タグ： くろさわ家

「大丈夫？手を貸そうか？」 「困ったらとりあえず言ってみ、力になれるかもしんねぇし」 「……あ～、それは自分でやんなきゃな？」 どこにでもいる平凡な子どもであった。家の中で遊ぶより外でサッカーをするほうが好きな元気な子。戦隊ものヒーローをみてテレビの前でハラハラするのが好きであった。正義が悪を倒す姿はとても美しく見えた。明るく真っ直ぐではあるが、実はかなり大人びた考えをもっており、正義の反対は正義で、勝った方が正義になるという考えを持つ子供であった。そんな彼のもう一つ変わっているところと言えば家庭環境である。兄が一人いるのだが曲者。彼の朝は兄の絶叫を聞く所から始まる。絶叫は夜中も続いており、親が心配して病院に通わせるが治る気配が感じられない。そんな兄に家族は全員少しずつおかしくなっていき、精神病患者となってしまった。家族のことは愛していたので落ち込むが、元来の彼は冷たいところがあったためなんとか達観してみることができた。そのためおかしくはならなかったが逃げるように全寮制の高校に入学する。兄のことは嫌いでないがかなり特殊な人間が身内にいるという自覚はある。 そのため明るい彼ではあるがかなり割り切った性格をしており、まじめで優しく人には接するが周りが自分になにかをしてくれるという考えは薄い、自分のことは自分で助けるし、人は自分が手を貸そうと貸さまいと勝手に助かるであろう。 性格は明るく素直。家族の関係性がごたついているがそれを表に出すことはないだろう。周りをよく見て行動できるし、周りの人のために努力が出来る人。だが一線ひいて周りに接する、それゆえの優しさであろう。心から他人を信じることは少ないが身内は現在兄のみ。完全に不服である。自分の信じる道を進むことが人生において大切であり、またその先で勝つことが重要である。家族は勝てなかったのであろう、兄を除いて。 20181228 罪を孕みし堕落の子ら 似姿 融弥(にすがた ゆうや) 漆川 松彦（うるしかわ まつひこ）

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