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篤学者 関口サナ　21歳　学生 父の研究に興味があり、その辺りを学ぶかんじで勉強に励んでいる。 母親はリタ・ファルネッリ、イタリア人。 父親は関口さくら、日本人。 父さくらの研究の間にリタと出会い生まれた。 家族仲は良好であり、外見はリタに、学者気質な性格はさくらに似た。 出張の多い父であったが、ポストカードやビデオ通話などのやりとりは頻繁にされた。 妙な土産を持ってくることもあったが、母とサナにはアクセサリーを土産にすることも多かった。 おしゃれよりも文化や歴史に興味を持ち、父の話や本を積極的に求めるような子供だった。 一方で母はオシャレさんであり、そのうちリタへの土産は研究分野、母への土産は似合いそうな何かになっていく。 が、ある時父の訃報を知らされた。 悲しみに明け暮れる母と対照的に、元気付けたかったサナは、「自分が父の研究を継ぐ」と母に語った。 もともと興味のある分野だったし、父のように海外からポストカードを受け取れば、母も元気になると思った。 学生時分はひとまず歴史と考古学にのめり込み、洋服も父親の遺品を着た。 「あなたにはまだ父さんの気持ちがきっとわかるのね」 母は元気になった。 それからは、2人で生きていくための毎日だった。若くして亡くなったために得られた生命保険も、遺産も役立った。 サナは今日も自分の好奇心の赴くまま、何泊かする計画でミラノの美術館を訪れることになるはずだったが違った。 数年後、考古学者となり岸本と共同研究などをしていた。 父親が死んだ神殿への立ち入りが許可されたということで岸本がそこへ行ったきり、謎の手紙を残して消えてしまう。 それまでは楽しくも謎めいた世界を解明することへ好奇心を抱いて活動していたが、父親が死に、岸本も消えてしまったその神殿には単なる冒険心でなく 一種の復讐心や使命をもって挑もうとしている。 使命は岸本の安否と父親の死の真相であるが、 もっと切に抱く夢は、もう一度関口家のリビングでモンブランを食べることである。 また、この流れで決して死ぬことがないよう自分に言い聞かせている。 これ以上母親から何かを奪ってはいけないとわかっている。 母親の笑顔のために、自分のために、関口サナは夢を抱く。

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