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CoC｢クロッカスはリナリアを見ない｣ 友人KPC ◇ 吉乃の妹。引っ込み思案で昔から姉の後ろに隠れては世話を焼いてもらっていた。 姉が世話好き元凶なのかもしれない。 しかし常に姉と一緒にいる訳にもいかない。1人になってしまうと途端になにも出来なくなり、小学校からずっといじめの対象になり続けてきた。 耐えればいつか終わる。抵抗する術も持たないから、ただひたすら耐えて、親にも姉にも笑顔を見せて、隠し通した。 惨めだ。何のために私は生きているんだろうか。 何も出来ないから、何度も何度もクラスメイトを頭の中で苦しめて、痛めつけて、傷つけて、殺した。 たくさん苦しめばいい。どうして私ばっかり。 アイツらにハッピーエンドなんて訪れなければいいのに。 そんな時に本屋で出会ったのは枝垂桜の小説だった。最初に手に取ったのは表紙とタイトルに少しばかり惹かれただけ。 けれど、開いてみればそこには夢のような景色が広がっていた。とても綺麗で、真っ白で、穢れのない青春がそこにはあったのだ。 ああ、素敵。心が救われた気がした。生まれて初めてこんなに幸せを感じたのだ。 現実はこんなに辛いけど、枝垂先生の小説の中に入れば、私だって幸せな学生の1人になれる。 そっか私ってこんなに綺麗だったんだ。 彼の作品を読んでは、その主人公になる夢を見た。 そうすれば辛いイジメも耐えられた。彼の作品がいつしか生きる意味になっていった。 ◇ 生きる理由ができて、少しづつ人と普通に話せるようになってきた。これも全部全部枝垂先生のお陰。 作品は必ず発売日に手に入れ、何度も何度も読み返す。失っていた青春を、本を開くだけで手に入れられるのだ。 そんな日々を送っている中で、本当に本当に夢みたいなことが起きた。 姉が枝垂先生と知り合いだったのだ。 顔が広い姉だが、そんなのは初耳だ。それを聞け

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