タグ： 心臓がちょっと早く動くだけ

気が弱く自身のことを謙遜しがちで、「俺なんか」が口癖。小心者のように思えるが、ある瞬間別人のようになる。それが、カメラを持つ時である。彼は現在大学生兼フリーカメラマン。人々の心を掴むその腕前はそこそこの知名度に繋がっている。彼自身純粋に写真がすきなのもあるが、幼なじみとの約束がきっかけでカメラを始めた。 幼なじみの名前は彼方 千秋(おちかた ちあき)。快活で社交的な性格をしており、学は幼い頃から何もかもが真逆だと感じていた。そもそも人種が違うので学自身は遠巻きにしていたのだが、千秋は幼なじみという言わば特別枠をそれ相応に扱い、いつまでも親しく接してくれた。そんな彼女には親の影響でカメラの趣味があり、よく撮ってきた写真を見せてもらっている。過程で、学も興味を持つようになり、いつしか千秋の撮ってくる写真を見せてもらうのが楽しみになっていた。が、ある日、千秋は虹彩失調症(通称オッドアイ)にかかり、満足に景色を捉えられなくなってしまう。まるで自分の事のように気に留める学に、千秋は自分のカメラと夢を託した。(その頃から千秋の楽しみは、学が撮ってきた写真を眺めることである。) 学は千秋のためにカメラを続けているつもりでいるが、もう既に自分の夢にもなっている。しかし、幼い頃からの千秋への劣等感と、目の病気への罪悪感がそれを遮っていた。 千秋は、学に「自分の夢」を見て欲しい。しかし自分がカメラを進めた手前、直接言い出せず、密かに応援するのみである。 「これを通して見る景色は、千秋のであって俺のじゃない。…俺は、こんなにも美しい景色を、アイツの目を犠牲にして見ているのか。」 9月23日 好きな食べ物:うな重 嫌いな食べ物:ピザ

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