タグ： 鬼の棲む

元々孤児であり、施設で育つ。高校に何とか入学し、同じような境遇の美人の恋人も出来て人生が幸せだった。 高校卒業式後、恋人と同棲する為家で待って居たが、恋人は帰り道で事故に遭う。祖父母も他界し、家族のいない恋人は救急搬送されるも死亡。家族でも血縁でもない桜士朗が病室に入れる筈もなく、大切な恋人の死に目に会えなかった。 桜士朗が恋人に再び垣間見えたのは恋人の葬式で、遺体の損傷が酷く身元も通学鞄に入っていた学生手帳で漸く分かった程。愛おしかったあの笑みや、穏やかな表情でさえ見ることが叶わず、等々顔が見れないまま恋人は火葬されていく。 恋人は骨となったあと、遠い血縁に引き取られていく。墓は教えて貰ったものの、損傷が酷いという理由で恋人に会えなかった事が最大の後悔で、自分の様な人間を減らすため、エンバーマーを目指す。知人である警察官に相談しながら、まだ捕まっていないという恋人を殺した人間を探している。日々死体を見ている為か精神力は強く、力も強い。有り金をはたいて買った恋人に贈る予定だったピアスは未だに開けられていない。開ける人がいないからである。自身はお揃いだったピアスを付け、日々を過ごしている。

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