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「黄昏より昏く、血の流れより赤き者よ、我が命ずるままに悪しきものを撃ち貫け。 『ヴァレットオーダー』これより状況を開始する。」 …お前はただでさえ影が薄いんだから、登場ぐらいはキメろとヨハンが言っていたが、これで良いのだろうか。 [42] 施設ではそう呼ばれていた。其処で一緒に暮らしていた子ども達も皆、数字で呼ばれていて、それが当たり前だった。 大人がやって来るのは食事を運ぶ時と子どもを連れて来る時、そして連れて行く時だけ。連れてこられた子に聞いていた番号で呼びかけると、急に泣き出す子もいれば、すんなり返事をする子もいた。怒ってよくわからない言葉を叫んだ子もいた。今思えばその子達は自分の名前を言っていたんだろう。その中でも[54]と呼ばれていた子とよく一緒にいた事を覚えている。そしてその子は先に連れていかれた。これまでに施設から出た子で戻ってきた子はいなかった。 自分の番号が呼ばれ、大人達に連れていかれた先で台に固定され薬を打たれた。朦朧とする意識の中、ナニカされた時、警報の音と非常灯が点滅し、1人の大人によってその場から連れ出された。 パラディンと呼ばれるヒーローに助けられたと言われた。 その後は新しい呼び名(名前というらしい)を与えられ、手にした力の使い方を学び、ヒーローを行なっている。其れが正しい生き方らしく、他の生き方は教わっていないから

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