タグ： メンタルセラピスト

辰巳は小4の時の席替えで隣の席が”鼠谷”になった。 今まで同じクラスだったことすら気付かないほど関わりがなかった。 この機会に仲良くなろうと積極的に話しかけるようにしてきた。 しかし、クラスが"鼠谷”がどういう扱いをしていたか知らなかった。 辰巳は友達になろうと毎日のように話しかけたが、”鼠谷”の負っている傷や、ボロボロの教科書を気にとめることはなかった。 ”鼠谷”に「何で話しかけてくるの？」と言われてしまう。 その言葉がとても辛そうにいった”鼠谷”の顔が印象に残っていた。 それ以降、”鼠谷”は辰巳を避けるようになり、そんまま卒業を迎え二度と会うことはなかった。 辰巳は”鼠谷”の辛そうな顔が頭から離れない。 辛そうな顔をしている人を放っておけなくなり、なとかならないかと考えた末、メンタルセラピストとして人の心をほぐし癒やしを与える仕事に就いた。 彼は今でも”鼠谷”の辛そうな顔を忘れる事ができない。 父親がカメラマンをしていた影響でカメラを触ってきた。 大人になり、趣味として写真を撮る事を楽しんでいる。

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