タイトル:アイーシャ=エレンディル にかいめ。 キャラクター名:アイーシャ=エレンディル 種族:グラスランナー [特徴:マナ不干渉、虫や植物との意思疎通] 生まれ:薬師 ■パーソナルデータ・経歴■ 年齢:25 性別:女 髪の色:黒  / 瞳の色:黒  / 肌の色:白っぽい黄色 身長:96cm 体重:20kg 経歴1:かつては貴族だった。 経歴2:溺れたことがある。 経歴3:商売を手伝ったことがある。 穢れ度:0 ■能力値■      技     体     心 基礎   12      1     12    器用 敏捷 筋力 生命 知力 精神 A~F   8   7   6  15   4  12 成長   2   2   2      7   4 →計:17 修正 =合計= 22  21   9  16  24  28 ボーナス  3   3   1   2   4   4    生命 精神    抵抗 抵抗  HP  MP 基本   9  11  37   0 特技         0   0 修正 =合計=  9  11  39   0 ■レベル・技能■ 冒険者レベル:7 Lv ファイター  1 Lv  / マギテック 1 Lv レンジャー  7 Lv  / セージ   6 Lv アルケミスト 2 Lv  /        Lv ■戦闘特技・値■ [参照] 特技名   : 効果                            : 前提 [p2122]治癒適性   : Hpが回復する効果を受けるとき、その効果に自分だけ+1     : レンジャーLv.5 [p2123]不屈     : HPが0以下になっても気絶しない               : レンジャーLv.7 [p2120]鋭い目    : 戦利品のロールに+1                     : セージLv.5 [pIB30]精密射撃   : 射撃攻撃で誤射しない                    : [pIB32]両手利き   : それぞれの武器で同一対象に攻撃可能、命中-2、必要筋力15以下 : [pIB30]スローイング : 投擲武器の命中+1、射程接触のアイテムが射程20mになる    : レンジャーLv.5 [pIB30]双撃     : それぞれの武器で別対象に攻撃                :    魔物       全力    知識 先制 移動 移動 基本  10   0  21  69 修正 特技        2 =合計= 10   0  23m  69m ■呪歌・練技・騎芸・賦術・鼓咆・占瞳■ [参照] 特技名: 効果: 前提 ■装備■ ・基本命中力、追加ダメージ、基本回避力        Lv 命中 追ダメ 回避 ファイター : 1   4   2   4 グラップラー: フェンサー : シューター : ・武器 価格 用法 必筋 修正 命中 威力 C値 追ダメ [カテゴリ・ランク] 名称(*:装備している) / 備考 (参照) 80   1H   5      4   5  10   2 [ソードB] *ショートソード / 「嬢ちゃんが持つとロングソードだな!ガハハ!」と言われた。 (232p) =価格合計= 80 G ・防具    必筋 回避 防護  価格  名称 / 備考 鎧 :  1      2   15 クロースアーマー / 素直に丈夫な服って言えばいいのに。 盾 :  1  +1      60 バックラー / 「それが一番小さいねぇ」と言われた。 修正: = 合計 =    5   2   75 G (回避技能:ファイター) ・装飾品    価格 名称       / 効果 頭 :50  ミニハット    / 小さなシルクハット。髪留めで留める仕組み。 耳 :10  青色の耳飾り   / 魔法の品と誤解されるが、市販品。 顔 :4000 ひらめき眼鏡   / 指先でクイッとやると、ちょっと光る。 首 :100  鳥の首飾り    / 銀製の翼を広げた鳥の意匠が施された首飾り。 背中:3000 リトルウィング  / 買ったばかりの時は屋上から落ちたりして遊んだ。 右手:500  知性の指輪    / これによるカンニング被害が毎年出ている。 左手:20  手袋       / 指先が無いタイプ。両手にはめている。 腰 :1500 チキンベルト   / (合言葉はマジカルエスケープ)「もうちょっと気の利いた意匠は無かったのか・・・?」 足 :20  ショートブーツ  / ロングブーツを履くと長靴と言われる。 他 :200  マギスフィア(小) / 金属製の腕輪にマギスフィアを嵌めたもの。 =合計=9400 G ■所持品■ 名称             単価 個数 価格 備考 冒険者セット         100  1   100  「あなた、冒険者なのね」と言われる。 ベルトポーチ         20  1   20  薬品の匂いがこびりついて取れないのが悩み。 水袋             20  1   20  「おっぱいを揉んだ時の感触に似てる」というデマが流れた。 毛布             40  1   40  自分の匂いと薬品の匂いで大変なことになっている。 ポータブルカンテラ      60  1   60  火口箱とランタンが一緒になった便利グッズ。最近デザインが変わった。 手鏡             50  1   50  「女のたしなみ」と言ってみたい。 よく切れるナイフ       20  1   20  一度錆びまみれにしてからはよく洗うようにしている。 着替えセット         30  1   30  「覗くな」と言うと「もう少し覗きがいのある体してから言え」と返ってくる 筆記用具           10  1   10  羽ペン、インク、羊皮紙のセット。 白紙の本           30  1   30  20ページあるが、10ページほどは薬草の分布などで埋まっている。 望遠鏡            1000 1   1000 「おいおい!あのネーチャンいい尻してんなぁ!」とか言ってたら怒られた。 保存食(1週間分)        50  1   50  口の中がパッサパサになる。 救命草            30  10  300  体力が漲る危なくない草。 魔香草            100  4   400  魔力が漲る危なくない草。 ヒーリングポーション     100  5   500  「ねぇ、なんでどぎついピンク色なの?」 アウェイクポーション     100  2   200  気絶した人間が飛び起きるほど苦い。 インドミタブルポーション   320  2   640  「ドロっとしてて、甘じょっぱくて、酸っぱ苦い」 アンチドーテポーション    500  2   1000 毒が入っていてもおかしくない紅色をしている。 キュアストーンポーション   500  2   1000 逆に石で出来た魔法生物に振りかけると即死するという噂。 トリートポーション      500  2   1000 みるみるうちに傷が治るので、ちょっと怖い。 魔香水Ptボール        620  1   620  プリティーでキュアキュアな香りがする。 ヒーリングPtボール      120  5   600  「ねぇ、これカラーボールってやつじゃないの?」 トリートPtボール       520  3   1560 ボールに詰めながら「塗ってもいいのか」と思った。 アウェイクンPtボール     120  3   360  苦くしても効果はうすそうだったので、臭くしました。 インドミタブルPtボール    340  3   1020 なんだか効果がうすそうだったので、揮発性にして鼻から吸い込むようにしました。 アンチドーテPtボール     520  1   520  味方に当てると血まみれにしか見えない。 魔剣《マギ・エクス・マキナ》 0   1   0   持ち主になってしまった。ぶっちゃけ申し訳ないと思っている。 3点魔晶石           300  1   300  魔動機術の勉強中に余ったもの。 =所持品合計=   11450 G =装備合計=     9555 G = 価格総計 =   21005 G 所持金    6700G 預金・借金    G ■魔力■ 知力ボーナス: 4 特技強化ボーナス: 0 武器ボーナス: 0  名前  Lv 追加修正 魔力 魔動機術 1       5 ■言語■       話 読            話 読 共通交易語 ○ ○ / 巨人語       - - エルフ語  ○ ○ / ドラゴン語     - - ドワーフ語 - - / ドレイク語     ○ ○ 神紀文明語 - - / 汎用蛮族語     ○ ○ 魔動機文明語○ ○ / 魔神語       - - 魔法文明語 - - / 妖魔語       - - 妖精語   - - / グラスランナー語  ○ ○ シャドウ語 - - / ミアキス語     - - バルカン語 - - / ライカンスロープ語 - - ソレイユ語 - - ・地方語、各種族語     話 読 名称 初期習得言語:交易交通語、グラスランナー語 技能習得言語:魔動機文明語、6個の会話or読文 ■名誉アイテム■ 点数 名称  50 クロースアーマー  50 バックラー  50 ひらめき眼鏡   5 よく切れるナイフ 所持名誉点: 107 点 合計名誉点: 262 点 ■その他■ 経験点:780点 (使用経験点:21000点、獲得経験点:5280点) セッション回数:17回 成長履歴: 成長能力 獲得経験点(達成/ボーナス/ピンゾロ) メモ 1-        0点(   /   / 回) 2-        0点(   /   / 回) 3-        0点(   /   / 回) メモ:  元帝国お抱え観測部隊の薬師。現在は冒険者。 彼女は魅入られてしまった。偶然発見した旧文明の遺跡に。 別に装飾がどうとか、技術がどうとかではなく。「そこに知らないものがあり、自分が一番最初に発見する」ということにだ。 初めて遺跡を発見したのが21歳の夏。このときはまだ観測隊に所属していたため、中に入るのは危険だと止められてしまった。 どうしても中に入ってみたかったが、「冒険者の仕事を取るな」と叱られてしまう。 しかしその一言が彼女の内なる情熱に火を点けることとなる。 観測から帰った彼女は、すぐさま上官に辞表を叩きつけ、知り合いの冒険者が所属する店「シャトー・ホーリーローズ」へと駆け込んだのであった。  アイーシャは、ザルツ地方の辺境を治める貴族、エレンディル家の次女としてこの世に生を受けた。 両親はグラスランナーには珍しく、同じ地に居着いている変わり者であった。 人からすれば、ふらふら旅を続けるほうが変わり者なのだろうが、彼らにとっては同じ場所にとどまるほうが変わり者なのだ。 両親がどのような功績を打ち立て、辺境といえど自分の領土と貴族としての立場を手に入れたのかは知らない。 べつに知る必要は無いと思っていたし、両親もそういったことは長男にだけ教えていた。  もちろん、兄だけを贔屓していたわけではない。両親は「自分の好きなことを見つければいい」と言っているし、 兄は自分の意志でこの家を継ごうとしているだけなのだ。  ところで、アイーシャの家は貴族だが、なんの苦労もなく育ったわけではない。 何度も言うが辺境なのだ。開拓もあまり進んではいないため、時には両親らとともに地元の住民たちと様々な作業を行ったりもした。 彼女の場合はもっぱら薬草集めやその調合の手伝いであった。現在の下地と言えるかもしれない。 この時の彼女は先のことなど全く考えもしていなかったが、とにかくこの経験は、のちのち彼女の役に立つことになる。  さて、彼女が12歳の頃。 いつものように森へ薬草集めにでかけたところ、不幸にも野犬に襲われる。 彼女としてはさほど不幸には思っていなかったが。野犬など日常茶飯事だし、自分の逃げ足にも自信を持っていたから。 だが、不幸はやっぱり不幸であった。彼女は逃げる途中、足を滑らせて川に落ちてしまう。 普段ならどうということは無いような川だが、焦りと驚きは動きの精細を欠き、正しく動けなければ溺れてしまうのは当然のことで。 結果、彼女は人生で初めて川で溺れるという経験をすることになる。 意識を手放しながら、住民達の子供が川で溺れたと言う話を聞く度に小馬鹿にしていたことを、彼女はひっそりと謝るのであった。  意識を取り戻した時は、彼女は川岸に上げられていた。 咳き込みながら辺りを見渡すと、なんとも不思議な格好をした人間の大人たちが焚き火を囲んでるのが目に入った。 人間たちはこちらに気がつくと、笑顔を浮かべる。 「よかった。気がついたようだ」  怪我は無いかとか、痛いとこは?とか。口々に聞かれるので、彼女は目を白黒させながらひとつづつ答えていく。  怪我は無い、痛いところもない。むこう側の、エレンディル家の次女です。助けていただき、ありがとうございます。 お礼を言う頃には心も落ち着いてきたようで、彼女は初めて人間たちに質問する側に回ることができた。  あなた達は? すると、物静かな印象の初老の男性が1歩前に出て、私たちは帝国の斥候部隊だよ。と答えてくれた。  せっこう?なにをするひとたちなの?  えーっと・・・そうだな。薬草の生えている場所を探したり、怖い魔物が現れたりしてないかを探すのさ。 そうだ。お嬢ちゃん。このあたりのこと、何かしらないかな? 若い男性がそう応える。 アイーシャは嬉しくなった。なぜならお礼をいうだけでは物足りないと感じていたから。 彼らの役に立つことができると思うと、彼女はいてもたってもいられなくなった。  あっちに薬草が生えてるわ!ついてきて! ・・・これが、彼女とその後の人生を決める分岐点の1つである。 この出来事をきっかけに彼女は本格的に薬草学、薬学などに手を出し始める。  14歳の頃、両親に頼み込んで帝都へ足を運んだ彼女は、帝都にしかない様々な文化、工芸品、簡単に言うと俗っぽいもの・・・に興味を惹かれつつ本格的な薬学の勉強を始める。 ふらふらしているイメージの強いグラスランナーが腰を据えているとアレば、これは大成するぞと薬学、薬草学の教授は熱心に 彼女の耳にいろはと応用を吹き込んだ。彼女の耳に入ったのは、彼女の興味を引いた半分ほどだけであったが。  4年の勉学と修行を修めた彼女は、ついに念願かなって帝国の観測隊の仲間入りを果たす。 この時からダンジョンを見つけるその時まで、彼女は適度に緊張し、適度に楽しみながらレンジャー技術と薬に関する知識を深めていく。 さてさて、現在。彼女は1人の冒険者として野山や遺跡を駆けまわっている。 それなりの功績を上げ、ちょっとではあるが名前も知られるようになってきた。 レンジャー技能と知識を買われ、メンバーに困ることはあまり無いが・・・ 「ちょっと!どーしてまた遺跡じゃないの!?」 遺跡探索に呼ばれることは、あまり無いのであった。 2015/12/19 BEAM OF JABALLA  まだ誰も見たことがない遺跡を求め、集いの国リオスにやってきた時のこと。 首都であるラスベートにある冒険者の宿《シセン・ローカク》にとりあえず腰を落ち着けた。 《シャトー・ホーリーローズ》の店主から渡された紹介状をこちらの店主に渡してから 当面の宿代を稼ぐために薬や薬草関係の仕事をいくつかこなしたところだった。 出入りの商人に頼まれた薬草を手渡し、報酬をもらう。 渡された革袋からコインをいくつか取り出して、店主に渡す。 店主は枚数を数えて1つ頷くと、部屋の鍵とパエリアの乗った皿を渡してくれた。  アイーシャはテーブルにつき、香草の効いたパエリアに舌鼓を打つ。 その間に、店の入口からなにやら慌ただしく駆け込んでくる者があった。 縦に長い二枚貝と格闘していたアイーシャはあまり気にしなかったが、人数は1人。 店主に何事か話しかけてから、書簡を手渡していた。 アイーシャがエビの尻尾を食べるか否か悩んでいる間に、また慌ただしく出て行った。  パエリアを食べ終わり、スプーンを鉄皿に投げ入れカップに入った水を飲み干す。 椅子から飛び降りたところで店主がアイーシャを呼び止めた。 他にも何人か、その場にいた冒険者を呼び集めていた。 店主は少々早口に事情を説明する。どうやら近隣の村でなにやら事件があったらしい。 少々のお小遣いを手に入れたとはいえ、まだ宿代や路銀に不安の残るアイーシャは、 その依頼を受けることにした。  荷物をまとめ、馬車に乗り込む。 中にはもう他の3人が座って待っていた。全員揃ったことを確認して、御者が馬に鞭を放つ。 村に着くまでに軽く自己紹介を済ませておくことにした。  がっしりとした体に槍を担ぐ男は、ライムント・ブロッホというらしい。 ファイターで、ライダー、そしてウォーリーダー。 なるほど。戦場に1人いればすなわち中心であり、切り込み隊長でもある。 アイーシャはウォーリーダーと呼ばれる戦い方をする冒険者にはまだ出会ったことがなかったため 独断と偏見で印象を決めた。ちなみに、乗るのは馬らしい。  続いて細身で華奢で儚い印象を受ける銀髪の男。名はリュヌ・アヴーグル。 一目見てハイマンだとわかるその男は、素性もハイマンらしく魔法使いであり、神官であった。 魔法に関しても良く知らなかったが、魔法使いとは何度も冒険をともにしたことがある。 頼もしい味方になるだろう。サカロス神については、酒臭い思い出しか無いが。  最後にシーツ・ナイトキャップ・シーツと名乗った女。 コイツがまたよく喋る。頭の中がだだ漏れてるタイプだ。多分。 種族はラミア。その辺りはさすがリオスといったところか。 素性は拳闘士であり、尻尾を用いた独特な型をとるらしい。 「自分の血は吸わないでくれ」と念を押しておいた。 貧血で倒れるどころか、場合によっては死んでしまう恐れすらあるから。  そうこうしているうちに村へ辿り着いた。 村には大きな鉄扉が付けられていて、「大げさだなぁ」と思っていたが 近づくと、それがもはや機能していないことに気がついた。 潮風に揉まれ、錆びてボロボロであり、片方はなんと外されて立てかけてあった。 だが丈夫さはまだ失っていないらしく、閉じればちゃんと機能するらしい。 「蝶番が壊れたんだ」と誰かが言っていた。  村長やアバリと名乗った男から現状を説明される。 数日前からこの村の近くにある海底遺跡、そこから伸びる塔から謎の砲撃がある。ということらしい。 すでに幾つかの漁船が砕かれており、死者まで出ている。 海辺の村で漁が出来ないのは致命的である。漁船に乗っていた生き残りから話を聞くことにした。 目撃情報によると、魔法のような光線が漁船を貫いた。塔まではかなり距離がある。そして事前に警告や予兆などはなかった。 …なんとまぁ。大胆な長距離砲撃である。一撃で漁船を貫くとは。 海上から船で近づくという案はすぐにお流れになった。  それからもう一つ、不思議なお伽話と、事件発生からもう少し前に訪れた2人組の男女の話を聞いた。 冒険者の勘としては、その2人組は明らかに怪しいものであった。タイミングはばっちりだし。 1人は村の人たちと祖先を同じくする…と本人が言っていたらしい。故郷に帰ってきたとかなんとか。 事実、その女は村人の特徴とよく似ていた。この村の住人は、何故か八重歯が普通の人より多いらしい。 その女も、祖先を同じくするという言葉通り八重歯が多かったそうだ。 もう1人の男はお付の護衛との話だ。まぁ、なんにせよ怪しいことには変わりない。  しかし、その2人組に関してはそれ以上の足取りが掴めなかった。遺跡に向かったらしいが…。 結局、あの遺跡を調べること以外に出来ることはなさそうだった。 遠方から光線で迎撃してくる遺跡など、どうやって近づけばいいのか。アイーシャは一度ため息をついた。  しばらくあーだこーだと議論を続けたが、「囮の船を用意する」ぐらいしか具体的な案は出なかった。 その囮の船にしても、空にするだとか、ゴーレムをのせるだとか、村に残ってる船を使うのかとか。 どうにも方向性が定まらないものだった。村に残ってる船を囮として使うのは、さすがにナシにしたが。 地上から地下道などで近づけないのかと問うと、地下道はないが、一番近づけるところなら。と地図のある一点を示してくれた。 それ以上進展はなさそうだったので、新たな手がかりを求めてその場所に向かうことにした。  村は崖に囲まれた砂浜にあり、村に入る唯一の道をあのおんぼろな鉄扉が守っている。 その崖の上を海沿いに進めば、すこし飛び出た崖にたどり着くらしい。そこが、一番あの遺跡に近い場所だと。 言われたとおりに進んでいると、不意にアーシャの視界の端に何かが映り込む。上空に伸びる煙であった。 パーティ全員に伝え、気を引き締める。煙の根本に近づくと、テントが1つと焚き火と、女が1人。 ピリリとした空気が走る。 焚き火のそばにいた女がこちらに気がつくと、持っていた木の棒を構え、「敵襲ー!!」と大声を上げる。 こちらも各々武器を構えて戦闘態勢に入る。向こうのテントの中からも、魔法戦士然とした男が転がり出てきた。  アイーシャはテントから出てきた男の顔を見て思わずつんのめった。 その男はアイーシャと同じ冒険者の宿、シャトー・ホーリーローズで仕事をしていた冒険者、イヅルだった。 急いでメンバーを制止し、指を指して大声を上げる。「あ、ちょ、ちょっと待て!お前、知ってるぞ!!」  皆でとりあえず焚き火のそばに座り、それぞれの事情を話す。 アイーシャはちょっと面倒なことになるかもしれないと考えていた。「まさか依頼が被ったのでは」と。 基本的に仕事の依頼は冒険者の宿ごとに振り分けられていて、他の宿の冒険者と被ることはない。 それは手柄や報酬をめぐっていざこざを起こさないようにするためだ。 冒険者同士でお互い潰し合うなど馬鹿らしいにも程がある。冒険者の宿の上にある組合は、依頼を各店に振り分ける役目も果たしていた。 しかし極稀に起こりうるのが、「緊急事態」と「依頼被り」だ。緊急事態とは例えば蛮族の大群の侵攻が合った場合などだ。 そして依頼被りとは組合のミス、店のミスなどで同じ依頼を別々の店に同時に振り分けてしまうことだ。 この場合、報酬は成功した冒険者の店のモノであり、場合によっては他の店や組合まで巻き込んだ大喧嘩になることがある。  そこまで考えを巡らせたところで、イヅルから「別の依頼で調査に来た」と告げられる。 どうやら、取っ組み合いの大喧嘩は避けられそうだ。  そして、件の怪しい2人組というのが、目の前にいるミユキとイヅルであることも同時にわかった。 まぁ、魔剣があるらしいから調査しろという名目で、村人に変装するのはわからなくはないが… アイーシャはミユキを見つめる。ミユキは見つめ返し、てへぺろ☆と舌を出す。 「シーツ。死なない程度に殴ってもいいわよ」 そういうのにはもちろん訳があった。  2人は遺跡に関する情報を得た後、すぐに遺跡に向かったそうだ。その時はまだ砲撃がなく 比較的安全に遺跡に辿りつけた。だが、その遺跡には入り口が見当たらなかったそうだ。 (実際にはあったのだろうが…) そこで、そこのクソ女(失礼1)遺跡の外壁を爆破したという。 古代遺跡に並々ならぬ憧れを抱くアイーシャは、その話を聞いて思わず怒鳴ったものだ。 そして、その爆破のすぐ後にあの遠距離砲撃が始まったらしい。 とっととコイツらを村に突き出して帰ろうかとも思ったが、それでは報酬は出ない。 ミユキに対して、イヅルは非常に申し訳無さそうな顔をしていた。無理もない。 「あの砲撃の射程範囲は大体500mぐらいだ。それから、霧や雨の日は命中精度が悪くなって反応範囲が狭くなる。」 やらかしガールの相方イヅルは、2つの情報をくれた。 アイーシャ達はその情報を頼りに