば、あなたという存在はあなたの記憶からすらも失われてしまうのではないだろうか、と。 (SANc1/1d3) PL公開情報: ・この夢の中で動く探索者は【HOウエイトスタッフの元の名前】です。よって、夢の中での判定は【HOウエイトスタッフの元の名前】のキャラクターシートを使用します。 ・SANの値のみ、【HOウエイトスタッフ】と完全に同期します。よって、【HOウエイトスタッフ】のSANがシナリオ開始時点から減っている場合、夢の中の【HOウエイトスタッフの元の名前】のSANも同じ数値だけ減少させておきます。夢の中で【HOウエイトスタッフの元の名前】のSANが減った場合、目覚めた時の【HOウエイトスタッフ】のSANも減少します。 (※切り替わるタイミングで、SANおよび不定数値をもう片方に揃えてください) 青ざめるあなたとは裏腹に、あなたの足は勝手に歩みを進めていく。向かう先をしばらく見続けて、あなたは自分が都会に出ようとしているのだろうと分かった。何か用事でもあるのだろうか? しかしこれはただの夢なのだから、なんとなくで向かっているだけかもしれない。 <目星> →向かう道中、店先の飾りを目にする。クリスマスの飾り。夢の中の日本の季節は、どうやら冬のようだ。 しばらくは見慣れた町並みが続き。あなたは目的地なのだろう、どこかの都会にたどり着いていた。 信号待ち。あなたは町中の、大きな電光掲示板や、はたまた店先にテレビを置いている家電量販店の映像に目をやる。そこではとあるニュースが流れてる。 街の近く、丘の上で。 季節外れのホタルが飛んでいるらしい。 カメラマンが撮影したという映像が続いて流れる。夜の丘の上、月の浮かんだそこに、ふわふわと光が浮いている。しかし、その光は"青かった"。 あなたはその色に違和感を覚えるだろう。ホタルの光は青くない。黄色や黄緑色に発光するものがほとんどのはずだと、首を捻るかもしれない。 ニュースキャスターはしかし、その異常な発色には気付いていないかのように、季節外れのホタルについてのコメントばかりを述べている。 首を捻るあなたの意識とは裏腹に、夢の中のあなたの首は動かない。そこに立ち止まっていた原因である、目の前の信号が青へと変わる。まだコメントを続けるそのニューストピックをすべて見終えるより早く、あなたは再び足を進める。 すると、突如として人の悲鳴が響き渡った。 あなたは当然のようにそちらを振り向き、 <目星> 成功 →振り向いたその先、あなたのすぐ目の前に、銀色の髪の少女がぽつんと立っているのを目にした。 失敗 →振り向いたその先、銀色の髪の少女がぽつんと立っているのを目にした。 激しい車のクラクション。 __そこで、懐かしい夢は途切れる。 ・目覚め 激しい夢を見たわけでもないのにドクドクと暴れまわる心臓が、あなたを現実へと叩き起こす。眠る前より、空気が寒く感じる。いや、ひょっとすると外の気温は変わらないのかもしれない。飛び起きたあなた自身の体がゾッとするほど冷えているだけで。 (SANc0/1) <知識> 成功 →夢と自覚しながら見る夢。それを明晰夢(めいせきむ)と呼ぶことをあなたは知っているだろう。眠りの浅い状態で見る夢であり、起きた後にすべてを覚えていることも多いという。 それ以上の詳しいことはあなたも知らないかもしれない。調べてみれば何か分かるだろうか? 失敗 →夢と自覚しながら見る夢、それを何と言っただろうか。調べてみれば何か分かるだろうか? ・【HOウエイトスタッフ】が夜ターン後に就寝した場合 時計を見れば、朝マーケットに向かう時に起きる時間だ。目を覚ましてしまったらしい。眠りが浅く、体がふわふわしているのを感じるだろう。 【HOウエイトスタッフ】のHP-1 ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 ・【HOウエイトスタッフ】がちょい夢み〜るを使用した場合 時計を見れば、ちょうど目覚めようと思っていた時間だ。少々身体に違和感はあるが、問題なく起きることができた。体がどこかふわふわしているのを感じるだろう。 SANc(0/1d2) ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 【夢2回目以降 - 冒頭分岐】 まどろみの中、あなたはすぐに気付いた。ふわふわと体の浮くような心地。周囲に暗闇の広がる、どこでもありどこでもない場所。 ……ああ、きっとこれはまた夢なのだ。 ・明晰夢の見方を知らない場合 アリスからもらったDay3の薬を使用:<POW*3>の判定 アリスからもらったDay7の原液を使用:<POW*5>の判定 ・明晰夢の見方を知っている場合 アリスからもらったDay3の薬を使用::<POW*5>の判定 アリスからもらったDay7の原液を使用:<POW*7>の判定 ・『ちょい夢見〜る』を服用した場合 3錠:自動成功または自動失敗を選択可能 2錠以下: <幸運> 成功→自動成功または自動失敗を選択 失敗→自動成功または自動失敗を選択かつ、夢の中のすべてのダイス判定-20% 4錠以上: 自動成功または自動失敗を選択かつ、夢の中のすべてのダイス判定-20% ●KP情報 明晰夢についてはp90に記載。目覚めている間に図書館で「明晰夢」を調べ、情報を得ることができると「明晰夢の見方を知っている」の方の判定に変更できる。 【夢2回目以降 - 判定失敗時「お茶会の夢」】 ※p444の<POW*3>の判定、<POW*5>の判定などで失敗した場合。 ※失敗時の描写は毎度変化がないので、判定失敗2度目以降は内容は同じであることをPLに伝えた上で「・目覚め」までスキップして良い。 手足をあなたは動かしてみようと試みた。だが、動かない。 勝手に夢の中のあなたは、瞬きをひとつ。 ここはどこだろう、とあなたは思った。 目の前に広がるのは暗闇だ。けれど完全な漆黒ではない。パチパチと瞬きを繰り返していれば、前方から小さく少女の声がする。 「ごきげんよう」 途端、青い光がふわりと暗闇の中から現れる。ひとつ、ふたつ、よっつ、やっつ。次第に増えていく光たちは見る間に数え切れない程となり、辺りを幻想的に染め上げる。 光によって見えるようになったのは、縦に長細いテーブルがひとつと、その両端に椅子が一脚ずつ。片方の椅子にはあなたが座り、テーブルの遠い向こう側、もう片方の椅子には少女が座っている。 <アイデア> →先日の夢で見た、あの幼い銀髪の少女だ。 少女は光によってぼんやり青く見える長い髪と、頭上のリボンをひょこりと揺らし、あなたに向けて微笑んだ。 「ごきげんよう。私の名前はアリス。先日は私を助けてくださって、どうもありがとう! そのお礼にと思ってお茶会を開いたのだけれど……驚かせちゃったかしら。ごめんなさい」 そう言われ薄暗いテーブルの上をよくよく見れば確かにティーポットにカップ、多種多様なケーキやお菓子が並び、少女__アリスがそう言うのなら、これはお茶会のつもりなのだろう。 「どうぞ召し上がって。紅茶も、こっちのタルトも、とっても美味しいんだから!」 そう言ってアリスはそばにあるケーキを口に運び、頬を緩めている。 頭が不自然にぼうっとする。どこか夢見心地のまま、あなたもタルトを口にした。甘くとろけるカスタード。酸味を含んだ林檎によく似た果実の味が舌の上を滑る。美味と呼ぶにふさわしいその刺激が脳内を支配する。思考が鈍っていく。まるで、ゆるやかな毒のように。 甘さに呼応するように、あなたの周囲の青白い光たちが一層強く輝き始める。白く、白く、視界が染まっていく。 その光をぼうっと見ていたあなたの、フォークを進める手が止まり、口が思わずといったように動いた。 「この青白い光は、なに?」と。 少女はその疑問に少しだけ困ったような顔を見せて、自信の無さそうに笑って。 「__"あれあい"って。ご本には、そう書いてあったわ」 アレアイ。聞き慣れないその言葉を口にした。 そう、その時、あなたは確かに"ソレ"を口にしてしまったのだ。 青い光は冷たく白く、喉元を通り過ぎ__そしてあなたは目を覚ます。 ・目覚め 激しい夢を見たわけでもないのにドクドクと暴れまわる心臓が、あなたを現実へと叩き起こす。眠る前より、空気が寒く感じる。いや、ひょっとすると外の気温は変わらないのかもしれない。飛び起きたあなた自身の体がゾッとするほど冷えているだけで。 (SANc0/1) <アイデア> →何故か、夢の中に出てきた少女の姿が、似ていないのにあの「アリス」に重なって思えた。 ・【HOウエイトスタッフ】が夜ターン後に就寝した場合 時計を見れば、朝マーケットに向かう時に起きる時間だ。目を覚ましてしまったらしい。眠りが浅く、体がふわふわしているのを感じるだろう。 【HOウエイトスタッフ】のHP-1 ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 ・【HOウエイトスタッフ】がちょい夢み〜るを使用した場合 時計を見れば、ちょうど目覚めようと思っていた時間だ。少々身体に違和感はあるが、問題なく起きることができた。体がどこかふわふわしているのを感じるだろう。 SANc(0/1d2) ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 【夢2回目以降 - 判定成功時「病院の夢(初回)」】 ※「病院の夢」に初めて来た時と、すでに一度「病院の夢」に来たことがある時で処理が変わるため注意。 あなたは手足を動かしてみようと試みた。ぐっと力を込めて、縛り付けられているわけでもないのに重たい四肢を、動かそうとする。 手が、動いた。 それと同時にハッと目を覚ます。夢の中で、目を覚ます。 目の前に広がったのは、真っ白な天井だ。見慣れないそれは暗く、電灯があるのは見えるものの点いていないのが分かる。夜なのだろうか。 他に目をやる。すぐ隣にはカーテンの閉じた窓。あなたが眠っていたのはベッドの上のようで、しかしあまり柔らかくはない。全体をぐるりと見渡して、自分の服装や腕に繋がれた点滴まで見て、気付く。ここは病院で、自分はその個室に、入院患者として居るようだ。【HOウエイトスタッフ】としても【HOウエイトスタッフの元の名前】としても、まるで見覚えのない場所である。 <目星> 成功 →ベッドの近くにナースコールが見当たらない。それ以外にもなんとなく病室の様子に違和感があるだろう。 失敗 →ベッドの近くにナースコールが見当たらない。 点滴を抜いて立ち上がれば、行動ができる。眠りすぎた時のような多少のふらつきはあるが、歩くことくらいは可能だろう。 探索箇所: 部屋全体 / 鏡 / 点滴 / 窓の外 ・部屋全体 <目星> 成功 →ベッド近くで見つかる病院のスリッパに書かれた文字から、ここが日本であることが分かる。また、その病院の名前は知らないものだった。ベッドそばの置き型の時計の時刻は深夜になっている。 失敗 →ベッドそばに置き型の時計を見つける。指している時刻は深夜だ。 <アイデア> 成功 →自分は入院患者のような格好をしているのに、室内に自分の持ち物が1つも見つからないことに気付く。それ以前に部屋の中には物が非常に少なく、自分が本当にここに入院しているのか疑問に思うだろう。 失敗 →自分は入院患者のような格好をしているのに、室内に自分の持ち物が1つも見つからないことに気付く。 ・鏡 自分の姿が鏡にうつる。【HOウエイトスタッフの元の名前】の姿だ。服装は見慣れない入院着で、身体に怪我などは見当たらない。 <アイデア> →鏡に写った【HOウエイトスタッフの元の名前】の年齢は、最後に見たのとほとんど変わりないように思える。あなたが【HOウエイトスタッフ】の身体になってから既に数年経過しているはずなので、夢の中とはいえ少々チグハグに感じるかもしれない。 ・点滴 <薬学>または<医学-20> →取り付けられている薬の名称を、あなたは知らない。聞き覚えもないものだと感じる。一体自分に何を使用されていたのか、知識がある分、恐怖を覚えるだろう。(SANc0/1) ・窓の外 窓の外は暗く、僅かに草原、丘のようなところが見える。都会のビルどころか民家も見当たらない。僅かに雲がかかっているが、隙間から星の輝きや月の見える、明るい夜だ。 そこに、ふわりと光が浮いていた。その小さな光の粒は、天に見える星より小さい。けれど確かにそこに浮いていた。青くて小さな光はふわふわとどこかから沸き起こり、空高く昇って行く。幻想的かつ不可思議な光景だ。(SANc0/1) ・全箇所探索後 すると、コンコンとノックの後に扉が開かれて、看護師らしき人物が入って来る。起きているあなたの姿を見てにっこりと笑い、真っ直ぐあなたに近づいてくるだろう。 「あら、いけませんよ【HOウエイトスタッフの元の名前】さん。まだお休みになられていないと……」 看護師がそう言ってそばに立った時、ぐらりとあなたの視界が揺れる。 <目星> 成功 →揺れる視界の中、看護師が注射器のようなものを取り出し、あなたに手を伸ばしたのを目にした。 失敗 →揺れる視界の中、看護師が注射器のようなものを手にしているのを目にした。 夢の中、窓の外から日が昇り始めたのと共に、現実でも覚醒しつつあるのだろう。朝だ。 ・目覚め 激しい夢を見たわけでもないのにドクドクと暴れまわる心臓が、あなたを現実へと叩き起こす。眠る前より、空気が寒く感じる。いや、ひょっとすると外の気温は変わらないのかもしれない。飛び起きたあなた自身の体がゾッとするほど冷えているだけで。(SANc0/1) ・【HOウエイトスタッフ】が夜ターン後に就寝した場合 時計を見れば、朝マーケットに向かう時に起きる時間だ。目を覚ましてしまったらしい。眠りが浅く、体がふわふわしているのを感じるだろう。 【HOウエイトスタッフ】のHP-1 ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 ・【HOウエイトスタッフ】がちょい夢み〜るを使用した場合 時計を見れば、ちょうど目覚めようと思っていた時間だ。少々身体に違和感はあるが、問題なく起きることができた。体がどこかふわふわしているのを感じるだろう。SANc(0/1d2) ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 【夢2回目以降 - 判定成功時「病院の夢(再訪時)」】 ※「病院の夢」に初めて来た時と、すでに一度「病院の夢」に来たことがある時で処理が変わるため注意。 あなたは手足を動かしてみようと試みた。ぐっと力を込めて、縛り付けられているわけでもないのに重たい四肢を、動かそうとする。 手が、動いた。 それと同時にハッと目を覚ます。夢の中で、目を覚ます。 目の前に広がるのは真っ白な天井だ。辺りをぐるりと見渡して、前回と同じ病院の同じ個室で寝かされていたようだと気付く。また、以前より身体が動かしやすくなっているような気がする。 探索箇所: 自分の病室 / 病室から出る PL公開情報: 探索箇所「自分の病室」とは現在居る病室のことであり、選択すると、初めて病院に来た際に失敗したダイスの振り直しが可能となる。 ●KP情報 ・この「病院」で侵入することができなかった探索箇所の数が、シナリオラストの【HOウエイトスタッフの元の名前】のHPに影響するのでチェックすること。 ・入ることができた時点でカウントとなり、探索箇所内でのダイスの結果は影響しない。例えば医院長室の中での判定にすべて失敗しても、扉を開けて入ることができた時点で「入った部屋」の扱いとなる。逆に探索箇所として医院長室を選択しても、室内に入ることができなかった場合は「入った部屋」にならない。 ・夢ごとに「入った部屋」はリセットされないものとする。 入らなければならない部屋は以下の6つ 自分の病室 / ナースセンター / 他の病室 / 玄関・受付 / 資料室 / 医院長室 ・持ち物は夢ごとにリセットされる。よってナースセンターの鍵は引き継がれないため、毎度取りに行く必要がある。 ・自分の病室 <目星> 成功 →ベッドの近くにナースコールが見当たらない。それ以外にもなんとなく病室の様子に違和感があるだろう。 失敗 →ベッドの近くにナースコールが見当たらない。 「自分の病室」の探索箇所: 部屋全体 / 鏡 / 点滴 / 窓の外 ・部屋全体 <目星> →ベッド近くで見つかる病院のスリッパに書かれた文字から、ここが日本であることが分かる。また、その病院の名前は知らないものだ。 <アイデア> 成功 →自分は入院患者のような格好をしているのに、室内に自分の持ち物が1つも見つからないことに気付く。それ以前に部屋の中には物が非常に少なく、自分が本当にここに入院しているのか疑問に思うだろう。 失敗 →自分は入院患者のような格好をしているのに、室内に自分の持ち物が1つも見つからないことに気付く。 ・鏡 自分の姿が鏡にうつる。【HOウエイトスタッフの元の名前】の姿だ。服装は見慣れない入院着で、身体に怪我などは見当たらない。 <アイデア> →鏡に写った【HOウエイトスタッフの元の名前】の年齢は、最後に見たのとほとんど変わりないように思える。あなたが【HOウエイトスタッフ】の身体になってから既に数年経過しているはずなので、夢の中とはいえ少々チグハグに感じるかもしれない。 ・点滴 <薬学>または<医学-20> →取り付けられている薬の名称をあなたは知らない。聞き覚えもないものだと感じる。一体自分に何を使用されていたのか、知識がある分、恐怖を覚えるだろう。(SANc0/1) ・窓の外 窓の外は暗く、僅かに草原、丘のようなところが見える。都会のビルどころか民家も見当たらない。雲がかかっているが、隙間から星の輝きや月の見える、明るい夜だ。 そこに、ふわりと光が浮いていた。その小さな光の粒は、天に見える星より小さい。けれど確かにそこに浮いていた。青くて小さな光はふわふわとどこかから沸き起こり、空高く昇って行く。幻想的かつ不可思議な光景だ。(SANc0/1) ・「自分の病室」探索後 <DEX*5> 成功→ 前回より早く室内を探索し終えたためか、まだ看護師は来ていないようだ。病室から出ることができる。 (探索箇所:病室から出る を追加選択可能) 失敗→ すると、ノックの後に扉が開かれて、看護師らしき人物が入って来た。起きているあなたの姿を見てにっこりと笑い、真っ直ぐあなたに近づいてくるだろう。 「あら、いけませんよ【HOウエイトスタッフの元の名前】さん。まだお休みになられていないと……」 看護師がそう言ってそばに立った時、ぐらりとあなたの視界が揺れる。 続けて<目星> 成功→揺れる視界の中、看護師が注射器のようなものを取り出し、あなたに手を伸ばしたのを目にした。 失敗→揺れる視界の中、看護師が注射器のようなものを手にしているのを目にした。 夢の中、窓の外から日が昇り始めたのと共に、現実でも覚醒しつつあるのだろう。朝だ。 ・目覚め 激しい夢を見たわけでもないのにドクドクと暴れまわる心臓が、あなたを現実へと叩き起こす。眠る前より、空気が寒く感じる。いや、ひょっとすると外の気温は変わらないのかもしれない。飛び起きたあなた自身の体がゾッとするほど冷えているだけで。(SANc0/1) ・【HOウエイトスタッフ】が夜ターン後に就寝した場合 時計を見れば、朝マーケットに向かう時に起きる時間だ。目を覚ましてしまったらしい。眠りが浅く、体がふわふわしているのを感じるだろう。 【HOウエイトスタッフ】のHP-1 ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 ・【HOウエイトスタッフ】がちょい夢み〜るを使用した場合 時計を見れば、ちょうど目覚めようと思っていた時間だ。少々身体に違和感はあるが、問題なく起きることができた。体がどこかふわふわしているのを感じるだろう。SANc(0/1d2) ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 ・探索箇所:病室から出る →内容が長いため以下「【探索箇所:病室から出る 選択時】」に記載。 【探索箇所:病室から出る 選択時】 部屋の外に出ると、一般的な病院のようだった。その割にひと気はない。静けさと寒さも相まって、ここまで綺麗な内装でなければ廃病院だと思ったかもしれない。 探索箇所: ナースセンター / 他の病室 / 玄関・受付 / 資料室 / 医院長室 ●KP情報 看護師に強制的に起床させられるため、1度の夢ですべてを回ることはできない。 ・向かった先が1箇所目の場合、<幸運/2>または<DEX*3>の判定をおこない、成功すると2箇所目を探索可能になる。 ・向かった先が2箇所目の場合、自動失敗となり強制的に目覚めの処理となる。 ※医院長室のみ特殊な処理となるので注意する。 ●ナースセンター 静かなナースセンターだ。遠目に見ても誰も居る様子はない。今は席を外しているのだろうか。 ※ナースセンターに来るのが2度目以降の場合、鍵束の位置は既に分かっており素早くこの場を離脱できたとして、「・二度目以降で、探索をせず鍵を取りに来ただけの場合」の処理に変更する。 ・ナースセンターを探索する場合 <目星> →あなたのカルテを見つける。 「【HOウエイトスタッフの元の名前】。〇〇交差点で歩道に車両が侵入する交通事故により昏睡状態。しかし奇怪なことに身体に一切の外傷は見られない。外国人らしき少女1名をかばったとの目撃情報があるが、少女の行方は不明」と、日本語で書かれている。 続けて<知識>または<医学+20>または医療関係者なら自動 →カルテにしては色々と不自然なところがある。そもそも少女をかばった件など、カルテに書くだろうか? また、ナースセンター内を探しているうちに鍵束を見つける。様々な鍵がまとめられている。これで院内の部屋を開くことができそうだ。 探索箇所1箇所目の場合は<幸運/2>または<DEX*3> ※探索箇所2箇所目の場合は自動失敗 成功 →続けて別の箇所(他の病室、玄関・受付、資料室、医院長室)を探すことができる。 失敗 →p464「看護師の描写」へ ・二度目以降で、探索をせず鍵を取りに来ただけの場合 前回見つけたのと同じ場所に鍵束が仕舞われているのを見つけることができる。これで院内のいくつかの部屋を開くことができそうだ。 続けて、別の箇所(他の病室、玄関・受付、資料室、医院長室)を探すことができる。 ※この処理の時、ナースセンターは1箇所目としてカウントしない ●他の病室 病院内を歩き回ってみる。とても広い病院で、どの病室も鍵が閉まっている。誰ともすれ違わないし、どの病室からも人の気配を感じない。静かな場所だ。 ・ナースセンターの鍵を持っていない場合 すべての病室には鍵がかかっており、開くことができない。 <鍵開け-20> 成功 →時間はかかったが開けることができる。 ※「・ナースセンターの鍵を持っている場合」へ 失敗 →続けて<幸運/2>または<DEX*3> 成功→続けて別の箇所(ナースセンター、玄関・受付、資料室、医院長室)を探すことができる。 ※この処理の時、「他の病室」は1箇所目としてカウントしない 失敗→p464「看護師の描写」へ ・ナースセンターの鍵を持っている場合 すべての病室には鍵がかかっていたが、開けることができた。 廊下にいる時、気配は感じられなかったが、どの病室にも誰かが眠っていた。それは人間だけではなく、犬猫など動物がベッドに入っていることもあった。 そして誰も彼もが息をしていない。病室ではあるが、まるでこの場所全体が死体安置所のようだ。 (SANc 1/1d3) 探索箇所1箇所目の場合は<幸運/2>または<DEX*3> ※探索箇所2箇所目の場合は自動失敗 成功 →続けて別の箇所(ナースセンター、玄関・受付、資料室、医院長室)を探すことができる。 失敗 →p464「看護師の描写」へ ●玄関・受付 無人の病院の玄関だ。患者も、受付にスタッフも居ない。出入り口の自動扉は閉まっているため出られないが、ガラス張りのため外の景色を見ることができる。 探索箇所: 玄関扉 / 扉の外 / 受付テーブル ・玄関扉 一般的な自動ドアだ。近づいても開かない。 <鍵開け>または<目星> 失敗 →鍵がかかっていないことが分かる。だが、何故か開かない。 成功 →鍵がかかっていないことが分かる。だが、何故か開かない。 また、室内のセンサーは起動していないが、室外のセンサーは起動しているようだ。外から病院に入ることはできるだろうが、一人で病院を出るのは難しいだろう。 ・任意:玄関扉を壊そうとする場合 見た目よりかなり頑丈で、数度衝撃を与えた程度では割れなかった。警備のアラームが作動し、すぐさま看護師が飛んでくるだろう。 →p464「看護師の描写」へ ・扉の外 ガラス越しに外を見る。見渡す限り一面、広い丘だ。見覚えのある景色ではないだろう。 眺めていれば、遠く、丘の上に、青い小さな光の粒が浮いているのに気づく。どこからともなく沸き起こり、風船のようにふわふわ天高く飛んでいくようだ。 <目星> →のぼっていく青い光は、よく見ればどれも、雲まで到達したところで消えてしまっている。 ・受付テーブル 受付は無人だ。そこに置かれた時計を見れば、時刻だけでなく日付や曜日が表示されるタイプの電子時計だった。 夢の中の今日の日付は12月の暮れ、時刻は午前4時ごろということになっているようだ。 <目星> →受付に置型の、月めくりのカレンダーがあるのを見つける。とある日付にサインペンで丸が付けられており、その丸の隣に小さく梯子のようなイラストが描かれている。なお、丸が付けられている日付は時計に表示された日付と一致していた。 ・見終わった 探索箇所1箇所目の場合は<幸運/2>または<DEX*3> ※探索箇所2箇所目の場合は自動失敗 成功 →続けて別の箇所(ナースセンター、他の病室、資料室、医院長室)を探すことができる。 失敗 →p464「看護師の描写」へ ●資料室 資料室と書かれた扉の部屋を発見する。 ・ナースセンターの鍵を持っていない場合 しかし鍵がかかっており、開くことができない。 <鍵開け-20> 成功 →時間はかかったが開けることができる。 ※「・ナースセンターの鍵を持っている場合」へ 失敗 →続けて<幸運/2>または<DEX*3> 成功→続けて別の箇所(ナースセンター、他の病室、玄関・受付、医院長室)を探すことができる。 ※この処理の時、「資料室」は1箇所目としてカウントしない 失敗→p464「看護師の描写」へ ・ナースセンターの鍵を持っている場合 鍵がかかっていたが、開けることができる。暗い室内に人の姿はなく、並んだ棚にはずらりと資料がしまわれている。 探せば、不自然な書類や本をいくつか見つけることができそうだ。 <図書館> 成功→1d3+1  失敗→1d3 ※出た目の数の分の情報を上から順に公開する。例えば1d3→2の時、『『死すべき定め』アトゥール・ガワンデ』と『「死」は青い光を放つ』の2つを提示する。 01,『死すべき定め』アトゥール・ガワンデ よく読み込まれた小説を見つける。 終末医療のあり方を描いたノンフィクションのようだ。「死にゆく人に何ができるか」というサブタイトルがついている。人の寿命が長くなった現代において、医師やまわりの人は死にゆく人に何ができるのだろうか? との煽り文があるが、文章量が多く、今しっかり読む時間はなさそうだ。 02,『「死」は青い光を放つ』 死にゆく線虫に紫外線を当てて観察する研究により、死の過程で青い蛍光が放たれていることが分かった。この光は死の間際、次第に強くなり、死の瞬間に最大に達し、直後に消えるという。研究チームはこの青い光を「death fluorescence(死の蛍光)」と名付けた。人の死にも同じような現象が考えられるとするならば、我々は最期に「青い光」を見るのかもしれない。 03,『よもつへぐい』 辞典の中にふせんがつけられたページを見つける。そこにあった単語だ。 意味は「あの世のものを食べると、この世に戻れなくなる」というもの。生きたままあの世に渡ることができたとしても、黄泉のものを食べればそのまま黄泉の国の住人になってしまうという思想で、日本の古事記、ギリシャ神話など、複数の神話に記述の見られる現象である。黄泉のものならばどれでも値するという説もあれば、特定の不浄の物のみ値するという説もあるようだ。 04,『猫に九生あり(A cat has nine lives)』 ファイルの中に挟まっていた紙に書かれていたことわざ。 古代エジプト人が、高いところから飛び降りても何故か死なない猫を見て、猫には魔力があるのではないかと考えたことや、猫には9つの魂があって9回も生まれ変わることができるのではないかという迷信があることから生まれている。 PL公開情報: これらの情報について、内容が非常に多いため、読むことはできたが完全に暗記できるものではない。よって、他の探索者に伝えるためには現実の図書館で同じものを探してくる必要があるものとする。ただし、タイトルは既に覚えているため、<図書館>ロールは不要とする。 探索箇所1箇所目の場合は<幸運/2>または<DEX*3> ※探索箇所2箇所目の場合は自動失敗 成功 →続けて別の箇所(ナースセンター、他の病室、玄関・受付、医院長室)を探すことができる。 失敗→p464「看護師の描写」へ ●医院長室 ・アリスの薬を使って夢を見た場合 医院長室のある方へと近づくと、カツカツと人の足音が聞こえてくる。 <DEX*5>または<忍び歩き> 成功 →足音のする方から離れることができる。どうやら医院長室の周りを巡回しているようで、近づくことはできなさそうだ。 続けて別の箇所(ナースセンター、他の病室、玄関・受付、資料室)を探すことができる。 ※この処理の時、「医院長室」は1箇所目としてカウントしない 失敗 →p464「看護師の描写」へ ・『ちょい夢み〜る』を使って夢を見た場合 医院長室のある方へと近づく。今の所ひと気はなく、他の部屋よりも重そうな扉が一枚佇んでいた。 ・ナースセンターの鍵を持っていない場合 しかし鍵がかかっており、開くことができない。 <鍵開け-20> 成功 →時間はかかったが開けることができる。 ※「・ナースセンターの鍵を持っている場合」へ 失敗 →続けて<幸運/2>または<DEX*3> 成功→続けて別の箇所(ナースセンター、他の病室、玄関・受付、資料室)を探すことができる。 ※この処理の時、「医院長室」は1箇所目としてカウントしない 失敗→p464「看護師の描写」へ ・ナースセンターの鍵を持っている場合 鍵がかかっていたが、開けることができる。暗い室内に人の姿はない。本棚とデスクがあり、物が多くあるが、その中でデスクの上の書類が目につく。手書きのようだ。 『アリスとボブ(Alice and Bob)』 特定の分野で、キャラクターの名称としてよく使われる人名。"AがBに〇〇を送るとして……"のような説明文では、記号がCDEと増えるにつれ、分かり難くなるため、具体的人名が好んで充てられる。アリスやボブの表す実体が人であるとは限らず、信頼され自動化された代行者であることが多い。 ●よく使用されるキャラクター名の一覧: Aアリス:情報を送るもの。最も多く使われ、一般性が高い。 Bボブ:アリスから情報を受け取る。  〜省略〜 Eイヴ:盗聴者。情報を聞くが、改ざんはしない。  〜省略〜 Mマーヴィス:邪悪な攻撃者。アリスがボブへ送るメッセージを自分のものと入れ替えたり、変質させたりする。 Mマチルダ:商人。  〜省略〜 Zゾーイ:最後の当事者。最も一般性が低い。 <アイデア> →棚には医学書の他、生物学、数学や工学など様々な本が並んでいる事が分かる。病院の医院長室にあるには少々不自然に感じるだろう。 <目星> →本棚の中、1冊だけ抜き取られたようにぽっかりと空いている場所があるのに気付く。部屋の中を探しても該当しそうな本は見つからない。 ・すべて見終えたら →p464「看護師の描写」へ ●看護師の描写 すると、いつの間にその場にいたのか、あなたのすぐそばに看護師らしき人物が立っている。起きているあなたを見てにっこりと微笑むだろう。 「あら、いけませんよ【HOウエイトスタッフの元の名前】さん。まだお休みになられていないと……」 看護師がそう言ってそばに立った時、ぐらりとあなたの視界が揺れる。揺れる視界の中、看護師が注射器のようなものを取り出し、あなたに手を伸ばしたのを目にした。 夢の中、窓の外から日が昇り始めたのと共に、現実でも覚醒しつつあるのだろう。朝だ。 ・目覚め 激しい夢を見たわけでもないのにドクドクと暴れまわる心臓が、あなたを現実へと叩き起こす。眠る前より、空気が寒く感じる。いや、ひょっとすると外の気温は変わらないのかもしれない。飛び起きたあなた自身の体がゾッとするほど冷えているだけで。(SANc0/1) ・【HOウエイトスタッフ】が夜ターン後に就寝した場合 時計を見れば、朝マーケットに向かう時に起きる時間だ。目を覚ましてしまったらしい。眠りが浅く、体がふわふわしているのを感じるだろう。 【HOウエイトスタッフ】のHP-1 ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 ・【HOウエイトスタッフ】がちょい夢み〜るを使用した場合 時計を見れば、ちょうど目覚めようと思っていた時間だ。少々身体に違和感はあるが、問題なく起きることができた。体がどこかふわふわしているのを感じるだろう。SANc(0/1d2) ※睡眠不足によるダイス-10の処理は発生しない。 ■簡易用■ () 職業: 年齢: PL: STR:0  DEX:0  INT:0 アイデア:0 CON:0  APP:0  POW:0  幸 運:0 SIZ:0 SAN:99 EDU:0 知 識:0 H P:0  M P:0  回避:dex*2  ダメージボーナス: ―――――――――――――――――――――――――― [技能](職業技能点:0 個人技能点:0) (書式:職業/個人<成長>[その他]) ―――――――――――――――――――――――――― [持ち物] ・武器 ――――――――ここに記入―――――――― ・防具 ――――――――ここに記入―――――――― ・所持品 ――――――――ここに記入―――――――― [プロフィール]