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■シエスタ・ハレモニー／悪魔 「今日の天気は〜？」 「雨時々"おさかな"が降るでしょう♪」 住所不定無職の野良悪魔。気まぐれに人里をうろついては、天気予報と称して胡乱な占いの押し売りをし暇をつぶしている。 ■ひとばしらの少女 女がいた。哀れな哀れな、親なし子だ。 女の父は、母は。長く長く続く日照りのせいで。僅かばかしの麦を我が子に譲って。そのまま腹をすかせて死んでった。 女の父母だけでない。皆がそうであった。女が産まれてから、雨はずっとずっと訪れず。この村は、この國はただただ雨を待ち望んで、干からびて絶えていった。 『ゔじがみさまの祟じゃあ』 女はすすんでひとばしらになった。 父母をなくしてから、女はずっとそうなるように教えられてきた。 村のためにお祈りをするために女はうまれてきたのだ。 女は氏神様がすんでいる湖──今は干からび、枯れ果て、見る影もないが──に身を投げた。 渇ききった土をほり、ひとひとりぶんの穴をつくり、そしてその中でただただ祈り続けていた。 雨はふらなかった。 村はいつの間にか皆がその故郷を捨てていた。 長い年月が経った。 女は、今も祈り続けていた。 もはや女の肉体はくち、祈りの理由も忘れさられ、女がいたことを知るものは誰もおらず。 女は、今も祈り続けていた。 「嗚呼──雨なんて、ずっと降らなければいいのに」 ■おさかなくん、空を飛ぶ ぼくがうまれたのは 兄弟の中でもいちばんさいごで ぼくはとびきり小さかったから いつもみんなからちびって呼ばれるんだ だからお父さんに聞いたんだ どうしたらお父さんみたいに大きくなれるの？ そしたらお父さんは たくさん冒険して 兄弟たちやみんなを助けてあげるんだよ そうしたら今度は君がお父さんになるんだよ って言ったんだ でもお父さんはお父さんで ぼくはお父さんじゃないからよくわからないな…… ぼくたちにあたらしい兄弟ができたよ！ 妹はすっごく遠いところにいるから 今から迎えにいくんだよ！ お父さんは お兄さんなんだから妹のことを守ってあげるんだよ って言ってたから ぼくも大きくなって 妹を守ってあげるんだ！ えへへ 早く会いたいな ■おおきな、おおきな、海のかいぶつ

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