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シンハコダテホクトシンジュウロウ。新函館北斗家の三兄弟のうちの長男である。兄弟仲は比較的良好である。幼少期に弟・新函館北斗幹隆と喧嘩をした際、箪笥(ﾀﾝｽ)の角に顔を強打。右眉の端を2針縫う怪我をした。今でも傷が残っており、彼は目立たないよう前髪を下ろしている。 真面目で真摯な態度をとる警察官。勤勉な性格で、完璧主義的なところがある。そのため、細かいことを良くも悪くも気にしてしまいがち。いつも穏やかな表情で周囲に接する。他人に甘く、自分に厳しい。 零課・新函館北斗班を取り仕切っている班長。自分が零課を率いる班長であるということに対して責任感を強く感じており、自分がしっかりしていなくては、という気持ちが強い。目標は前班長・永犬丸瑛二と同等かそれ以上の班長としてメンバーを引っ張っていくことである。冗談がときどき通じない。班のメンバーとの仲は良好である。同僚であり仲間である零課のメンバーとより打ち解けようと言う思いから砕けた口調になるよう心がけているが、なかなか敬語が抜けないのが小さな悩みである。 某国立大学心理学部卒。成績は優秀な部類であった。当初は資格を取ってカウンセラーになることを志していたが、勉強を続けるうちにカウンセラーではなく警察官の職に就こうと、進路を変更している。心理学および精神分析の知識を持っているのは、変更前の進路に由来するものである。心理学の知識は警察官としての職務にも生かされているようだ。大学のゼミでは身体と心理の結びつきについて研究しており、その一環で催眠術を学んだ。催眠術の腕前はそれなりにあるが、あまり見せびらかすべきではないと思っている。相手が精神的なダメージを受けた時など、必要に駆られたケース以外は使用を控えている。 相模原涼とは恋人関係にあった。大学時代に学部が一緒であることが出会いのきっかけだった。それから10年の間彼女と交際を続け、婚約もした仲だった。 「俺が警察官としても男としても一人前になってから、あなたと結婚したい。それまで待っていてもらえますか」 相模原涼との約束を果たすべく、彼は警察官としての職務に日々邁進していた。彼女に見合う男になるために。 しかし、相模原涼の婚約指輪が結婚指輪に変わることはなかった。「庭師」による殺人事件にて、彼女はその人生に突然終止符を打たれる。彼女の命を救うことができなかった新十郎は失意に呑まれた。人前では気丈に明るく振る舞っていた新十郎であったが、心にはポッカリと穴が空いたような心地がしていた。 なにが一人前だ！大切に思っていた恋人を守れなかった！俺がもっと優秀であったならこんなことには！ ……もう、同じ経験はしない。私は大事なものをこれ以上奪わせない。奪うものには容赦はしない。 相模原涼の死をきっかけに、彼はタバコを吸い始めた。先輩の永犬丸が喫煙者であり、彼のように強くあらねばならないという一種のゲン担ぎという理由である。銘柄はピース、時々キャスター(ウィンストン)。吸い始めて3年程度なので、あまり喫煙の回数は多くない。今でも時折、煙を吸いすぎて咳き込むことがある(ただし、自分が吸っている時だけ)。 「庭師」に対しては強い警察官として逮捕しなくてはならないという使命感の他に、愛する人を殺された憎悪や怨恨の念もある。普段は冷静を装っているが、内心「庭師」がらみの話題には心穏やかではいられないようだ。「庭師」には法の裁きが下るべきだとつよく考えている。しかし、もしも法が裁かなかったとしたら？……彼は、自分で自分を押さえられるか分からない。 「私は新函館北斗新十郎、零課で班長をしています。勤続年数はまだまだですが、気持ちでは引けを取りませんよ」 「悩みがあれば俺に話してくださいね、班長としても一人の仲間としてもあなたの力になりたいんです」 「この分野は専門外なんですが……」 「敬語が抜けなくて……すみません。堅苦しいと言われがちなんですが、こればかりは癖で」 「……はは、たばこは苦いですね。まだ味に慣れません」 「俺は“庭師”を許すつもりはありませんよ。死んだって赦せません。愛する人を失う辛さは片身を失った痛みに等しいんです」 「俺の痛みをありのまま共有するのは難しいでしょう、あなたが同様の経験をしているなら別ですが」 「祈織くんは頭脳冴えわたるうちの班のブレーン、幸彦くんはいつも元気で力持ち、帆純さんはとっても優しくて器用。誰が欠けても、“零課”は成り立ちません」 「班長になっても、私はまだ半人前です。永犬丸さんにはまだまだ届きませんし、敵いませんよ」 ★通過シナリオ★ ・庭師は何を口遊む(HO1) ・純愛性リマ症候群[改変] ・ロッカー ・気付かせてはいけない ・ラストグラス-sideA ・カタシロ ・バニー警察24時(HO1) ・ビブリオフィリアのグランド・フィナーレ ・確信的イナモラメント ・navigator[7版]

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