タグ： 杜甫kuresu

男として育てられたアルドリッジ家当主。喉を潰されているが、それでも尚人を惹く声を持つ。現代で言う1/fのゆらぎ。 そうあれかしと育てられたからかそうであったのか、多くの女性と色欲に落ちる半生を送ってきたが、ある時に「足りない」と気づいてぱたりと愛することを辞めてしまった。若すぎる絶望とも言える。 貴族の嗜みとして遠方へ旅立つのは風習であったが、彼女はその中で「聖遺物」とも呼ばれる神の息のかかる死体を謁見した時に人生を変える。それは人であったが、我々とあまりに程遠い原形質。彼女は脇目もふらずにその死骸を解体し、知り、そして気づいた。 神は人が殺せる塵芥で、我々は儚い地平線の蜃気楼。彼女にとって全ての価値が虚無に帰し、同様に全てが尊いものとなった。彼女は足りないどころか、有り余っていたのである。 彼女はそれからも「触れてはならないもの」を様々な手練手管で触れ、見聞し、”解体”した。その様は何時からか吟遊詩人にも唄われ、その神聖を汚すような後ろ姿から「神喰らいのエルドリッジ」として語られるようになった。 多くの早すぎる真相に入り浸った彼女は世界の果てを信じず、宇宙の流転を疑い、神の打倒を信仰する。現代で言えば当たり前のことだが、その風当たりは強く、彼女は多くのものを失ってきた。 中世の人類には程遠い人を一としか数えない感覚は多くの人々を畏れさせるが、彼女はあらゆる事実に寛容なだけであり、何かを捨て去った人物ではない。 もちろん、多数の利益のために少数を平然と殺すだろう。神を恐れたどころか、神を騙るに等しい残虐さを振り翳す姿も異名を知らしめる所以として囁かれ、あまりに無法な傭兵達は彼女に兵法と指揮作法の教えを請うこともあるらしい。 「私は間違っているのかもしれないが、ならば過ちの第一人者になろう。大丈夫、君達は私を踏み台にするに足る祝福された者達だとも」

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ