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陶野　真一　（とうの　しんいち）　芸術家　30歳　男　　　一人称：僕　　二人称：君 陶芸の一人者になるべく、彼は厳しいことで有名な源次郎師匠のもとに弟子入りをした。彼の齢１８のころであった。 話は、彼が小学生のころにさかのぼる。彼の曽祖父は元教師であり、長男であった彼に殊更厳しく、彼に遊びの１つも許しはしなかった。 そんな折、彼は曽祖父の蔵である陶芸を目にする。彼がその魅力に心を奪われたのは、まさにそのときであった。 そのことを曽祖父に感づかれ、彼は必死に弁明した。娯楽にうつつを抜かすなど、あってはならないこと。きつく叱られると思ったのだ。 しかし、曽祖父は笑った。「わしの趣味がわかるとは、さすがわしの見込んだ男だ」と、それはもう豪快に。 その瞬間、彼は曽祖父に認めれた気になったのだ。そして同時に、陶芸ならば、自分は娯楽にふけってもよいのだと、そう思った。 それから、勉学に励むその傍ら、彼の娯楽は陶芸になった。彼にとって、この世でただひとつの娯楽。いつも険しい顔をしている曽祖父が、楽し気に笑う時間。 彼にとって、それは宝物のようであった。しかし終わりはいつも唐突だ。彼の狭い世界が、終わりの鐘を告げた。 曽祖父は突然、息を引き取った。殺されたのだ。他人にも、自分にも厳しい彼は、周りに敵が多かった。 曽祖父を刺し殺した男は、成人したばかりのような若輩者だった。曽祖父の真意などなにもわかっていない。ただ、見知らぬ老人に説教まがいのことをされ、恥をかかされて頭に血が上ったのだ、と。当時中学に上がったばかりの彼には、詳しいことは教えてもらえなかった。 曽祖父が亡くなって、彼の狭い世界に『神様』がいなくなった。 それはこの世界が瓦解することと同義。今までの彼自身がいなくなってしまうことと同義であった。 彼にはそれが恐ろしくてたまらなかった。なんとか曽祖父の面影を繋ぎ止めようと、躍起になった。 そうして、彼が縋り付いたのは陶芸だった。曽祖父が唯一楽しんでいた陶芸。それを好きだと言った自分の頭を撫でてくれた、しわだらけの手のひら。 陶芸をしていれば、またいつか曽祖父が褒めてくれるような――――そんな幻影が、彼をその道へと進ませた。 そんな彼も、今年で３０歳を迎える。 有名な源次郎師匠のもとを卒業した彼は、陶芸家にしては若いその歳で、陶芸一本で食べていけるほどに成長した。 しかし、その彼が未だ求めているものがある。それがなんなのか――――彼が曽祖父の墓参りに行けないことが、すべてを物語っていた。 とうの　しんいち STR:14　　DEX:14　　INT:16　　 アイデア:80 CON:13　　APP:12　　POW:11　　幸 運:55 SIZ:8　　　SAN:57　　EDU:16　　知 識:80 H P:11　　 M P:11　　回避:28　　ダメージボーナス:0 《聞き耳》　40%　《写真術》　50％　《図書館》　50％ 《目星》　　85％　《言いくるめ》70％　《オカルト》40％ 《芸術(陶芸)》70％《考古学》　　46％　《心理学》　50％ 《博物学》　50％　《歴史》　　　80％　《クトゥルフ神話》5％

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