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誕生日：6/12 代々花園病院という総合病院を経営している非常に裕福な家庭。 両親共に医者で、理想が高い。病院を継いでもらうためには男の子が欲しかった。 しかし最初に産まれたのは彼女であった。 両親はそれを悲しんだが、すぐに立ち直ると、彼女の教育を始めた。いずれこの病院を継ぐエリートになってもらうために。 彼女も両親に褒めてもらうために努力した。絵に描いたような優等生となった。しかし、両親の理想には届かなかった。 気に入らないことや間違えたことをすれば彼らはすぐに彼女に手を出した。しかし彼女も、「私がダメだからいけないんだ」と甘んじてそれを受け入れた。 また、ずる賢い両親は他の人に悟られないように腕や首などの見えやすいところは少なく、腹や背などの見えづらい部分にひどく暴力を振るった。 家柄の影響もあってか、周囲からの信頼も厚く、学校には「肌が生まれつき弱い」という理由で常に長袖を着ている。 一度だけ逃げたいという思いから警察に連絡しようとしたが、それがバレてよりひどい暴力を振るわれたことがあり、以降警察に連絡することもしなくなった。 そのような環境もあり、誰も虐待されているとは疑わず、誰にも相談できず、苦しい思いをしていた。 しかし彼女の精神力も強かった。毎日の暴力はひどかったし、体はボロボロだったが、どんなことがあっても死にたいと思わなかった。耐え続ければいつか幸せになれると思ったから。 日記をつけるのが好きで、毎日日記をつけていた。現実逃避をしたくて、どんな辛い日でも必ずその日にあった幸せなことを書いた。キレイな花を見つけた、新発売のお菓子がおいしかった、ささいなことでも書き溜めていた。それを見返すことで、つらい現実から耐えていた。 そして、1番の心の支えはHO2であった。彼だけは私のことを心配してくれた。虐待の事はもちろん言えなかったが、察されていることも分かった。どれだけ「大丈夫」と言っても、ずっと心配してくれていた。 彼のことを愛していた。それは恋愛的な愛情か、友情的な好意かは自分でも分からないが、それでも心の拠り所であることは確かだった。 どうやら彼も彼で何か複雑な事情を抱えているということは分かった。彼の支えになりたかったし、出来ることなら共有してほしかったが、彼の口から説明されないということはきっと言いたくないのだろうと考え、いつか教えてくれるのを待っている。日記の内容も彼のことが増えたし、書く量も増えた。 そんな時、両親に日記のことがバレた。彼らはいとも簡単にそれを破り捨てた。その時、糸が切れたかのように、全てのことがどうでも良くなった。 彼らにとって私の幸せなんてどうでも良い。それはこの先どれだけ自分が頑張っても変わりのない事実だった。 ならばもう、いっそ死んでしまった方が楽なのではないかと思った。 誰かが助けてくれるなら、私とHO2を助けて、そして幸せにしてほしい。そんなことを願っている。

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