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「─────そう、だったのか。この手が届く距離は、こんなにも短かったんだな─────女の子一人、満足に護れやしない」 ▼人物 かつてとある姫巫女を護った妖神の血を引く家系、卿箔家の末裔。 どうやら、一度死に至った事があるようだが──────────？ 100年に一度執り行われる『狗狸還し(くりかえし)』の儀礼によって四神の力を引き継いだ少女であり、 言い伝えに残る初代の卿箔家当主が生まれ変わったかのような美しく気高い容姿に育っている。 ……しかし。その力の現れ方は、伝承に残る初代の姿とは対称的のものだった。 白き彪の如き強靭な爪牙、玲瓏たる蒼い瞳。荘厳な神獣としての側面が大きく表れたとされるが 黒く形容し難き邪悪の衣、爛々と燃える眸。憎悪と虐殺が、狂獣と化した彼女のすべてを支配する。 手にかけたものは壊れ、崩れ落ちていく。その力が途方もない破壊をもたらすものである事を、彼女は判っていた。 力を封じた。何かを護る為に何かを壊す決意をしたその瞬間まで、何も傷つけないように。 家を離れた。自分を育ててくれた家に、忌み嫌われし魔獣を孕んだまま住めなかったから。 人を拒んだ。護れないものを増やして、壊れるものばかりが増えるのを心の底で恐れたから。 そして呪悪の黒獣は、孤高(ひとり)になる。 ▼人間性 冷静沈着、ダウナー系。常に物事を俯瞰で見据え、独特の価値観を持っている。 物思いに耽る事も多く、一人でどこかを眺めていることがしばしば。 雨が、というか水が嫌い。浴室に入る姿も誰にも見せない。何かを隠しているようだ。

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