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「このバンドの目標？ハッ！そんなん決まってんじゃねぇか」 「世界征服だよ！俺らの手で、仲間が安心して暮らせる世界にすんだよ！」 ーーーーーーーーーーーアングラ系バンド情報誌「UNDER DEAD ROCK」インタビューより 彼は元々孤児だった。 引き取られた孤児院はとても環境が良いものではなく、職員の虐待や孤児同士のイジメが横行していた。 ひ弱な少年だった彼もそのターゲットとなり、絶望の日々を送っていた。 そんな中、孤児院がFHによって襲撃され、彼を虐げてきた職員達と孤児達は全員殺害された。 名前も知らないFHエージェントは、その圧倒的な力によって彼の目の前で殺戮を繰り広げる。 それを見ていた彼の心の中にはドス黒い渇望が渦巻いた。 力があれば、俺の手で世界を作れる。 力があれば、俺の手で自由を生み出せる。 力がほしい。力がーーーーーーーーー そう思った瞬間、彼の叫びは爆音と雷鳴を轟かせ、周囲を破壊した。 彼がFHエージェントに保護され、FHチルドレンとなったのは、その直後のことであった。 それから十数年後、彼は小規模FHセルを任されるセルリーダーにまで上り詰めた。 ラウレスアレア外れのライブハウス「Missile Pencil」を拠点として、FHの工作活動を行っている。 彼自身が孤児だったこともあり、身寄りのないオーヴァードを引き取っては部下兼ライブハウスの従業員として匿っている。 部下からは仲間思いで義理がたい人間と評判だが、彼自身が過去の経験から"孤独"という概念そのものを嫌っている結果とも言える。 そして孤独を嫌う彼は、仲間に手を出したりルールを破る人間を絶対に許さない。 地平線まで追いかけてセル総出でブチ殺す、が信条である。 セルの目標は「世界征服」。孤独のない、仲間同士の自由な世界を作り上げるのが夢である。 FHとしての活動の他に、彼自身がボーカルを務めるロックバンド「Surprise Sonic」のリーダーという顔もある。 見込みのある部下はバンドメンバーとして活動させたり、マネージャーとして仕事を手伝わせたりしている。 彼のシャウトは聴いたものの体全身に響き渡り、彼同様孤独を嫌う者たちをたちまち虜にしてしまうと評判である。 対バン勝負はいつでも歓迎。熱いソウルを持つバンドは大体好敵手である。

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