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2015ファッション系芸術家ベース 個人的な関心の技能→忍び歩き（家や学校で存在感を薄くするため）、隠す（藁人形の売り上げが見つからないように） めちゃくちゃな人生を歩んできた高校生。俺の人生、終わってる～～！！ 父の機嫌を損ねないように、母の負担を重くしないように、祖母がご近所でやらかさないように。 息を潜めて潜めて生きてきたのに、状況は悪化するばっか！カスどもがよお～～～！ しかも学校でもカスどもにちょっかいかけられて最悪なんだが～！？俺の人生、こんなんばーーーーっか！！ 最悪。死ね。気持ち悪い。消えろ。死ね死ねしねしね。 そんな言葉ばかりが頭の中を埋め尽くす。我慢している。本当なら大きい声でこの正直な気持ちを叫びたい。 けれどそんな事をしたらあのカスたちと一緒になってしまう。だから一生懸命に飲み込んで、上っ面だけは取り繕って、人と必要以上に関わらないように生きてきた。きっとこれからもそう。 いつからこんなに嫌な人間になってしまったのだろう。環境のせいでもあるし、それを変えられない自分の弱さのせいだという認識がある。 認識はあってもむかつくことはむかつくのだ。頭の中はいつでも罵詈雑言！ そんなカスな人生ではあるが、心の支えがふたつある。 ひとつは４つ上の姉。姉は同じ環境で育ったが自分と違って強く優しく、自分の憧れである。姉が進学と同時に家を出て行ったのは寂しく辛かったが、彼女を目標にして自分も残りの高校生活をどうにか生き抜き、この家を出ていこうと決意する事ができた。 もうひとつは趣味である藁人形作り。とはいっても本格的なものではなく、雑草を乾燥させて藁っぽくして作ったミニサイズのもの。ちょっとかわいい。それに端切れで作ったリボンを巻いてやる。可愛い。実は学校で拾ったカスたちの髪の毛をこっそり刻んで入れている。可愛いだろ。 ちょっとしたストラップとかキーホルダーサイズで可愛いので、姉の勧めで彼女の知り合いの店で販売してもらっている。姉と店長の好みにヒットしたようだ。自分の作った呪いの藁人形が店先に並ぶのは複雑な気分ではあるが、自分の作ったものが誰かに好まれるというのは、自分の存在が認められたような気がして嬉しかった。あとちょっと小遣い入るし。売上は家を出るための資金としてコツコツ貯めている。 （なお、本人のあずかり知らない所ではあるが藁人形に巻かれたリボンのカラーテーマがしっかりとしており、近隣オタクから推し概念グッズとして密かに人気である）（なんか呪いっぽいアニメとか漫画が流行ってるんじゃないっすかね） 今は高校２年生。あと１年と少し、耐えればこのカスみたいな場所から飛び出してやる。 そうして耐えて耐えて耐えてきたある日、出会ったのだ。あの殺人鬼と。 この殺人鬼がいれば、ひょっとしたらもっと早くこの場所から逃げられるかもしれない。 そんな昏い気持ちを心の隅に抱きながら、不遇な人生を歩んでいる少年は殺人鬼を匿う事とした。 姉：粕賀 陽

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