タグ： 佐竹班 ⚠️ネタバレ注意

--------------以下ネタバレ注意-------------- 父親と2人暮らしでその生活は悲惨なものだった。 しかし、それは5歳の頃までで　父親を殺めて　からは双子の兄とともに殺し屋で育つ。 双子を育てていく程のお金がなかったことから、闇医者の元で子を産むと、父親は母親に片方の子を捨ててくるように指示をする。 子を捨てるということができなかった母親は、子とともにビルから身を投げる。 何かがクッションになったのか、奇跡的に赤子は生きており、殺し屋に拾われたのだと、後々知ることとなる。 1人となった父親は唯一の家族である子を当初は利用できるかと思い生かしたが、日に日に疎ましく思うようになり、来る日もくる日も暴力をふり続けた。 父親は、目に見えない場所を徹底的に痛めつけたため、当初は周りにバレることはなかった。 けれど、家でご飯が出てくることはあまりなかったため、痩せ細った体は誤魔化すことが出来なかった。 少しずつ疑われ始めると、今度は子を家に閉じ込め、居留守を使うようになった。 そんな地獄のような日々の中、唯一楽しみにしていたことがあった。 双子の兄、流(ながれ)が遊びにきてくれることだ。 いつも父親が外出している時に訪れた"初めての家族"と話すことが何よりの幸福だった。 ある日、いつものように父親からの暴力に耐えていると、不自然にその行為が止まる。 顔を上げると、いつの間にか父親が標的を変えていた。 それが兄であることと同時にいつものとは比べ物にならない程の暴力を受けていることに気がつく。 このままでは、兄が死んでしまうかもしれないと思った瞬間、落ちていたナイフを手に取り、走っていた。 そして思いっきり父親の背中へ飛び込む。 その後はあまり覚えておらず、気がつけば兄とともに殺し屋の住処に足を踏み入れていた。 『俺たちは2人で1つなんだ！だからお願いします！！』 女性にそう告げる兄の目は必死だった。 どうにか了承され、今までの名は捨てることとなった。 そうして、流(りゅう)と名付けられ、新しい名前と共に生きていくこととなった。 それから数年後、双子はとある依頼を受けることとなる。失敗は許されないほどの重要な内容だった。 順調に依頼の内容をこなしていたが、最後の標的との応戦の際、流(ながれ)が隙をつかれて、両目に傷をつけられる。 それでも流(ながれ)は底力で何とか標的を殺める。 その後、流(ながれ)は失明する。 今後のことを話しているボスの口からは、使えないのであれば廃棄するしかないと言っているのを耳にする。それからの行動は早かった。 闇医者の元へと行くと、自らの片目を兄の片目に移植してほしいと依頼する。 そうして、双子は片目には義眼を入れ、元は1人の目だったものを2人で見ることにした。 兄がかなりの気分屋のため、いつも振り回されていることが多い。 だが、我慢の限界値を超えると、一切何もしなくなる。そうなった場合は兄の流(ながれ)でさえもご機嫌を取ることができない。 だが、甘い物を献上すれば、意外にも機嫌は直るのだという(兄の証言) 殺し屋の仕事をする際には、日頃のストレス発散場所としている節がある。 幼い頃に父親を殺したことが酷くショックだった為、その辺の記憶は曖昧になっている。 今でも思い出すと混乱してしまうが、流(ながれ)がつく嘘、　2人で殺した　のだと思い込ませている。 元々の性格なのか、真面目で細かい。 そのため、デスクワーク系の仕事はじっとしているのが苦手な流(ながれ)の代わりに対応している。 ある日、クレーム処理だと依頼があり、面倒ながらも最終的にはボスの命令で依頼人の元へと向かう。 話には聞いていたが、今回は別のチームと組んで行う仕事に、当初は流(ながれ)がいることで余計な仕事が増えないか心配していた。 自分たちだけならまだしも、流(ながれ)の行動で他を巻き込んで騒ぎを起こさないように、見張らなければいけないという理由で、面倒だなと感じていた。 少女ながらも、冷静に指示をし、的確な判断をするマリア。一見、大人しそうで優しそうな印象だが、殺しは高い腕前を持つナナシ。 接していくうちに2人に懐いていく流(ながれ)をみて、何故だか安心した。 しかし、いつだって別れはやってくる。 少し寂しさを感じながらも、2人に別れを告げる。 自分たちは2人だけで生きていかなければいけないのだ。 かつて、流(ながれ)を廃棄しないでほしいと懇願した際にボスと誓約を交わす。 【流(ながれ)が仕事以外で、他人と必要以上に親交を深めていたら…それを阻止し、止めること】 その意味は理解していた。 自分では到底敵わないこと…、それは殺しの仕事。 殺しの仕事において、幼い頃から訓練を受けている流(ながれ)は天才的と周りから言われる程の実力を持っている。 今も尚、それは変わらない。 だからこそ、流(ながれ)ができないことをすることで自分の存在意義を確立させる。 見送る2人を、気づかれないように振り返る。 心のどこかで少し寂しさを覚えたが、決して気づかないフリをした。

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