タイトル:autome_low_004_190 キャラクター名:一條 莉子(いちじょう りこ) 種族:オーヴァード 年齢:16 性別:女 髪の色:赤銅色 / 瞳の色:赤 / 肌の色:白 身長:160 体重:42 ワークス  :FHチルドレンC カヴァー  :不良少女 シンドローム:ハヌマーン、ソラリス ■ライフパス■ 覚醒:生誕 衝動:吸血 ■能力値と技能■ 【肉体】:1 (シンドローム:1,0 ワークス: ボーナス:0 成長:) 〈白兵〉:SL / 判定 1r 〈回避〉:SL1 / 判定 1r+1 〈運転〉:SL / 判定 1r 【感覚】:1 (シンドローム:1,0 ワークス: ボーナス:0 成長:) 〈射撃〉:SL / 判定 1r 〈知覚〉:SL / 判定 1r 〈芸術〉:SL1 / 判定 1r+1 映画鑑賞 【精神】:3 (シンドローム:1,1 ワークス: ボーナス:1 成長:) 〈RC〉:SL2 / 判定 3r+2 〈意志〉:SL1 / 判定 3r+1 〈知識〉:SL / 判定 3r 【社会】:4 (シンドローム:1,3 ワークス: ボーナス:0 成長:) 〈交渉〉:SL / 判定 4r 〈調達〉:SL / 判定 4r 〈情報〉:SL1 / 判定 4r+1 FH 【HP】    25 【侵蝕基本値】 38% 【行動値】   17 【戦闘移動】  22m ■エフェクト■ 《スキル名》   /SL /タイミング /判定/対象 /射程/コスト/効果など 《ワーディング》 /★$/オート$   /自動/シーン/視界/-$  /非オーヴァードのエキストラ化 《リザレクト》  /1$ /気絶時$   /自動/自身 /-  /[SL]d$/コスト分のHPで復活 《サイレンの魔女》/5 /メジャー  /対決/シーン/視界/5   /攻撃力+[Lv×3] 装甲無視 コンセントレイトと組み合わせ不可 《流血の胞子》  /3 /メジャー  /対決/-   /-  /2   /命中時邪毒付与 邪毒LvはこのエフェクトのLvと同じ 《先手必勝》   /4 /常時    /-  /自身 /-  /-   /行動値を+[Lv×3]する 《マシラのごとく》/3 /メジャー  /対決/単体 /-  /5   /攻撃力+[Lv×10] 判定時ダイス-5個 《疾風迅雷》   /1 /メジャー  /対決/-   /-  /3   /ドッジ不可。シナリオLv回 《終焉の残響》  /1 /メジャー  /対決/-   /-  /4   /対象はリアクション不可 カバーリングした場合もガードできない 《活性の霧》   /4 /セットアップ/自動/単体 /視界/3   /攻撃力+[Lv×3] 自身のドッジ時に-2D ■装備とコンボ■ ・武器とコンボ 名称          価格 種別 命中 攻撃力 G値 射程 メモ [C]シーン攻撃(80~99)    3   5r+2 27      視界 侵+13 装甲無視 邪毒Lv3 <<サイレンの魔女>>+<<流血の胞子>>+<<疾風迅雷>> (前提:<<活性の霧>>) [C]シーン攻撃(100↑)     3   6r+2 33      視界 侵+13 装甲無視 邪毒Lv4 <<サイレンの魔女>>+<<流血の胞子>>+<<疾風迅雷>> (前提:<<活性の霧>>) [C]単体攻撃 (100↑)     3   1r+2 73      視界 侵+18  装甲無視 邪毒Lv4 <<サイレンの魔女>>+<<マシラのごとく>>+<<流血の胞子>>+<<疾風迅雷>> (前提:<<活性の霧>>) =価格合計= 0 pt ・防具     装甲 回避 移動  価格  名称 / 備考 鎧 :               / 下着:               / 修正: = 合計 =  0   0  17   0 pt ■所持品■ 名称            単価 個数 価格 備考 携帯電話             1   0   頑丈そうなデザイン。 解毒剤              1   2   メジャーアクションで邪毒を解除 アイスピック(ナイフ相当)    1   2   命中-1 攻撃力+2 (ほぼフレーバー) エンブレム:コンビネータ―    1   0   対象に1点以上のダメージを与えた場合 そのラウンド間ダメージ+2D 情報収集チーム          1   2   <情報:>の判定に達成値+2 シナリオ3回 =所持品合計=     6 pt =装備合計=      0 pt = 価格総計 =     6 pt 【常備化ポイント】 8 pt 【財産ポイント】  2 pt ■ロイス■ 対象       好意 悪意 備考 Dロイス:亜純血       「疾風迅雷」を取得 木岸葉子/親友  尽力 悔悟 莉子が力を暴走させた際に,彼女の毒によって昏倒。現在も植物状態になっている。 八坂燐子/相棒  信頼 悔悟 元UGNチルドレン。とある事件でFHに転向し、それ以降は莉子と組んで仕事をしている。 ■その他■ メモ: 邪毒サイレン。1回だけ強めの単体攻撃ができるぞ! ------------------------------------------------ FHチルドレン。かつてカルト教団によって劇毒を造り出す力を与えられた。 とあるFHセルが教団を壊滅させた際に捕縛され、FHに所属することに。 "欲望"は、FHセルとの戦いの際に、暴走した莉子の手によって重傷を負った親友を救うこと。 ------------------------------------------------ ◇外見 赤銅色の髪と、黒いキャスケット帽がトレードマーク。 痩せぎすの身体を大きめのモッズコートで覆い、猫背気味に歩く。 あまり感情を顔に出すことはなく、淡々とした印象を相手に与えやすい。 ◇性格 皮肉屋で世間ズレした性格。必要以上に他人に強く当たることも。 心根は素直で、他人を思いやる優しさを持つ少女ではあるが、過去の経験やそこから来る罪悪感から "そのような振る舞いは自分にふさわしくはない"と、偽悪的な態度を取ることが多い。 ◇戦闘スタイル 毒使いのオーヴァード。元は風を操るハヌマーンのピュアブリードだったが, 後天的に猛毒を生成する能力を与えられた。この2つの能力を組み合わせ, 広範囲に猛毒をまき散らすのが彼女の戦い方。 かつて対決したオーヴァードが使用していたエフェクトを模倣し、 高濃度の毒を狭い範囲に集束させる技術も身につけている。 また、八坂燐子と組むようになってからはある程度味方の動きを 意識した立ち回りもできるようになった。 ◆ちゅうい◆フレーバーテキスト◆とても長い 赤い。視界の全てが赤かった。 燃え上がる教団の研究施設、自分の撒き散らした真っ赤な劇毒、倒れた信者たちの身体から止めどなく溢れる血。 その中を、襲撃者たちは悠々と、まるで散策を楽しむかのように資料やデータを奪い取り、生き残りの信者たちを蹂躙していく。 今、道に落ちたトマトか何かのように頭を踏み潰されたのは、いつも口うるさい世話係の中年女性。 何かにつけて「いいですか、神の子たるもの......」なんて言ってくる地に足の着かない面倒な女、うざったいとしか思ったことのないオバサンだったが...... それでも目の前でこうも無慈悲に、無残に殺されたら、すでに煮えくり返っているはらわたが手が付けられないほど熱くなってしまう。 もっとも、肝心の自分の身体は情けないことに限界に近かった。普通の人間ならもう10回くらいは死んでいるような傷を負って 血まみれで床に転がっているという、死体より若干マシという有様だ。それでも、自分はこういう時の身体の動かし方を知っている。 普段、自分を「人間」という枠に縛り付けている......あるいは繋ぎ止めてくれている鎖のような何か。 それを引きちぎって、自分の中で燃えたぎる衝動の火の中に焼べてしまえば、自分の内側からいくらでも力を引き出すことができる。 ......そしてその代償は、誰かに教えられなくても、感覚的に理解できていた。それでも。 「.......まぁ、いいや」 なんとなく捨て鉢な言葉が口の端から漏れ、血に濡れて、髪の毛と同じく真っ赤になった身体を難儀しながら起こす。 それに気がついたのか、襲撃者はこちらを見て、少しだけ驚いたような表情を浮かべる。 そしてその瞳に殺意はない。死に損ないが立ち上がって、それからどうするのか?興味深く観察する構え。平たく言えば油断している。結構な事だ。 くすぶった炭のように真っ赤に染まった右腕をおもむろに前に突き出す、と同時に理解する。―――ここから先に進めば、もう人間には戻れない。 脳裏に浮かぶ警鐘を、皮肉な笑みで一蹴する。それがどうした。神の子だ何だか知らないが、生まれた時から怪物じみた力を使えた。 頭のおかしい宗教団体に目を付けられて、無尽蔵に劇毒を精製するなんていう迷惑極まりない力まで押し付けられた。 そんなヤツのことを、普通は、そもそも人間とは呼ばない。胸を衝く衝動に、口元が獰猛に吊りあがる。 どす黒く、燃えるような力が身体の内側から湧き上がってくるのが分かった。 息を吐き、指先に意識を集中させる。人外の力で巻き起こした風に、彼岸花のように赤く染まった右手をかざす。 相手はこちらの出方を伺っているのか一向に動かない。それどころか、自分以外の何かを見ているような気配すらあった。舐められている。上等だ。 意味を成さない叫び声を上げ、巻き起こした風を相手に叩きつけ...... その瞬間、視界が暗転した。気付くと、誰かの手で、自分は背中から地面に倒されていた。 潰された肺から勝手に息が出て、衝撃に思わず目をつむる......しかし、痛みはほとんど無い。何故。瞼を開けると疑問はすぐに解けた。 「だめ......だよ」 葉子。口をついてその名前が出る。襲撃者が興味深そうに見ていたのは自分ではなく、彼女の動きだった。 親友の姿は自分と同じく傷だらけで......しかも至近距離から劇毒を浴びたせいか、その手は震え、顔色は見る間に悪化していく。 それでも彼女は愚かな友人の、未だに燃えるように赤く染まる手に自らの白い手を重ね、震える唇で言葉を紡いだ。 「......生きて。莉子ちゃんは.......本当に苦しんでいる誰かを救える人だから......」 ......その言葉になんと答えたかは記憶にない。呆然としている自分に、襲撃者が興が冷めたとばかりに放った蹴りを躱すことは出来なかったからだ。 鋭い痛みと共に、意識が刈り取られ、世界は暗転する。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「......またかよ」 赤毛の少女は、眼が覚めるや否や嘆息した。今は白い右手に、嫌な汗をかいた感触が残っている。また昔の夢を見てしまった。 なぜか最近、忌々しい夢を見る頻度が上がっている気がする。 部屋の中は真っ暗だ。一条たりとも太陽光を入れまいと執拗に閉め切られた二重のカーテンのせいで今の時間がわからない。 うんざりした顔で壁の時計を見上げると、まだ朝の10時。思わず半目になる。昨日は"夜勤"だった。 中途半端な時間に起きたせいで全身がだるいし、頭がぼんやりしていた。あんな夢を見た後ではあるが、やはり眠気には勝てない。 寝返りをうって二度寝しようとして......そこにあるべきではない間抜け面に気がつく。思わず呟く。 「おい」 まとまりのないボサボサの茶髪。口元の緩みきった幸せそうな顔で小柄な少女が眠っている。他人のベッドで。 「......うへへへぇ......いいね、そのサーバーぁ......でもぉ......もっと小さくならないかなぁ......」 胡乱な少女が意味のわからない寝言と涎をベットの上に撒き散らす。急速に血圧が上がっていく。 「おいこら。寝ぼけてんじゃねー。カニのベッドは向こうだろ」 不機嫌そうな赤毛の少女の抗議も、カニと呼ばれた闖入者の愚かな夢を覚ますには至らず。逆にこちらの上半身に抱きつくような形で身体を寄せてくる。 いよいよ鬱陶しくなり、引っ叩いてでも起こそうと決意。だがカニは以前夢見心地で、赤毛のイラつきなど意にも介さない。 「......えへへぇ......そうそうー......いいねぇ......この小ささだよぉ......出っ張りの少ないデザインがとってもユーザーフレンドリぃ......」 手より先に足が出た。 ばたん、ばたん。上の階の騒ぎが聞こえて、白髪頭をオールバックにまとめた年老いた男は溜息をついた。またか。 バーの営業が終わった後、一眠りして目覚めたばかりだったが、サンドウィッチをこしらえる男の手は淀みなかった。 歳を取って良かったと思う数少ないことが、あまり眠らなくても仕事に支障が出ないことだ。......いや、そもそもこれは仕事なのかどうなのか......。 首を傾げた男の思索はすぐに遮られた。階段からボサボサ頭が転がり落ちてきて、それを追いかけるように赤毛がのしのしと降りてきたからだ。 赤毛はいつものように無表情だが、どうやら怒っているらしい。 「......あ?誰の?何が?小さいって?あ?」 「ち、違うって!りこちゃんのアレじゃなくて、私の理想のサーバーがさぁ......って痛い!痛いから!」 ボサボサは起き上がる間も無く赤毛に足蹴にされ床に転がっている。 助けを求めるような哀れっぽい目をカウンターの奥に向けるが、男はキュウリを刻むことに集中していた。 「お前も出っ張りの少ないデザインにしてやる」 「べ、ベッド間違えたのは謝るからさ!本当に痛いって!」 さらに赤毛がボサボサを踏みつけようとしたところで、二階から遠慮がちな声がかかる。 「......あの、莉子さん?希乃さん?」 希乃と呼ばれたボサボサが縋るような目を階段の上に向け、莉子と呼ばれた赤毛が動きを止めた。 「......あー。悪ぃ、リン。起こしたか」 「うぅぅ、りんこちゃん助けてぇ......」 長い黒髪の少女が、とんとんとん、とリズムを刻むように古びた階段を降りていく。伸びた前髪が揺れ、金色の瞳がのぞく。 「朝から元気なのはいいですけど、ほどほどにしてくださいね。......あ、おじさま。おはようございます」 長い髪の少女が一礼する。男はうるさそうに手を振り、年季の入ったカウンターの上にサンドウィッチの乗った大皿を音を立てて置いた。 「.......ようやくお目覚めか、不良娘ども。片付かねぇからさっさと食え」 男の憎まれ口に、あぁ?と赤毛が睨み返し、ボサボサは何の変哲もないサンドウィッチに眼を輝かせ、黒髪は行儀良くスツールに腰掛けると両手を合わせた。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「"ヒュドラの血"。極めて小規模なFHマーセナリー集団。特定のセルに所属せず、あちこちの戦場に現れる。構成員はみな癖の強いオーヴァード。 少人数ながら油断ならない戦闘力を持つ.......だってさー」 ボサボサがサンドウィッチを片手に、どこか嬉しそうな顔でプリントアウトされたA4用紙に目を通している。 「えへへへ。なんか名前が売れてきたんじゃない、私たち」 呆れた声で赤毛が返した。 「アホか。こんな仕事で有名になってもやり辛くなるだけだろ......っていうか、何の話だ、それ」 「UGNの報告書。ここの街の支部にハッキングするついでにいただいてきたんだー」 「......」 渋い顔をする赤毛を見て、黒髪が口を開く。 「......まぁ、私たちの知名度が上がるということは一概に悪いこととも言えません」 「......?」 首を傾げる赤毛に、黒髪はハンカチで口元を拭いながら答える。 「私たちが有用であることが知れ渡れば、私たちを利用しようとするものも増えます」 「それの何処が良いことなんだ?」 「つまり、接触してくる相手も増えるということ。そうすれば、情報が今まで以上の早さで集まります。......その中には、私たちの欲望に関するものもあるでしょう」 「......そんな連中が持ってくる情報なんざ、信じられたもんじゃねーと思うけどな」 サンドウィッチからハムだけを取り除きながら、赤毛は返した。 「まぁ、リンが言うならそういうことにしておいても構わねーけど。......おいカニ、これ食べな」 赤毛が行儀悪く大皿に戻したハムを指さす。 男はそれを見て露骨にうんざりした表情を浮かべた。 「う、うん。いいけどさ。いつも思うんだけど、りこちゃんはいつもお肉抜きでお腹空かないの?」 ダイエット中?そんなに痩せてるのに?と、ハムをつまむボサボサに赤毛が渋い顔をする。 「ダメなんだよ、肉は......どうしたって製造過程を思い浮かべちまう」 「UGN相手にはあんなに容赦ないのに?」 おかしそうに笑う黒髪。赤毛の顔に余計なことを言った、という後悔の色が浮かんだ。 「あれは別だって。......殺されるときに無抵抗だろ、ブタは」 「どーなんだろうね。牛とかは屠殺される前に泣いたりすることもあるみたいだけどね」 お前の豆知識はいいんだよ、と照れ隠しのように赤毛が小突き。 「つまりその.......そういう一方的なのは......何つーかイヤなんだよ」 言葉に詰まる赤毛に、わざとらしい溜息をつきながら男がぼそりと呟く。 「......お優しい事だな。そんなんだから薄っぺらいままなんだ、お前は」 「......あ?誰の?何が?薄っぺらいって?あ?」 「まぁまぁ!す、スタイルいいよね、りこちゃんは!BMIだけ見たらモデル並みだし」 「......嬉しいこと言ってくれるじゃん。お礼にもう一回踏んでやるよ」 「なんで!?」 ボサボサ頭の座っている椅子を反射的に蹴り倒しそうになったところで......黒髪が熱心に資料に目を通していることに気づく。 そう言えばこんな下らない事をやっている場合ではなかった。 「......なんか良さげな情報、出てるか?」 黒髪はわずかに苦笑しながら首を横に振った。 「残念ですけど、私たちの欲望に関係するようなものは、何も」 「......そうかよ」 「まぁ、そーゆうのあったら私が真っ先に教えるしね」 「.......」 わずかな間会話が止まる。男が無言で、コーヒーの入ったケトルをカウンターの上に置く。 黒髪は読んでいた資料を置くと、慣れた所作で3つ分のカップに注ぎ始めた。 「......ただ」 「ただ?」 「懐かしい人の名前を見つけました」 黒髪の口元に笑みが浮かんだのを赤毛は見逃さなかった。カウンターに置かれた資料を覗き込む。 「......はは、確かに懐かしいね。まだ生きてたんだ、タンテーさん」 その資料を見た赤毛も、皮肉めいた笑顔を見せる。 「探偵さん?」 「死裏愛ルキア。探偵にして猟奇殺人鬼......私がUGNを離れる原因となった事件の、犯人の1人でした」 「た、探偵で殺人鬼で犯人?すごいね、一人推理小説みたいな?」 「はっ、まぁいろんな意味で悪い冗談みたいなヤツだよ。......今もUGNとFHの両方に指名手配されてこの近辺に潜伏中、か。むちゃくちゃだな」 愉快そうに笑う赤毛に、黒髪も口元を歪める。 「......で、どうします?他にめぼしいお仕事もないみたいですけど」 「......ふん」 次の瞬間、資料に載せられていた死裏愛ルキアの不鮮明な顔写真に穴が空いた。 カウンターにまっすぐ突き立てられたアイスピックを見て、男は盛大に顔をしかめる。 赤毛は左手でもう一本のアイスピックを手品師のように弄んでいる。 固まっていたボサボサ頭が抗議するように口を尖らせた。 「......ちょ、ちょっとぉ!危ないよ、りこちゃん!」 「はは、悪ぃ、悪ぃ。......こいつはまた、楽しみだなァ、タンテーさん」 「ふふふ......」 少女たちは笑い......男は溜息をつくと空になった大皿をカウンターから下げた。 この3人がどんな事に関わっているのか......これから関わろうとしているのか。 男はほとんど知らないし、知りたいとも思わない。ただ、明日の朝も、彼は3人の朝食の用意を欠かすつもりはない。 どんな人間であれ、生きている限り食事は必要なのだから。 url: https://charasheet.vampire-blood.net/985824