タグ： MoMo家の男性陣

フランスで暮らしながら、罪人の首を刎ねる仕事をしている。常に、大きな鎌を持ち歩いており、 顔や首、身体中に傷がある。 常に人から怖がられる容姿をしている。 処刑執行人として、それなりの教育などを施されたものの、ローゼンハイム家の一件のせいで、どれにも力が入らず、勉学にはそれほど強くない。 時勢に疎く、自分がやるべき目先のことばかりに固執している。 ニコラ・ローゼンハイムの首を刎ねた瞬間から、自分という人間が恐ろしくなった。 恩人である、オデットの行方を突き止めた末には、父親を殺した事を自白し、オデットに殺されたい、と思っている。 オデットにもらったロケットペンダントをつけている。中には、ローゼンハイム家と自分が仲睦まじく笑う絵が入っている。 孤児として、路地裏で餓死しかけたところで、オデットに救われた。 初めは、何か裏があるのではないか、と警戒をしていたが、ローゼンハイム家は暖かく、優しく、自分を受け入れてくれた。 「幸せ」とはこれなんだ、と教えてもらった。 特に、歳の近いオデットとはたくさんの話をした。 絵を教えてもらって、自分が初めて手先が器用なことがわかり、ローゼンハイム家の人たちを描いて、皆に褒められた。 その際、オデットは大きな図体に傷だらけの身体を「かっこいい」と言った。 「どこがかっこいいんだ、怖がられるだけだ」と答えると、オデットは「それはみんなが一目置いてるってことで、あなたは気高い薔薇のようだよ」と言った。 自分の中で、その時のオデットの言葉がいつまでも残っている。 嘘偽りなく、小汚いネズミのように暮らしてきた自分を「薔薇」と形容してくれた彼女に心底救われた。 自分は、このローゼンハイム家に一生を賭けて、恩返しをしなければならない、と誓った。 しかし、気がつけば、自分は恩人の家主の首を刎ねていた。 ぽたり、ぽたり、と刃から落ちる鮮血は赤く綺麗だった。恐ろしかった。それは首の落ちたニコラの遺体ではなく、自分自身がだ。 半狂乱になって、ニコラの血が滴る刃を自身の首に突き立てた。しかし、刃が自身の首を切り落とすより先に、待機していた騎士たちに止められ、首には痛々しい傷跡が残っただけだった。 「生とは地獄だ。しかし、死とは無だ」 このような死生観をもちあわせている探索者は、自身が処刑人たちに一緒動くことのない「無」を与え続けている事に懺悔している。 しかし、その懺悔はどれだけ繰り返しても、救われることはなかった。 だからこそ、オデットを見つけ出し、かつ、ローゼンハイム家の無実を証明したのち、彼女に殺されたい、と思っている。 ―――【通過シナリオ】――― 2021/08/19 ジャンヌの猟犬 HO4 生還

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