タイトル:ミオ キャラクター名:ミオ 種族: 享年:15歳 髪の色:白  / 瞳の色:白  / 肌の色:褐色 身長:高め 体重:軽い ポジション:アリス クラス: ステーシー / バロック 初期配置:花園 行動値:10 ■パーソナルデータ■ 暗示:喪失 [記憶のカケラ] 内容 双子 最終戦争 幸福の欠片 愛犬 [未練]    内容    狂気度  発狂時 たからもの  への 依存 ■■□□ 幼児退行(最大行動値減少(-2)) マーシィ   への 依存 ■□□□ 幼児退行(最大行動値減少(-2)) テム・タマー への 保護 ■□□□ 常時密着(自身か対象以外は移動マニューバの対象にできない。また、対象が違うエリアにいるなら移動以外の効果持ちのマニューバは宣言できない) ポチー    への 嫉妬 ■■■□ 不協和音(全ての姉妹の行動判定に-1)        への    ■■■□ ()        への    ■■■□ () ■強化値■     武装 変異 改造 メインクラス   1   1   0 サブクラス   0   2   0 ボーナス 寵愛       2 =合計=   1   5   1 ■マニューバ■ [部位]     マニューバ名 : タイミング : コスト : 射程: 効果 [ポジション]  少女      : ラピッド  : 0   : 0  : 対象の姉妹1人と対話判定を行う [メインクラス] 庇う      : ダメージ  : 0   : 0~1 : 対象が受けたダメージを、代わりに自分が受ける。1ターンに何度でも使用可。 [メインクラス] 死に続け    : ラピッド  : 0   : 自身: 損傷している基本パーツを1つを修復する。 [サブクラス]  再生      : ダメージ  : 1   : 自身: 防御1。1ターンに何度でも使用可。 [サブクラス]  背徳の喜び   : ダメージ  : 0   : 自身: 使用済みの「ラピッド」「ジャッジ」「ダメージ」のマニューバを1つ、再使用可能にする。 []              : オート   :    :   : [頭]      のうみそ    : オート   : なし  : 自身: 最大行動値+2 [頭]      めだま     : オート   : なし  : 自身: 最大行動値+1 [頭]      あご      : アクション : 2   : 0  : 肉弾攻撃1 [頭]      けものみみ   : オート   : なし  : 自身: 最大行動値+1。行動判定で使用した際、大失敗しても破損しない。 [頭]      写真      : オート   : なし  : なし: 宝物 []              : オート   :    :   : [腕]      こぶし     : アクション : 2   : 0  : 肉弾攻撃1 [腕]      うで      : ジャッジ  : 1   : 0  : 支援1 [腕]      かた      : アクション : 4   : 自身: 移動1 [腕]      大型拳銃    : アクション : 2   : 0~1 : 射撃攻撃1 []       やぶれひまく  : オート   : 0   : 自身: 防御2 [腕]      うじむし    : オート   : なし  : 自身: バトルパートにてターン終了時、パート終了時、このパーツが損傷していたなら、修復してよい []              : オート   :    :   : [胴]      せぼね     : アクション : 1   : 自身: 同ターン内の次カウントで使うマニューバ1つのコスト-1 [胴]      はらわた    : オート   : なし  : なし: なし [胴]      はらわた    : オート   : なし  : なし: なし [胴]      アーマースキン : ダメージ  : 0   : 自身: 防御1 [胴]      うろこ     : ダメージ  : 1   : 自身: 防御2 [胴]      あるびの    : ジャッジ  : 1   : 0~1 : 支援1 []              : オート   :    :   : [脚]      ほね      : オート   : 3   : 自身: 移動1 [脚]      ほね      : オート   : 3   : 自身: 移動1 [脚]      あし      : オート   : 1   : 0  : 妨害1 ■その他■ 寵愛点:31点 成長履歴: No. 獲得寵愛点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 0     15点(  9 /  6)     10点使用 残5点 1     16点( 10 /  6)     20点使用 残1点 2     0点(   /  ) メモ: 彼女の物語は、本来ふたつでひとつの糸だった。 一本は彼女。 もう一本は、双子の姉妹という、もうひとりの「自分」。 細く白い糸が二本、寄り添いながら撚り合わされ、ひとつの運命を形作っていた。 かつて世界がまだ静かに、美しく、ひび割れひとつ許されないガラスのように澄み切っていた頃のことだ。 だが、その織り目がいつほどけたのか、彼女は知らない。 世界が崩れる音を、彼女は覚えていない。 かわりに覚えているのは、胸の奥で何かが引きちぎられるような痛みと、 空洞に風だけが吹き込んでくるような寂しさだけ。 気がついたとき、彼女の手の中に残っていたのは、 一本きりの、頼りない糸だけだった。 その糸は、もう撚り合わされるべき相方を失ってしまっている。 結びつくはずだった半身はどこにも見当たらない。 糸は、色褪せた空と、ひび割れた大地と、 骨のように突き出たビルの残骸のあいだを、ただ漂うばかりだ。 風は錆びた鉄と焦げた土の匂いを運び、 ときおり、かつて「街」と呼ばれていたらしい瓦礫の谷間で、 ひとりきりの少女の影を、引き伸ばしては千切っていく。 少女は、その一本きりの糸だ。 彼女は、過去の美しかった世界の記憶を、朧げながらも覚えている。 陽光を透かす薄いカーテン。 磨き上げられた床を滑るように歩くメイドたち。 高くそびえる書架と、紅茶の香り。 真新しいドレスの裾を、双子の姉妹と二人でつまんで見せ合ったこと。 笑えば、同じ声が二重に重なって響くこと。 どれもが、薄いガラス越しに眺める夢のようだ。 手を伸ばそうとすると、表面に細かいひびが入り、 指先に触れる前に、すべて砂のように崩れ落ちてしまう。 彼女はもう、自分が本当に裕福だったのかさえ、確信が持てない。 けれど身体は覚えている。 背筋を伸ばして椅子に座る角度も、 カップを持ち上げる指の形も、 人前で微笑むとき、決して歯を見せすぎてはならないことも。 だからこそ、彼女は荒廃した世界の中でも、どこか「お嬢様然」として見えるのだろう。 裾のほつれたドレスを、何度も繕いながら着続けている。 布地はもう本来の色を忘れ、灰と土に染まりきっているのに、 縫い目だけは、妙に丁寧だ。 指先には針で刺した痕が幾つも残り、皮膚は固くなり始めている。 「……行きましょう。止まっていても、腐ってしまいますわ」 そう言って、彼女は歩く。 靴底は割れ、もとは上質だったであろう革はひび割れている。 それでも、歩き方だけは、できる限り優雅であろうとする。 弱さや恐怖を、足音に滲ませないように。 ただし、その優雅さは、もう虚勢と紙一重だ。 彼女は誰よりも、仲間を失うことを恐れている。 仲間が傷つくことを、極端なまでに恐れている。 世界が壊れる前に、彼女には双子の姉妹がいた。 名前を呼べば、同じ顔、同じ声が振り向いてくれたはずの存在。 どうして離れ離れになってしまったのか、彼女は思い出せない。 そこに至るまでの道筋は、霧のように白く塗り潰されている。 ただ、その霧の奥に踏み込もうとするたび、 胸の内で、押し寄せる波のように、悲しみと苦しみが襲ってくる。 息ができなくなる。 喉が締めつけられる。 足元が、あの日の瓦礫のように崩れ落ちる感覚が蘇る。 だから彼女は、そこから目を逸らす。 思い出してはいけない、と身体が告げている。 しかし、忘れることも許されない。 片方だけが生き残ったという事実は、 彼女の皮膚と骨に、消えない刻印のように残っているからだ。 ある日、瓦礫の路地で、彼女は小さな背中を見つけた。 震える肩。 膝を抱え、声も出せずに泣いている子ども。 その光景は、遠い記憶と重なってしまう。 自分の半身を失った日の、あの空洞感と。 かすかに、「姉」の顔が脳裏をよぎる。 だが、輪郭を掴もうとした瞬間、風に吹かれた砂のように崩れる。 「……大丈夫ですわ。ここは、もうあなたひとりではありませんのよ」 自分でも驚くほど自然に、その言葉が口をついて出る。 彼女は躊躇なくその子の前に膝をつき、 汚れた手を取った。 その瞬間、また一本、糸が結ばれたような気がした。 世界はもう壊れてしまっている。 色彩も、秩序も、約束も。 人々の倫理ですら、瓦礫の下で埋もれて久しい。 それでもなお、人と人との間には、かすかな糸が生まれる。 結びつこうとする意志そのものが、糸として形を取り、 見えないまま、彼女の周囲に絡みついていく。 少女は、自分の身体を盾とすることを選んだ。 それは、崇高な決意というより、ほとんど反射に近い。 誰かの叫び声が聞こえた瞬間には、 彼女の足はすでに前へと踏み出している。 アンデットたちが蠢く音。 何処からか聞こえる嘲の笑い声。 世界の末期を絵に描いたような危機が目の前で牙を剥いても、 彼女はとっさに、自分の身体を差し出してしまう。 大切なものを失うことに比べれば、 皮膚が裂け、血が流れ、骨が軋む痛みなど、 ふた呼吸ほどの出来事にすぎない。 痛みは、確かに彼女を貫く。 けれど、その痛みの奥に、 あの日の喪失の痛みが重なっていく度、 それはいつしか、ひとつの「罰」のようにも感じられた。 守れなかった自分。 失わせてしまった自分。 彼女はその自責を、誰にも語らない。 語ったところで、世界は何ひとつ赦してはくれないと知っているから。 彼女の周りには、少しずつ「新しい糸」が増えていく。 口は悪いが友人想いな少女。 仲間の為、鉄球を奮う女の子。 一人ひとりに、それぞれの傷と欠落があり、 それらがほつれた布のように彼女の人生に縫いつけられていく。 彼女は、そのひとつひとつを「宝物」と呼ぶ。 誰かから見れば、壊れかけの寄せ集めにしか見えないだろう。 それでも、彼女にとっては、もう二度と失いたくない、代わりのきかない欠片なのだ。 だからこそ、彼女は前に進む。 怖いのだ、本当は。 この世界そのものが、ひとつの巨大な悪夢であるかのように思える夜もある。 眠りに落ちるたび、 耳鳴りの中に、もう片方の「自分」の声が混じって聞こえる。 「どうして置いていったの?」 「なぜ、あなただけが生きているの?」 そんな言葉を、姉が口にしたことはない。 けれど、彼女の罪悪感は、姉の声色を借りて、そう囁き続ける。 それでも—— 「それでも、進まなければなりませんわね」 かすれた声で、自分に言い聞かせる。 足元では、砕けた舗道が音を立てて崩れ、 遠くでは、かつて高層ビルであったものが、 骨だけ残して空をなぞっている。 行き先に、光など見えはしない。 救いの約束も、神の啓示も、物語に出てくるような奇跡も。 そんなものは、とっくにこの世界から姿を消してしまった。 しかし、それでも彼女は歩く。 一本きりの糸として。 そして、今はもう、それだけではなく―― 彼女の後ろには、ばらばらだった糸たちが、 不器用に絡まり合いながら、ひとつの束を成し始めている。 いつか、失われたもう一本の「自分」を見つけることを夢見て。 どこかで、まだ途切れずに揺れているはずの、 もう半分の糸を探すために。 今、新たに結ばれた、ほどけやすく頼りない糸たちと共に、 彼女は壊れた世界の中で、なお物語を紡ぎ続ける。 その糸が、幸福という名の布になるのか、 あるいは、さらなる悲劇の首吊り縄へと形を変えるのか—— 誰にも、まだ分からない。 ただひとつ確かなのは、 彼女はもう、何も持たない一本の糸ではない、ということだけだ。 本名「ミオ・ソティス」 勿忘草:「真実の愛」「私を忘れないで」(誠実・変わらぬ想い)