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白髪赤目で青白い肌をした細身の男。 ごく普通の農民夫婦の元に生まれるが、その特異な容姿から妖の子として山に捨てられる。 しかしその数日後、夜行は歩いて村へ帰ってきた。 不気味に思った村民は、彼を幾度も山へ捨てたが、 その度に彼はまるで遊びに行っていただけかのように楽し気に歩いて帰ってきた。 困り果てた村人は、日ノ本随一という評判の陰陽師に彼の処分を依頼した。 陰陽師が彼を山へ連れていき「いつも通りにしてみなさい」というと、夜行は木々へ向かって「おーい！」と呼びかけた。 すると、それに答えるように奇妙な容姿をした物の怪がぞろぞろと姿を現した。 陰陽師は悟った。 「この子供にはとてつもなく危険な何かが取りついている。そいつがこのような物の怪達を呼び寄せている」と。 しかしこうも考えた。 この物の怪達を使役出来さえすれば、彼は強力な式神使いになれるだろう。 陰陽師は、夜行を自らの弟子として迎え入れ、式神使いとしての修行を行わせた。 夜行は次々と修行を収め順調に成長していったが、それに比例して周囲の人間の不安も増していった。 一般的な式神使いが使役する使い魔達と、夜行の使役する式神は、似ているようで何かが違っていた。 「はっきりとはわからないが、あの化物達をこのままにしておいてはいけない」 そんな考えが、次第に周囲の人間を支配していった。 夜行の師である陰陽師が寿命で大往生を遂げた晩、遂に誰かが彼の寝ている小屋に火を放った。 その晩、夜行が育った寺は全焼。奇跡的に死者は出なかったが、夜行を除いた生存者全員が気を違えていたという。 ――――――――――――――― などといった曰くつきの噂が絶えない式神使い。年齢不詳だが見た目は20代前半。 特定の住居を持たず、人里にふらっと現れては物の怪退治をして賞金を稼いでいなくなる。 その容姿のせいで庶民からは敬遠されがちだが、珍しいもの見たさの商人や豪族からの依頼は多い。 女好きで、村娘が10秒顔を見ると篭絡されてしまうと言われている。 また、金使いが荒く宵越しの銭は持たない主義とは本人の言葉。 "百鬼夜行"という名前は彼を恐れた人々が蔑称の意味で呼び始めたものだが、本人が気に入ったのでそのまま使用している。 その正体は母親が父親化けた物の怪とまぐわってできた子供。半妖である。 物の怪は、夜行が生まれると共に取り憑いているが、夜行自身は認識しておらず、 物の怪自身も何をするでもなく意思表示も行わない。

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