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【３年前】 目が覚めたのは今から三年前。その前はどうしていたのかはわからない。 一番初めに話しかけてくれたのはキョウだった。型番から特性を知ったのか、それともデータを確認したのか、とにかく初めからハッキング技術のあるアンドロイドであることをキョウは知っていた。キョウから話を受ければスパイロボットとして設定されていた技術はすんなりと引き出す事も出来たし、指示が的確なため迷う事なく元々備えられていた技術を選択することも出来た。SPARROWは個人情報は探らない。だから何故その情報を抜き出したいのか、それにもし個人的な何かが関わっていても知る事はない。それでも失業者の支援、虐待を受けるVOIDの保護を行っている組織にとって、事件の解決を望むことはなんら疑問はなかった。そもそも疑問という概念も認識として間違っているのかもしれない。アンドロイドは人間に仕えるロボットなのだから。2年もの間、様々な事をインプットしてきた。仲の良い組織のメンバーの中でいつも一歩引いて見守りながら、その位置で穏やかとも慌ただしいともいえる日常と化した毎日に、アンドロイドとしてのこの組織の中の立ち位置や、何をすれば役に立てるかを知った。そうして確かに、組織の一員として動いていたのだ。 【１年前】 そうして１年前に、車が襲撃され廃品置き場に放り出された自分に手を差し伸べてくれたのがHO3だった。初対面の筈なのに暖かさを感じたのは、温度センサーにバグが起きていたのだろうか。回路のどこかで、手を差し伸べて拾われた身でありながら守らないととインプットされた。警視庁に運ばれて、そうしてHO3のパートナーロボットになったのはどんな因果かはわからない。けれど気にすることもないのだろう、アンドロイドなのだから。数々の事件を共に解決する中で、HO3に対する感情は人間でいう母親が子に対する親愛と似た愛情になったのだと思う。数々のものを失ってきた彼が不安にならないように、血液が流れる仕組みになっていなくてよかった。泣きたい時に先に誰かが泣いてしまったら、優しいHO3はきっと泣けなくなってしまうから、涙が出ない仕組みで良かった。隠したい顔があるなら抱きしめて隠せるように、体の皮膚が柔らかくてよかった。人間ではないけれど、触れれば安心出来るように、体温があってよかった。HO3がもう何も失わないように、アンドロイドで良かった。 「私が守ります。きっとどんな時でも。だからマスターは安心していてくださいね」 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿オプションについて＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 【人間に近いところで付けたいオプション】 ・流暢にお話が出来る ・なめらかにしなやかに動ける ・おっぱいが柔らかい ・表情に変化を持たせられる ・味覚がある ・恒温の体温を維持出来る 【逆に人間と同じにならないようにしたいところ】 ・誰かが泣きたい時に泣けるように涙はいらない。 ・無駄に見た目で心配させたくないから血液もいらない。 【相談したいオプション】 ・自動翻訳機能（英語、フランス、中国語など主要国家） ・スリープ機能（バッテリー充電をセルフですることは可能か） ・飛行機能（出し入れ可能な羽はやして飛びたい） ・アレクサ機能（「ほよん、電気つけて」で目視出来る電化製品と同期してつけられる。電気以外にも、お風呂も沸かしたいし音楽も流したい） ・収納機能（体の中にある機械と肌を形作っている皮との間に、体を開いてものを収納したい。工具とか救急セットとか拳銃とか） ・スマホ機能（内蔵。自身と映像を映せる媒体を無線で繋げば映像の可視化も可能だったらいいな。あと懐中電灯機能も欲しい） ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿（以下概要事前情報メモ）＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 【アンドロイドの機能】 警官アンドロイドには以下の機能がついてくる。 ▷見た映像をそのままデータに記録する記録機能 ▷アンドロイド同士や無線機との情報の受け渡し 【アンドロイドの故障について】 アンドロイドは応急手当の代わりに"機械修理"でHPを回復する。 回復値は2d3。 アンドロイドはHPが0になっても死亡することはないが、人間でいう海馬にあたる部分にあるスタックと呼ばれる記憶データを破壊された場合記憶を全て失う。 SAN値が0になった場合も同様。 【アンドロイド法】 VOIDの導入に伴って新たに規定された法律。 ロボット工学三原則に習って作られている。 この法を破ったアンドロイドは破壊される。 <ロボット工学三原則> ■第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 ■第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。 ■第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。 (さらにこれに加えて) ■第四条 ロボットは武器の所持を認められない。しかし免許を所得している者に対してはこの限りでない。 ■第五条 アンドロイドは必ず製品番号、マークを体の一部に彫らなければならない。

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