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筋肉とは魔術であり、魔術とは筋肉である。アン・クロードは、自身をそう考える。 なぜ筋肉かというのは、詳しく話すと長くなるので割愛するとして、彼は虚弱体質だった。弱いなら鍛えれば良いじゃない、ということである。 結果、筋肉だけを育てた結果、虚弱は治らなかった。現実は非常である。 髪の毛が白いのは、過度なストレスのせいだがアンは気にも留めない。まぁ白くても良いじゃない、魔術師だもの。 走れば直ぐにバテて咳き込み、転べば最悪骨が三箇所折れる。雨にあたれば当然のように風邪を引き、常に貧血気味。たまに喀血もするが、彼は今日も元気に魔術の探求を続けている。 実家にあった僅かな魔術本、呪具、その他もろもろ。魔術師の血筋であるアンはその興味に逆らえず、魔術へとその手を伸ばした。 世界を周り、魔術への見聞を広げるとともに知識も広げている。無駄に知識が高いのはそのせいだ。ついでにその文化に早く馴染めるよう、常識の幅も無駄に広い。 胸元にある水晶はMPを貯める装身具。そしてその手に持つのは自身の魔力を上げるための魔術具だ。振り回し相手に当てれば大体死ぬ。あれこれ魔術具じゃなくてモーニングスターだな？ 今回、福沢諭吉協会への入会を決めたのは、魔術的書物の所有数が桁違いと聞いたからだ。これは魔術師としては見過ごせない話である。 世界を回っても実家と同じぐらいの成果しかなかった。自身を高めるなら、使えるものは使わなくてはならない。 ということで、まぁ世界なんて興味もないし、闇が覆うなら勝手に覆ってろとは思うが、アン・クロードは福沢諭吉協会に向かうこととなったのである。 両親はすでに土の下だが、あの日地獄から自分を救ってくれたあの人を第二の親と見立てている彼は、いつかその人に会えたら良いなぁという気持ちでもいる。世界のどこほっつき歩いてるか知らんけど。

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