タグ： せーんのだぶくろ

「睡魔には何者も勝てません。私は数百年も前に諦めました」 「我々に負けはありません。母がついているのですから」 　神性を身に宿した不老不死。 　UGNのとある支部の女性支部長。見た目は10代後半から20代前半ぐらいだが、出自や年齢など様々なことが不詳である謎の人物。 　灼眼で、両足が不自由な為普段から支部から出ることがなく、出る場合も同伴者と共に出ることが多い。その割に、外の事情には何かと詳しい。特技はお手玉で、100年程前に地方紙の端っ子の方で顔写真付きで報じられたことがある。 　温厚な性格で、のほほんとしたマイペースな人物。普段頼りない部分が多いものの、何かと気が回ったり柔和な態度でエージェントやチルドレンに接しており、状況に応じた柔軟な判断力も持ち合わせていることから信頼は厚い。 　前線には滅多に出ることはないが、周囲から止められていること、支部の仕事に追われていること、彼女自身があまり乗り気ではないことが要因であり、戦闘能力がないわけではない。 　生活力が壊滅的になく家事全般がてんで出来ず、仕事場を書類で散らかしては付き添いのエージェントや夫である月之に片付けてもらっている。料理に関しては生まれてこの方まともなものを作ったことがなく、料理のできない運命を背負っていると言われるレベル。 　また、仕事中に机で突っ伏して眠っていることが多く、昼に眠りこけたまま翌日を迎え家族を心配させたこともある。　 　過去にかみさまと出会ったことがある、牛鍋が好物で、明治の頃食べたものが生涯で格別だった、など奇妙奇天烈なエピソードを多く持っていて、たまに世間話感覚で話すこともあるが、いつもの面白い作り話という感じで受け取られている。 　 　普段は前髪で隠しているが右目に青色の義眼を埋め込んでおり、この義眼に内蔵されたサポートプログラムを用いて情報の集積・分析、管理を行っている。この集積したデータをまとめたサラウンドレポートのデータベースは義眼を通して閲覧することができる他、エージェントたちの閲覧の認可、拒否を瞬時に下すことができるようになっている。 　両足は義足であり、元々ついていた足は烏として普段から支部の外に放っている。烏の基本的な活用方法は情報収集とエージェントへの指示出し。ただ、指示出しに関しては緊急時(仕事が終わらない旨を家族に伝えるなど)ぐらいにしか活用されていない。 　戦闘時になると、二羽の烏を背中に融け込ませ、翼として作り替えて使用する。 　過去にとある神様から古代種のレネゲイドウイルスを譲渡され、オーヴァードとなっていることからその神様の持っている権能の一部を彼女も使用できる。例としては、何も無い空間から彼女の望んだアイテムを作り出す、数千年前の、書簡として残っていない時分の知識を自らの経験のように語る、といったもの。本来レネゲイドウイルスの力を限界まで引き出さなければ使えないようなエフェクトを涼しい顔をして使ってみせることもあり、底の見えない力を持っている。とあるエージェントはこれらの能力を、彼女の思うままに世界自体が改変されていると考察していたが、真相は定かではない。 　 　月之さん 　夫。数百年前にとある村の神社で出会い、以降ずっと一緒に過ごしている。当初はかみさまからの願いを聞いて、彼と生活していたが次第に本心から心惹かれていき、ある時を境に夫婦という関係にまで発展する。 　支部では表立っての支部長は夕陽の方であるが、仕事の内容は互いの得手不得手を考慮して分担している。ただ、前述の通りに夕陽が家事全般できない為、家事を任せる代わりに月之の分まで仕事を熟している。 　夕月の出産後、育児と家事で時間が取られることもあって殆どの仕事を夕陽が熟すようになっている。 　夕陽自体がそこまで積極的な方ではないものの、現在も同じ布団で一緒に寝てるんですよね？　それぐらいの仲。 　夕月 　娘。多分初めての子。 　きっかけが何だったかは定かではないが、夫婦らしい営みというものを数百年の生涯の中で初めて知り、驚愕とその営みを致したいという劣情、それを超える何かしらの感情が起因したことがきっかけだったのかもしれない。そこら辺は不明。 　家族想いの優しい娘。だけど、その優しさが少しばかり心配。 　最近は反抗期なのか少し塩対応されることもあって寂しい気もするけど、夕月がすくすく成長してるんだと思うと母親として嬉しい限り。 　自分と違って夕月は家事ができることが少しばかり羨ましい。 　月陽 　息子。 　支部の前に捨てられているところを保護し、家族になった。 　過去の経験から放っておけないという想いが強くあって、無意識的に夕月よりも気に掛けている。少しばかり甘やかしてしまっているかもしれないとは思っている。 　 　 ＋詳細 　少なくとも100年以上前から生きている古代種。 　人里離れた集落で生まれる。彼女は生まれつき両足に障害を抱えており、その為にごく潰しとして大人たちから疎まれていた。それでも、集落の子供たちからは優しい姉として慕われていた。 　そんな折、日照りによる飢饉が発生、集落でも多くの餓死者を出すこととなる。その為に、大人たちは雨乞いの為の贄として彼女を村の田畑に磔にする。その際に右目を抉り取られる。 　日照りと餓えによって次第に衰弱していく中で、彼女は一人の女性と相対する。白い着物に、どこか人ならざる雰囲気を内包した彼女に、夕陽は無意識でかみさまと呼んでいた。 　そこでの数口のやり取りの末、夕陽は彼女を通して力を与えられる。それは彼女が持っている力の一部であったのだが、夕陽の肉体を時間の流れから外すのには十分すぎるものであった。 　不老不死の身体となった彼女に対して、白着物の女性は一つ頼みを言う。それは、弟の元にいてほしいというものであった。 　彼女はその願いを聞き届ける。無理強いをされたわけでも神様であったからでもない。女性の顔を見て、そうしないといけないのだと感じたからだ。夜御月之との出会いはその後、とある神社にて。

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