タグ： 濃縮還元 NPC

－記憶を失くした少女。 名前、出身、年齢など自身に関する事は全て覚えておらず、どのようにして今まで生きてきたのかは一切不明である。学校へは行っていないが、一緒に暮らしている兄のような存在の人物に勉学を教えて貰っている。 性格は大人しく控えめでお淑やか…といえば聞こえは良いが、実際の所は内気で人見知りをよくするシャイガールである。赤の他人に相対した場合、物陰や自身が心を許した人間の後ろに隠れる等、見知らぬ人間に対して酷く恐怖心を抱いているような場面がちらほら散見される。 甘い物好きが高じてかお菓子作りが趣味でよくケーキやクッキーを自作してはそれを自身で食べたり、PCに食べさせたりしている。好きなものはいちごミルクで1日1回は飲まないと気が済まないご様子。 PCに対してはかなり心を許しているようで家の外であろうと中であろうと彼にべったりであり、片時も離れようとはしない。といっても、彼以外の人間に対して心を許している様子は無く、彼が唯一の記憶も身寄りも何も無い孤独な少女の拠り所なのだろう。無理もない。まだ幼い子供なのだから。 －彼女の半生－ 彼女の出身は日本から遠く離れた欧州の地、イタリアであり、マフィアのボスの一家に産まれた。名前はリリアーヌ。元の性格は天真爛漫で明るく、誰にでも優しい天使のような子供であった。 マフィアの一家といっても極々普通の家庭であり、他の一般家庭と何ら変わらない平和で幸せな日常を過ごしていた。特に年の離れた兄とは仲が良く、将来の夢は兄のお嫁さん、というくらいには懐いていた。また、そんな妹を兄も溺愛していた。 －しかし幸福な日々は1発の発砲音と共に終わりを告げる。 一家団欒で食事をしていた時、母親の胸を弾丸が貫いた。母親はその場に倒れ付し、その左胸からは鮮血が滴っていた。 先の抗争で父親の一派に敗北した一派が『お互いの日常生活には手を出さない。お互いの家族には危害を加えない』という掟を破り、ヒットマンを複数人雇い、この一家を襲ったのである。 状況を飲み込めていない彼女だったが兄の助けによりその場からは逃げ出すことができた。彼女のその身は仲間の手に渡り、一旦安全な場所に避難できる、はずだった。 不幸にもその男達は金の亡者であり、今所属しているこの組織も破滅の一途を辿ると予測し、その身を案じた彼らは人身売買組織へと彼女を売り飛ばしてしまったのである。 人身売買組織によって彼女の身は日本へと送られ、何も知らぬ土地で、見た事もない人間と、地獄のような日々を送ることになったのである。彼女がまだ12歳の時であった。 彼女を買った日本人は彼女に日本の言葉などの基礎的な事は教える一方、食事は必要最低限しか与えず、風呂には半月に1度程度という酷い扱いをしていた。そして毎日のように性的暴行を彼女に加えた。 そんな日常が2年ほど続いた。次第に彼女の身体と心は衰弱していき、ある日プツン、と何かが切れる音がしたと思うと、自分の事も何も、思い出せなくなってしまっていた。それでも彼女に何か行動を起こす体力も気力も湧かず、ただ座り込んで呆然と虚空を眺めるだけであった。 －その時、1発の発砲音がその虚無を打ち砕いた。 誰かは分からないが、ここにいた男の人を撃ち殺したようだった。そしてその人物は自身に何か言葉をかけた後、抱き抱えこの場を後にした。不思議と彼女はこの人物の腕の中は心地良いと感じていた。 その後、意識を失った彼女が目を覚ましたのはふかふかのベッドの上。傍には男が1人いるのみであった。彼が誰かは分からなかったが、その人の声を聞いているとなんだか安心した。 この日から1年が経ち現在、2人の仲は良好なものとなり、この日本の地で2人一緒の屋根の下、生活している。

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