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武家出身の華族 祖先は北国出身の大名であった。 女学校の3年生 17歳。 同じ学校の生徒からは『凛様』と呼ばれ秀才の高嶺の花として崇められている。何でもそつなくこなし、周囲にも分け隔てなく優しく接す。 物語の王子様のような振る舞いや完璧な令嬢としての振る舞いをするため、このような扱いになっている。 実際の中身は不器用な努力家であり、周囲に見せている姿は『潮見家に求められる完璧な令嬢』になるために必死に作り上げているものである。 落ちていく家を｢自分が支えなければ｣という気持ちが強く、何でもできる令嬢像を目指すようになった。頑張れば報われるという言葉を信じたいと思っている。 武家が祖の潮見家では男女ともに剣道を覚える倣いになっている。凛は『守られるだけのお嬢様では完璧な令嬢とはいえない』という信念から、幼い頃から毎日稽古に励んでいる。 幼い頃は今よりももっと勝気で高飛車なお嬢様であった。この時には家を背負わなければという責任に気づいており、どうしたらよいのか迷走しているところだった。 使用人の間宮碧と出会ったのは10歳のとき。 使用人をつけると言われた時に、｢この私の使用人となるならば、実力を証明してみせなさい！｣と喧嘩を売り、剣道の試合をけしかけたが、碧は武術においては数段格上の相手であり打撃をいとも簡単に全ていなされた。試合で負けるよりもより悔しさと情けなさを覚え、このままではいけないと一層稽古に力を入れるようになった。 逆に華族の世界を知らない碧に対して、お姉さんぶりながら文化や振る舞いを教えたり、落ち込む碧を不器用ながらも元気づけようと奔走したりと、少しずつ中を深めていく。 仕事に中々慣れることが出来ず、落ち込んだ碧に対して、｢この私が認めたのだから、しゃっきりなさい！堂々と誇りをもちなさい！｣と言って励ましたこともあるが、素直になれなかったとは言えあの言い方はないだろうと今では恥じている。幼い頃の振る舞いは黒歴史で、戻らないようにと今は丁寧な言葉遣いを心がけているが、碧に当時の頃をからかわれると素が出てしまう。 強くあろうとしている所も本当はそこまで強くない所も頑張って足掻いているところも全て見られていて、全てを知っていてくれている碧には一番心を開いている。凛にとって一番頼れる存在である。 使用人として努力し続けるところや、自分と同じ目線でものを見てくれるようなところ、使用人と雇い主の令嬢という関係であっても軽口を叩いてくれたり切磋琢磨しあってくれるような存在である碧に気づけば惹かれてしまっている。 しかし、家族のため、潮見家のために身を捧げなければという想いも強くあり、心情は惑っている。 今は溢れてしまいそうな想いに蓋をするために、『碧の幸せが自分の幸せである』と考えて、この先どんな事があっても碧が幸せであるようにと行動を心がけている。

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