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落部　八雲（おとしべ　やくも）　28歳　男　国語教師 国公立の中学校である紅葉中学校で国語教師を勤めている。 授業の進行は良くも悪くも予定表通りに進めるタイプ。自分の授業におもしろみがないのはわかっているがそれはそれとして授業中に寝てる生徒は声かけ2回目から減点していくスタイル。 あまり生徒から慕われていないが、そもそも適切な対人の距離感を分かっていない。指導以外では基本的に自分からあまり人に近寄らない。 潔癖に片足突っ込んだ綺麗好きで普段から手袋を使用している。生徒との距離が縮まらないのはそんな自分のせいだろうと検討をつけていながらも変えるのが難しい。 イジメによって人と接するのが苦手になった代わりに昔から好きだった読書によりのめり込むようになった。 日本語の本もジャンル問わず読むし、英語の本を自分で訳しながら時間をかけて読むのも好き。 実家の自分の部屋も今住んでる家も本棚がたくさんある。 色々な光景を見せてくれる本に自分が惹かれたように、子供達の誰かが本に興味を持ってくれたら嬉しいと思いながらこの仕事を選んだ。 過去のイジメは今でも夢に見る。 真夜中に飛び起きては何度も何度も手を洗っているので手袋の下は日常的に荒れている。 家の外では基本的に手袋を外さない。誰もいない時の国語科準備室では外してるかもしれない。 イジメられていた時に階段から突き落とされ右膝を損傷。親に言えず放置していたら悪化。後々完治しても全速力で走ることが出来なくなったため足が遅い。 帰り道に投げつけられた石が左目に当たって視力が落ちたため外に出るときは眼鏡をかけている。 ふざけて開けられたピアスの痕があるため、前髪は上げられても横髪が上げられない。暑い。 過去のトラウマから何よりも清潔感を大切にしている。 喫煙所でタバコは吸うが準備室や教室、職員室に戻る前に歯磨きとミントガムで徹底的に匂いを消す。服にリセッシュもする。 でもタバコはやめられない。 生まれつき左胸から腕にかけて広く赤黒い痣がある。 過去のイジメは過去のこと。 確かに苦しかったし怖かったし信じられなかったしなんで自分が？っていう気持ちが当時はあった。それは今でも全部昇華できたわけではないけど、だからといって自分をイジメてた主犯の大村翼もその取り巻きも見てるだけの奴らも全員死んでほしいとかは思っていない。 現在も特定の言葉で具合が悪くなるし人の大声も笑い声もひそひそ声も苦手だし夢にも出てくるけど、今更謝られたって意味がないと思ってる。水に流すとかの話ではなく、謝られてもどうしていいのかわからないし、当時ならまだしも何年も経ってから謝るのも意味が無いと思ってる。できるなら一生関わらないでほしい。 だからこそ今の生徒たちがもしイジメをしていたりされていたりするなら、折角教師になったんだから自分は見て見ぬフリをするんじゃなくて少しでも良い方向に修正できるように関われたらいいと思ってる。これは過去自分がして欲しかったことでもあるから、もしかしたら自分のための行動なのかもしれない。 人が嫌いなわけではない。 しかし、人間関係の構築が圧倒的に経験不足である。特に同年代に関しては自分が近づいて拒否されたり多かれ少なかれ悪印象を持たれたらショックなので最初から距離を保つようにしている。 無愛想だが頼まれごとは断れない。生徒関係のこと以外では思いやりではなく、保身。 良い先生になろうとなんて思っていないけど、同じ立場の生徒がいたら自分たった一人でも気づいて手を差し伸べてあげられるような人になりたかった。……んだけどなぁ。

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