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　Charlie・Brown - チャーリー・ブラウン 　いつもおどおどとした弱々しい態度の青年。 　ただでさえ肉のついてない体が猫背のせいで余計に小さく見える。 　被害妄想が激しく、毎日何かに怯えてはすみませんすみませんと謝りながら生きている。独り言が多い。 　コンプレックスは筋肉のつかない身体と天パ気味で変な色の髪と目の色と声と性格と自分を構成する全て。ネガティブすぎて何故か周りにキノコが生えてくる。 　何をしても全てがぱっとしない平均値で、パイロットになれたのも適正値ギリギリの滑り込み。ほぼ運。 　努力家ではあるので知識は人一倍持っているが、肝心なところでパニックになったり勇気が出ないせいで、いつも戦績は落ちこぼれ。 　実は空に特別な憧れを持っている。 「す、すみません……僕なんかがいて……その、皆さん僕よりよっぽどすごいパイロットだしカッコ良いし優秀で、僕なんて入る隙間無くて、ああ何でこんなところに居るんだろう僕は所詮何も出来ない出来損ないでグズで邪魔でノロマな使い捨てパイロットなんだ……はは、はははは……♪」 __________________________________ ▼ 同卓❎ゾーン __________________________________ 　初恋の女の子がいた。 　陽の光に照らされてきらきらと反射する綺麗なブロンドをふたつに三つ編みでまとめた、はにかんだ顔が一等かわいい女の子だった。 　遊ぶ場所が同じで、ときどき橋の下の坂道に座っておしゃべりをしたり、寝転がって空を見上げた。 　鳥は好き、軽くて自由だから。わたし生まれ変わったら鳥になりたい。 　ライト兄弟はすごい。自分で空を飛べる羽をつくったんだ。鳥にならなくても、人は飛べるし自由だ。 　ふたりしてそんな話をした。かけがえのない時間だった。 　ある日、女の子が死んだ。理由は聞けなかったけれど、理由なんてどうでもよかった。 　彼女のために、鳥になろうと思った。 　元々引っ込み思案な性格だったが、女の子が死んでから輪をかけて殻に閉じこもるようになった。 　どれだけ頑張っても天才の才能なんて無く、肉体に恵まれず、頭も特別良いわけではない。 　平々凡々、とうてい英雄になんてなれない人間だ。 　泣き言を言い鬱屈と日々を過ごしつつも決して空を自由に飛ぶ夢を諦めないのは、女の子のためだった。 　写真も手元に残っていない、フルネームすら知らない彼女「エミリー」が鳥になったのであれば、同じ空で自由に羽ばたきたい。それだけがただひとつの希望であり夢である。 　独り言はだいたいエミリーに話しかけてる。怖い。

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