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某高校に通う高校二年生の男子生徒。父は居らず、母親と二人で暮らしている。 空手部に所属しており、選手として大会で優勝するなどの実績を上げているのだが、マネージャーもほぼ兼業しているような状態であり、しかも家では家事が苦手な母に変わって家事の一切を取り仕切っているため、物凄く忙しい毎日を送っている。合宿などには参加するが、いつもあまり長く練習時間は取れていない。それでもその実力は一切錆び付くことは無く、レギュラーの座を勝ち取り続けているため、かなり化け物じみたスペックを持っていると言っても過言ではない少年。 しかし、勉強はさほど得意な方では無いらしい。大学に行くのならスポーツ推薦かな……と思っている。 性格は真面目。というか、他に特筆すべき部分が無い。比較的幼少の頃から自主的に家事と空手漬けの生活を送っていたためか、良くも悪くもそれ以外に疎く、悪いことも年相応の遊び(恋愛など)もしてこなかった。となると、やはり根が真面目なのかもしれない。悪事の類には興味も無い。 頭の出来は普通なため成績は特別良いという訳では無いが、その代わりコツコツ努力して手堅い結果を出すタイプ。空手と同じで、きちんと基礎の勉強さえすれば結果は出る理論。そのため有用な資格の勉強をして、市役所職員などの公務員系の手堅い職に就くのが将来の夢、もとい展望。検事局勤めなどでも可。その辺の遊び心が全然無いため、逆に母や教師、友人が少し心配している。 空手に対してプライドはそれなりにあるが、基本的に格闘技の道に進もうとかは全く考えていない。護身や心身を鍛える目的で始めたものであり、その認識は今も変わっておらず、実は空手そのものに対する好悪の感情はほぼ無いに等しかったりする。 今時珍しいかもしれないくらいの孝行息子であり、反抗期らしい反抗期も全く無く、女手一つで育ててくれた母を助けることを心がけている。もっとも、思春期なのでベタベタはしない。頭を撫でられるのもどうにも恥ずかしいのでやめて欲しいとは思っている。あとことちゃんは人前ではやめて欲しい。 一応母の仕事は承知しているが、特に口を出すことは無い。その仕事で養ってもらっているのは確かだし、母も仕事の影をなるべく息子に見せないようにしてくれているので、触れることもないだろうと思っている。周囲に母の仕事を聞かれた時はベビーシッターと清掃業と誤魔化しているが、あながち間違いじゃないな……と思ったり思わなかったり。 職業ベース：STR系スポーツ選手(クトゥルフ2015) 職業ポイント算出方法：EDU×10+STR×10 職業備考：STR+1、EDU-1 技能補足 【芸術(任意のスポーツ技能)】→【芸術(マネージャースキル)】 ↓ 空手部にはマネージャーがいないことから、代々1年がマネージャー業(合宿の際の食事作り、道着の洗濯等)を兼業しているのだが、言成は1年の中では能力が抜きん出ていた。何故なら、幼い頃より家事スキル低めの養い親に代わって家事の一切を取り仕切っており、料理洗濯掃除裁縫といった一通りの主夫スキルを持っていたためである。 そのことから、顧問や主将直々に頼み込まれて他の1年にマネージャー業を指導する係に任命されてしまった。一応進級すればマネージャー業から解放される筈だったのだが、2年になった今でも指導係は続投させられており、言成は引き続き選手でありながらマネージャー業の一部を担っている。 特徴表 【鋭い洞察力】 優れた感覚の持ち主であるため、【目星】に＋30％。 ↓ 視力は低いが、試合中に相手の所作などから次の行動を読み取る術に長けている。試合以外では主にスーパーでの買い物で新鮮な食材を選ぶのに活用される。母さん、今日は新鮮な刺身だよ。 【格闘センスの持ち主】 幼い時から道場で鍛えられてきた。素手の戦闘技3つ(キック、組付き、頭突き)の基本成功率は50%である。 ↓ 心身を鍛えたいという名目で空手道場に通わせてもらった。存外肌に合っていたようで、今ではプロ選手顔負けの蹴りを放つようにまでなっている。 通過シナリオ ・ファミリー・マグショット ファミリー・マグショット 公開HO【HO2 子供】 あなたは子供だ。養い親は殺し屋だけど、あなたにはとても優しくしてくれる。 以下秘匿等ネタバレの設定 秘匿HO【HO2 子供】 あなたは子供だ。養い親は殺し屋だけど、あなたにはとても優しくしてくれる。 ……両親を殺したのが養い親のHO1であることを、あなたは知っている。血だらけで倒れている両親と、返り血に塗れたHO1をドアの隙間から覗いている。それが、あなたの原初の記憶で、それ以前の記憶は霞がかかったようにぼんやりしている。 あの日、両親に何があったか知っているかと聞かれたあなたは、目撃した光景のショッキングさによるものか、はたまた幼いながらも自分の身を守るためか、｢知らない｣と答えた。そうしてあなたはHO1に引き取られ、共に暮らすことになったのだ。 HO1が10年以上向けてくれた愛情は、あなたにとっては本物だった。だからこそ、あなたがHO1が何をしたか覚えていることを、HO1に知られてはならない。 ↓ 言成の一番古い記憶は、今から12年前。5歳の時の記憶である。家の床を真っ赤に染める両親と、二人を静かに見つめる女性の姿を、ドアの隙間から覗いているのだ。 言成にはそれ以前の記憶が無い。5歳ならもっと何かを覚えていてもおかしくないはずだが、その原初の記憶があまりにも鮮烈すぎたせいなのか、それ以外の何をも思い出せなかった。 両親は何故殺されたのだろう。養い親たる彼女は、何故自分を育てたのだろう。言成には何も分からない。 両親は殺されるような酷い人間だったのだろうか。それとも、もっと別の理由で彼女が、母と呼ぶあの人が殺したのだろうか。 母は何故自分を殺さなかったのだろうか。あの日、両親を殺した彼女が「知っているか」と問うたのに対し、「知らない」と答えたから。だから、思い出してしまわないか見張っているのだろうか。思い出してしまったのなら、口を封じるつもりなのだろうか。 言成の頭の中には、12年間もの間、これらの疑問と恐怖が巣食っていた。幼いながらに無知でいることで己を守ったあの日から、これらの答えを知ることは許されない。だから、ずっと抱えて、隠して、怯えるしかできなかった。 家事の一切を行うのは、彼女の家事スキルが壊滅的だからという理由だけではい。それは己が有用であるというアピールであり、媚びであった。「良い息子、可愛い息子」で在ることで、殺されないための命乞いをしていたのである。 空手を習いたいと申し出たのも、もし将来養い親に殺されるような事態に陥った場合を想定してのことである。生来の生真面目さと恐怖で見事に鍛え上げられた肉体と技術を手に入れることは出来たが、それでも、養い親にいざと言う時に抵抗して逃げ延びられる自信はあまり無い。あの日の真っ赤な彼女の姿が、血溜まりに倒れ伏した両親の姿が、どうしても脳裏から離れないのだ。 けれど、言成の中には、恐怖以外の感情もあった。それは、12年間己を息子として慈しみ、育て上げてくれた母たる彼女に対する、確かな愛情である。 ただ見張るだけなら優しくする必要は無い。わざわざ引き取り、養い、慈しむ必要なんて、まるで無いのだ。 空手の大会で優勝すれば我がことのように喜び、受験に受かればお祝いだと言って優しく微笑み、病気になれば不器用ながらに林檎を切って食べさせてくれる。そんな風に、母として接する必要など。彼女には、全く無いのである。 母が向けてくれる愛情を偽物であるとは思わなかった。その愛が本物だからこそ、確かに言成の中には母への愛情が生まれたのだから。 だが、この確かな愛情は、確かな恐怖と相反するものである。言成には、この矛盾する感情をどう処理すればいいのか分からなかった。これらに整理を付けるには、やはりあの日のことを知るしかないのだろう。 けれど、この「覚えている」という秘密を母に打ち明ける勇気は無い。何があっても殺されないという自信も無い。結局、言成は17歳になった今も、母とどう向き合うべきなのかを決めあぐねている。 ファミリー・マグショット：到達END・エンド4　両生還 ・安全の問題で母の仕事に同行した結果、意図せず自身の過去について知ることになった。両親の所属していたカルトのこと、そしてそのカルトにとって自身が生贄と言うべき存在であったこと、そうした覚えていなかったこと、知らなかった過去について、全て知ることとなった。 ・それと同時に、母が何故自分を拾い、育てたのかということを尋ねることとなった。口をつぐむのが賢かったのかもしれない。だが、これ以上はもう無理だったのではないかと。そう考え、怖いと思いつつも全てを打ち明け……結果、母は本当に己の母であり、己は母の息子に「成れた」のであると、知ることが出来た。 ・記憶も無く、しかも息子である自分をカルトの生贄にしようとしていた実の両親よりも、少々歪であれ真っ当に養育し優しくしてくれた母の方に天秤は傾いた。母のことを、これからも母と呼べることに喜んだ。自分はもう「鍍午 言成」ではない、本当の意味で「京羅 言成」に成ったのだ。 ・全てを片付けて帰った家で食べた肉じゃがは、いつも通りよく出来ていた。母さん、明日は何が食べたい？

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