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◆牙鳴 正義（キバナ マサヨシ） 顔が良いし、帝都内の交番に顔が利くポリ公 お茶目な八重歯がトレードマーク スーパーシスコンにいちゃん （嫉妬深い）（妹を溺愛していた）（妹の死を究明するためなら、雲出家の者を手にかける気でいる） 一人称：オレ そのほか：お前、あいつ、美弥子、（名前呼び捨て）、（名前）殿 （◆蛇足） 妹の美弥子を愛していた。 誰かの手に渡るのならば、オレが犯してしまおうかと、もう何度脳髄で甘い囁きが弾けただろう。 歪な劣情を抱きながらも、血縁を超えて心から愛していた。 それでもオレの幸せより、あいつの幸せが一番だった。 あいつがオレを愛す日が来ない限り、オレのこのどうしようもないどろりと熱く生臭い感情は隠しておかねば。 そう、 思って オレはてヲ引いていたと云うのに あの夕餉を食べている最中は、嫌に静かだった。 妹に不貞を疑う話が持ち上がったのだという母親の汚らしい舌の動きは、いやにのろまだった。 だから言い終わるよりも先に 箸を逆手に握り込み、喉目掛けて思い切り振りかぶった。 歯に噛ませた拳が母の口に収まりきらず、メリメリと口の紅を広げるように裂けていく。 最奥を目指したがった拳をぶくりぶくりと泡が撫で、目の前の肢体が痙攣し始めた。 茶碗の転がる音がして、見れば口から白飯をぼたりと零す父がいた。汚え。見られたので、ついでに殺した。 家に炎を放った。 「娘の不貞をきっかけに、一家心中を試みた哀れな夫婦」ということでかたがついた。 美弥子はあれから笑顔を見せない。だから、オレがそばにいなくては。オレが守ってやらねばならないな。 自然と口角が上がった。親友の脳医者や軍人らからは心配を賜ったが、きっとあいつらにはわからない。 いよいよ、美弥子にはオレしかいなくなった。 せっかく創り上げたんだ。たった二人の女と男が暮らすこの籠を。 実に甘美だった。オレだけの美弥子を飼う日々は。 不貞を疑われ、両親までもを亡くした女に、まさか縁談が持ち込まれるとは。 オレが夜半に心痛で嘔吐を繰り返し、指の肉と瘡蓋を噛むそばで、美弥子は大層嬉しそうにしている。 この箱庭を捨て他所の男を考えるこの女を、ついに犯し潰してやろうかと、殺気立った爪が伸びた。 白く細い首に指の腹が這ったところで、はっと我にかえった。 もう一度見送ろう。 どうせ美弥子は帰ってくる。何度でも、オレという存在がいる限り、オレを見捨てない。 ああ、お前を愛してやれるのはオレだけだと、早く気がついてくれ。 ……つつがなく祝言が終わってしまった。 何故こいつらは妹に押された様々な烙印を無視できる？理解できない。 でも、こうして嫁ぐことが美弥子の幸せならば。 臍を嚙んでも、あいつがオレという男を知る日は、ついに、この先一生無くなったのだ。 じゅるり、じゅるりと水音がやけに鼓膜に響いた。 それはもう美弥子でなくなっていた。 こんなもの、オレの美弥子ではない。 これは　悍ましい 化物 （その夜の出来事を、オレは今でも明瞭に思い出せる） ーーーーー以下秘匿原文ーーーーー HO 「カラス」 あなたはこの近辺に駐在する警察官だ。 しかし、あなたは雲出家を暴きたい。 あなたには思い出したくもない忌まわしい記憶がある。 それは、実の妹をこの手で撃ち殺したことだ。 あなたの妹は以前不貞を疑われて離縁された過去がある。 それ以来貰い手がなく、肩身の狭い思いをしていた。 そんな妹を嫁に、 と声をかけたのが雲出家である。 妹も喜んでその話を受け、滞りなく祝言をあげたその日の夜。 あなたは妹が人を食っている姿を見てしまった。首筋に歯を立て、じゅるじゅると体液を啜っていたのだ。 あなたは衝動的に、腰に下げていた拳銃で妹を撃ち殺した。 雲出家と関わるまで妹はいたって普通の人間だった。いったい何が妹をそうさせたのか。 あなたは雲出家を暴きたい。 「鷺をカラスと言いくるめる。」 例え、それが雲出家の人間を害することになるとしても。 【探索者作成について】 ・ 妹の名は美弥子（みやこ）。彼女を撃ち殺したのは一年前である。 ・ あなたは帝都内の警官や交番に顔が効く。

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