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てんかい おうじ(24) とあるお金持ちの家に生まれた生粋の王子様気質なブティック定員。普段はその容姿を活かしてホストのような格好で接客を勤めている。 基本的に誰にでも優しく、思いやりのある性格をしている。困ってる老人や子どもがほっとけ無かったり、女性には優しくしないといけないと思っていたりなど、かなりの善人のような考えを持っているが、しかし、一方でかなりドライな1面も持っている。 猫かぶり、という訳では無いのだが激情は自分の内に溜め込むタイプ。そして放出する時はジワジワと出してくるのでかなり厄介で怖い。 見た目は完全に外国の人のソレだが、両親は共に生粋の日本人であり、本人も日本生まれ日本育ちの完全日本人。金髪も青眼も自前で、先祖返りである。双子の兄弟を持っており、真反対な趣味や性格ながらもその兄弟のことを家族としてとても愛しているようだ。生まれた時からずっと一緒な為距離感がかなり近いが、互いに恋愛感情というものはなく、ただただ仲が良いだけなのだとか。ちなみにどちらが上かは不明。 小さな頃からずっと親からの教育を真面目に受けてきて、そのうちに紳士である事を身につけた。そのうち名前から”王子“のような素晴らしい人だと噂されるようになり、本人も幼いながらにその期待に応えられるように努力を重ねてきた。幼い頃からそうして身についてきた習慣は無意識のレベルにまで洗練され、王慈は次第に、本当に王子のような人になっていく。見た目は外国人っぽいので初対面ではかなり警戒されやすいのだが本人の見た目の良さと雰囲気の柔らかさに大抵の人が絆されるようだ。そうして周りに沢山の味方を作ってきた王慈はそのうち好意を見極める事に長けるようになり、人の好意の扱い方を心得るようになった。こうすれば人は喜ぶ、こうすれば場の空気は良くなる。そういったひとつの術のようなものを彼は身につけたのである。 彼はずっと恵まれていた。両親はとてもいい人で、先祖返りでおおよそ日本人らしくない見た目の自分や双子の相方を愛してくれたし、色々な事を教えてくれた。お金持ちの家だったためお金などに困ることはなく、したいことは余程の事でない限りなんでも出来た。小さい頃からの無意識レベルでの習慣から周りの人に好かれ、その性格から周りには良い人が集まってきた。そう、本当に全てが全て恵まれていたのである。 けれど彼は次第にその何もかもが上手く行きすぎているという現状に飽きを感じ初めてしまった。夢中になれる事は無くはないが、心の底から夢中になれる訳でもない。 もっと夢中になれるものが欲しい。そう思いながら双子の相棒と別れ高校へ進学した時。王慈は運命の出会いをした。 初めはとある通学中の電車の中。1人の少女のような人物が痴漢に会っていた。それをその性格や性質から見過ごせなかった王慈は反射的にその少女らしき人物を助けたが、相手は何を思ったのか王慈の顔を見た瞬間逃げ出してしまった。その時合わせた顔を見て、王慈はその人物の綺麗な顔立ちと仕草に一目惚れのようなものをする。生まれてこの方感情等には人一倍敏感である王慈はそれが恋では無いという事を理解した。それは、恋というには余りにも神聖で、触りがたいようなナニカ。しかし、すぐに逃げられてしまったために王慈はそれが何なのかハッキリ掴むこともできず、そのまま数日が経った。

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